放射能が原因でがんになったら賠償請求できるか
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20130419-00009166-president-bus_all&p=1
プレジデント 4月19日(金)10時45分配信

■「原子力損害の賠償に関する法律」をまずは押さえる

　福島第一原子力発電所事故(以下、原発事故)以降、がんになるリスクを心配している人は多いでしょう。今のところ、発がんの危険性はそれほど高くないというのが一般的な見解です。ただ、旧ソ連邦で過去に起きたチェルノブイリ原子力発電所事故のデータの信頼性や、今回の原発事故から史上類を見ない大規模な海洋汚染が生じたことなどを考慮すると、将来、がんが増える可能性を完全に否定することはできません。

　万が一放射能が原因でがんになってしまった場合、東電に損害賠償を請求できるのでしょうか。まず押さえておきたいのは「原子力損害の賠償に関する法律」(原賠法)です。

　原賠法は、原子力事業者の「無過失責任」と「責任の集中」を定めています。簡単にいうと、原発事故で損害が起きたら、故意か過失かにかかわらず、関係各者の責任も含めて原子力事業者がまとめて賠償責任を負うということです。また原賠法は、損害の原因が「異常に巨大な天災地変又は社会的動乱」だったときに原子力事業者に免責を与えていますが、政府は今回の震災は免責の対象外という判断を下し、東電もそれに従っています。法律上もそのように考えられます。つまり今回の原発事故で健康被害を受けたら、東電はその損害を賠償する責任があるのです。

　問題は、がんを発症したときに、原発事故との因果関係を立証できるかどうか。被曝に関係なく、別の原因でもがんを発症する人は大勢いるため、今回の放射能によってがんになったという因果関係を裁判所に認めてもらうことは、かなり難しい。

　ただ、「個別」ではなく「集団」としてみれば、因果関係が認められる可能性はあります。たとえば福島在住の人だけ他県に比べてがんの発生率が高かったり、福島の過去のがん発生率と比べて高くなっていれば、相当の因果関係の存在が疑われます。

　では個別に因果関係は立証できないが、統計的に見て放射能の影響が疑われるときはどうするのか。参考になるのは、「原爆症認定の対応」です。2008年、広島や長崎に落とされた原爆に起因する原爆症患者について、国は一定の要件を満たした人について原爆症と認める審査方針を発表しました。今回の原発事故もこれに倣い、一定地域内に一定期間住んでいた人ががんを発症すれば、損害と認めて何らかの補償を行うことの可否について重要な参考事例になると思われます。

　現在でも、原子力損害については文部科学省の原子力損害賠償紛争審査会が中間指針を発表しています。将来、福島県在住者のがん発生率が有意に増えることがあれば、中間指針を改定して対応することになるでしょう。中間指針では、避難を余儀なくされたために負った傷害や疾病、健康悪化によって生じた損害についても、賠償の対象としています。避難時に躓いて骨折したり、避難所生活で健康が悪化すれば、賠償の対象になります。避難指示や長期にわたる屋内退避などで精神的苦痛を受けた場合にも、1人月5万〜10万円の損害額を認めています(震災発生後1年以降は改めて算定)。

　放射能のストレスが原因で心身に支障をきたした場合も、賠償請求は可能です。その場合は、自分の精神状態を記録した日記や医者の診断書などの証拠をつけて東電に請求書を提出します。中間指針の範囲内でも、東電の回答は早くて2〜3カ月。範囲外の損害については対応が遅く、拒否されるケースもあります。拒否されたり賠償額に納得できない場合は、ADR(紛争解決センター)に持ち込んで調停へ。それでもうまくいかなければ裁判です。放射能でがんを発症した場合も同じ手順です。

東京山王法律事務所 弁護士 山口伸人　構成＝村上 敬

コメント
01. 2013年4月19日 16:33:44 : toYbAhkEPc どうやって証明するんだよ。無理に決まってる。それがわかってるから、子供を非難させないし、除染でごまかしたり、原発推進しようとしてるんじゃないか。くだらない記事だ。まあこんな記事書いてる連中も日々放射能にむしばまれているわけだが。
02. 2013年4月19日 16:40:14 : 1ioo7h1uY6 ■法をまともに　取扱えば 　加害企業　東電は　間違いなく 　責任を執らねばならぬ 　ただ　わが国㋑於いては 　東電のバラマイタ放射能は 　『無主物』であり　その責任は 　東電に　負わす事ができない・・・？ 　・・・これが腐りきった日本国の　裁判所の見解 　歴史に残る判例である
03. 2013年4月19日 20:52:57 : Y3nPO9hCj2 山口が裁判官に成るわけでないし、このような一般的の見解どおりに裁判で勝訴できると思っている人はいない。 　伊達判決の頃と違って完全に平目裁判官だけになってるし、ベンゴシも型破りの主張を構成するするような骨の或るものは居ない。 ではどうするか。ＴＰＰが施工されてたくさんやってくるアメリカ人のベンゴシに裁判させるのもありだろう。 　奴等は日本の法体系を無視して、強引な訴訟活動により風穴を開けてくれるかもしれないし、なんだったらアメリカの裁判所に訴訟を提起してくれるかもしれない。其れができれば行政訴訟や、国策裁判の泣き寝入りも相当改善されるだろう。裁判を通じて原発が活動廃止に追い込まれる可能性がある。
04. 2013年4月19日 21:15:50 : nJF6kGWndY コアとなる何名かの明らかに多く被曝したことが立証できる住人患者と一緒に集団訴訟を起こすことが有効だ マスコミが騒ぐので、被曝量が立証できなくても補償が得られる確率は非常に高まるだろう
05. 2013年4月19日 21:18:50 : nJF6kGWndY 有望なターゲットとしては、知らずに過剰に被曝した原発作業員や、 東電や行政の情報伝達が遅れて初期被曝で甲状腺がんが発症した子供などが良さそうだ
06. 2013年4月20日 00:00:32 : 8NcqzHYN5c イタイイタイ病の認定患者数は１９６人で他に要患者判定数は３３６人、水俣病患者総数にいたっては２〜３万人と推定されている。 通常の症例と明らかに違う症状及び特定の地域にこれだけの患者数が発生しても認定までには２０〜３０年の裁判を要している。 甲状腺がんや白血病は放射線の影響を指摘はされていても必ずしもではなく、自然発生的に発病することがある。 まず、１，０００人単位の発病から始まり、そして個々人の放射線との因果関係の確定と言う遠い道のりの末の補償でしょう。 そもそも救済法がないので、電離放射線障害防止規則による労災認定のようにはいきません。 前例主義のお上は、自分が担当の間に問題化することを恐れるので、のらりくらりとかわします。 参考（４月１９日の時事通信記事） 水俣病認定訴訟で勝訴が確定した原告のＭさん（81）の母で、1977年に死亡したＣさんについて、熊本県は19日、公害健康被害補償法に基づく患者と認定した。県は22日にＭさんに認定を通知する予定。 認定までに何十年を要したかわかりますよね。
07. 2013年4月20日 00:09:24 : FfzzRIbxkp 線量が高い地域で、アメファミのがん保険の勧誘すごいのぉ？
08. 2013年4月20日 04:30:24 : 7vkGiDDoeQ ４０年、門前払いされた後で、裁判にやっと勝っても、“謝罪”に来た大臣に「でもやっぱり認めない」と言われる未来。 水俣病患者を公然と、ユスリタカリの詐病呼ばわりした挙句、あの慎太郎が土下座したって話はマジですか？ ってか、土下座で済む話か？
09. 2013年4月20日 07:11:12 : a9qDoJfKas 　低線量の放射能内部被曝蓄積による発ガン、因果関係を証明できるわけない。 まして、今”絆”によって福島のゴミ掃除を助けるべく放射能が付いたゴミを全国各地で焼却処分と称して均等に汚染させるべく燃やししてるんだから、まず不可能。 　長年かけて裁判してる最中に日本国は諸外国からの賠償請求、関東平野の人口消滅、ＧＤＰ４９％の消滅で崩壊してるよ。 弁護士は食っていけなくなる。
10. 2013年4月20日 08:00:49 : PvEDfhWLzM 被爆者援護法の被爆者の定義から、被曝量を考えると、１ミリシーベルトなんだそうです。 -------- 広島、長崎の原爆で1ミリシーベルト以上浴びた場合に、無料で医療、入院ができる法律がある http://ameblo.jp/misininiminisi/entry-11498743741.html -------- ですから、首都圏の住民のおおくは１年の被曝でも１ミリシーベルト行ってしまいます から（数年では累積してはるかに大きな数字になります）、当然原爆被爆者とおなじ 権利を主張できるでしょう。

11. 2013年4月20日 08:44:41 : 8NcqzHYN5c 父親が現在９５歳で認知症、長崎の爆心地から５００ｍの工場に居たが全く無傷という家族から聞いたが、長崎市の全員が被爆者手帳を持っていると思っていたがそんな甘いものでなく限られた地域及び爆心地から半径何ｍに居た人だけだそうです。国に金を出させるのは簡単ではないです。 それと比較すれば、原発事故の一番の問題は、そもそも事故は起きない、放射性物質は漏れ出さないという幻想を前提に自治体が誘致し原発マネーで住民も潤ったわけで、周辺住民を放射線から守り補償する法律を作らなかった、また、求めなかったこと。 厳しい言い方をすれば、自治体も住民も金に目がくらみ、結果として被曝したから補償しろって言ってる。今も福島以外の原発立地箇所で、原発以外に産業がないから再稼動して欲しいみたいな所があるが、そこで同じような事故が起きても同情できますか？ 他の公害問題とは根が違うような気もしています。 憎むべきは東電等だが、原発のおかげでって言ってた人たちもおかしくないかい。
12. 2013年4月20日 16:03:42 : 6eJYETO2fI >>11 言いたいことはわかるけど、建設時は国も電力会社も「事故は絶対に起きない」と言っていたはず。東大の学者まで「大事故は天文学的な確率でしか起こらない」とか言っていたようだ。そして何処でもいることはいたらしい、反対派住民たちの意見はあの手この手で潰されてしまった。 そして住民が不安を抱いてはいけないという理由で、アメリカなど他国では行っていた万一に備えての原発周辺住民の避難訓練もやらず、ヨウ素剤の事前配布もしていなかった。やはりその責任は住民と比べても格段に大きいと思う。 百歩譲っても、立地住民であろうとなかろうと、大人には責任があっても子どもには罪はないだろう。 私は原発の無い、そして原発からの電力は供給されていた首都圏の住民だ。反原発の運動のことは早くから知っていて、彼らの言う通り、原発は危険なのかもしれないとどこかで思いながらも、「自分自身の問題」とはあまり考えられず、今回の事故が起こるまでは何もしてこなかった。 たとえば、私のような人間は原発を欲しがった立地住民と比べても罪が軽いとは言えないような気がしている。 もちろん再稼働にはどこであろうと絶対反対する！
13. 2013年4月20日 17:05:56 : 7vkGiDDoeQ ここでコメントしてるみんなそうですよ。日本中そうですよ。 福島に原発が（福島だけじゃないですけど。）あるのを知ってたのは、福島の人たちだけじゃないですよ。 福島にあるのを知らなかった人たちも、日本にあるのは知ってたでしょう。 立地自治体のように解りやすく恩恵受けたわけじゃないけど。その分、被害も福島の人よりは小さいでしょう。 東電の電気なのに圏外の福島に原発があった。 関東も被爆してますけど、関東にあったら今以上の被害だったかもしれない。 首都直下が先だったりしたらありえたでしょう。 なのに今さら文句言うのってどうなの？って東電に言われたら。 福島の人たちが最初に「今度俺らで原発やることにしたから、金くれたら東京で電気使わしてやるけど、どう？」 って言い出したんじゃなきゃ。 ３１１のあの日まで、「原発は安全」でした。この期に及んで再稼動認可しようとする自治体と、福島は違う。 今までの恩恵、これからの賠償。うらやましくないでしょ？
14. 不乱坊 2013年4月21日 04:44:57 : kbTBOGSw0930o : DKDuYy9QiA ＞12　原発を欲しがった立地住民と比べても罪が軽いとは言えないような気がしている。 私もそう思います。原発はなんとなくイヤだ。通常運転でも、実は放射性物質が周辺を汚染している らしい、という噂もあったし、チェルノブイリとは違う、という推進側の強弁も信じてはいなかったが、 でも福島の事故みたいなことが現実に起こるとまでは想像できなくて、積極的な行動に移してこなかった。 そういう自分が、事故の後になって、立地自治体の人々だけを責めようなどと思わない。 この前の選挙結果を見て、福島県民を愚かと蔑む向きがあったが、原発推進派の自公を勝たせたのは、 東京を始め日本全国。むしろ、福島の人々が、さっぱり救済も復興もやる気の見えない民主党政権に ペナルティーを与えたいと考えたとしても、なんら不思議はなく、東京電力本社および原発推進の 総本山たる経済産業省を目の前にした東京都民の選択の方が、私には意外だった。 もちろん、大飯原発を再稼動させた、私の住む関西圏の人々の選択もひどいものだ。 原発は、この地球に存在させてはならなかった。誤った選択をし、その存在を許してきた日本の 有権者全体の責任です。立地自治体の人々を責めるのは、本当の敵を前に内輪もめするようなもの。 利敵行為だと思います。
15. 2013年4月21日 09:43:13 : 0uakbCRtKo あの福島原発事故のあとで甲状腺癌とかその他の癌とか心筋梗塞とか白血病とか肺塞栓症での死とか先天性異常で子供が多数生まれたとかそういう事が明らかに通常とは比較にならないほど多いと統計で出たとしても、では「どの人が原発放射能由来の発症か？」と言われたら、それを証明するのは難しいでしょう。 何しろ司法でさえ「出てしまった放射能は無主物です」と判決するくらいですから。 国が東電に味方して完全犯罪って事にしてあげたって事ですかね？
16. 2013年4月21日 10:02:50 : CTSom6XqVo >>15 ＞それを証明するのは難しいでしょう。 統計で出れば、それが証明です。でも日本の裁判所は腐っているからまあ駄目でしょう。 また統計自体政府がおもに扱っていますから、隠蔽とウソで真相はあきらかになら ないはずです。

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