★阿修羅♪ > 原発・フッ素31 > 664.html
 ★阿修羅♪  
▲コメTop ▼コメBtm 次へ 前へ
動画&文章:チェルノブイリ被害の全貌〜アレクセイ・ヤブロコフ博士講演会 
http://www.asyura2.com/13/genpatu31/msg/664.html
投稿者 赤かぶ 日時 2013 年 5 月 23 日 11:03:00: igsppGRN/E9PQ
 

動画&文章:チェルノブイリ被害の全貌〜アレクセイ・ヤブロコフ博士講演会
http://asumaken.blog41.fc2.com/blog-entry-8866.html



日時: 5月18日(土)午後6時30分〜
会場: 星陵会館
主催: チェルノブイリ被害実態レポート翻訳プロジェクト
共催: ピースボート、グリーンピース・ジャパン、FoE Japan、グリーン・アクション、
    原子力市民委員会
協賛: 岩波書店
解説: 崎山比早子
司会: おしどりマコ


愛なる友人の皆様こんにちは。
今日このような形で、私の本が日本語で今日出版されたという事を記念する形で皆様にお会いできる、
そして、日本語版の私の本を皆様にご紹介できる事をとても嬉しく思っております。
さて、私どもでありますけれども、ロシア、ベラルーシ、ウクライナ、そしてヨーロッパ、
広くヨーロッパでありますけれども、
チェルノブイリの発電所の事故が起きた後、大変悲しい経験というものをしたわけであります。


よく言われる事でありますけれども
「自分の経験に学ぶことができないものはおろか者である」と。
「賢い人間というのは他人の教訓から経験を得る事ができる」と言われておりますので、


その私たちの20何年前をはじめとして積んできたかなしい経験という事をお話したいと思います。
恐ろしい経験をお話したいと思いますので、是非その事から教訓を汲んでいただければと思います。


そして今日の私の講演の時間ですけれども、
大変限られたものでありますので、全てお話するというのはとても無理ですので
かなりかいつまんだ形での、
つまりいろいろなポイントを話す事が出来ずに終わる講演会になるかと思いますので、
疑問に思う点、さらにより詳しく私にこの会場で説明してほしいという事があれば、
是非ともご質問という形で寄せていただければと思います。
最後にお詫びですけれども、私はひざが痛いので座ってお話しをさせていただきます。


さて、チェルノブイリの学術的な本という形で、
それなりにまとまった形になっている研究論文、そして本というものは、
全世界で3万から4万は出ているかと思います。3万種類、4万種類出ているかと思います。
わたしたちが研究したチームとしてこの本を書くにあたって、
実際にきちんと読んだのは約5000点であります。


そしてこの本「チェルノブイリ大惨事 人と環境への影響」でありますけれど、
一番最初の形、第1版の形として出たのがロシアのサンクテルグブルク。
2版目でありますけれども、それが2009年にアメリカのニューヨークで出ました。
そして2011年ウクライナの首都のキエフで出て、
そして今回日本の首都の東京で出版された訳です。


さて、チェルノブイリそして福島の事故に共通している点でありますけれども、
これは放射性の降下物が落ちたその形というのがまだら状になっているという事であります。
これは例として私の本の19ページに挙げている図でありますけれども、
ギリシャ全土であります。


ギリシャを例としてスライドでお見せすることにしたのは、
チェルノブイリからもかなり距離として離れているし、
またロシアからもそれなりに距離として離れているからであります。


そして福島の事故の後の放射性降下物もこういった形で、
まだら状に、斑点状になっている訳であります。
こういった降下物に関して一様ではないという事はとても良くない事であります。
と申しますのは、100m離れただけでですね、
その濃度というものが3倍、4倍、あるいは3分の1、4分のという形で変わってしまうからであります。


そしてこちらの例として挙げたギリシャ、二つの地図をあげた訳ですけれども、
上の方が銀125であります。
そして下がセシウム137という事なので、
放射性の降下物でありますけれども、放射性核種であっても種類が違うと違った濃度で
同じ所でも違った濃度で落ちてくる、沈着するという事が如実にわかるわけです。


そしてこちらの右側の図でありますけれども、
曲線で表されているもの、様々な種類の放射性核種でありますけれども、
チェルノブイリの事故でも、福島の事故でも、
何十種類、何百種類というものが飛び散った訳でありますけれども、
大変短い時間でありますけれども、量が変わってしまう訳で、
一日一日と量が測ってみると減少していますので、
当初はどれだけのものがどれだけの濃度で落ちてきたのか?という事を、
再現、復元するという事が大変難しい訳です。


従いましてその、シーベルト、20ミリシーベルトだどうのこうのと、
線量の数字をあげること自体が無意味だと言うのも、このグラフからも分かって頂けると思います。


さて、こちらのグラフでありますけれども、
チェルノブイリの事故が起きてから数年後にどのような形で癌の発生、
癌の罹病率が推移しているかという事を示しているグラフであります。
上の白い方が、本では140ページの6.2でありますけれども、
この一番上の白い四角になっている所がブランスク州という地域で、
これは相当に汚染度の強かったところであります。
真中はですね、汚染度がより弱かったロシアのある州であって、
一番下がロシア全体ということになります。


そしてこのグラフから分かるのは、
汚染がひどければひどいほどですね、癌の罹病率というものが高くなるという事になります。
ここでグラフに表した癌は固形癌であります。
つまり血液の癌以外の癌というもので表した訳であります。


従いましてここに関しても、
線量の数字がいくらであるかというその数字を挙げるという事自体が無意味であるという事になるわけです。
これはチェルノブイリの事故以降、主にですね、この例としてはロシアで起きた事なんですけれども、
同様の事がみなさんの国でも今後起きるということです。


さて、癌のうちで一番最初に増えるという罹病率を示すのが甲状腺がんということになります。
チェルノブイリの事故では4年後に甲状腺がんの発生率というものが増えました。
日本ではこれから1年後にこう言った状況になっていくと思います。


そしてこちらのグラフで示したのは、ベラルーシとウクライナという事で、
チェルノブイリの事故の影響な訳です。
つまり、がんの、甲状腺がんの罹病率が増えているということでありまして、
ただ、もちろんこれに対しては反論があって、
癌の発生率というものは
チェルノブイリの事故といったものが無くても、癌の発生率は増えているという意見があるわけですけれども、
ただ、それに関しましては、左下のグラフを見ていただきたいと思います。


これに関してですね、癌が単純に増えるというのであればまっすぐな直線となって増えているんですけれど、
この左下のグラフは、飲んでは139ページの6.1でありますけれども、
明らかにチェルノブイリの影響があるので、
いわゆる自然にがんが増えるものよりも、もっと大きな形で癌が増えている訳であります。
ですからこれは明らかにチェルノブイリの影響であります。


そして甲状腺がんが増えましたのは、チェルノブイリ以降増えたのは、
ベラルーシ、ウクライナ、そしてロシアに限られた事ではありませんで、
こちらで例として見せているのはギリシャとルーマニアという事ですね。
チェルノブイリからはより離れているところの例であります。


さてこちらは乳がんでありますけれども、
乳がんの罹病率に関しましても、これも確実にチェルノブイリ以降伸びましたし、
この日本でも増えていくという事を私は考えております。
またこちらでお見せしているデータでありますけれども、
これはベラルーシ政府の公式な統計数字であります。
ここからも、汚染がより強い地域から乳がんの罹病率が増えているという事がわかります。
そして事故後8年、9年、10年経つと、乳がんの罹病率が飛躍的に伸びているという事がわかります。


こちらのお見せした図は本の138ページの図1に載っているものでありますけれども、


これは先天性の異常、先天性の奇形と言う形の新生児が生まれた状況でありまして、
これはチェルノブイリの86年の事故後2年後から出た数字であります。
これはウクライナのジトミールという州のルギヌイ地区ですね。
ここは人口4万人でありますので、
日本で言えば県よりもはるかに小さな、県の中での地区という小さな単位ですけれども、
そこで具体的に出た数字であります。
こういった子どもたちが生まれました。


現在アメリカですけれども、
チェルノブイリの事故に由来するところの東ヨーロッパ全体における先天性の異常児についての本、
専門書、モノグラフというものが現在出版準備が行われています。


さてこちらでありますけれども、
これは岩波から出た本では120ページにあります、その5.11でありますけれども、
これは被ばくの量が小さいものであっても、目の水晶体の混濁が起きるという事を示したグラフであります。
この水晶体の混濁は白内障にと繋がるものでありますけれども、
このセシウム137の量というもので表されていますけれども、
これは大体25ベクレル/kgというものを超しますとね、水晶体、
それも目の水晶体の混濁というものが著しく伸びるわけであります。


さてこちらは岩波の本では65ページの図の5.2と5.3に書かれたものでありますけれども、
21トリソミ、いわゆるダウン症候群でありますけれども、
その発生率という事でグラフ、
上のグラフがベラルーシ、下が西ベルリンであります。
ちょうどチェルノブイリの事故から9カ月後ですね、
に、そのダウン症候群の子どもの出生率が増えたという事が示されているものであります。


そして実際にチェルノブイリ事故の9カ月後にこのような現象があったという事を語っているデータは、
実は数多くあります。
日本に関しましてもこれはすでに福島以降過去のことになっている、
すでに過去の事となっていますので、
こういったデータは必ずある筈です。


さて、こちらでありますけれども、チェルノブイリの事故の後ですね、
その放射線の照射に由来するところの健康障害というところで挙げてあります。
こちらは英語でありますけれども、本の中では詳しく述べてあります。


まず一番最初の3つだけを読み上げますと、


血液、心血管系ですね。
そして内分泌系、糖尿病も含めてでありますけれども、
また免疫系統もといった事で健康障害というものが起きています。


そして本の中にはそれぞれの各系統の病気に関しまして、何重もの具体的な例というものを書いてあります。


そして被ばくの健康への影響という事で着目すべきもうひとつの点でありますけれども、
老化が早まるという事であります。
子どもたちが老人のような形になってしまう。
また、高齢者に関しましては高齢の度合い、老化というものがより早く進むという事であります。


また生まれる子どもの性別の比率というものがわかりまして、
男の子が生まれる数、率というものが減少します。
つまり、男の子として受胎したものが出生、
生きて生まれるというところまで行きつかないという割合が増えてしまうという事であります。


また、一人の人間であっても複数の病気を抱えるという状況が生まれます。


さてこちらは本では97ページに書いてあります。図としては5.9でありますけれども、
これはチェルノブイリの事故処理に当たった人たちの家族とそうではない、
同じ地区の平均的な家庭の流産率というものを比べたものであります。


この、チェルノブイリ原子力発電所の事故処理に当たった人たちの事を
ロシア語でリクビダートルと言っているわけですけれども、
もちろん福島原子力発電所での事故処理に当たった人たちもいた訳ですけれども、
チェルノブイリの事故処理に関しましては、80万人という非常に沢山の人が事故処理に従事しました。
そして彼らに関しては医学的な追跡調査というものが、かなり良く行われていましたので、
データもかなり残っています。
そこでここに示された事故処理以降に2年間は
流産率が非常に高かったという事が分かるグラフであると思います。


さて、こちらが幼児死亡率でありまして、本の141ページに挙げているグラフであります。
左がドイツで右がポーランドでありますけれども、
チェルノブイリの事故にまさに由来するところの幼児死亡率が
急激に上がった時期があったという事が、統計上も確実に有意である、
意味があるという大きな数字となって跳ね返っております。


さてこちら、幼児死亡率でありますけれども4つの国、
ノルウエー、これは本文では171と172ページにあるグラフで、
左上がノルウエー、右上がスイス、
左下がスウエーデンで、右下がフィンランドという、4つのヨーロッパの国でありますけれども、
幼児死亡率を示したものであって、これは学術書から取った数字ではなくて、
それぞれの国がですね、通常通り国が統計として発表している数字を
ただ単にグラフに載せてみたという事であります。


この直線がですね、幼児死亡率が下がっているという事なんですけれども、
ただ、チェルノブイリの事故の1896年から2年間というものがですね、
その普通に下がるべき乳児死亡率の線を遥かに超えて乳児死亡率が上がっているという事がよく分かります。
そしてそれぞれ国が違う訳ですので、
その説明できる原因はただ一つ、チェルノブイリの事故という事であります。


さてこちらでありますけれども、これは死亡率に関してでありまして、
岩波の本では、日本語版では179ページの図の7.22であります。
これは事故後20年の時でありますけれども、
ロシアの6つの州でありますから、日本のちょうど県にあたるものと、
汚染土の高い6つの州と、汚染度が相対的に低い6つの州の死亡率を比較したものであります。


その結果でありますけれども、
汚染土の高かった所に関しては死亡率が上がったという事が
統計的に有意な数字として表れているものであります。
1u当たり1キュリーというものであったわけですけれども、
そして、この数字というものを数式として全世界人口に当てはめて計算をしてみますと、
チェルノブイリによって追加的に随分、
チェルノブイリに由来する追加的な死者というものが、
全世界で80万人から90万人という数字を出す事が出来ます。


原子力発電の推進派の人達はですね、
そういった被ばくによる後遺症、影響というものはそもそも意味がないと。
いわゆる「放射線恐怖症」というものに取り付かれた人間が
心理的に自分を病に追い込むのだと言う反論というものが、皆さんご存じのものがあるのですけれど、
ただ人間と同じような現象が
ハタネズミ、燕、カエル、また一般のネズミというものに多く起きている訳ですね。
そういった動物が「放射線恐怖症」にとらわれるということはありませんので、
原子力発電推進派の意見というものには根拠がないと私は考えます。


では、チェルノブイリの教訓に移りたいと思います。
教訓はいくつもあるわけですけれども、
そのうちのいくつかだけを取り上げますと、


まず教訓その1
「放射能の状況は安全です」という当局の情報を信用してはいけません。


そして教訓その2でありますけれども、
空気、大気、食品、水に関しましては、独立した放射能モニタリングを確立しなければいけません。


そして教訓その3でありますけれども、
放射性核種の中で
体内に取り込まれてしまった放射性核種のモニタリングを、
これもまた独立した形でのモニタリングを確立しなければいけません。


さてそれでは私のような人間、研究者を含めた私のような人間と、
公式な、たとえばWHO,世界保健機構との見解の間に違いがあるのは何故か?という事でありますけれども、
これはWHO,世界保健機構と、IAEA,国際原子力機関の間に協定が結ばれているからであります。


その事によりましてWHOは医師の誓いですね、ヒポクラテスの誓いというものにそむく形で、
原子力発電のロビーと相談することなく、
ある種の事実というものは公表してはいけないという事になっているからであります。


そして私はジュネーブを訪れるたびにWHOの本部前の、
こういった毎日8時から18時まで行われておりますピケに参加しております。
これは、数人しか参加をしない事が常な訳ですけれども、
しかし、6年以上毎日必ず誰かがこの抗議の形で立っています。


これは、WHOにとって恥ずべきIAEAとの協定を破棄しなさいという事を訴えるものであります。


そしてこの写真の右側に写っている人がネステレンコ博士であります。
ネステレンコサンでありますけれども、つい最近亡くなってしまった方であります。
彼は移動式の原子力発電所の設計の総責任者でありました。
つまり輝かしい研究者であったわけですけども、
チェルノブイリの事故が起きた後にですね、
その原子力のために自分を捧げるという事を一切放棄いたしまして、
チェルノブイリの子どもたちに自分は全ての活動を捧げると決めた人であります。


かつてはアンドレア・サフロフ博士も、ソ連の水爆の父と言われた人でありますけれども、
その水爆実験が成功した後、「これではいけない」という事で、
水爆の禁止活動に身をささげたのと同じような形であります。


さて3か月前、今年2013年の2月でありますけれども、
WHO世界保健機構が、福島の被レポートというものを発表いたしました。
その趣旨というものでありますけれども、
「恐ろしい事というのは今後何も起こらない」と。
「確かに若干の癌にかかる人は増えるだろうけれども、
統計的に反映されるような数字でもないし、
そもそもがんの患者が増えるという事も特に起きないのだ」と言っている訳ですけれども、
これを信じてはいけません。


日本で起こっている事
では、日本ですでに何が起きているか?という事を表している数字であります。
幼児の死亡率であります。


左側が日本であります。2002年から1012年の日本。


右側の、これはドイツ1980年から1994年という事で、
ドイツに関してはチェルノブイリの事故のところに線が引いてある訳ですけれども、
幼児死亡率が、チェルノブイリの事故以降、統計的に表れる形で増えました。


で、両方の数字、日本に関してもドイツに関しても、
これはそれぞれの国の公式の統計数字であります。
日本に関してはこれは日本全土、全国での数字でありますけれども、
これも福島の後でありますけれども、
点線で福島の事故の事を書いてありますけれども、
それ以後幼児の死亡率が増えたという事がよく分かります。


ということでWHOは嘘をついても仕方がないと私は思います。


さて、こちらでありますけれども、これは生きて生まれた子どもの数。
これは減っているという事を示すものであります。
これはウクライナに関してはチェルノブイリの9カ月後。
日本に関しましては福島県でありますけれども、福島の事故の9カ月後でありますけれども、
これらのそれぞれの数字も、それぞれの国がですね、
通常通り統計をとっていて、それに現れた数字であります。
研究者がどこからか集めてきてですね、
わざわざ集めてわざわざ載せた数字というものではありません。


この両方を見ても、チェルノブイリの事故の9カ月後に起きた現象と同じような現象が、
福島の事故の9カ月後に実際に福島県で起きたという事が、分かるわけです。


では、チェルノブイリを手引きとしてそれを活用して考えますと、
日本に待っているものはなにか?という事になります。
まず、染色体の特別変異という事はもうすでに増えている訳です。
また先天性の異常がある子どもが生まれるという事も2011年からすでに日本では起きております。
また、幼児および出産期の死亡というものもすでに起きておりますし、現在もこれは起きています。
白血病に関してもすでに増えているし、今後も増えていきます。
他の癌、固形がんに関しましては、後数年後に罹病率というものが増えていきます。


チェルノブイリの事故の後起きた状況というものは、
福島の事故以降の日本でもすでに起きているし、今後も起きていきます。


それでは、もうひとつの良くない事実であって、
何年か後に、みなさんの国で出てくる、皆様が直面する事実に関してであります。


汚染というものは公式の見解などに関しましても、半減期というものがあるのだし、
土壌深くに放射性の核種というものが埋まってしまうし、
汚染というものは年々小さくなるのだという事が言われて、
現在日本で言われていると思います。


チェルノブイリの事故後もそう言われていましたし、
その時点では私のような研究者もそう思っていた訳です。


しかし、チェルノブイリの事故から6〜10年経ちますと、
かつては「汚染に関しては心配いらない」、
あるいは「それほど心配いらない」といわれた地域で、汚染度が増したわけです。


それは植物の根というものが沈殿していった放射性物質に到達をし、
それを吸い上げる形で地表に出してしまったからであります。
日本でもそれと同じ現象が必ず起きると思います。


さて、時間もありませんので用意してきたスライドを随分省きますけれども、
最後に何をなすべきか、そして何をする事ができるかという事で、私の話を締めくくりたいと思います。


出来ることはいくつもあります。
何よりもまず体内に取り込まれてしまった放射性核種を測定するという事は出来る訳であります。
ただそれを政府などの公のプログラムというものは実行はしていない訳ですけれども、
測定をする事は出来ます。


ですからそれを「どう排泄させていくか」という事も、出来るわけです。


という事で原子力発電の事故の教訓という事、
最後にもうひとつ言いたい事がありますけれども、
「原子力の平和利用が原子力発電である」とよく言われますけれども、
実は人類として環境に対する脅威。
そして実際に起こしてしまって恐ろしい事というのは核兵器に劣る事が無いというのが私の意見です。


ではご清聴ありがとうございました。
報告の時間はあえて短くいたしまして皆さんの質問に答えたいと思います。


マコ:
ありがとうございました。
もうショックな話の数々で呆然としております。
私がこの報告書で一番本当に驚いたことはリクビダートルの方々の調査がかなり入っていたという事なんですね。
今現在日本では福島原発の収束作業をした作業員の方々は、
こんなに詳細に調査は全くなされていません。
去年2012年度に福島第一原発の構内で医療室に勤務していた
東京電力の看護師の方のインタビューをとったのですが、
看護師の守秘義務で伝える事の出来ないお話が沢山あったのですが、
作業員の方々が沢山亡くなっていると。
でも、福島原発の構内で作業中に亡くなった方だけは情報として外に出てくるのですが、
たとえは寮で朝起きてこないと思ったら、もう亡くなっていた。
で、二日間の休みの間に家に帰っている間に亡くなっていた。
そのような方々は一切情報として挙がってきません。


そしてそのような方は、
このような、体内にどれ位放射性物質が取り込まれていたかのような調査も一切なされていません。


※「本人が望んでも解剖して臓器を測れる施設が今の日本には無いんです」
 5/12西尾正道北海道がんセンター名誉院長


それを思い起こすにつれ、本当に「今の日本はどうなっているんだろう」と、
すごい悔しい思いでいっぱいです。


それで私最近結構、もうちょっと、いろいろどうでもいいかと思いまして、
飛び込みで大学病院の先生方にいろいろと取材に行ったりもしてるんですよ。
「どうでもいいっか」と思って飛び込んで行くというのも変な話なんですけど、
それで、あの、産科の先生方
いろんな東京の大学病院や東日本の東北の方の大学病院の先生にお聞きしたんですけれども、
確かにみなさん共通しておっしゃることは出生数が減っていると。
2011年度、12年度は割とみなさん、こう、
東日本を離れて出産されているのかなという形だったそうなんですけど、
2013年、今年も出産数が減っていて、東京で大体1割出生数が減っているというのが、
産科のお医者さんが他の共通認識だそうです。
なので、何人かの大学病院の産科の先生は、
産科学会がそれに関しての見解を近々発表するんじゃないかというお話もおっしゃっておられました。


博士の方から


1:08:51


アレクセイ・ヤブロコフ:
リクビダートルと言って
チェルノブイリの事故の処理に当たった人たちのアソシエーションというものがありますけれども、
それは非政府組織です。
そこの人達から聞いた事ですけれども、そのリクビダートルであった人たちの平均寿命
亡くなる人たちがいるわけですけれども、
亡くなる人の年齢が45歳から46歳というのが平均的だと聞いています。


※リクビダートル
 「チェルノブイリの犠牲者」原発作業員の証言と現実 2003年スイス(動画・内容書き出し)


さて、日本の産婦人科の先生たちということでありますけれども、
2か月前にその産科学会、婦人科学会の集まりがあって、東京だったかと思いますけれども、
いずれにせよそこで行われた報告というのをわたくしは読む機会がありました。
で、実際になされた報告の中ですでに公表されている事なんですけれども、
発表されている事なんですけれども、
福島をはじめとした日本のいくつもの地域において、
新生児の死亡が増えているし、また、流産も増えているというのがすでに言われています。


マコ:
ありがとうございました。


体内にどれだけ取り込まれているのか ベクレル


質疑応答
1:10:48
東京在住:
博士が以前、0.1キュリー/u以上の汚染であれば、ちょっと私は怖くて逃げだすかもしれない
という発言をされておられましたが、その0.1キュリーはセシウム137の基準でやられてますでしょうか?


アレクセイ・ヤブロコフ:
セシウム137に関してであります。
何故か?と言いますと、セシウム137が0.1キュリー/平方kmであるという事は、
全ての他の放射性核種という事は推測はできませんけれども、かなりの数の放射性核種に関しても相当の量、
危ないだけの量があるという事を示してくれるインジケーターとなっているからであります。
少なくてもチェルノブイリに関してはそうでありました。
しかしながらですね、よりベストな基準と言いますか、指標となりますのは、
体内にどれだけ取り込まれているかという事でベクレル/kg(体重)ということでありまして、
これが子どもに関して、1kg体重に20ベクレルであれば、危ないと。


そして大人、成人であればその体重1kgあたり、40〜50ベクレルであれば、
危険であると判断すべきと思います。
つまり、物理的にその地域から出ていくか、あるいはその体内から、
そこにとどまるにしても体内から相当積極的に排出をさせるようにしなければいけないという基準になります。


※40〜50ベクレルで危険というのに4000ベクレルの内部被ばくの福島のお医者さん。
(注「わたしは80kgですから」とおっしゃっていますので、体重80kgで50ベクレル/kgになります)
4000ベクレルの内部被ばく 見捨てられた地域 医療崩壊 20km圏内 
5/8衆議院 及川南相馬市立病院副委員長(文字起こし)


一番最初に内部被ばくを測ったのは、震災の年ですね、23年の6月。
当時内部被ばくを測るホールボディカウンターがございませんでしたので、
女川原発に出向きまして、自分の体を測定しました。
約4000ベクレル。
4000ベクレルの内部被ばくをしていたという事がわかりました。
…略…
ですから、私の体重にしてみると4000ベクレルというのは微々たるもので、
今後も健康には影響が無いと考えております。


何故キュリーではよくないかと言いますと、
キュリーというのはそれなりの面積に関してはどうであるかという事を示してくれるだけであります。
で、ベクレルというのは御案内のように、一人一人あたりはどうであるか?という事を示してくれるわけです。
たとえば福島であってもそれ以外のところであっても、
一つの村であっても強度に汚染されているところと、そうでない所というところで、
また個人個人で汚染度という事が違うという事はみなさんかなり知っていられると思います。


「多分、癌や白血病だけじゃなくて、さまざまな異常というものが出てくるだろう」
小出裕章ジャーナル5/18ラジオフォーラム
小出:ベクレルというのは、放射能の強さの単位。
物には何でも単位がありますね、たとえば身長を測る時には1m何十cmと測るわけですし、
体重を測る場合には何十kgとか、どんなものにも単位があるわけですが、
放射能に関する単位がベクレル。
その放射能から放射線が飛び出してきて、人々が被ばくする時に、
その被ばくの量を測るのがシーベルトという単位です。


ということで、そのベクレルに関して、どれだけ取り込まれてしまっているか?という事に関しては、
染色体の検査もできるし、尿、あるいは大便にどれだけ含まれている?かということでも、
それを測ることができるわけですし、
また髪の毛でどれだけ含まれているか?という事も測ることができるわけです。
という事で、体重当たりのベクレル数量というものを基準にするべきであると思います。


死亡者数
1:15:21
ヤブロコフさんのジョン・ゴフマンに対する評価というものはどういうふうにしていらっしゃるのか?


ゴフマンは混合年齢集団でもって、被ばくリスクを3.73という事で計算しているんですが、
それでもって死者数を57万、約57万という事を計算しています。
で、これに対してこの本を読ませていただいたんですが、
この本の283ページには、103万というのが計算されています。
それから、180ページには105万という数字が出てます、死者数ですね。
それから137ページには47万6千人ということで、いわれているんですが、
こういった数字の根拠というのがちょっと、精読したのですがなかなかちょっとつかめないので、
どういった違いがあるのか?という。


それから、もうひとつは、
私たちがこの本を読んだ時に、
この本の中からどのような真実、何が真実か?という事を取り出していくという、
で、もしこの本に書かれた事がすべて正しいというデータに基づいているとするならば、
ぼくはこれを一冊のバイブルとしてですね、その中から真実を拾い出していけばいいと思うんです。
しかしながら、さっき言われたように、IAEAだとか、それからWHOなんかの死者数と、
それからヤブロコフさんが出していらっしゃる死者数。
これを100万とすると、4000対100万という違いがあるわけですね。死者数について。
これは、1対250ですか。
そういった違いになっております。
で、これは単に数字の違いという事だけじゃないと思うんですね。
これほどやはり現実の実態を我々は偽った実態からスタートして現在までやっと、
20年間かけて皆さん方がなさった事実が明らかになってくる。
それによって本当の事実が真実によって明らかにされようとしていると思うんです。
ーー略(質問長い)−−


アレクセイ・ヤブロコフ:
まず、ジョンゴフマン氏でありますけれども、私は個人的にも知り合いでありました。
アメリカの人でありますけれども、素晴らしい人であると私は思っています。
彼はプルトニウムをつくったという、最初の研究者のひとりであったわけです。
その当時、彼自身は若い研究者だったんですけれど、そのグループにいました。


ただそのプルトニウムをつくって以降でありますけれども、
その後サホロフもそうなったように、ネステレンコさんもそなったように、
自分が自分の手で開発したものを否定し、それを反対する運動に身を投じた人であるわけです。
もともとは物理学者であったわけですけれども、
「それではいけない」と考えて時に新たに医学の勉強も、大学で勉強をした人でもあります。
そして国際的な反核運動のリーダー、核になって欲しいと私はゴフマン氏に懇願したんですけれども、
「私は大変な老齢であるので、高齢であるので、それはお断りします」というふうに言われました。
3年前に亡くなった人ですけれども、とても素晴らしい人です。


そしてゴフマンさんが出した数字でありますけれども、
チェルノブイリの死者というのは、彼はセシウム由来の癌による死者という事で
45万程度の数字と言うものを出した訳です。
そしてまた、ベラルーシのマリコさんという人も
チェルノブイリが原因での死者の数字というも挙げている訳ですけれども、
私に関しては癌に限定はしませんでした。
いろいろな理由も含めて、死亡全体としてチェルノブイリ由来による死者という事を言ったわけです。
そして80万、83万という数字として私が挙げている数字は、
チェルノブイリの事故、最初の15年間という事に限定したものであります。
100万の大台に乗るというのは、その15年以上というものをスパンで見た場合であります。


そしてまた、
カナダのロザリア・ベルテルという女性の研究者が100万以上という数字をあげているんですけれども、
いずれにしてもその、私の数字もロザリア・ベルテルさんの数字も、また、ゴフマン氏も、
数字の上では私よりも半分少ない数字であっても、基本的に同じ数字であると。
違いは私はみていません。


と言いますのは私はIAEAをはじめとした、いわゆるその公式の数字よりも、
何十倍、あるいは100倍多いという意味では、
私たちは同じグループの同じ数字であると考えています。


そして私のような人間のアプローチ、
そのアプローチの基づいて出している死者の数と言うものでありますけれども、
これと公式の数字でですね、IAEA等の公式の数字と何が違うか?という事であります。
そして私たちが、私自身が公式の数字と呼んでいるIAEAの数字というのは、
あくまでもノルマ、基準というものがハッキリしていると。
つまり、きちんと管理される条件のもとで核兵器をつくる、
あるいは原子力の平和利用という形で原子力を行う。
それに従事した、完全に条件のコントロールが可能な人の場合ということなわけであります。
つまり、完全に屋内で作業をし、
また、放射性核種もどのようなものであるかという事がコントロールできると。
そして何時間何分に至るまでですね、どれだけの条件のもとに身を置いているのか?という事が
はっきりトレースできるという事です。
つまり、線量という意味でもノルマになっているものであって、
ただこれは現実の生活、リアルライフという事とは何の関係もないものであるわけなんですね。
で、私をはじめとした、私の様なアプローチをしている研究者がみているのは、
現実の生活、リアルライフにおいてはどうだ?どうなってしまうのか?ということなのでるわけでございます。


つまり彼らがですね、
公式の数字を出している人たちが言うところの線量というのがどういうところかどういうことか?といういと、
質問をするわけです。あなたは何分屋外にいましたか?
何分建物の中にいましたか?何分家の中にいましたか?
水をどれ位飲みましたか?100ccですか?50ccですか?
牛乳をどれだけ飲みましたか?コップ一杯ですか?コップ二杯ですか?
野菜をどれだけ食べましたか?
ニンジンをどれだけ食べましたか?キャベツをどれだけ食べましたか?という質問を100人の人にする。
ま、多くて1000人の人にすると。
そして、この数字をいわば全人類に当てはめるという形になるわけです。
これは言わば、「病院の平均気温は何度ですよ」ということを旗印にする事と同じことな訳です。
つまり、現実の人々の生活とは、関係のない事だと思います。


つまり線量というアプローチはあくまでも現実にはそぐわないという事を言いたいと思います。
現実にとるべきアプローチというものは統合するというものであるわけです。
ですから、死亡率の関しても死亡係数に関しても全体的な死亡率というものをとるわけであります。
私が数字として出したものは、
チェルノブイリの事故以降15年間の死亡率というものであったものですけれども、
先程から数字が上がっているように1平方kmあたり1キュリーの場いはという事をみました。
その場合ロシアでは死亡率はそうじゃない所に比べて4%上がったと言う事を私は計算、
そういう事を計ったのですけれども、
そうしますとウクライナでも4%、そういう状況で死亡率が上がって言ったという数字が出ていたのです。
という事でですね、私たちが出している。
そしてそれをもっとほかの地域に当てはめるという事で出てきた数字は、
その公の数千人という事ではなくて数10万人もの、ものになったわけです。



そして一番最初に佐多氏の本が出版されたのが2007年であるわけですけれども、
そして本が出版された年から何度となくですね、原子力発電に従事している人たちと会う機会がありまして、
私のこの本に書かれていること、そして私が本で挙げている数字、
間違っているものがあったら指摘して下さいというふうに何回も訴えているわけです。
しかしながら、そしてまた計算方法が違うと、異論があるというならば
批判をはっきり批判的に述べて下さいと訴えている訳ですけれども、
私の本に関する批判的な反論というものは今のところ一つも出ていません。


そして原子力発電に携わっている人たちでありますけれども、
蔭では、私たちに関していろいろなことを言います。
つまり、私たちに汚い言葉、そして汚い水を浴びせかけるような事をしている訳ですけれども、
オープンな形のディスカッションからは、必ず彼は逃げようとするわけです。
つまり、1対1でですね、自分が意見を言って、それに対する反論があって、
自分はその反論に対して、ちゃんと根拠をあげて反論するという事はしません。


そして、原子力発電に携わっている人たちが何時も主張することはなにか?と言いますと、
批評がされる雑誌に載った論文ではないから、これに関しては違います。といういい方をするわけですね。
それに関して私が行っているのは私の本で取り上げられている数字。
たとえば、フィンランドやノルウエー、また日本に関しても、
これはそれぞれの国の政府の統計ですね、公の統計に載っている数字であります。
人口ががどう変わっているか?人口動態上の数字であります。
新成人が増えた減ったという事もそういう数字にのっとっています。
そして、チェルノブイリ、福島の事故以外に、説明する術を私は知りません。
それに対してあなたの意見を言って下さいと申しますと、
これは批評されるべき学術論文に載った議論ではないという事を、彼らはあくまでも主張するのです。


どこの水、どこの食べ物が安全?
1:34:16
小田原在住:
今政府は食物に関してセシウムしか調べていません。
土壌に関しても市町村と国はしていないのですが、
そうすると我々は何処の物を食べて、どこの水を飲んで、
どこの地域のものにすれば安全なのか?というのがちょっと分からない状態なんですよ。
そういったものを記す指標というものがあれば先生から提示していただきたいと思います。


1:35:54
これは情報であって質問ではないと今理解したんですがいかがでしょうか?


1:3624http://youtu.be/lcdA5Xge0cI?t=1h36m24s


マコ:
そうですよね、先生方からご回答が無いという事ですよね。
どこの水、どこの食べ物という事は非常に難しい問題だと思うんですけれども、
一番責任のなさそうな私が、…答えますが。
そうですね、私自身はわりと、市民放射能測定室の方のあちこちの数値を割と見比べて、
「どこの場所だから安全」は出てこないとは私もあまり思いませんので、
やはり測定して安全なものを食べるのが私は一番だと思っています。
この地域だから大丈夫だ。
ここのあたりだから大丈夫だ。
その、たとえば田んぼによって、ここの田んぼが大丈夫でも、
段々になっている田んぼで、
一番最後(下)の田んぼと一番上の田んぼで、全然ベクレル数が違うんですね。
だから一番下の方の田んぼだけの、水が出てくる所のを採って大丈夫だって言っても、
でも同じ地域の同じ方が作っている
一番初めの(上)水が入ってくるところの田んぼの稲の線量、ベクレル数が高かったりするので、
やはり私は何処の水、どこの食べ物というより、
ちゃんと測って安全なものがいいのではないかと思います。


覚悟は?事故当時妊娠
1:38:11
静岡在住:
2011年事故時東京にいて妻が妊娠していました。
この本によると、
16週から25週の体内被曝した子どもは障害、精神的な遅延などが発生すると書いてあるんですけれども、
当時、妊娠22週から31週まで東京にいましたが、そこから静岡に逃げさせたんですけれども、
土壌汚染が600ベクレルぐらいです。
測ってみたらそれ位ありました。
これ位の汚染度で、22週から31週までの体内被曝というのは、
覚悟した方がいいんでしょうか?


アレクセイ・ヤブロコフ:
私は生物学者ではありますけれども、医師ではありません。
今のお話から言えることは、とても大きなリスクゾーンにいらっしゃいます。
そして被ばくというものは、ダモクレスの剣というものではありませんで、
すなわち被ばくをすれば必ずその危険というものが、
必ず身に迫って現実のものになってしまうというふうに決まったものではない訳です。


という事で、被ばくをしてもですね、その後健康で、
十分に健康であるという事もケースとしてあるわけですけれども、
ただ、今お聞きした数字でありますと、
将来、お子さんに関して良くない、
嬉しくない事実というものが出てきてしまう事があるという心の準備をしておくべきだと思います。


そしてネステレンコ氏が晩年何をしていたかと言いますと、
子どもの体内被曝の測定をしていました。
そして体重1kgあたり50ベクレル以上であるという子どもに関しては、
どんどん体外から排出させるようなものというものを与えていた訳です。


そして体内から放射性核種をどんどん出していく物質というのにはいろんなものがありまして、
たとえばペクチン類などもあるわけです。
そして甲状腺のチェックですね。
お子さんのチェックというものをより定期的に、より普通の人よりも頻繁にするべきだと思います。
また、染色体の検査というものもより頻繁に検査をされるべきであると思います。
「情報をきちんと持っているという事は武装していることだ」ということわざがあるのですけれども、
そういった手段はあるし、情報も沢山ありますので、
そういったものをどんどん身につけて行使することによって、
自分から、自ら戦うという事をして下さい。
そうすれば、好ましくないと思われるような状況に対して、
先を越す形で戦いを挑む事が出来るし、なにかそういう現象が出てきた場合、
出来てしまった場合にもよりよくきちんと対応ができると思います。


「正しい情報を普及させるために」ベルラド放射能安全研究所・
アレクセイ・ネステレンコ所長(動画書き出し)


そしてまた染色体に関してもチェックできる訳です。
また、歯のエナメル質に関しましても、実際にサンプルというものを取って、
0.1ミリグラムといった歯のエナメル質でも、
どれだけの放射性の物質が体を通過して言ったか?という事を
きちんと測って結果を出す事が、数字が出るわけですね。
つまり、自分に関しても、あるいは家族を含めた誰かに関しても、
心配すべきかあるいは心配しなくてもいいのかといったことが、
そういったテストの結果わかるわけですね。


そして自分に関して、あるいは親しい人に関して、「心配する必要が無い」という事が分かったら、
では、心配してあげなければならない他人について「ケアしてあげましょう」と切り替える事が出来ます。


内部被ばくを知る方法
1:44:35
今お話があった、歯のエナメル質の0.1グラムで内部被曝が分かるというのは、
ストロンチウムの事だとおもうんですが、
スウエーデンのチェルノブイリ評価報告対策書では、
「ストロンチウムの影響は長期に及ぶ」と言っていますけれど、
そのストロンチウムの影響と、歯の内部被ばくの影響について教えて下さい。


アレクセイ・ヤブロコフ:
歯のエナメル質に限定された、限られた訳ではありませんで、
クリスタルに存在するもの、つまりタイルであっても煉瓦であっても、
何らかの結晶体があるもののところに放射性物質が通過すると、
それがきちんとですね、過去の累積というのも、過去のどういう経緯であったかという事が分かるわけですね。
誤差が5〜10%での制度で、正確度でわかります。
そしてストロンチウムのみならず、他の放射性核種に対してもわかるわけです。
つまり、今後に関して危険があるかないかという事が分かるわけです。
そしてより詳細なこともわかりまして、
特になにがどう蓄積しているのか。
ストロンチウムであってもセシウムであっても、プルトニウムであっても、
アメニシウムなどであってもという事で分かりますので、
今後に関して危険があるのかないのか。
危険があるという事が出れば、
「それをどう対策をとっていくのか」という事はまたその後で考えていくことができる。


そしてもちろん内部被ばくに関しましては、
歯のエナメル質はそれほど物語ってはくれない訳ですけれども、
内部被ばくに関しては染色体のテストという事を受ければいい訳であります。
そして今後の危険という事に関しても、
たとえばがんの危険がある、あるいは免疫に関して問題がある、
だから、免疫をよくすると、引き上げるようにしなければいけないという事でわかるわけです。
いずれにしても、危険があるのかないのか。
あるとすればどこのポイントで危険があるのかという事が判断できますので、
その後どういう手段をとっていくのかという事は、現在の世の中では何百種類も方法というものがあります。


除染


1:49:04
不適切な質問かと思いますけれども、除染について一つお願いしたいと思います。
この本でどこにあるのか調べました、一カ所だけ見つけました。
でもその訳は体外排出で264ページにございました。
除染ですけれども、チェルノブイリの場合は除染もやっていた。
しかし10年位前から、
「それは意味がないという事でやめた」ということを英語の文献で読みましたけれども、
これについてなにかコメントがございましたらお聞かせ願いたい。
我々は現在手抜き除染と言って、去年と今年で数千億円ずつ金を政府がつぎ込んでおります。
そういう点について、私は除染は意味無いんじゃないかと思っておりますんですけど、
よろしくお願いいたします。


星川:
一点だけ、翻訳上どう配慮したかというと、身体の除染の場合は対外排出とか、排せつというふうに、
崎山先生を含めた専門家の方に伺って、それがふさわしいだろうという事に。
環境の、今言われたような、環境の除染の場合には除染という言葉がいいと思いますけれども。


アレクセイ・ヤブロコフ:
除染という事に関しましては、
つまり汚染された地域でありながら、どうやれば農業、漁業、林業等を、相対的に安全に行う事ができるのか?
という本、その他の論文も含めてでありますけれども、
それはロシアでもウクライナでもベラルーシでも相当な複数なものが書かれております。
どのような技術テクノロジーによってそれが可能になるのかということは、
そういった本にも出ていますし、一般的にすでに広く知られるものになっております。
という事で結果から言いますと、
汚染地域においても、相対的に安全に農業、林業、漁業を営むことはできるわけですけれども、
それは、大変に高くつきます。
ですから、政府などからの補助金無しでやっていくという事は出来ないと思います。
また、事故以前との同じような形での農業、林業、漁業を行っていこうというのは、
その援助を受けた上でも難しい。不可能になるかと思います。
つまり、以前、事故以前であれば食用になるコメを作っていたところでも、
今後は、事故後はそれができなくなると。
たとえば、バイオ燃料のための食物をつくるという事に切り替えなければいけないと言ったような、
形になっている訳であります。
いずれにしましても、ご質問の方のご指摘の通り、
わたしが書いた本はその事に関する本ではない訳です。
ではその放射性核種の対外排出という事の考えに対しましては、
子どもの体内から排出するという事に関しての例を確か日本にあげていまして、
これは先日亡くなられたネステレンコ父と、ネステレンコジュニアが
ベラルーシのNGOで行っていることであります。
お父さんのネステレンコ氏は亡くなりましたけれども、
息子のネステレンコ氏は今でも続けている事であります。


約3000人のベラルーシの子どもたちを彼らはずっとモニタリングをしておりまして、
体内の濃度が上がってしまったという事になりますと、
ペクチンを含んでいるものを与えることによって、数字を下げている訳です。
ペクチンというのは、一番考え得る手段の中で、一番安いものであって、一番効果が出るものであります。
リンゴ、あるいは野イチゴなどをもともとの原料にするものでありますけれども、
1ヶ月毎日それを与えることによって、
約30%ほど数値を下げることに成功しているという例であります。


そして手引書というものが、
実はロシアでもウクライナでも、ベラルーシでも、相当数のものが出ているのです。
どういう事か?と言いますと、
具体的に食品別に、「どういう食品が放射性核種をため込むか」と言う事についての手引書というものが、
たとえば出ています。
それも、たとえばキノコであっても種類が違えば、
放射性核種をため込む度合というものが桁が違うという事があるんですね。
キャベツ類に関しても、あるいは木イチゴ類に関しても、
種類によって放射性核種をため込む力というものが桁が違う訳です。
ですから、少し自分たちの生活を変えなければいけないという事だと思います。
こう言った災難が降りかかってしまったわけでありますので、
すでに確かである事が実績として分かっている情報というものを取り入れていってですね、
その生活の仕方を変えていくという事が必要であるかと思います。


土とふれあえない
1:58:41
福島在住:
私は福島で医療活動をやっているものなんですけれども、
事故から2年経ちますが、「最近福島で土の上を歩いている子どもたちがいない」という事の情報ですね。
つまり、乳幼児でお母さんがずっと抱っこしたまま土に触れさせない。
そういう状況で、これは放射性核種の直接的な影響ではないですけれども、
ベラルーシやチェルノブイリでそういう事例などがありましたら教えていただきたいと思います。


アレクセイ・ヤブロコフ:
もちろん子どもをずっと抱っこしていれば放射性核種に触れる度合いというものは減るわけですけれども、
ただ、子どもは発育しなければいけませんので、
ずっと抱っこされているわけにはいかないのです。


そして当然ながら除染をしたところで遊ばせるということはできるわけですけれども、
除染をして土を剥ぐと、その剥がれた汚いものをどこかへ持っていって、
その持っていかれたところは以前よりは状況が悪くなってしまうということは確かにあるわけですね。
で、ちょっと言葉を変えて答えを続けたいと思いますけれども、
汚染がひどかった都市であっても、ことのほか汚染がひどかったところというのは、
雨水がたまるところであるとかというのは、皆さんもすでにご存じのところかと思います。
ですから除染に関しても全てのところを除染するというのではなくて、
測っていって、特に汚染のひどいところを除染するというやり方にならざるを得ないと思います。


モスクワであっても、今でも5年に一度は、
ある通りであれば、5年に一度は必ず当局の人が測定器を持って
放射線の状況というものを必ずチェックしています。
そしてモスクワという、チェルノブイリから相当離れたところであっても、
そういったチェックをした結果、
一年に70、80あるいは100か所の除染すべきポイントというのがあって、
除染が行われているわけですね。
ですからこの質問に対して私として答が出来るのは、
とにかく測定をして、汚染のひどいところを除染をしていくという事に尽きるのではないかと思います。


そして今日のこの講演会の前に、私は子供向けの雑誌の記者の方のインタビューを受けた訳ですけれども、
インタビューの最後に「子どもたちへのメッセージをお願いいたします」と質問されて、
しばらく考えて、そして答えた言葉がありますので、
それを子供向けというふうに限定する必要はないと思いますので、
大人である皆様にもおくりたいと思います。


今の私たちが理解しなければいけないのは、
目には見えないけれどもとても危険な敵に囲まれているということを認識しなければいけない。
その敵というのは放射線であると。
ただ、その敵をどうすれば発見できるのか?と、
そしてその敵にどういう対抗措置をとればいいのか?という事を私たちは知っている。
だから、きちんとした正しい情報を持っているという事は、闘う手段を持っているという事であるので、
どんどん知識を身につけましょう。


通訳:吉岡さん ロシア語の通訳で日本の第一人者


 

  拍手はせず、拍手一覧を見る

コメント
 
01. 2013年5月23日 13:25:20 : UXKjQTYwdw
>そして原子力発電に携わっている人たちでありますけれども、
>蔭では、私たちに関していろいろなことを言います。
>つまり、私たちに汚い言葉、そして汚い水を浴びせかけるような事をしている訳ですけれども、
>オープンな形のディスカッションからは、必ず彼は逃げようとするわけです。
>つまり、1対1でですね、自分が意見を言って、それに対する反論があって、
>自分はその反論に対して、ちゃんと根拠をあげて反論するという事はしません。

阿修羅に出没する工作員と全く同じだね。

きちんと議論できないということは、自分たちが間違っていますと言っているのに等しい。


02. 2013年5月23日 17:54:58 : f7rBu0ZMwc
必要なのは受け入れること

でなければ闇の世界で迷い

本当に大切なものこそ

見失いますよ


03. 2013年5月23日 19:55:01 : pS0tG1Gxt2
医学者の中から、日本のヤブロコフは出てこないだろう。

同じように、物理学者の中から、日本のネステレンコは出てこないだろう。

真に、福島原発事故は、人の本性をあぶりだすリトマス試験紙だった。

これから、日本の医学者たちは、ヤブロコフーネステレンコ本を熟読した患者によって逆襲されるだろう。


04. 2013年5月24日 06:19:11 : A4GQ7o9O02
原発は安全です、大事故など起こしません。 
・・・・全然安全じゃなかったです。大爆発してしまいました。

放射能は、一般公衆は、1ミリシーベルト/年までは安全です。
放射能は、子供でも、20ミリシーベルト/年までは安全です。(ころころかわる)
・・・・・全然安全じゃありませんでした。

安全だと言っている方、孫の世代まで3代、20ミリシーベルトぎりぎりのところで安全を証明して頂きたい。


05. mainau 2013年5月24日 08:40:39 : GgaPs4QXWLwO2 : Tl2ISG4zxQ
通訳のレベルとても高いので、正確な情報が得られた。
通訳の果たす役割は大きい。

  拍手はせず、拍手一覧を見る

この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます(表示まで20秒程度時間がかかります。)
★登録無しでコメント可能。今すぐ反映 通常 |動画・ツイッター等 |htmltag可(熟練者向)
タグCheck |タグに'だけを使っている場合のcheck |checkしない)(各説明

←ペンネーム新規登録ならチェック)
↓ペンネーム(2023/11/26から必須)

↓パスワード(ペンネームに必須)

(ペンネームとパスワードは初回使用で記録、次回以降にチェック。パスワードはメモすべし。)
↓画像認証
( 上画像文字を入力)
ルール確認&失敗対策
画像の URL (任意):
  削除対象コメントを見つけたら「管理人に報告する?」をクリックお願いします。24時間程度で確認し違反が確認できたものは全て削除します。 最新投稿・コメント全文リスト
フォローアップ:

 

 次へ  前へ

▲このページのTOPへ      ★阿修羅♪ > 原発・フッ素31掲示板

★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/ since 1995
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。

アマゾンカンパ 楽天カンパ      ▲このページのTOPへ      ★阿修羅♪ > 原発・フッ素31掲示板

 
▲上へ       
★阿修羅♪  
この板投稿一覧