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使用済み核燃料の地層処分は温泉や地熱発電に影響を与えることについての陳情
http://www.asyura2.com/13/genpatu32/msg/255.html
投稿者 taked4700 日時 2013 年 6 月 22 日 00:24:04: 9XFNe/BiX575U
 

(回答先: 高レベル核廃棄物を巡る攻防 投稿者 taked4700 日時 2013 年 6 月 21 日 04:24:30)

高レベル核廃棄物を巡る攻防 と言う記事を書いた動機が次にコピーしてある先日提出した陳情です。

言いたいことは、下手に原発を維持していると高レベル廃棄物の保管をどんどんと押し付けられるということです。

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 使用済み核燃料の地層処分は温泉や地熱発電に影響を与えることについての陳情

                             平成25年6月6日
鹿児島県議会議長 池畑 憲一 殿

(1) 使用済み核燃料の放射能の強さについて:
 使用済み核燃料は使用前の核燃料に比べて1億倍とか10億倍の強さの放射能を持つとされています。なぜ、1億から10億と10倍もの開きがあるのかと言えば、半減期が数日から1秒に満たないような放射性物質がかなりあり、いつの時点の使用済み核燃料と比較するかでかなり簡単に放射能の強さが変わってしまうからです。仮に半減期が5秒のものがあれば、60秒でその放射能の強さは4000分の1以下になってしまいます。原子炉のふたを開けた時点か、燃料棒をプールに移した時点かで簡単に放射線の強さはかなり変わってしまうのです。
 放射線を出すということは、エネルギーが高くて安定せず、放射線を出してより安定した状態になるという意味です。放射線を出す反応には核分裂と崩壊という二種類があるとされています。核分裂は基本的に原子核の外側から中性子が原子核へ衝突し、その結果、その原子核が分裂し、その時にまた新たに中性子を出すという現象です。崩壊は基本的に外側からの影響は関係なく、自然に放射線を出してより安定した状態に変化する反応です。半減期とはこの崩壊に関して使われる言葉であり、もともとあったものの半分が崩壊してより安定した物質になるまでの期間を表しています。
 半減期が短いとそれだけ放射能が強くなります。同じ数の放射性元素があったとき、半減期が1日のものは半減期が2日のものの二倍の放射線を出して崩壊するからです。
 核分裂は基本的に中性子を原子核の外側から当てなければならないので、人工的に制御が可能です。
 もともと地球上にある放射性物質は地球ができた当時、太陽のような核融合反応をしている星が爆発した結果宇宙空間に拡散した物質が地球に取り込まれたものが起源です。半減期が何億年と長いものが地球の歴史がだいたい60億年とされているため、現在も残っているわけです。
 よくカリウム40が人体の中には常に存在し、これによって常時被曝しているのだから、放射性セシウムなどによる被曝もたいしたことがないと説明されますが、カリウム40の半減期は12億年以上です。つまり、生体内に存在していても、もともとそんなに高濃度ではないこととたまにしか崩壊しないため、免疫機構が働いてその悪影響を消すことができるのです。または、そういった免疫機能を身につけた生物が生き延びてきていると言っていいはずです。半減期が約30年のセシウムはカリウム40の4000万倍の確率で放射線を出すのですから、どだいこの二つを比較することが無理なことなのです。
 放射性ウランについても同じで、何億年と言う半減期であるためと地中に存在していて、出てくる放射線が周りの岩石などに吸収されること、そして、低密度で存在していることなどで、あまり生物へは影響を及ぼしません。
 ところが、核燃料はそういったウランを地中から掘り出して精製し高濃度にしたものですからかなり危険性が増します。しかし、それでも核燃料とされるウランは半減期が何億年ですから、放射線を出す割合はかなり低いのです。
 そのため、使用前のウラン燃料はあまり放射線を出しません。使用前の核燃料は核分裂性のウラン235が数%から5%程度、残りがほとんど核分裂しないウラン238です。ウラン235の半減期は約7億年であり、ウラン238は約45億年です。
 また、核分裂するウラン235にしても、外側から中性子を当てないと核分裂が基本的には始まらないため、普通に核燃料として保管する分にはあまり危険性はないのです。原子炉に初めて核燃料を装てんして連続核分裂反応を始めさせるときには種火としてカリホルニウム252という自発的に中性子を出して核分裂する物質を使うということです。つまり、未使用の核燃料は、核分裂が自然には起こらないようにしてあり、また崩壊するにしても半減期が何億年と言う長期であるためあまり放射線は出さないのです。
 しかし、原爆として一気に連続核分裂反応を起こさせたり、原子炉の中で一定レベルの連続核分裂反応を起こさせると、様相は一気に変わります。核分裂した結果できた物質の多くはエネルギーが過剰で、崩壊して放射能を出すからです。
 核分裂するとは、原則として原子の外側から中性子が原子核に衝突し、原子核が分裂するとともに新たに中性子を複数個放出することです。中性子は電気を帯びていないので、原子核の周りをまわっている電子や原子核を構成している陽子の持っている電気によって影響を受けることがないため、周囲の原子核に衝突して、新たに核分裂を起こすことができるのです。 核分裂はよく皿を割ることに例えられます。皿が割れるとき、その割れ方はかなりバラバラであり、核分裂も分裂の仕方が様々だからです。ウラン235が核分裂した結果できる元素は様々なものがあり、基本的には原子量が90程度(ストロンチウム90)と130(ヨウ素131)程度の大まかな二つのグループに分かれるとさています。主な核種だけで数十種類の放射性物質ができるとされています。
 ただし、カリホルニウム252のように、自発核分裂という、外側から中性子を貰わなくても自発的に中性子を放出して核分裂する現象があります。ウランなどの原子量の大きな放射性元素では多かれ少なかれこの現象が起こるそうです。この自発核分裂と言う視点から見ると、ウラン235よりもウラン238のほうが1000倍程度自発核分裂しやすいとされています。ウラン238が1キロあったとき、1秒で起こる自発核分裂は7回以下とされています。つまり、人間が生きる時間から比べるとほとんど自発核分裂は起こっていないと考えていいほどのものです。自発核分裂の結果生じる元素も様々なものがあります。
 中性子は電気を持たないため、当然ウラン238にも衝突します。しかし、ウラン238は中性子を貰っても基本的に核分裂しません。
 ではどうなるかと言うとウラン239となります。ウラン239は不安定な核種ですが、核分裂はせずに崩壊します。崩壊は外から放射線を受けることなく、自動的に放射線を出してよりエネルギーの安定した状態になることです。崩壊には核種が変化するものとして、アルファ崩壊とかベータ崩壊、そして、あまり取り上げられませんが中性子崩壊があり、核種が変化しないものとしてガンマ崩壊があります。ウラン239はベータ崩壊しネプツニウム239になり、さらにベータ崩壊(半減期2.355日)しプルトニウム239となるということです。
 このプルトニウム239は更に崩壊し、最終的には鉛になって安定します。鉛になるまでには、半減期が数秒よりも短いものや何億年と言う長さの放射性物質に変化しながら、崩壊を何度も繰り返します。
 崩壊系列として4種類が知られていて、そのうちの3種類では最終的に鉛になり、残りの一系列はタリウム205という物質になるそうです。
 この崩壊と言う現象は当然自然状態のウランでも起こっていますが、もともとのウランの半減期が何億年と長いため、そして、地中に広く薄く分布するため、半減期が数秒の放射性物質が出来てもあまり自然界には影響を与えないようです。
 もう一つ原爆や原発の問題に放射化と言うことがあります。こちらは、本来崩壊しない原子が核分裂に伴って生じる中性子線やアルファ線、ベータ線、ガンマ線など各種の放射線を受けることにより一時的にエネルギーが高まってしまい不安定化することです。当然、不安定化した原子は新たに放射線を出して安定状態に戻ることをします。原子炉圧力容器を構成している鉄であるとか、冷却水に含まれる酸素や水素、または空気中に存在する窒素といったものやコンクリートに含まれる水素、酸素、ケイ素、カルシウムなども放射化されて放射能を帯びてしまいます。これが原子炉を廃炉にした後5年とか10年程度放置しなければならない理由です。
 使用済み核燃料は核分裂については自発核分裂をわずかにするだけです。しかし、それ以外に崩壊によって放射線を発する放射性物質が数十種類含まれていて、それらがそれぞれ別々に崩壊しながら何回も放射線を出すので大変に危険なのです。崩壊は外側から制御することができず、自然に起こってしまうため、環境中に漏れ出てしまった場合は生物に深刻な影響を与えてしまいます。
 崩壊をするときには当然熱を発し、それが原子炉が停止をしていても冷却が必要な理由です。普通、使用済み核燃料は5年程度はプールで水冷する必要があるようです。それ以降は発熱の程度が弱まり、現在の技術で空冷でも何とか保管ができるということです。

(2) 使用済み核燃料の処分の困難さについて:
 「使用済燃料管理及び放射性廃棄物管理の安全に関する条約 日本国第3回国別報告 平成20年10月」の付属書(http://www.meti.go.jp/report/downloadfiles/g81114a02j.pdf)によると、日本全体で使用済み核燃料は14,870トンあり、玄海原発には760トン、川内原発には770トンあるそうです。この数値は既に5年前のものですから現在は異なっているでしょうが、多分、減少はしていず増加しているはずです。
 使用済み核燃料の大部分を占めるウラン238はウラン系列と呼ばれる崩壊をして最終的には鉛になります。このウラン系列には半減期が数分以下から数十万年になる放射性物質が含まれています。また、もともとウラン238自体の半減期が約45億年あります。自然状態であれば、地殻中に広く低濃度で分布しているためこういった各種の放射性物質が存在していてもあまり生物に影響はないのですが、何十トン、何百トンと集中してあった場合は別問題です。かなりの長期、つまり数万年以上の期間にわたって、半減期の短い、つまり強い放射能を持った核種が集中的に生産され続けることになるからです。
 更に、こういったもののほとんどは重金属です。重金属毒性は永遠に消えません。
 地下に埋設する場合、地下3000メートルのような深さになると地熱でかなり温度が上がり、安定した保管ができません。そのため、深地層処分でも日本では300メートル程度とされています。しかし、この深さは井戸を掘って地下水を採取したり、温泉の泉源となる深さです。地下水利用は灌漑やウナギの養殖などに利用されています。また、地熱発電をするにしても、現状のフラッシュ発電では地下2000メートル程度の深さの井戸を利用することから、悪影響を与えてしまう可能性があります。観光地として考えた場合、近くに核廃棄物の地層処分地があるというだけで、観光にはいい印象を与えないはずです。
 喜入にある道の駅の温泉は深さが1900メートルあるということで、海岸に位置しながら真水の温泉が出ています。鹿児島湾の深さはだいたい200メートル程度とされますから、大隅半島と薩摩半島は地下1000メートルから2000メートル程度の深さで地下水脈が通じている可能性は十分にあります。
 そればかりか、山口県と北九州を結ぶ関門トンネルは深さが海面下50メートル程度しかありません。つまり、九州の地下に存在する水脈がどこか深いところで本州や四国の水脈とつながっている可能性も十分にあるのです。
 このことが、ヨーロッパ大陸とは離れた存在であるイギリスでさえ、地層処分が未だにできていない理由のはずです。もちろん、アメリカは北アメリカ大陸、ヨーロッパはユーラシア大陸に位置しているため、大陸全体の地下水汚染の危険性があり、地層処分できないのです。フィンランドなどで最終処分場が作られていますが、あれはスカンジナビア半島の陸地から更に離れた島へ建設されていて、ヨーロッパ大陸の本体とはかなり隔たりがあり、また日本とは違って大変に安定した地層であるため建設が許されているのだと思います。
 なお、アメリカやソ連が核兵器関連の放射性物質の液状のものを地下へ注入して処分したという話しがありますが、事実であるとは思えません。化学同人発行の雑誌「化学」2012年11月号の「チェルノブイリとアメリカの除染例」と言う記事には、ハンフォードという長崎原発の原料であったプルトニウムを生産したサイトの除染例が載っています。これによると、ハンフォード用地は広さ170平方キロ(ほぼ鹿児島市の三分の一)に渡り地下水が汚染され、その対策の一つとして、「ポンプと水処理」と言うものが行われているとされています。つまり、汚染された地下水をポンプでくみ上げそれを濾過してまた地下へ戻すという方法であり、何十年と続ける必要があるとされているのです。この処理施設は一か所で毎時180立方メートルの水処理ができるそうですが、それでもセシウムなどの吸着性の低い放射性物質にはあまり有効ではないということです。もし、地下への注入で処分ができるのであれば、「ポンプと水処理」といったコストも手間もかかる方法を採用するはずがないのではないでしょうか。
 6月3日に放送されたTBSnews23 では、低レベル廃棄物の例として制御棒や原子炉、高レベル廃棄物の例としてガラス固化体が挙げられていました。日本では使用済み核燃料を再処理をすることが前提となっていて、そのため、使用済み核燃料と言う項目が挙がっていなかったのでしょうが、現実的に考えて、再処理は大変に難しいものです。再処理するためには使用済み核燃料を細かく裁断する必要があり、その際に希ガスや放射性ヨウ素などが環境中に漏れ出し、その量は再処理工場が一日運転するだけで通常の原発一年分にもあたるとされるからです。またガラス固化体のもとになる高レベルの核廃液は放射能の塊であり、一歩取り扱いを誤れば、東北地方一帯を汚染してしまうものだからです。そして、使用済み核燃料は川内原発だけで既に800トン程度は溜まっているはずです。

(3) 原発立地県としてどのような見通しを持つのか:
 南大隅町以外に、馬毛島とか奄美大島などが最終処分地の候補に挙がってきている様子ですが、現実的に見て、とても地層処分は無理です。火山島であったり、サンゴ礁の隆起によってできた島であるため安定した地層処分はもともと無理であり、その困難さは本土よりも高いはずです。
 日本学術会議が昨年6月に日本においては地層処分が可能ではないという結論を出しました。現状で可能な技術である乾式キャスクに入れて、地上保管を40年から50年程度続け、まずは様子を見ようというのです。地下に埋設し、万が一にも地下水汚染につながった場合、打つ手がないからでしょう。
 しかし、乾式キャスクでの地上保管にしても問題点は数多くあります。まず現状では乾式キャスクの耐用年数が50年程度であることです。5万年の安全保管としてもこれでは1000回の詰め替えが必要になります。更に、保管施設の問題があります。そして、より根本的には、核燃料棒のジルコニウム被膜がどの程度持つかという問題があります。崩壊によって発生する熱量はどんどんと下がっていくにしろ、半減期が数十万年と言うものがあるのですから、ジルコニウム被膜はその期間ずっと放射線の照射を受け続けるわけで、どのような変化をするかは分かっていません。つまり、乾式キャスクでの保管にしてもいろいろな危険性があり、進んで引き受けるような自治体はまずありません。
 そのため、今後、原発敷地内で乾式キャスクを大量に保管するという事態になる可能性がかなり高いはずです。また、そうでなくとも、原発立地県で乾式キャスクの保管をしてほしいという欲求は日本全体として強くなりこそすれ、弱まることはないでしょう。
 よって、鹿児島県として少なくとも川内原発に溜まりつつある使用済み核燃料をどう保管するのかについて、九州電力と打ち合わせをする必要があります。川内原発の立地地域は甑断層帯などが集まっている地域であり、川内川という河川の河口に接していて、活断層が近くにあることは確実です。
 乾式キャスクは、使用済み核燃料保管プールなどと比べて、電力供給が不要であり、また地震の際の壊れにくさも数段すぐれている様子ですが、川内原発の敷地内よりもより安全な地域が鹿児島県内にある可能性もあります。
 使用済み核燃料の危険性は数万年とか数十万年続くものですから、現在の住民が処分施設を受け入れるかどうかで判断するのではなく、どうしたら、数万年を超える期間をより安全に保管できるか、それを考慮した処分方法と処分地選定の方法を国や県下の自治体ととともに考えるしかありません。

 以上のことに配慮した議会審議がされることを陳情いたします。


   

   

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コメント
 
01. taked4700 2013年6月22日 00:27:42 : 9XFNe/BiX575U : F9xBnugHcU
ドーバー海峡も水深は100メートルもありません。つまり、地下水がイギリスとヨーロッパでつながっている可能性があります。

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