（宇野貴文、蕎麦谷里志）

2原発稼働なら万々歳

　両原発が審査対象の第1陣に選ばれ、年末までに再稼働できれば、今冬の供給力は大きく改善する。

　しかし、具体的な審査手続きやスケジュールは示されておらず、審査対象の第1陣に入れるかも不透明だ。8日には関西を含む4電力が、計5原発10基の安全審査を申請した。審査を担当するのは、規制委事務局の原子力規制庁に設けられた3つのチーム。1チームが担当できる原発数には限りがあり、第1陣入りできなければ、再稼働に1年以上待つ原発も出てくる。

　関西を除く北海道、四国、九州の3電力は8日現在、各1原発の申請となっており、「関電のみ2原発同時に第1陣に選ばれるとは考えにくい」（関係者）との声も上がる。

1原発でも供給力は確保

　大飯が稼働した昨冬、ピーク時の関電全体の電力の供給力は2683万キロワットを確保し、最大需要2432万キロワットに対応できた。

　大飯は9月から定期検査に入る。年末までに安全審査も終えて再稼働できれば、昨冬並みの供給力は確保できるが、「定検と並行して規制委の安全審査が進められるのかは不透明」（関係者）という。

　また大飯は、旧原子力安全・保安院時代に活断層の可能性について追加調査が指示されている。「活断層はない」という結論が得られない限り、規制委は審査を始めない方針で、大飯は後回しになる可能性もある。

　大飯の代わりに高浜が稼働した場合も供給力は安心できそうだが、「3年ぶりの黒字化は困難」（関電関係者）とみられる。

原発ゼロなら再値上げも

　規制委の審査を終えても、再稼働に欠かせない地元の同意が得られなければ、その段階でつまずいてしまう。

　原発ゼロで今冬を迎え、昨冬並みの需要だった場合、供給余力を示す予備率は1%を切る“危険水域”に。代替となる火力発電所や水力発電所でトラブルが発生すれば、電力は不足し、東日本大震災の発生直後に首都圏で実施された計画停電もあり得る。

　また、関電は平成25年3月期に過去最悪の最終赤字2434億円を計上したが、原発ゼロのままであれば3年連続の赤字は必至だ。経営は持ちこたえられず、来春以降の再値上げが現実味を帯びる。その場合、値上げ幅は現在の2倍程度に膨らむ可能性もある。

発想をかえて、申請の出ない原発から廃炉勧告をするのはどうか
１廃炉勧告に半年かかると、２０年で大半は廃炉になる
それから再稼働申請書類を審査したらいい

再稼働申請を先に審査するか、廃炉勧告を先に着手するかは誰の裁量なのか
田中の裁量？
安倍の裁量？
誰にも、どの部署こにもない？