＞一昨年の東日本大震災で損傷した…

あの惨状に対して「損傷」という言葉は適切かどうか。

例えば、「損傷」と「損壊」では、壊れ具合が違う。私は"damage"（傷を負う）と原文
に書かれていれば「損傷」と訳し、"cripple"（不具になる）と書かれていれば「損壊」
と訳した。他の人は知らないが、私はそのような形で、ここに投稿してきた。

だから、

＞一昨年の東日本大震災で損傷した…

と、2人のプレゼンターが最初に画面に語りかけたとき、私には2人の顔が2個の能面に
見えた。

それで、リンクからBBCサイトの記事を読んだ。BBCは当初、福島原発の状態を形容す
る言葉として"cripple"を使っていたが、大飯の再稼働の辺りから"damage"という言葉
が見られるようになり、「こりゃだめだ」と思い、BBCの記事はチェックするのを止めていた。

リンク先の記事では4号機について、

"This building was badly damaged by an explosion in March 2011 following the Great
Tohoku earthquake and tsunami."

「この建屋は2011年3月、東北大震災のために酷く損傷した」

と書かれている。恐らく、政治との狭間で、現場は苦労しているのだろうと思った。

それと、

＞４号機建屋の中に居た時には私の線量計は毎秒200から250カウントを指していました。

と日本語には書いてある。不審に思いリンク先の元の動画にも当たったが、記者は確かに

"counts"

という言葉を使っている。つまり、日本語訳に捏造でなかったのだが、よく考えて見ると、
放射線量の計測単位に「カウント」といものは存在しない。

多分、後日、ドイツのどこかのメディアが見るに耐える記事を出してくれるだろう。ドイツ
語屋さんの活躍に期待したいと思う。

「この建屋は2011年3月、東北大震災のために酷く損傷した」
→「この建屋は2011年3月、東北大震災による爆発のために酷く損傷した」

日本語訳に捏造でなかったのだが、
→日本語訳に捏造はなかったのだが

>放射線量の計測単位に「カウント」といものは存在しない。

放射線・放射線測定器で用いられる単位について
http://www.remnet.jp/info/00006.pdf

3単位計測 ガイガーカウンター
http://www.saigai-kiki.com/radiological-equipment/radiationdetector/item-608.html

ガイガーカウンターという名称まであるくらいですから、
放射線量の計測単位に「カウント」というものは存在します。

ただ、これは、文字通り、単位時間当たりに浴びた放射線の数です。
放射線の種類を識別できません。
だから簡易測定器として使用されています。

放射線の種類は分からなくとも、
浴びている放射線の数がどの程度増えたり、
減ったりしているのかということは分かります。

カウント・ベクレル・シーベルトの三つの単位は、
相互に換算することもできます。

まあ、私も詳しくはないので付け焼刃の知識ですが、、、

ならば、1カウントは何ベクレルか、あるいは、何シーベルトか、

一般の人が分かる説明でなければ、「伝えた」ことには成らないでしょう。
逆に、一般の人を騙すための手法として、その言葉を使っていると疑われても
仕方がない。

>ならば、1カウントは何ベクレルか、あるいは、何シーベルトか、

ある条件下でのcpm(測定値)からBq/cm2、μSv/hへの換算
http://www.aist.go.jp/aist_j/rad-accur/pdf/case_study_1_table_j.pdf

計数率（単位cpm）から、放射能面密度（単位Bq/cm2）や線量率（μSv/h）へ換算する方法
http://www.aist.go.jp/aist_j/rad-accur/case_study/index.html

あくまでも簡易換算です。
（検索して少し調べれば分かることですが、余りにも難解です）

>一般の人が分かる説明でなければ、「伝えた」ことには成らないでしょう。

そうですか？

「毎秒200から250カウント」とは、
毎秒200回から250回放射線を体に受けたということであり、
とっても分かり易いと思いますが。

それが、３号炉のそばをバスで通った時、
放射線量は跳ね上がり、毎秒2500回、体に受けた。
だからこそ、
「この作業が問題なく進んだとしても、その他の原子炉については
一体どのように片付けを始めるのか誰にもわかりません」
ということにとても説得力があると私は思います。

このBBCのレポートで重要なことは、
４号機燃料プールでの作業は始まるが、
この作業が問題なく進んだとしても、
その他の原子炉については
余りにも高線量で、人が近づけないために、
「一体どのように片付けを始めるのか誰にもわかりません」
というところだと私は思っています。

それを伝えることが、＜目的＞であり、
その＜手段＞の一つとして、「カウント」が使われています。
「毎秒200から250カウント」が「毎秒2500カウント」に「跳ね上が」った。
というのは、私にはとっても分かり易かったですが、

>一般の人が分かる説明でなければ、「伝えた」ことには成らないでしょう。
>逆に、一般の人を騙すための手法として、その言葉を使っていると疑われても
>仕方がない。

貴方がそう感じるというのであれば、そうなのでしょう。
私は全くそう思いませんが。

まあ確かに、日本での福島報道では、単位としてシーベルトが通常は
使われているので、「カウント」よりも「シーベルト」で伝える方が、
日本では、より親切だったのだろうとは思います。
BBCのあるイギリスでは、通常はどの単位が使われているのかは、知りませんが。
一年に一回あるかないかの取材に簡易計測器を使ったからって、
あまりに神経質すぎるのではないですか。
経費削減が絶対命令のBBCですから、簡易測定器を使ったのは、
経費削減の一環かもしれません。

とにかく、「カウント」という単位を使ったことが
間違いとは言えないというのが、私の意見です。
日本では一般的となった「シーベルト」を使った方が、
より親切ではあったであろうとは思いますが。

貴方が、damage と cripple という単語の使用にまで
こだわっているのは、とても素晴らしいと感服しました。

しかし、
BBCの報道内容は、よく伝わっています。
その一手段たる「カウント」にこだわり過ぎるのは、
本末転倒ではないですか。

しぶとく反論しますが、（ごめんなさいね。）

毎秒200カウントは、毎分12000カウントだから、つまり、12000cpmで、
提示してくださった換算表を使うと、0.39マイクロシーベルト毎時になります。

それが、毎秒2500カウントだから、150000cpmで、計算すると、4.95マイクロ
シーベルト毎時になったわけですよね。

その値がどの程度の線量かは別として、だったら、最初からそう言えばいいじゃ
ないの？と思ったのです。だって、みんなそう言っているのですから。

私がこの2年半見聞きした福島関連のレポートで、「カウント」という言葉を聞いた
のは今回が初めてです。私が知る限り、BBCも含めて、どこの国のどの記者も、
放射線についての評価では「シーベルト」か「ベクレル」という言葉を使ってきました。

そこで「カウント」という言葉を唐突に使われると、そこで思考が一瞬止まるわけ
です。なぜそこで「カウント」という言葉をわざわざ使ったか、何らかの意図があ
るのではないか、私はそこまで考えます。

単位を変えることで物事の本質を誤魔化す、という行為は、日本の当局やマス
コミがこれまで山ほどやってきました。それと同じだけのいかがわしさを、「カウ
ント」という言葉から感じたのです。記者にその意図はなかったかも知れませんが、
冒頭の2個の能面と合わせて考えたとき、折角のレポートがそこで崩れたように
思えたのです。

勿論、私がこのように書くのは、投稿やコメントという行為自体に対して否定的な
考えを持つものではなく、また、このようなご批判はむしろ有り難いことだと思って
います。今後も何かありましたら、仰っていただければと思います。