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脱原発前提に「東電新社」の設立を 政府与党の東電維持説に反論する (東京新聞「こちら特報部」) 
http://www.asyura2.com/13/genpatu34/msg/629.html
投稿者 赤かぶ 日時 2013 年 11 月 11 日 00:12:00: igsppGRN/E9PQ
 

脱原発前提に「東電新社」の設立を 政府与党の東電維持説に反論する
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokuho/list/CK2013110602000161.html
2013年11月6日 東京新聞「こちら特報部」


 東京電力に対する国の態度が煮え切らない。国は福島原発事故の汚染水対策として四百七十億円の投入を決定。税金を使う以上、東電を破綻処理して貸し手や株主の責任を問うべきだが、存続させる方針を崩そうとしない。政府・与党はその理由を「賠償や除染の費用が出なくなり、金融市場にも混乱を来す」と主張する。だが、慶応大の金子勝教授(財政学)は脱原発を前提に別の道を説いている。 (上田千秋)


 「会社更生法を適用すれば、電力債が優先弁済となる。被災者の賠償金などが十分に払われなくなる可能性がある」
 茂木敏充経済産業相は九月三十日の衆院経済産業委員会で、東電の破綻処理に反対する考えをあらためて示した。

 安倍首相も、破綻処理による電力供給への不安や海外からの燃料確保への影響を懸念している。
 八月に汚染水問題が発覚して以降、政府・与党内でも、東電は資金、人員双方の不足で適切に対応できていないとして、国が前面に出る必要があるとの考えが強まった。

 ただ、東電は存続させるべきだとの考えが支配的だ。発行済み株式こそ株価を大きく崩しているが、存続論の代表的な根拠が電力債(電力会社の社債)に関する問題だ。電気事業法三七条は、電力債の債権者は他に先んじて弁済を受ける権利があると定めている。
 東電が発行する電力債は四兆四千億円に上り、破綻処理した後に残る資産は、金融機関をはじめとする電力債の債権者にまず支払われる。このため、賠償や除染が滞る危険がある。

 資本主義社会である以上、電力債の債権者の責任を問うべきだとの声もある。だが、実際に電力債を棒引きすれば、金融機関や市場に与える影響は大きい。他の電力会社の電力債まで暴落する可能性も否定できない。

 東電を単純に破綻処理した場合、金融機関は電力債以外にも大きな痛手を負うことになる。東電への貸付金は総額で三兆五千億円。全額が焦げ付くことになれば、メガバンクといえども経営への打撃は避けがたい。

 金融機関の経営が悪化すれば、取引先などにも余波が及びかねない。
 ただ、だからといって破綻処理をせず、東電を生き残らせるのが正しいやり方なのだろうか。
 東電は事実上、すでにギブアップしている。昨年十一月に賠償や除染などの費用が十兆円を超えそうだと分かると、「一企業では到底対応しきれない」と政府に負担の見直しを要請している。

 除染は事業者負担が原則だが、環境省が東電に請求したこれまでの除染費用四百四億円のうち、支払いに応じたのは六十七億円にすぎない。

 しかも、放射能汚染で減少した不動産の価値分も賠償することなどを理由に挙げ、「除染費用の支払いは二重払いになる」などと開き直ったような発言まで飛び出す始末。このまま、公的資金を投入し続けても、その額はだらだらと膨張する一方とみられている。

 「東電には支払い能力がない。(支援の枠組みを定めた)原子力損害賠償支援機構(原賠)法の枠組みは崩壊している。税金や電気料金の形で負担が増えるのに、東電を残したままでは国民の理解は得られない」。慶応大の金子教授は政府の姿勢をこう指弾する。

 東電救済の仕組みは、二〇一一年六月の段階で決められた。当時の民主党政権は同年八月に原賠法を成立させ、原子力損害賠償支援機構を通じて一兆円を出資。賠償や除染の費用として最大五兆円を貸し出す枠組みをつくった。「当初は状況がよく分からず、それを受け入れるしかなかった」(金子教授)からだ。

 ところがその後、事故収束に関する支出は大きく膨らんでいる。賠償や除染はめどが立たず、廃炉費用もどこまで大きくなるか分からない。

 金子教授は「国民負担は避けがたくても、それを最小限に抑える方法はある。国が出資した一兆円はむだになるが、電力債を保護しつつ東電を破綻処理し、発送電を担う新会社と、事故処理や賠償などを担う別組織に分ければいい」と話す。

 具体的には、事故収束や賠償、除染など現在の東電が抱えている原発関連の部分はすべて切り離した新会社を設立する。発送電を中心とした優良企業に変身するので、新株を発行、売却するなどして収益が見込める。

 影響が大きい電力債については全額保全して、新会社がそのまま引き継ぐ。三兆五千億円の借入金については、原発関連分の一兆円余だけ債権放棄してもらい、残りは新会社が引き受ける。それでも金融機関の経営に重大な影響を及ぼすのであれば、公的資金の投入も検討する。

 一方、賠償や除染、事故処理、廃炉などについては、国が管理する別の組織が責任を持って担う。問題はこの「旧東電」(旧社)ともいうべき組織が担う事業の資金をどう調達するかだ。

 その捻出のためには、現在の原発推進から脱原発への大掛かりな政策転換が必要だという。
 金子教授が着目するのは、高速増殖原型炉「もんじゅ」(福井県)や毎年数千億円に上るエネルギー対策特別会計、青森県六ケ所村での核燃料サイクル事業の財源だ。電力各社は使用済み核燃料を再利用するための費用として、計二兆六千億円を積み立てている。これらを国が主導し、賠償や除染、事故処理などに充てるべきだという。

 こうした作業には法律の改正などが伴う。破綻処理は一般的に会社更生法や民事再生法に基づくものと考えられている。だが、金子教授は「東電は通常の民間企業ではない。一兆円の公的資金が入っているなど事実上、法的整理の段階に入っている。原賠法を改正する形で、破綻処理すればいい」と論じる。

 原賠法には、施行から一年ないしは二年をめどに内容を見直すという付帯決議がある。本来ならば、今年八月までには何らかの議論が始まっているべきだが、いまだ国会にそうした動きはない。これを「国会の怠慢」と金子教授は批判する。

 日々、汚染水問題が深刻化する中、福島を救うには一刻の猶予もない。東電の破綻処理はそのためであり、それには脱原発が不可欠だ。

 「政府は過大な負担を国民に強いるか、賠償や除染をせずに福島を切り捨てるのかという二者択一を迫っている。だが、異なる道がある。これ以上、国民にツケを回すことは許されない」

 <デスクメモ> 天下りポストに政治献金、選挙応援など官僚と政治家の大好物を電力会社は差し出してきた。御用学者や金融機関、ゼネコン、一部メディアもご相伴にあずかってきた。福島原発事故後、その構造は可視化されて揺らいだが、再びベールに覆われ、国民へのツケ回しが始まった。いまこそ正念場である。(牧)


 

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