＞>家屋の賠償についても合意した。新築時の六〜八割を賠償する。最低基準とされる築四十八年以上の木造住宅では、現行の三〜四倍に相当する額となる。

＞ぼろ儲けだな

以前、4人家族で帰宅困難地域の場合で賠償が妥結した例の平均額が9000万円程度と言う報道があって、自分もかなりいい条件ではと最初感じたのですが、実態を見ると、かなりひどいというか、過酷なものの様子です。9000万円の例は不動産とかの分が多く、言ってみれば1000万円の価値のあるものを壊されたのに600万円で賠償されているという感じです。

ともかく、今回の報道にある「最低基準とされる築四十八年以上の木造住宅」と言うのがどういう評価になっているのかが不明です。モデルケースでの試算についてはデータが出ています。
＜試算＞４人世帯における原子力損害に係る損害賠償額（http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/kaihatu/016/shiryo/__icsFiles/afieldfile/2013/10/25/1340807_6.pdf）

家屋の延べ面積 147.54�u
・家屋の敷地面積 410.03�u
・家屋の築年 昭和50年＝築年数36年（新築した場合の価値：2,343万円）

という仮定で、建物の賠償額が帰宅困難地域で937万円です。これ高いと思いますか。

まず、おかしいのがモデルケースの設定で、

４人（夫婦と子供二人、労働収入は夫婦のうち夫（30代）の給料収入）

とされているのです。子供が二人いて30代であれば普通は住宅ローンを抱えています。モデルケースであるなら、そのモデルである人間の生活に基づいてのモデルでなければいけないと思いますが、違う設定になっているのです。そして、住宅ローンについてどう扱うのかは公開されていない様子です。どうも、住宅ローンについてはほとんど考慮がされていない様子です。

＞新築時の六〜八割を賠償する

というのが鍵なのです。たとえば、2000万円のローンで新築したとします。30年ローン払いで10年住んでいたとして、多分ローン残高は2000万円程度は残ってしまっています。これは30年ローンであれば支払総額が3000万円程度になるため、10年間で1000万円程度払ったという感じになるからです。
新築時に頭金を500万円払ってあり、総額2500万円の家であったとして、6割賠償で1500万円、8割賠償で2000万円です。

つまり、ローン残高分を賠償されるだけで、新築資金は自分で出せと言われているようなものなのです。

決して、

＞ぼろ儲け

などではありません。

官僚や報道に騙されないように。