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日本は円安で黒字の大企業、海外から注文殺到する中小企業(1) 
http://www.asyura2.com/13/hasan79/msg/204.html
投稿者 赤かぶ 日時 2013 年 2 月 05 日 15:30:00: igsppGRN/E9PQ
 

日本は円安で黒字の大企業、海外から注文殺到する中小企業(1)
http://japanese.joins.com/article/998/167998.html?servcode=300§code=300
2013年02月05日10時53分 [ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]


「円安効果で注文が急速にあふれています」。

時計や万歩計などの計測機器を生産して欧州と米国に輸出する日本の山佐時計計器。同社の日本本社にはこのところ海外支店からこうした朗報が続いている。この会社の最近の受注量は昨年初めに比べ20%以上急増した。昨年11月末から2カ月ほどでユーロに対し円が20%ほど下がり、英国、オランダ、ベルギーの医療機器メーカーがより安い価格で調達できる日本企業に発注を回したためだ。同社の木村正美取締役は、「輸出に明るい兆しが現れている」と話した。

円安を元肥に日本企業が活力を取り戻している。期待感は株価にまず反映された。

日本経済新聞は1日基準で時価総額が1兆円を超える企業はトヨタなど71社に上ると報道した。昨年11月の47社より51%急増した。

韓日を代表する企業の時価総額逆転現象も現れた。同紙によると三菱重工業の時価総額が現代重工業を追い抜き、新日鉄住金とポスコの時価総額の差が昨年10月の7000億円から5000億円に縮小した。同紙は「東南アジアの鋼材加工会社から『日本の鉄鋼製品を仕入れたい』との引き合いが急増している。韓国勢との受注合戦で苦戦してきた日本企業が価格競争力を取り戻しつつある」と伝えた。

大企業の躍進は中小企業にも拡散している。パナソニックなど大手企業にナビゲーションシステムと監視カメラ部品を納品する猿渡電機製作所の関一政社長は、「年末年始は3年ぶりぐらいの忙しさだった」と話す。


日本は円安で黒字の大企業、海外から注文殺到する中小企業(2)
http://japanese.joins.com/article/999/167999.html?servcode=300§code=300

日本企業の復活を眺める韓国では警戒論が大きくなっている。日本の円安は単純に通貨価値を低くして輸出を増やすのにとどまらないでいるためだ。日本政府は11日に13兆1000億円規模の経済活性化対策を発表した。この案の核心は1兆8000億円に達する研究開発投資だ。円安で時間を稼ぎながら日本の製造業の根本的競争力を生き返らせるという意志だ。安倍政権は企業支援のため規制改革委員会の新設も推進している。

企業もやはり円安を足がかりに再跳躍への準備を終えた。破産直前まで追い詰められたシャープは昨年第4四半期に営業利益26億円と黒字を記録した。5四半期ぶりに赤字を黒字に転換したのだ。パナソニックと東芝も黒字に転換した。円安の影響もあるが、構造調整を確実にしたのが大きな役割をした。シャープは本社ビルを含め108億円規模の資産を売却して人材を10%削減した。現代経済研究院のイ・ブヒョン首席研究委員は、「今回の円安が過去の円安と確実に違う点は、日本政府が決心し政策的に押し進めているという点だ」と話した。彼は「日本が国レベルで製造業中心の成長総力戦を展開することになれば韓国企業だけでなく世界市場に大きな影響を与えるだろう。20年にわたる不況を勝ち抜いた日本の底力は決して甘くはない」と診断した。


 

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コメント
 
01. 2013年2月05日 18:10:41 : Pj82T22SRI

わかり易いアベノミクスのメリット

当然、全体の雇用や賃金にも広く薄いプラスの影響がでる

一方で、多くのデメリット、特に長期的な財政リスクの上昇もあり

最終的には数年後に総合して評価する必要がある


02. 2013年2月05日 19:08:43 : xEBOc6ttRg
メキシコ中銀総裁、「究極の嵐」を懸念−日本を名指しも
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  2月5日(ブルームバーグ):景気回復の兆候が新興市場や一部の先進国への資本流入を促し、資産バブルにつながる恐れがあり、世界経済に「パーフェクトストーム(究極の嵐)」が形作られつつあるのかもしれない。メキシコ中央銀行のカルステンス総裁が5日、こうした見方を示した。
同総裁はシンガポールで講演し、「投資家にリスク志向が戻り、大挙し利回りを追求している。クレジットブームが育んだ資産価格バブルの懸念が表れ始めている」と述べた。
日米などの金融緩和が高利回り資産の需要を促し、新興市場への資金流入を膨らませ、「通貨戦争」のリスクが表面化している。ロシアは先月、日本の円安を誘導させる政策が、各国が自国の輸出産業を保護しようとするような作用を生む可能性があると警告した。
カルステンス総裁は「一部の新興市場経済への大規模な資本流入の結果として、パーフェクトストームが形成されつつあるのかもしれないというのが私の恐れていることだ」と語った。「資産の不適切な価格形成を特徴とするバブルにつながり、主要先進国が緩和的な金融政策から抜け出し始めることで、流れが逆転する可能性がある」と指摘。その上で、「実質為替レートを押し下げる戦略を実際に追求している国」として日本を名指しした。
原題:World Risks ‘Perfect Storm’ on Capital Flows, CarstensSays (1)(抜粋)
記事に関する記者への問い合わせ先:シンガポール Shamim Adam sadam2@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先:Stephanie Phang sphang@bloomberg.net
更新日時: 2013/02/05 16:34 JST

03. 2013年2月05日 19:36:25 : xEBOc6ttRg
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白川日銀総裁、早期辞職を表明
2013/02/05 (火) 19:08


先ほどの報道によれば、日銀の白川総裁は4月8日の任期満了を待たずに、2人の副総裁が任期を迎える3月19日に辞任する意向を表明しました。

今日昼に、麻生財務大臣が民主党が日銀の総裁・副総裁人事に関して「行政経験、組織運営の経験のない方は問題」などとして、みんなの党などが推している学者出身の複数の候補に否定的な意見を述べました。その後午後には、6項目からなる民主党が日銀の総裁・副総裁人事に関して国会で同意するか否かの判断基準案が報道されるなど、日銀の次期総裁・副総裁人事に向けて具体的な動きが出てきています。

そんな中、現在の白川総裁が任期満了を待たずに2人の副総裁とともに辞任するということで、現在の安倍政権が掲げる「大胆な金融政策」実現に向けた動きが加速する、との見方で円売りが強まりました。


04. 2013年2月05日 19:39:43 : xEBOc6ttRg
民主党、日銀総裁人事の判断基準を正式決定
2013年 02月 5日 18:51 JST  
[東京 5日 ロイター] 民主党は、日銀総裁人事にふさわしい人選に関する判断基準をまとめ、党財務金融部門会議で了承し、「次の内閣」会合で正式決定した。

判断基準として、1)金融市場への卓越した指揮権、2)市場との十分なコミュニケーション能力や語学力、3)組織管理能力、4)国会や政府への説明能力、5)政府と緊密な連携を行いつつ、金融行政の独立性を堅持する能力、6)大きな観点からバランスよく対応できる能力──をあげている。
 
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インタビュー:日銀総裁人事は「空白」回避を最優先=海江田民主党代表 2013年1月16日


 


コラム:株式とコモディティの相関性低下は短命に終わる可能性
2013年 02月 5日 14:40 JST  
コラム:海外の円安批判は筋違い、100円前後まで自他共栄=熊野英生氏
コラム:日本経済「慢心の2年」への危険な兆候=河野龍太郎氏
コラム:100円も視野の円安進行、米当局は容認か
コラム:ダボス会議で明暗、日本は評判アップ

By Ian Campbell

[ロンドン 4日 ロイター BREAKINGVIEWS] 株式とコモディティは密接に連動することが多いが、最近はその相関関係が薄れている。昨年8月以降で世界の株式相場は15%上昇したのに対し、コモディティ相場はほとんど動いていない。

これはパラダイムシフトだろうか。シェールガスがエネルギー市場を揺さぶってはいるが、恐らくそうではない。量的緩和を背景に株式市場の上昇スピードが単に速過ぎる可能性がある一方、コモディティ投資家は世界の成長に懸念を抱いて躊躇しているのだ。

量的緩和が世界の流動性を高め続ける限り、いずれの資産クラスの投資家も比較的安心していられる。新たに登場した大きな要因は、日本が量的緩和競争に参戦したことだ。株式やコモディティといったリスク資産にとって、日米間の量的緩和競争は恩恵となる。米連邦準備理事会(FRB)は毎月850億ドルの資金を新たに供給している。白川方明・日銀総裁によると、日銀は「無制限の緩和」によって2013年は50兆円程度の資金を供給した上、14年1月からは毎月13兆円を供給する方針だ。

コモディティ相場はドル相場の影響もあって出遅れているのかもしれない。これまでの「リスクオン」局面ではドル相場は弱含み、大半はドル建てで取引されるコモディティは強含む傾向にあった。だが2012年にドル相場はわずかに上昇しており、日本の新たな金融緩和は直接、円安に照準を定めている。ドルは対ユーロでは軟化しているが、実効レートで見ると9月以降、安定して推移している。

ドルの影響以外で考えられるのは、コモディティ投資家が株式投資家と違って経済のファンダメンタルズ(基礎的諸条件)を心配している可能性だ。2012年は世界の経済成長が低調で、コモディティに対する実需が弱まるとの懸念が生じた。加えて安価なシェールガスという明らかな供給サイドのシフトが起こり、これが石油や他のエネルギー価格をかく乱している可能性がある。だが株式相場の方は成長率よりもバリュエーションに大きく左右されているのかもしれない。安全資産である国債の利回りが過去最低水準で推移しているため、バリュエーションは魅力的に映る。MSCI世界株価指数の採用銘柄は業績予想に基づく株価収益率(PER)が13倍程度で推移しており、過去20年の平均である16倍を下回っている。

一方で経済をめぐる最悪の懸念は、これまでのところ現実になってはいない。中国の成長失速とコモデイィティ需要の急減は起こっていない。例えば2012年の中国の鉄鉱石輸入量は8.4%増加した。またユーロ圏の危機が一服したため13年の世界の成長見通しは改善しつつある。

このため株式とコモディティの相関関係は再び高まるかもしれない。特に株価が若干反落した場合にその可能性が高い。ただ量的緩和の潮流が続いている間は、双方の資産クラスとも魅力的を保つ。

 


コラム:海外の円安批判は筋違い、100円前後まで自他共栄=熊野英生氏
2013年 02月 5日 18:58 JST  

トップニュース
リチウムイオン電池は成長の柱、車向けに影響なし=GSユアサ幹部
トヨタが円安で通期営業利益を上方修正、単体は5期ぶり黒字へ
ドル92円前半で停滞、豪ドルは利下げ時期の観測や中国指標で底堅い
花王13年12月期は3.8%営業増益予想、24期連続増配を計画

熊野英生 第一生命経済研究所 首席エコノミスト(2013年2月5日)

メルケル独首相の「為替操作」懸念をはじめ、欧州各国の高官から少しずつ日本に対する円安誘導批判が増えている。おそらく日本政府への風当たりは、今後もっと強まるだろう。こうした批判に対して「筋としておかしい」と思い切って反論した麻生太郎財務相の発言を、筆者は評価したい。

これまでは国際的批判を過度に恐れて、自分で貧乏くじを引いていたきらいがあったが、批判の中で正当なものと不当なものを峻別すべきだ。そこで、以下では、わが国の通貨政策が、不当なかたちでの円安誘導ではないという論拠を挙げてみたい。

ひとつは、麻生財務相の論旨と同じく、現在が歴史的円高の修正過程だという点である。多くの人が指摘するように、リーマンショック前の2008年は1ドル96―112円、1ユーロ152―171円だった。2月5日(日本時間午後6時)現在のレートは1ドル92円、1ユーロ125円。まだリーマンショック前に戻っていない。

過去4年半は、リスク回避の円高だった。世界的な金融不安の中で、円が安全資産として選好された。現在、リスク回避の円高は解消過程にあり、日銀の金融緩和はそれとタイミングが合ったので、これほどインパクトがあった。

欧州について言えば、これまでは債務問題がユーロ安圧力を生み出してきた。リスク回避の円高の原因でもある。一時期の極端なユーロ安が是正されていることを自然と捉える一方で、円高是正が不自然という理屈は成り立たない。

欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁は、緊急避難として行った長期資金供給オペ(LTRO)の返済早期化に踏み切っている。これは、返済資金として金融機関がユーロを集めるという意味で、ユーロ高圧力になる。ドラギ総裁は、金融危機を乗り切るために必要とした巨大な流動性供給を手仕舞うことが妥当と判断している。これは欧州自身がリスク回避局面からの脱却を始めるという意味で、円安傾向と整合する。

<日本は通貨外交のルールに違反していない>

通貨にはゼロサムゲームの関係がある。ユーロとドルが安ければ、円は高くなる。ユーロが高くなれば、ドルと円は安くなる。したがって、日・欧・米のいずれか一方が為替操作をすれば、反対側でしわ寄せが起こる。ここで重要なのは、為替操作は先進諸国のゲームのルールとして禁じられている点だ。

もしも、日本政府がドル買い・ユーロ買いの為替介入を継続的に行っていれば、これは「アウト」だろう。もちろん、日本は違反をしていない。日銀の外債購入も行われていない。逆説的に言えば、日本は為替介入や外債購入を行っていないから、不当な為替操作をしていないと胸を張れる。安倍政権はその点を踏み外してはいけない。

今までの日本は、ゲームのルールの中でプレイすることが上手ではなかった。たとえば、環太平洋経済連携協定(TPP)などの貿易自由化交渉。同一ルールの上で戦えば負けるという心理から、高関税率などの直接介入をやめることには抵抗感が強く、参加を躊躇してしまう。そうした発想からは卒業した方がよい。

そもそも、貿易自由化の枠組みでは、国際競争力の弱い産業を、補助金を使って保護することは全面的に禁止していない。輸出増加・輸入減少をもたらす補助金は禁止であるが、個別産業への保護政策には合理性もあるからだ。日本の金融緩和についても、為替を明確に操作する介入政策ではなく、国内景気刺激のために行っているものであり、その派生的効果として円安が生じているのだから、批判される筋合いにはない。

ルール違反という点では、円安誘導が「近隣窮乏化」政策だという見方もある。しかし、リーマンショック後の日本経済自身が、円高で窮乏化している点を踏まえると、現在の円安は他国を窮乏化させる心配よりも、日本経済の建て直しのためにある程度は必要と考えられる。それに、今後は日本経済が内需拡大を進めれば、近隣諸国には日本への輸出というビジネスチャンスが大きくなる。1ドル100円くらいまでの円安を求めることは「自他共栄」につながる。

<アベノミクス賞味期限切れ後が心配>

安倍政権の政策運営が、不公正な為替操作だと誤解されるのは、中央銀行の独立性を脅かしたり、拡張財政で財政再建が頓挫するのではないかという先入観が強いためだろう。

しかし、日銀の独立性剥奪は寸止めされており、財政運営は2015年度に基礎的財政収支赤字の半減へと舵を切り直している。さすがに規律や節度は守られている。掟破りの日銀直接国債引受けと財政再建放棄という悪魔的ポリシーミックスを選択はしていない。金融・財政政策が、健全の範囲内で行われているのであれば、類推解釈による批判も的外れである。

不当な政策的操作ではないという論拠は、消費者物価2%を掲げて、口先で大胆な金融緩和を強烈に唱えていることが、どのくらい為替レートの決定に効くかという不確実さにある。アベノミクスによる円安誘導は、一定期間の賞味期限のある政策であり、持続性には限りがあると筆者はみている。確実に円安を誘導できないからこそ、不公正な誘導とはみることはできない。思いのほか円安方向に戻ったので、結果だけをみてそれを指弾するという流儀はフェアではない。

怖いのは、賞味期限のある円安誘導が効かなくなった後の日本政府の対処である。柳の下のドジョウのように、安倍政権が日銀の金融緩和によって円安が操作できると勘違いして、外債購入のような「ルール違反」の領域に、不用意に足を踏み入れると、話は違ってくる。官民ファンドを作って、外貨を無制限に購入することは、為替介入と同列である。日本自身が、正当と不当の境目がわからなくなると、批判してくる諸外国に合理的な抗弁ができなくなる。こうした節度は、専門家たちが正しく指摘しなくてはいけない。

*熊野英生氏は、第一生命経済研究所の首席エコノミスト。1990年日本銀行入行。調査統計局、情報サービス局を経て、2000年7月退職。同年8月に第一生命経済研究所に入社。2011年4月より現職。
 
 

電気自動車、再び失速の兆し
環境対応車として期待され、日産自動車などが多大な投資を行ってきたEVだが、消費者の反応は鈍く、普及は進んでいない。
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トヨタ、単体で5期ぶりの黒字へ
欧州政局不安、市場は余裕見せる
コラム:海外の円安批判は筋違い


05. 2013年2月06日 00:52:02 : xEBOc6ttRg
安倍政権の「大胆な金融緩和」は本物か?

政権公約のデフレ・円高対策の実現性を検証する

2013年2月6日(水)  門司 総一郎

 今、日本は新政権の誕生で「政治」と「金融市場」の関係がこれまで以上に強まり、複雑化しています。さらに欧州の債務危機や米国の財政の崖、中国の新執行部選出など、政治と市場を巡る動きは、海外でも大きな焦点となっています。
 しかし、市場関係者がこの両者の関係を論じる場合、「アベノミクスで日本は変わる」など物事を極めて単純化した主張になりがちで、十分な分析がなされているとは言えません。そこで、このコラムでは政治と市場の関係について深く考察し、読者の皆様に分かりやすく解説していきます。
そもそも「大胆な金融緩和」とは?

 昨年11月の党首討論で野田佳彦首相(当時)が解散・総選挙を宣言して以来、株高・円安が大きく進みました。この理由として指摘されるのが、安倍晋三首相が掲げる「大胆な金融緩和」への期待感です。

 「大胆な金融緩和」→「円安」→「デフレ脱却」の経路で日本の構造問題が一気に解決、株式市場も長期上昇局面入り。単純化すればこういう図式で、株式に強気な方も増えてきましたが、そうした方に「『大胆な金融緩和』とは何ですか?」と尋ねてもはっきりした答えがないことがほとんどで、中には「とにかく決意を示すことが重要」など精神論的な答えもあります。

 そこで第1回の「政治と市場の“正しい”見方」では、「大胆な金融緩和」について検討してみたいと思います。

 まず衆院選の自由民主党の政権公約を見ると、「デフレ・円高対策」の項目にこうあります。

「明確な『物価目標(2%)』を設定、その達成に向け、日銀法の改正も視野に、政府・日銀の連携強化の仕組みを作り、大胆な金融緩和を行います」
「財務相と日銀、さらに民間が参加する『官民協調外債ファンド』を創設し、基金が外債を購入するなど様々な方策を検討します」
 ここからキーワード的なものを抜き出すと、「明確な物価目標(2%)」「日銀法改正」「政府・日銀の連携強化」「官民協調外債ファンド」となりますが、これらが「大胆な金融緩和」の具体的な内容、またはそれに準ずるものと言えそうです。

 これに安倍首相が言及した、あるいは言及したと報じられた雇用目標の設定や国債の直接引受けなどを追加したものが、【表1】です。インフレ目標については既に日銀が採用している「中長期的な物価安定の目途」に近いものがありますが、それ以外はこれまで日銀が採用していないものばかりなので、「大胆な金融緩和」と呼ぶにふさわしいかもしれません。

【表1】 報道等で取り上げられた金融緩和
    あるいはそれに準ずる施策と実現の可能性

 しかし、【表1】では各政策の実現可能性について、「1(実施済み/高い)」「2(低い)」「3(ない)」の3段階で評価していますが、「1」が2つ、「2」が3つ、「3」が3つと、大半は可能性が低い、またはないと考えているものばかりです。つまり「大胆な金融緩和」の実現可能性は意外と低いことになりますが、そう考える理由について順に説明していきます。

意外と低い「大胆な金融緩和」の実現可能性

 まず日銀法改正ですが、ここで問題になるのは「中央銀行の独立性」です。中国など中央銀行が政府の一部となっている国もありますが、先進国では通貨増発による悪性インフレのリスクを避けるために、中央銀行を政府から切り離し、独立性を担保した形にするのが常識です。したがって、政権の一方的な都合で日銀の行動を拘束するような法改正を行えば、独立性に疑義が生じかねないため、日銀法の改正は簡単にはできないことになります。

 安倍首相もここまでは直ちに法改正に踏み切るのでなく、「インフレ目標設定を見送れば日銀法を改正して目標を設ける」など、法改正をちらつかせることによって日銀に圧力をかけるスタンスです。したがって、日銀が首相に抵抗すれば話は別ですが、そうでなければ法改正が実現する可能性は小さいとの見方です。

 内閣への日銀総裁解任権の付与についても、「中央銀行の独立性」の観点から実現の可能性はほとんどないでしょう。現在の日銀法では任期途中での総裁や副総裁、審議委員の解任は、破産手続きの開始など特殊な状況においてのみ認められています。これを「金融緩和に消極的」などの理由での解任を可能にすると、金融政策運営における日銀の独立性が担保されなくなります。また、総裁交代が頻繁になり、金融政策の継続性が損なわれて日銀への信頼が揺らぐことも考えられます。以前海外のメディアから、「日本では首相が毎年代わるので、せめて日銀総裁ぐらいは代わらないようにすべきだ」といった指摘がありました。

 国債の直接引受けは財政法上困難と言われていますし、日銀法もこれを認めているようには読めません。また国債の直接引受けは、財政規律を無視した中央銀行による財政赤字のファイナンスとの印象を与えるため、国債価格の下落や格付けの引下げにつながりかねないことからも可能性はほとんどないと見ています。

 雇用目標の設定は、日銀法に「(日銀の)通貨及び金融の調整が経済政策の一環をなすものである」という一文があることから検討の余地はあると思いますが、仮にそうするにしても十分な議論が必要でしょう。なにより安倍首相こそ雇用目標に言及することがあるものの、その他の政府首脳からはこの件に関する発言がほとんどないことから、実現の可能性は極めて低いと考えています。

共同声明の評価すべき点

 政府・日銀の連携強化は1月22日発表の共同声明の形で実現し、2%の物価目標設定もその中に盛り込まれました。ただし、目標達成の具体的な手段は日銀に一任し、期限も「できるだけ早期」と曖昧です。その上達成できない場合の罰則規定もないのであれば、事実上これまでと同じと言ってよいでしょう。同日決定された日銀の追加緩和に特段のサプライズがなかったこともあり、この日の日経平均は下落、円も買い戻されました。

 ただしこの共同声明には評価すべき点があります。

 当初アコード(政府と日銀の政策協定)が言われた時は、一方的に日銀に義務と責任を負わせるとのニュアンスが強かったのですが、共同文書では日銀がデフレ脱却に対して、政府が競争力・成長力強化に対してそれぞれ責任を負うなど双務的な内容となっているため、これにより「政府および日銀の連携強化」のニュアンスが強まりました。もう一つは規制・制度改革など成長戦略や財政運営を盛り込んだ点です。これにより安倍政権は成長戦略や健全財政に責任を持つことを示すことができますし、実行する義務を自らに課したことにもなります。こうした点も評価してしかるべきでしょう。

外債購入ファンドの可能性が低いワケ

 最後は日銀による外債購入と外債購入ファンドの設定。これは投資家の期待が最も高い施策です。野村証券が内外の投資家に実施したアンケート調査では、日銀が外債購入に踏み切る(基金を通じた購入も含む模様)と予想する投資家の比率は57%、海外投資家だけに限れば74%が予想しています(国内投資家は43%が予想)。しかし、こうした施策の可能性も低いと見ています。

 日銀の外債購入については、財務省の委託を受けた場合(いわゆる介入)以外は現行の日銀法では認められていないというのが財務省および日銀の認識で、これは政治家の間でも共有されつつある模様です。そのため最近は政府と日銀、さらに民間の出資による外債購入ファンドの設定が議論の中心となっています。

 こちらについて問題になるのは海外からの批判です。米国は中国などの通貨政策を「自国通貨安誘導」と批判している関係上、日本が基金を設立して外債を購入することを看過するわけにはいかないでしょうし、ドイツのメルケル首相が「為替レートの人為的な操作について、『日本を見た場合、現時点で全く懸念がないとは言えない』」と発言するなど、既に日本を批判する声も出ています。実際には安倍政権はまだ何も為替操作的なことはやっていないにもかかわらずです(批判する方もどうかとは思いますが……)。

 モスクワで開催される2月のG20財務相・中央銀行総裁会議で日本の為替政策が議題になるとの観測も出ており、数千億円程度の小規模なものならともかく、日銀総裁の有力候補の一人である岩田一政日本経済センター理事長が主張する「50兆円規模の外債購入基金の設置」のハードルはかなり高いと言えます。そもそも為替市場に直接働きかけるのであれば、介入を実施するのが一番簡単ですが、それができないことにはそれなりの理由があるはずです。であればそれと同じ円安を目的とした基金による外債購入も、やはりできないと考えるべきでしょう。

結局のところ、「大胆な金融緩和」はない

 以上のような理由で「大胆な金融緩和」に相当するような、従来の金融緩和の枠組を越える施策が実現する可能性はきわめて低いと考えています。ただ、これは「中央銀行の独立性」「財政規律」などに配慮したためであり、これを無視して極端なリフレ策に走る方がむしろ問題です。

 安倍政権が発足してからここまで、共同文書の策定とインフレ目標の設定以外に金融政策に関する動きがない点を見ると、おそらく政権内部も同じ認識で極端なリフレ策を採用するつもりはないと思われます。日銀総裁が代わっても政権にその気が無ければ実現は不可能です。

余計なことは語らず、市場に媚びることなかれ

 ただし市場参加者の間では「大胆な金融緩和」に対する期待感が依然強いため、それが剥落することになれば株安・円高に振れることが予想されます。実際1月半ばには、甘利明経財相や石破茂自民党幹事長の発言で円高・株安に振れ、一時的ではあったもののヒヤッとする場面がありました。この時は甘利経財相発言などから前言を修正するような発言があったため、短期間で株高・円安に転じましたが、これは上策とは言えません。市場の期待に沿うように発言すればするほど、後の反動が大きくなります。

 一番良いのは「為替に関してコメントしない」ことです。あるいは「円高修正もかなり進んだので、ここからは市場の動きを見守りたい」などのコメントに止めることも考えられます。先ほど述べたように、何もやっていないのに「為替操作」と批判されるのは、政治家が発言するからです。何も言わなければ自然と他国からの批判もなくなるでしょう。投資家にとっては失望感につながると思いますが、円高・株安に振れても気にすることはありません。

 先日行われた日本経済新聞とテレビ東京の世論調査では安倍内閣の支持率は68%、12月調査末から6ポイント上昇しました。記事の見出しは「金融緩和姿勢を好感」となっていますが、中身を読むと2%の物価上昇目標と共同声明については「評価する」が45%、「評価しない」が32%と拮抗しており、金融緩和姿勢がそれほど大きな支持につながっているようには見えません。一方、「仕事ぶりを評価する」が62%、「アルジェリア人質事件での対応が適切」が61%と高い評価を受けている点を見ると、「やるべきことをきちんとやっている」ことが高い支持率の主因だと考えられます。

 またこの世論調査とは関係ありませんが、閣僚から失言や閣内不一致と見られる発言がほとんどないことも、安倍内閣の印象を良くしていると考えています。ここ数年の内閣では珍しいことで、それだけ安倍首相(菅義偉官房長官かもしれませんが)の閣僚に対するグリップがよく効いており、その閣内のガバナンスが機能していることの証と言えます。

 円安や株価の上昇も単に金融緩和期待だけでなく、こうした安倍内閣の仕事ぶりや政権運営への信頼感による部分も大きいと考えています。もしそうならば、金融緩和期待が剥落して円高や株安に振れても、やるべきことをきちんとやっていればそうした動きは一時的なものに止まるはずで、恐れる必要はないでしょう。

 むしろ警戒すべきは反応を気にする余り、市場関係者が望むような発言を繰り返すことです。期待感が高まれば高まるほど反動は大きくなり、その期待感が崩れた時には円高や株安だけでなく、一番大事な政権への信頼も失われることになりかねません。市場に耳を傾けることは大切ですが、市場に媚びる発言をすることは一種のポピュリズムであり、弊害が大きいといえます。ここまでのところ安倍内閣は好スタートを切ったと考えていますが、市場に媚びることなく、自分の良かれと思うことを貫いていただきたいと思います。株式市場にとっても、最終的にはそれがプラスになるからです。


門司 総一郎(もんじ・そういちろう)

大和住銀投信投資顧問経済調査部長。東京大学法学部卒業後、1985年大和証券入社。88年大和投資顧問(現大和住銀投信投資顧問)転籍、アジア株ファンドマネージャーなどを経て現職。同社ホームページに「ストラテジストコラム」を掲載中。


政治と市場の“正しい”見方

 今、日本は新政権の誕生で「政治」と「金融市場」の関係がこれまで以上に強まり、複雑化しています。さらに欧州の債務危機や米国の財政の崖、中国の新執行部選出など、政治と市場を巡る動きは、海外でも大きな焦点となっています。

 しかし、市場関係者がこの両者の関係を論じる場合、「アベノミクスで日本は変わる」など物事を極めて単純化した主張になりがちで、十分な分析がなされているとは言えません。そこで、このコラムでは政治と市場の関係について深く考察し、読者の皆様に分かりやすく解説していきます。


 

 

円安で困るのは誰か?

児玉 克哉 | 三重大学副学長・教授

2013年2月5日 9時1分
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アベノミクスによる円安誘導策は功を奏しています。日経平均は先週末までに週間ベースで12週連続で上昇しています。「岩戸景気」のさなかの1958年12月〜59年4月の17週連続に次ぐ54年ぶりの記録といいます。実際にまだ、アベノミクスが本格的に動いているわけではなく、「今から動くぞ」という宣伝効果で、こうした現象が起きています。私は、円はこれまで高すぎる相場で動いてきたと考えています。つまり心理的な変化をもたらす政策があれば、1ドル=100円程度にはなるし、それはかなり持続すると思っています。安倍首相は金融緩和策をアベノミクスの中心に据えていますから、また円高に戻りかけることがあっても、大きな動きとならず、長期にわたっての円安が進むと考えています。
非常に日本経済に効果がある円安ですが、円安が進むと、「喜ぶ人もいれば、困る人もいる」といういい方が出てきます。つまり功罪相半ば論が出てくるのです。しかしこれは日本の産業構造をみれば、円安は全体としては日本経済にプラスの効果をもたらすと思います。決して相半ばではなく、プラス、です。輸入品が安くなっても、それを買うお金がないなら、結局デフレ経済になり、厳しくなるのです。それまでの蓄積で生活するならデフレは決して悪い話ではないかもしれませんが、今、稼ぐお金が少なくなれば、安いものでも買えなくなります。あるいは安いものしか買えなくなります。これが牛丼などの安売り競争を起こしましたが、これで日本経済が良くなることはありません。輸出産業が活気づき、食材でも国産ものが競争力を増し、日本の産業が蘇ってこそ、高くなっても海外からのものを買うことができるのです。
とはいえ、産業によっては、困るところもでます。少なくとも短期的には大きな赤字を計上しなければならないところもでます。ちょっと整理してみましょう。
まずは、原油や天然ガスなど化石燃料系です。これらはほぼ100%輸入に頼っていますから、明らかに値上がりします。電力会社は厳しい状況に置かれます。これまでは、円安になればほぼ自動的に価格に反映することができました。円高でも円安でも損することはない設定になっていたのですが、原発事故から電力会社への風当たりは強く、簡単に値上げができない状況が生まれています。原発のほとんどが止まっている中で、化石燃料に頼る部分は大きくなっており、円安は収益に直接的に響きます。最近の「エコ」意識によって、経済が良くなっても電気の使用量はそれほど増えないかも知れません。企業もかなり省エネ努力をしました。電力会社はほぼ確実に損を被る側になりそうです。ガソリンスタンドなども厳しくなります。1リッターが170円、180円となると、さらに省エネカーへの移行が進みます。ガソリンの使用量は減る傾向にありますが、これに拍車がかかります。航空会社も燃料費のアップがあり、かなり打撃を受けます。ただ、短期的には厳しくなりますが、時間がたてば、経済の活性化によって飛行機を使った出張や旅行も増える可能性があります。
食事関係の業界も打撃を受けるところがあります。チェーン店の多くはかなりの食材を輸入物に頼っています。円安は仕入れ価格をあげることになります。ただ、これまで、安く食材を買えても、提供価格も価格競争に入ってきました。結局、それほど儲けにはつながっていないのです。円安によって、景気が回復するなら、食材価格の高騰は吸収できると思います。
農業や畜産業、水産業にも影響はあります。農業の肥料はかなり輸入の資源に頼っています。円安はこうした費用の増大につながります。畜産業では、家畜の飼料はほとんどといっていいほど輸入に頼っています。飼料価格の高騰は必要経費を着実に上げます。水産業においても、船の燃料価格が上がりますから、厳しくなります。とはいえ、これらは、海外からの輸入物に対しての価格的優位性を持ちます。実際に、円高であったこの20年にこうした産業は潤ったでしょうか。衰退の一途になったのです。全体としてこの産業では円安の方がいい効果になると思います。また金回りが良くならなければ、高い国産牛などの消費はのびません。松阪牛は、デフレ時代には苦戦するのは当然。インフレ時代にまたブランド力を高めるのです。
100円ショップが意外と苦戦しそうです。100円(105円)と価格を決めていますから、原材料の価格が上がれば、卸値も上がり、利潤は少なくなります。あれだけ安く提供するには、中国やアジアで安く作り、それを大量に売るという戦略しかありませんでした。しかし、卸値が高くなれば、100円でやっていけるのかどうか、ということにつながります。景気が回復すれば、100円ショップ離れも起きるかもしれません。150円ショップなどに一気に変わるかもしれません。インフレ時代にはそれが正しい選択肢と思います。
このように見てくると、業種によってかなり影響が異なります。課題は、円安になたから、有利不利というだけでなく、それが日本の実体経済を回復させるところまでいくかどうか、です。輸出産業が短期的に黒字をあげても、実体経済を改善することがなければ、一時的な景気回復に終わってしまいます。実体経済を回復させるために何ができるのか、何が必要なのか。円安はそのためのチャンスでしかありません。


児玉 克哉
三重大学副学長・教授
三重大学副学長・人文学部教授、国際社会科学評議会理事、国際平和研究学会事務局長。専門は地域社会学、市民社会論、国際社会論、マーケティング調査など。公開討論会を勧めるリンカーン・フォーラム事務局長を務め、開かれた政治文化の形成に努力している。「ヒロシマ・ナガサキプロセス」や「志産志消」などを提案し、行動する研究者として活動をしている。2012年にインドの非暴力国際平和協会より非暴力国際平和賞を受賞。

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06. 2013年2月06日 02:54:07 : xEBOc6ttRg
政府圧力を否定、白川日銀総裁が辞任表明

2013年 02月 6日 00:53 JST


[東京 5日 ロイター] 日銀の白川方明総裁は5日夜、記者団に対し、任期満了を待たず3月19日に辞任することについて、新たな正副総裁が同時に就任し、新体制が金融政策をしっかり議論できるようにすることが目的との見解を示した。

政府圧力との見方をきっぱりと否定するとともに、物価目標導入など新たな金融政策運営について内外の説明を終えたことで、進退を表明する環境が整ったと説明した。

白川総裁は5日、官邸で安倍晋三首相に3月19日で辞任する意向を伝えた。このタイミングで辞任を表明した理由について、1月22日の金融政策決定会合で、消費者物価の前年比上昇率で2%という目標と、資産買入基金による無期限の資産買い入れという「金融緩和の思い切った前進」を決め、国内外に対して説明を済ませたことで、「進退について話をする環境が整ったと判断した」と語った。

「大胆な金融政策」を掲げる安倍政権の圧力への抗議との見方が一部であることに対しては、明確に否定。「私自身の判断」と強調し、同総裁よりも先に2人の副総裁が任期を迎えることから、それに合わせて前倒しで辞任することによって「新しい体制の下で、金融政策をしっかり議論していく、あるいは日本銀行の政策を考えていくには、同時スタートがもっとも自然だ」と新体制へ円滑に移行することが目的と繰り返した。その上で「3月19日まで総裁としての職責をしっかり果たす、これは就任以来、まったく変わってない」と強調した。

白川総裁の辞任が前倒しとなることで、新たな正副総裁の人選と国会の承認が順調に行われれば、3月20日にも新体制が発足する見通し。白川総裁は、新体制の金融政策運営について「物価の安定と金融システムの安定を通じて経済の発展に貢献していく(金融政策の)使命は、法律にはっきり書かれている。これはどういう体制でも最も大事な仕事だ」と語った。

(ロイターニュース 伊藤純夫;編集 久保信博)

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米政府のS&P提訴、問題格付けは他社と「同じ」―弁護士=CNBC
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米経済、住宅市場改善受け順調に拡大=デュークFRB理事
 


白川日銀総裁が3月19日に辞任、新体制の早期発足に配慮
2013年 02月 5日 23:09  


[東京 5日 ロイター] 日銀の白川方明総裁は5日、4月8日の任期満了を待たずに、3月19日に辞任する意向を安倍晋三首相に伝えた。2人の副総裁が同日に任期を迎えるため、新体制への早期移行が必要と判断した。総裁が任期途中で辞任するのは1998年施行の新日銀法下で初めて。

<首相に直接辞意伝える、政府の圧力は否定>

官邸で行われた経済財政諮問会議終了後、いつもなら足早に通り過ぎる白川総裁が、記者団に歩み寄り、自ら「私の進退の事で、総理に直接話をするために参上した」と切り出した。その上で「3月19日をもって職を辞することを総理に伝えた」と辞任の意向を表明。自身の任期前の3月19日に山口広秀、西村清彦の2人の副総裁が任期を迎えることから、前倒しの辞任によって「総裁、2人の副総裁の新たな体制が同時にスタートすることが可能になる」と理由を説明した。

夜になって日銀内であらためて会見した白川総裁は辞任に関して「政府からの圧力はまったくない」と否定。辞任を表明したタイミングについて、新しい金融政策について内外での説明を終え、自身の進退を話す環境が整ったと判断したことを明らかにした。

白川総裁は、新体制を同時にスタートすることで金融政策をしっかり議論するメリットがあると説明。新体制についても物価と金融システムの安定という使命は変わらないと語った。

<同意人事提示は正副総裁同時に、後任人事への配慮も>

新たな総裁と2人の副総裁は、政府が人選作業を進めている。安倍首相は、次期日銀総裁について「デフレ脱却に向け、2%の物価安定目標のもと、その早期実現を目指し、大胆な金融緩和を推進すること」を要件にあげている。2月中にも候補者が国会に提示される見通しで、衆参両院の同意を得て内閣が任命する。白川総裁が前倒しの辞任を表明したことで、同意人事の提示も正副総裁同時に行われる見通しとなり、新たな正副総裁による体制が早期にスタートする。

日銀の最高意思決定機関である政策委員会は、総裁1人、副総裁2人、審議委員6人の計9人で構成されており、月に1─2回、定例で開催している金融政策決定会合では、政策金利など金融政策運営の重要事項を決定している。3月19日以降、最初に開催される金融政策決定会合は、4月3、4日。白川総裁が任期を全うすれば、同日の会合は白川総裁と新たな2人の副総裁という構成で開催される可能性があった。このため、前倒しの辞任による新体制への円滑な移行にも配慮したとみられる。

この日の経済財政諮問会議に出席した甘利明経済財政相は、白川総裁の辞任について「ご自身の出処進退がこれからの(総裁の)人選に対していろいろマイナスの影響を与えないようにという、ご自身の潔さから表明された。まったく白地の状態で選考できるようにという総裁自身の配慮かと思っている」との見方を示した。

4月の経済財政諮問会議での金融政策に関する集中審議では、2%の物価目標に向けた道筋を説明するという宿題が日銀に出されている。市場関係者からは「新しい正副総裁が就任して約1カ月間の準備期間ができる点などにも配慮し、辞任の時期を前倒ししたものと想像する」(SMBC日興証券債券ストラテジスト・岩下真理氏)との見方も出ている。

(ロイターニュース 伊藤純夫、石田仁志、中川泉:編集 内田慎一、久保信博)


 


インタビュー:日銀は大きな一歩=PIMCO正直氏
2013年 02月 5日 22:24 JST
[東京 5日 ロイター] 世界最大の債券ファンド運用会社、パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)で日本の債券運用を統括する正直知哉マネージングディレクターは5日、ロイターのインタビューに対し、日銀が2%の物価目標を定めたのはレジームシフトに向けた大きな一歩だと評価した。

そのうえで、日銀が短いゾーンの国債を購入する一方で、インフレを志向すれば、長期・超長期国債に対するリスクプレミアムは上昇し、金利曲線はスティープニングするとの見通しを示した。

主なやりとりは以下の通り。

──日銀の2%物価目標導入をどう評価するか。

「レジームシフトへの大きなファーストステップだ。これまでの日銀レジームはインフレになったときのリスクを恐れるあまりにデフレ容認的だった。デフレ容認の中央銀行がインフレ率2%を目標にする中央銀行に変わる大きな一歩だ。そして実際にレジームシフトできるかは新総裁にかかっている」

「ただ目標は政府との共同責任という形になった。インフレ目標が達成できないのは成長戦略が足りないからだ、いや金融緩和が足りないからだと責任の押し付けあいになるおそれもある」

──新総裁に望むことは。

「2%の物価目標がある以上、目標を共有してくれる人が就任するのだろうから、マーケットが予想する日銀の低金利政策の時間軸はかなり長くなるだろう。目標達成のツールとしては量的緩和の拡大になるとみられ、マネタリーベースを増やし、実質金利を押し下げ、円安を促すことになろう」

「その際、日銀が買っていくのはやはり国債が中心になるだろう。どこまで買い取り年限を伸ばすかがポイントだ。FRBやBOEのように積極的に長いところを買っていくかというと、誰が新総裁になったとしてもそれには限度があるとみている。今の日本では、家計や企業などプライベートセクターは長期の債務をほとんど持っておらず、金利のチャネルはほとんど効かないためだ」

「日銀のバランスシートを大きくするには長期の国債を買う必要はない。短い国債で十分だ。日銀が購入する国債の年限が3─5年、5─7年と長くなっていくなかでも、やはり財政規律を守らなければならないことを考えると、どの人が総裁になっても長期債・超長期債を大量に買うことはないと思う」

「外債購入も財務省や海外との関係があるし、日本の為替当局が2つあるというのでは混乱を招くだろう。金融緩和の結果として円が安くなるというのは日本が主張することであるし、国際的にも受け入れられると思う。しかし外貨資産を購入するということになると、そういう説明は難しくなるのではないか」

──円債市場の見通しは。

「10年までの金利は、ここ1年くらいは上がりにくいだろう。短いゾーンは日銀の量的緩和策で金利は押さえられる。長いゾーンは、日銀がデフレ容認からインフレを求めるレジームに変わるのだから、リスクプレミアムは上昇し、金利は上昇することになろう。10年債のところはちょうどその境目で、0.7%から1%程度のレンジで推移するのではないか」

──金利予想の上での注目ポイントは。

「最初は政策が持っている意図を評価して、マーケットが反応するが、次はそれは果たして実現できるかということが評価される段階に移る。そして次は、その政策が効果があるのかを見極めることになるだろう。効果があるかどうかはプライベートセクターの成長期待、インフレ予想を変えることができるかどうか、機関投資家のアセットアロケーションが変わるか、そして実質賃金が上がるかどうかだ。実質賃金が上がらないとすれば、円安によるエネルギーコストの上昇が消費者を直撃することになる」

──アベノミクスは成功するか。

「リスクは意図しない金利上昇だろう。国債の規模は大きく膨らんでおり、財政規律が緩んで金利が上昇すれば、利払い費は雪だるま式に膨らんでしまう。財政ファイナンスと市場が受け止めないようにしなければならない。ただ、それが年限5年までの買い取りならOKなのか、7年ならダメなのかは誰にもわからない。ただ2%の物価目標を目指すということであれば、日銀は思いっきり買わないとならない」

「成長はしない、だから分配するというのが民主党政権のやり方だった。それにデフレ容認の中銀が加わったことで債券市場には最高のコンビネーションだった。だが、自民党政権は成長を志向し、日銀もマイルドなインフレを目指すとしている。マーケットとしてはリスクプレミアムを長期、超長期国債には求めていかざるを得ない」

「当社では自民党政権が誕生する確率が高まってきたころから、イールドカーブ上のアロケーションを超長期から7─8年中心に変えてきた。イールドカーブのスティープニングに備えたアロケーションだ。流動性がそれほどないことから大きなサイズでは売買できないが、物価連動国債も同年限の国債に比べて魅力があるとみている」

(ロイターニュース 伊賀大記 木原麗花:編集 内田慎一)

2013年の米成長率見通しは約3%=ダラス地区連銀総裁 2013年2月5日
2013年の米成長率見通しは約3%=ダラス連銀総裁 2013年2月5日
グリアOECD事務総長、円安に理解示す 2013年2月5日
焦点:米国債利回り上昇、景気回復に水差す恐れ 2013年2月4日


07. 2013年2月06日 12:09:48 : lqOPOFnyLE
為替水準の変化により、大きく上昇する企業、下降する企業、それぞれあるのが当然。要は全体として景気が良くなるか否か。一つを見て兆しと読むか、構造全体の動きを注視するか、今のところなんともいいようがないだろう。将来を明るくみるのはよいことだが、ただそれだけのこと。

08. 2013年2月06日 14:19:15 : zBYc960RaI
それにしても熊野発言は目標100円と言っているようなもんだな

09. 2013年2月06日 21:50:52 : QKj2V8oUfM
アベノミクス ⇒ 引いてもダメだから押してみた。そんな感じだ。でも行動力がありますね。

10. 2013年2月06日 23:22:00 : P7vtoKYyPA
円安で赤字企業の存在を徹底スルー

11. 2013年2月07日 08:51:50 : Y210fL1EeM
1ドル78円とかなったときは、さすがにびびった。
それでも今94円とかなると急激すぎてびびる。
しかし、政策次第でなんとでもなるんだから、
民主党時代の80円はなんだったろうかと思わざるを
得ない。せめて85円くらいでストップさせておけば
これほど苦しまずに済んだろう。
つまりはマスゴミにだまされた国民につけが回って
大きすぎる代償を払わされたということだろう。
漢字が読めないから駄目とかの宣伝に振り回された。
漢字は表意文字だから、読めなくとも意味を理解してれば
無問題だったのだ。政策で問題になったのはシロアリ
退治をどうするかであって、漢字がとか帝国ホテルの
バーとかまったく関係なかったのだ。
そこらへん、マスゴミにだまされた国民が多すぎた。

12. 2013年2月07日 11:26:45 : Tkt93FGzcw
まあ、問題は安部が米国戦争屋と手を組んでいることだろう。

戦争屋は残念ながら失速している。

オバマが2期当選したのがその証拠。クリントンも今度の政権では居ないしね。

いわば、負け犬と手を組んでいるということ。

で、オバマは中国、韓国と繋がりが深い。

なので、日本のマスコミは安部を絶賛しているが、今、世界中で安部政権は不人気だ。

これが外圧としてこの円安を潰そうとやってくるのが目に見えている。

安部はオバマに50兆円貢いで機嫌をとってるが果たしてうまくいくかなー。

ちょっと結果が楽しみだね。

個人的には円は100円を超えるべきだと思うけどね。


13. 2013年2月07日 13:30:52 : QBrYpzDGwo
紙幣というのは必要とあればどんどん刷ってしまって市中に流せば良いものなんですかね。そういう裏ワザがあるとは知りませんでした。それとも、世界はまだ日本が紙幣を印刷して円安に持って行っているということは知らないのでしょうか。

14. 2013年2月07日 14:10:47 : nhfM1yiGA2
> 紙幣というのは必要とあればどんどん刷ってしまって市中に流せば良いものなんですかね

愛です

わたしの浅はかな研究によると

ベトナム人の給与が1万円であるのと 日本人の給与が20万円であるのとでは
自ずから 中央銀行の紙幣の発行残高には違いがあるように
戦後の日本と現在では当然 今の方が裕福 インフレなので、沢山の金が
印刷されて 当然なのではないでしょうか

もうひとつの gdp=mv という公式があって vはお金の回転速度ですが
このvが最近 毎年2%以上低下して来ていて この意味は 成熟社会で
貧富の差ができることによって お金のかいてんそくどがていかするわけです
そのために m マネーを増加しないと gdpが増えないという問題があります

まー日銀が印刷しただけでは mは増大しないですけど 政府がうまく使えば
mが増大するため 景気が良くなるという理屈は存在するのであって
方向性としては間違っていないのではないでしょうか


15. 2013年2月07日 20:03:40 : YxpFguEt7k
東京新聞
「富士通、9500人合理化へ 国内外で、半導体事業再編」
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2013020701001853.html

5000人(国内3000人)…早期退職や派遣切り
残り4500人のうち
 「設計・開発」…パナソニックとの新会社
 「製造」…台湾積体電路製造(TSMC)などとの新会社


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