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世界同時株高「ホントの理由」 アベノミクスで上昇はミスリード (日刊ゲンダイ) 
http://www.asyura2.com/13/hasan79/msg/214.html
投稿者 赤かぶ 日時 2013 年 2 月 07 日 21:28:00: igsppGRN/E9PQ
 

http://asumaken.blog41.fc2.com/blog-entry-8017.html
2013/2/7 日刊ゲンダイ :「日々担々」資料ブログ


◆「頭と尻尾は猫にくれてやれ」

大手メディアは「アベノミクス」効果で平均株価が値上がりしていると騒いでいるが、それはミスリード。いかにも国際情勢に疎い解釈だ。株価上昇は日本だけではない。

ニューヨーク・ダウやストックス・ヨーロッパ600、香港ハンセン指数、インドネシアのジャカルタ指数、インドのSENSEX指数、南アフリカ共和国の40指数、ロシアのRTS指数などすべて上昇している。世界同時株高なのだ。

この背景は、もちろん安倍発言ではない。ギリシャやスペインの債務問題の沈静化で、ユーロ圏の崩壊シナリオが消滅したからだ。

昨年11月26日、ユーロ圏の財務相と国際通貨基金(IMF)がギリシャの債務削減で合意。12月19日には欧州中央銀行(ECB)がギリシャ国債を流動性供給の適格担保として再び認めると公表した。これを受け、世界の投資銀行が集まるロンドンの金融街論バードストリート、ニューヨークのウォールストリートの投資家たちが、一斉に「リスクオフ」から「リスクオン」に投資スタンスを切り替えた。安倍政権の誕生とは無縁だ。

それらの情報に精通している欧米投資家は、昨年11月ごろから株式市場への投資を始めた。日本株投資も再開し、それが平均株価を押し上げた。

当然だが、昨年11月以降の急速なユーロ高・円安、ドル高・円安(昨年11月の1ユーロ=100円、1ドル=79円前後がそれぞれ足元は127円、93円前後)は、ユーロやドルで運用する海外投資家には不利。日本の政府高官が言う「1ドル=100円目標」なら一段と為替差損を被る。海外投資家のグレートローテーション(債券から株式への投資先変更)が起きた結果の株高とみるべきだろう。

不思議なことに日本は「円安=国力低下」を好感している。海外旅行は高くなり、ガソリンなどの輸入品も値上がりだ。円高による輸入デフレで救われたともいえる日本経済は、急激な円安で打撃を受けかねない。「株価と国内景気」はトレードオフ(二律背反)の場合もある。
相場格言に「頭と尻尾は猫にくれてやれ」とある。深追いは避け、3月期末権利取りを睨み、ディフェンシブ株の代表である薬品株に乗り換えたい。高配当も期待できる。武田薬品(4502)、アステラ製薬(4503)、エーザイ(4523)、第一三共(4568)などだ。(投資アナリスト、リチャード・コーストン)


 

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01. 2013年2月08日 05:40:31 : mb0UXcp1ss
米国の甘い成長見通しにご用心

乖離する市場期待と実体経済

2013年2月8日(金)  倉都 康行

 昨年来、日本だけでなく世界的に金融市場は「緊張緩和状態」にある。その主因が主要国における金融政策の長期的な緩和コミットメントにあることは周知の通りだが、それ以外にも世界危機の元凶であった米国住宅市場の底打ちが確実となり、ユーロ債務危機は先送りされながらも最悪期を脱したとの見方が広まっていることなども、大きく影響している。

 今年に入って上昇を続ける日経平均は1万1000円台まで上昇し、米国でもS&P500が1,500ポイントの大台に乗せた。リスク資産の代表格である米国ジャンク債市場でも、昨年来個人投資家の資金までもが大量に流入して、その平均利回りは6%を割り込んで過去最低水準での推移となっている。

 欧州市場でも金融危機以来初のCLO(融資資産担保証券)が発行され、銀行はECB(欧州中央銀行)から供与された長期流動性を繰り上げて返済開始するなど、市場機能の回復や安定化の傾向が見え始めている。

 ここ数年の市場にしみ込んでいた「何か大きな底割れリスクがあるのでないか」という漠然とした疑念や、いわゆる「テール・リスク」への危機感が薄れているのは事実だろう。先月書いたように、世界的に長期金利が上昇するリスクはあるものの、それが2008〜9年に見られたような打撃を実体経済に与える可能性は、現時点に限定して言えば、極めて乏しい。

米国経済に左右される構図は変わっていない

 こうした状況に日本の政策転換期待もうまく乗って、世界的に金融市場には順風が吹いている。さらに中国経済の回復感も市場心理を支えている。だが、そんなさまざまなプラス材料の中でも最大の影響力を持つ要因は「ようやく米国経済が元に戻ってきそうだ」という安堵感が市場に生まれてきたことではないか、と筆者は感じている。

 先般、WTO(世界貿易機関)とOECD(経済協力開発機構)が共同で発表した「付加価値で見る世界の貿易統計」でも、最終的に付加価値が消化される最大の市場は米国であることが示されていた。中国の潜在的な購買力が魅力であることに変わりないが、やはり米国の需要があってこその世界経済なのだろう。それが市場の安心材料でもある。

 その統計はまた、日本が目指している「高付加価値商品」の最終的な購買力は依然として米国市場にある、ということも物語っている。米国経済が元気になれば日本経済も元気になる、という伝統的な構図はそう簡単には変わらないのかもしれない。

 その米国では住宅や自動車販売などが好調であり、内需の堅調さに支えられて経済成長率が上振れすれば、FRB(米連邦準備理事会)は従来の金融緩和政策を軌道修正するかもしれない、といった思惑すら浮上してきた。

 先週発表された10〜12月期の米国GDPは前期比0.1%減と3年半ぶりにマイナス成長となったが、これは国防費などの政府支出減、在庫減、純輸出減などのマイナス材料が重なったものであり、1〜3月期の米国は再びプラス成長に戻ると見られている。個人消費や住宅投資、ソフトウエア投資などは堅調であり、景気後退など心配するには当たらない、というのが一般的な読み方である。

 先週開催されたFOMC(米連邦公開市場委員会)においても、米国の景気が足踏みしているとの認識が示されていたが、それは昨年秋のハリケーンなどの一時的要因によるものだ、と分析されている。株式市場も特にネガティブな反応は見せず、下値では確実に買い注文が入っているようだ。

 だが、先行きを楽観視するのは禁物かもしれない。今年の成長率も2011年の1.8%、2012年の2.2%に続く低空飛行を余儀なくされそうだからである。特に、給与税減税が終了したことで成長率は1%押し下げられる、と試算されている。場合によっては、財政や外需という面からさらに強い下押し圧力を受ける可能性もある。

実体経済との乖離に「クレジット・バブル」の声も

 確かに今年の個人消費はある程度計算できるし、自動車販売は今年も高水準を維持することが予想される。底打ちした住宅市場の明るさも好材料だ。だが一方で、設備投資の低迷や政府支出の抑制、そして純輸出の停滞という逆風がやみそうにないのも事実である。

 にもかかわらず、リスク資産市場は依然として3%程度の成長路線を頭に描いているかのようだ。その実体経済像との乖離度は、昨年末以来ますます拡大しているようにも見える。それは、先般のダボス会議でゴールドマン・サックスのコーン社長が「クレジット・バブルの兆候が見える」と強い懸念を表明していたことにも示されている。

 1月の米国市場は、企業利益がそもそも低水準に置かれていた事前予想を上回ったという理由で上昇基調を強めていったが、2月に入って決算発表も一巡すれば、マクロな経済動向に目を移すことになろう。その際に最もインパクトがありそうなのが財政問題である。それは政治リスクと読み替えても良いだろう。

 昨年来話題になっていたいわゆる「財政の崖」は土壇場で回避されており、米国の財政問題は取りあえず「棚上げ」されているが、米議会では今月本格的な論争が再開されることになっている。そして結論から先に言えば、米国が3月1日から始まる「自動歳出削減」を回避することはかなり困難な情勢にある。当然ながら、それは3月以降の新たな成長下押し要因となる。

 筆者は今年の金融市場が直面する海外リスクとして、ギリシャ・スペイン問題再燃、中国金融システム破綻、新興国経済大幅ペースダウンという三点に注目しているが、これに加えて米国における財政政策を巡る政治リスクも重要な攪乱要素と考えている。米国が直面する自動歳出削減の影響を、現在の株式市場やジャンク債市場が十分に考慮していない印象は拭えない。

 昨年来の米国リスク資産の堅調ムードが日本にも伝搬して「米国経済は順調に回復」という危ういイメージを与えていることにも注意すべきだろう。仮に実体経済に沿った価格調整が起きれば、割安修正過程にあるとはいえ日本株にも影響が出ないとは言えないし、米国経済が急速な成長鈍化といった局面に陥れば、日本企業も経営戦略再考を迫られることになりかねない。

 ここで米国の財政問題を少し整理しておこう。市場の注目を集めたのは、S&Pによる米国格下げを招いた2011年の「連邦債務上限引き上げ」を巡る米議会の迷走であった。いわゆる「デット・シーリング問題」である。米国では連邦債務残高に法定上限が設定されており、それを上回る可能性が高まれば、政府が上限引き上げ法案を議会に提出し、上下院でこれを可決する必要がある。

 過去この法案で大きな対立が起きたことは無かったが、2011年5月に上限に近づいた際に提示された法案に対しては、2010年の中間選挙で下院の多数派となった共和党が歳出削減を求めて強く反対したため、米国のデフォルトが現実味を帯びることとなった。結果的には「財政管理法」の成立により上限引き上げ法案は可決されてデフォルトは免れたが、米国はその新法に基づき、2012年以降の10年間で約9,000億ドルの歳出削減と1.5兆ドルの財政赤字削減を強いられることになった。

 そのうち後者の削減に関する具体策を検討するべく超党派による特別委員会が設置されたものの、合意には至らず、結局米国は2013年1月から「自動歳出削減」を行わねばならないことになったのである。その金額は総額で1.2兆ドルであり、これを2021会計年度まで均等に削減するという措置である。

市場から消えたように見える財政問題

 昨年末に米国は同時に「ブッシュ減税」の期限切れという難問も抱えていた。2013年早々に増税と自動歳出削減がスタートすれば、経済の回復基調は一転して景気後退へと陥ることは必至である。それが「財政の崖」と呼ばれた危機の実態であった。さすがに共和党も最悪のケースを回避すべく、ブッシュ減税継続では富裕層の増税という一定の譲歩を行った。そして「自動歳出削減」の開始も3月1日まで2カ月延長することで、景気への配慮を示したのである。

 さらに、2012年末には再び上限に接近して引き上げが不可欠となっていた連邦債務に関しても、共和党は5月までの引き上げに応じる姿勢を見せた。同党が「デット・シーリング」を人質にして歳出削減を迫るのではないか、との懸念は薄れ、共和党もようやく財政問題への妥協点を模索し始めたという見方すら浮上した。これまで株価の頭を抑え込む要因であった財政問題は、市場から消えてしまったような印象を受ける。

 だが共和党の本丸は、あくまで「自動歳出削減」を楯にとって、オバマ大統領に大幅な歳出削減を要求することである。これまで同党内には、主流の保守派と新興の茶会勢力が対立する場面が多々見られたが、3月1日をターゲットとする「闘争」では一枚岩になった感もある。

 さらに3月27日は「ストップ・ギャップ法」という、連邦政府機関における支出を許容する法律も期限が切れる。共和党は、「自動歳出削減」とともにこの法律も「人質」にとる作戦のようだ。

 今後のシナリオは、自動歳出削減や政府機関閉鎖を回避するために大統領と議会が赤字削減策で合意するか、自動歳出削減が発動されて2021年まで均等に1,000億ドル程度の強制的な歳出削減が実行されるか、のどちらかである(後者の過程で、政治的な妥協が成立する可能性はある)。

3月以降の自動歳出削減は不可避に

 現時点で、共和党の挑発的提案にオバマ大統領や上院を握る民主党は応じる姿勢を見せていない。従って3月以降の「自動歳出削減」と「一部連邦機関の閉鎖」は不可避となる可能性が高い。それを裏付けるように、1月末に米国のテレビ番組に出演したライアン下院予算委員長は「自動的な歳出削減は始まると思っている」と明快に述べている。となれば、気になるのはその経済成長へのマイナス・インパクトがどの程度か、という問題だろう。

 昨年、「財政の崖」がどの程度のマイナスの影響を与えるかについては、議会予算局からウォール街まで多くの「景気後退突入シナリオ」が公表され、リセッション・リスクが政治に妥協を促すことになった。それに比べると、自動歳出削減に関しては1.0%前後のGDP押し下げ要因というのが市場コンセンサスのようだ。

 つまり、2013年の見通しとして2%程度の成長率が見込まれている中で、仮に自動歳出削減が発動されたとしてもリセッションに陥ることは無いという読みが、逆にその可能性を高めているようにも思われる。

「Fiscal Cliff」の次は「シークエストレーション」

 自動歳出削減による防衛費の大幅削減を回避したい共和党は、削減額を他の分野に押し付ける方策を検討しながら、議論の長期化への準備を進めている。大統領や民主党も多少の成長率の低下であれば共和党の挑発に乗るよりもマシだと考えているのかもしれない。一部の政府機関が閉鎖されることになっても、行政に大きな乱れが出るとは予想されていない。かくして米国経済は、いったん「財政の崖」は回避したものの、今度は「新たな下り坂」に向かう可能性が高まっている。

 共和党の戦術は品性の無い瀬戸際作戦として批判されているが、米国の財政赤字がオバマ大統領の主張するような富裕層向け増税だけで解消されないことも明らかであり、どこかで歳出削減の手を打たねばならないことは事実である。財政赤字野放しの日本と違って、「財政管理法」という厳しい法律が成立した以上、米国は歳出削減へと向かわざるを得ない。それが、海外ファイナンスに依存する米国財政の宿命でもあり、米国経済が3〜4%成長を目指す拡張路線には当面戻れないことを意味するものでもある。

 自動歳出削減が発動されれば、米国経済は足踏みどころか成長率が1%未満に落ち込むことも予想される。住宅市場が活況になっても以前のような資産効果は望めず、個人消費への波及効果は限定的だろう。FRBは年内にQE3を停止するどころか、追加緩和まで検討を余儀なくされるかもしれない。それはドル円の行方にも影響を与えるだろうし、国防予算の強制的な大幅削減となれば、日本の安全保障意識にも波紋を投げ掛けずにはおかないだろう。

 米国のこの自動歳出削減は「シークエストレーション(Sequestration)」と呼ばれている。法律では「仮差し押さえ」を表す用語だが、いまあたかも米国の予算を差し押さえるかのような意味で、この言葉が使われている。昨年以降、米国の財政問題を巡っては「財政の崖(Fiscal Cliff)」「デット・シーリング(Debt Ceiling)」といった言葉がメディアを賑わせてきたが、今後はそれらに代わってこの聞き慣れない単語がしばらく市場を席巻することになりそうだ。


倉都 康行(くらつ・やすゆき)

1955年生まれ。東京大学経済学部卒業後、東京銀行入行。東京、香港、ロンドンで国際資本市場業務に携わった後、97年よりチュースマンハッタンのマネージングディレクターを務める。現在、RPテック代表取締役。日本金融学会会員。最新刊は『投資銀行バブルの終焉 サブプライム問題のメカニズム』(日経BP社)。主な著書に『金融史がわかれば世界がわかる』『金融VS.国家』(ちくま新書)、『金融市場は謎だらけ』(日経BP社)、『予見された経済危機 ルービニ教授が「読む」世界史の転換』(日経BP社)など


倉都康行の世界金融時評

日本、そして世界の金融を読み解くコラム。筆者はいわゆる金融商品の先駆けであるデリバティブズの日本導入と、世界での市場作りにいどんだ最初の世代の日本人。2008年7月に出版した『投資銀行バブルの終焉 サブプライム問題のメカニズム』で、サブプライムローン問題を予言した。理屈だけでない、現場を見た筆者ならではの金融時評。

 

英国の賭け、“Brexit(脱EU)”の現実味

ユーロ救済で加速する統合強化の反作用

2013年2月8日(金)  吉田 健一郎

 「脱EUを問う国民投票を実施する」――。

 そう演説で宣言したのは、これまで何度も脱EUが取り沙汰されたギリシャの首相ではない。欧州の大国、英国のキャメロン首相だ。

 1月23日、キャメロン首相はロンドンの金融街シティで講演を行い、EU(欧州連合)離脱の是非を問う国民投票を2017年までに行うことを明言した。その演説は即座に国内外に波紋を広げ、英国=Great BritainのEU離脱(exit)を指して「Brexit(ブレキジット)」なる言葉も生まれるほどの関心を集めている。

今、国民投票を実施すれば“脱EU”の可能性は半々

 英国のEU離脱論が高まった背景の1つは、ユーロ圏で進んだ債務危機の深化だ。

 ユーロは今、その歴史で初めてとなる構造的で深刻な危機に面している。このため、ユーロ危機が勃発してから、英国では「ユーロ圏に入っていなくて良かった、EUからも離脱すべき」という世論が強まっている(下の図表)。

 キャメロン政権が、脱EUの是非を問う国民投票を宣言するまでの経緯を、ここで振り返っておこう。

 その発端は、2010年の総選挙だった。金融機関への公的資本注入などを行った当時の与党労働党は支持率を落として、政権を失った。代わりに誕生したのが保守党と自由民主党の連立政権で、特に保守党議員の中でも「ユーロ懐疑派」が数多く当選して勢力を強めた。閣僚を含めたユーロ懐疑派の力が増すにつれて、同派は「EUから出るか出ないか(イン・アウト)」を問う国民投票の実施を声高に要求するようになった。

【図表 EU離脱を問う国民投票に関する世論調査】

(資料)Ipsos Mori
 2011年7月には、EUへの主権委譲を決定する場合は国民投票が必要であることを盛り込んだ「2011年欧州連合法」が成立。これに勢いづいた保守党ユーロ懐疑派は同年10月、EU加盟の是非を問う国民投票を実施すべきという動議を提出。下院での決議は否決されたものの、党議拘束にもかかわらず80人近い大量の造反者を出して政権にプレッシャーをかけた。

金融取引税導入や財政主権の一部放棄は受け入れられない

 こうした中で迎えた2011年末のEUサミットにおいて、EU内の新財政協定の締結に当初は英国だけが反対の意思を示し、この頃から、英国のEU内での孤立が浮き彫りとなり始めた。背景には金融取引税導入などに関し英国の意向が受け入れられなかったことや、財政主権の一部放棄への拒否感があった。首相の独断に自民党のクレッグ副首相は反発したものの、保守党ユーロ懐疑派は拍手喝采した。

 翌2012年に入るとキャメロン首相は英デイリー・テレグラフ紙に寄稿し、公式に国民投票実施の可能性について言及した。そして、冒頭の英国とEUの新たな関係を表明する演説へと繋がっていく。この演説の中で、キャメロン首相はEUの基本法であるリスボン条約の改正において、EUからの権限回復を盛り込むことを提案、その結果を踏まえて、次回議会会期中の2017年までに「イン・アウト」を直接問う国民投票を実施することを宣言した。

 こうして、キャメロン首相は1975年以降英国の指導者が誰一人行わなかった「大きな賭け(英フィナンシャルタイムズ紙)」に出ることになった。

EUを「脅迫」し英国の権利の奪還を狙う

 キャメロン首相の「賭け」が吉と出るか凶と出るかは未知数だ。しかし、同首相の狙いは、国民投票の実施を宣言することによって保守党内のユーロ懐疑派を抑えつつ、ほかのEU加盟国をけん制することにあるようだ。

 ドイツ政府高官は、そんなキャメロン首相の態度を「ブラックメール(脅迫状)」と批判した。それでも、キャメロン首相としてはこうした批判を覚悟の上で、リスボン条約の改正に伴って雇用法などに関する自国の権利をEUから取り戻す一方、英国の国益でもあるEUの単一の財・サービス市場にはとどまるという“一石二鳥”の効果を期待する。

 そして、「EUから権限を奪還した首相」という実績を国民にアピールすることで、劣勢を挽回し次の総選挙に勝利することを狙う。EUの離脱を問う国民投票はその後に実施する構えだ。EUから英国の一部権利を奪還することに成功すれば、EUから離脱する必要はないと国民を説得しやすく、最終的には国民投票でEU離脱は否決されるに違いない。そんな青写真を描いている。実際、首相自身はEUからの離脱までは望んでいない。

EU諸国に「離脱もやむなし」の空気も広がる

 しかし、このシナリオが思惑通りに行く保証は無い。まず、EUが英国の権限回復の主張を聞き入れるかどうかが分からない。

 例えば、フランスは英国に対して好意的とは言えず、ファビウス仏外相は「もし英国がEUを離脱するならば、我々はレッドカーペットを敷いて事業家を歓迎する」と述べた。このコメントは、キャメロン首相が昨年6月のG20(主要20カ国・地域)ロスカボス・サミットで発言した、「もしフランスが高額納税者に(フランス政府が発表している)75%の所得税を課すなら、我々はレッドカーペットを敷いて事業家を歓迎する」というコメントをかなり皮肉たっぷりに真似たものだ。

 ドイツはもう少し冷静だが、ヴェスターヴェレ外相は「ドイツは英国が…EUの一部としてとどまることを望む…我々は確かに異なっているが、(英国の)いいとこ取りは選択肢には無い」と述べている。またドロール元欧州委員長も、英フィナンシャルタイムズ紙に「EUはとても小さいモーターしか持っていないが、英国は大きなブレーキになっている。我々は、欧州と英国の婚姻契約を再考せねばならない」とコメントしており、各国は、英国にEUにとどまってほしいと思ってはいるものの、残留が絶対必要とまでには考えていない可能性があるだろう。

実現はなかなか難しい「いいとこ取り」

 今後、英国とEUの関係は、どのようなものに変化する可能性があるのだろうか。ロンドンのシンクタンクであるオープン・ヨーロッパは、新たな関係として以下5つのオプションを挙げている。

 すなわち、(1)欧州自由貿易連合(EFTA)の枠組みに戻り、欧州経済領域(EEA)協定の枠組みの中で貿易などの自由は得る(ノルウェー型)、(2)2国間協定を都度EUと結ぶ(スイス型)、(3)財の関税同盟のみに所属(トルコ型)、(4)特に関税同盟などには所属せず、世界貿易機構(WTO)の枠組みのみの関係を保つ(WTO型)、(5)従来政策を延長する(EU加盟を存続)といった枠組みだ。

 しかし、ノルウェー型はEUの規制に従いつつもその意思決定には参加できないために、英国では受け入れづらい面がある。スイス型は2国間協議をやり直さねばならない。キャメロン首相も、上述の演説の中で、このノルウェー型と、スイス型に言及したものの、ノルウェーは資源が豊富で英国とは状況が違う点や、スイスは金融サービスの単一市場への完全なアクセスが認められていない点などを挙げ、英国が同様の方向に向かう可能性に疑問を呈している。

 一方、EU推進派の自民党ダフ欧州議員は、リスボン条約を改正して「準会員」の位置づけを新たに設置し、貿易の自由などのメリットを得るかわりに、自国の欧州委員、欧州議会議員などをあきらめるという案を提案している。

 筆者は、英国がこれからEUとの新たなメンバーシップを考える場合、単一の財・サービス市場に残ろうとするなら、他国が利用している既存の枠組みを踏襲するよりも、この「準会員」のような、何らかの新たなステータスを作り直すほうが可能性としては高いのではないかと考えている。

欧州統合で弱まる「国家」の概念

 英国のEU離脱を巡る議論は、EUの求心力と遠心力が同時に高まっている現状を示しているといえるだろう。2つの相反する力の狭間で生まれる圧力は非常に不安定で、国家分裂にも繋がりうるものかもしれない。

 自国のEU離脱とは別に、英国ではスコットランドの英連合王国からの離脱の住民投票が2014年秋に実施される可能性が高まっている。現時点では独立反対派が多数ながら、英国のEU離脱の可能性がさらに高まった場合は、スコットランドが独立してEUに加盟、という話も出てきかねない。

 昨年のギリシャ離脱の可否にしても、スペイン国内のカタルーニャ独立機運や、ベルギーにおける南北分離気運の高まりにしても、各国、地域が従来の「国家」の枠にとらわれずに新たなEUとの距離関係を模索し始めているように見える。それは、EUというひとつの国際レジーム(国際関係における枠組み)の参加者に課される義務が危機を経て高まり、組織の性質が変容しつつあるからかもしれない。

 例えばOPEC(石油輸出国機構)のような組織は石油価格のカルテルであるが、比較的加盟国の義務はゆるく、レジームとしての結束力は弱い。しかし、アメリカ合衆国であれば各州の義務は法的な強制力を伴うより強いものだろう。EUをひとつのレジームとしてみた場合、その強制力は徐々に強まっているが、そのことが逆に域内の「国家」という概念を弱めているのではないだろうか。

サッチャーでさえ脱EUには踏み込まなかったが・・・

 ユーロ加盟の理由は各国まちまちであるが、本質的には「再び欧州で戦争を起こさない」という政治的意思が強い。それに加えて、為替リスクの低減や関税・非関税障壁の撤廃など経済利便性、EUとしての対外交渉力の強化といったメリットもある。

 英国もこうしたメリットを十分に受けており、財やサービスの単一市場に留まることの重要性に加えて、大陸への金融サービスの提供など、もはや英国は大陸とは不可分な関係にある。さらには、欧州で行われるデリバティブ取引などの決済機能が集積する、「欧州のクリアリング・ハウス」としてシティが得ているメリットも忘れるべきではないだろう。

 EUの連邦主義に極端に懐疑的であったサッチャー元首相でさえ、EU(当時はEC=欧州共同体)との関係性を示した1988年のベルギーの都市ブルージュでの演説の中で、「英国は、ECの端の快適で孤立した存在など夢見ていない。英国の運命は、共同体の一員として欧州に存在することにある」と述べている。

 一度遠心力に身を任せてしまうと、その勢いは早い。キャメロン政権は、遠心力と求心力の狭間に踏みとどまり、政治的なムードに流されずに冷静な議論を進めることができるだろうか。英国のEU離脱論の行方は、欧州各地で台頭する独立運動の先行きをも暗示することになるかもしれない。


吉田 健一郎(よしだ・けんいちろう)
みずほ総合研究所調査本部 ロンドン事務所長

1972年東京都生まれ。96年一橋大学商学部卒業、富士銀行(現みずほ銀行)新宿西口支店入 行。98年同国際資金為替部にて対顧客為替ディーラー。2004年よりみずほ総合研究所に向し、為替・原油市場分析を担当。08年より現職。著書に『オイル&マネー』(共著、エネルギーフォーラム社)、『迷走するグローバルマネーとSWF』(共著、東洋経済新報社)など


02. 2013年2月08日 05:52:34 : mb0UXcp1ss

NY外為:ユーロが下落、ECB総裁が通貨高に懸念を表明

  2月7日(ブルームバーグ):ニューヨーク外国為替市場ではユーロが対ドルで下落。昨年7月以来の大幅安となった。欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁は最近のユーロ高について、インフレ率の行き過ぎた低下を招くとして懸念を表明した。
ユーロは主要16通貨のうち14通貨に対して下落。ドラギ総裁はフランクフルトでの政策会合後に記者会見し、景気見通しへのリスクは依然として「下方向」だと述べた。ポンドは続伸。イングランド銀行(英中央銀行)のカーニー次期総裁の発言で、追加刺激への期待が後退した。
バークレイズの通貨ストラテジスト、アループ・チャタジー氏(ニューヨーク在勤)は電話取材に対し、「ユーロ圏には通貨高を受け入れる余裕はない」と指摘。「ドラギ総裁は為替相場をリスクとして言明した。これ自体、重大なことであり、大半の市場参加者は予想していなかった」と述べた。
ニューヨーク時間午後2時18分現在、ユーロはドルに対し前日比0.9%安の1ユーロ=1.3397ドル。一時は7月5日以来で最大の1.1%安となる場面もあった。対円では1.1%下げて125円19銭。円は対ドルで0.2%上昇し1ドル=93円45銭。
原題:Euro Falls Most Since July as Draghi Warns of SlowingInflation(抜粋)
記事に関する記者への問い合わせ先:ロンドン Lucy Meakin lmeakin1@bloomberg.net;ニューヨーク John Detrixhe jdetrixhe1@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先:Dave Liedtka dliedtka@bloomberg.net
更新日時: 2013/02/08 05:05 JST

ECB理事会後のドラギ総裁の発言要旨
2013年 02月 8日 03:43 JST
[フランクフルト 7日 ロイター] 欧州中央銀行(ECB)は7日、主要政策金利であるリファイナンス金利を0.75%に据え置いた。下限金利の中銀預金金利もゼロに、上限金利の限界貸出金利も1.50%にそれぞれ据え置いた。

理事会後に開かれた記者会見でのドラギECB総裁の発言要旨は以下の通り。

<伊モンテ・デイ・パスキ・ディ・シエナ(MPS)(BMPS.MI)の損失問題>

イタリア中銀がウエブサイトで詳細な全体像を明らかにしてから1週間半経っている。そこからは、中銀が行う必要があることすべてを、適切に、適格なタイミングで実施したことが見て取れる。

国際通貨基金(IMF)も、イタリア中銀がモンテ・パスキが抱える問題に対処する上で、法的枠組みの範囲内で、適切で時宜を得た対応をとったとの暫定的な見解を公表している。

厳格な監視が行われ、モンテ・パスキ問題が深刻化するなか、監督は適切に強化されていった。

2つの調査を承認したのは私自身だ。このことは忘れないで欲しい。

司法当局に提出された文書のほとんどは、イタリア中銀が提出したものだった。つまり、不正が行われた場合、通常は監督当局は警察権も司法権も持たない。

<リファイナンスオペ金利引下げの可能性に関する質問に対し>

ECBは決して予断を持たない。しかしこれまでにも言っているように、われわれの金融政策スタンスは緩和的であり、翌日物金利はゼロに近い水準にある。流動性の全額供給を実施しているほか、必要に応じ、銀行システムに流動性を供給する用意がある。

ECBの試算によると、2回目の長期流動性供給オペ(LTRO)資金の返済後も、過剰流動性は2000億ユーロを大きく上回る見通しだ。

最近のユーロ圏無担保翌日物平均金利(EONIA)の上昇については過度に重視するつもりはない。構造的な要因などさまざま要因があるからだ。どの銀行がLTRO資金を返済したかも影響し、ボラティリティーなどの要因もある。

しかし何度も述べているようにわれわれの金融政策は引き続き緩和的だ。

<状況はぜい弱>

状況はなおぜい弱だ。ぜい弱さは、引き続き低迷する信用フローに反映されている。

大企業は債券を発行し資本市場で資金を調達できるが、中小企業は銀行に資金調達を頼らざるを得ない。銀行も足かせをかかえるため、中小企業の信用状況は依然として厳しい。

<金融情勢の改善>

国境を越えた(経済)活動は、ユーロ加盟国から(ユーロ圏)非中核国に向けたものに加え、ユーロ圏外からの、ユーロ圏中核国、および非中核国に向けたものも活発化している。

これは、1年前と比べて金融市場のひっ迫度が低下したことを示している。さらに、企業、およびノンバンクの資金調達も良好に推移している。社債の発行は、実際、非常に堅調だ。

<流動性供給>

(全額供給はいつまで続くのかとの質問に対し)われわれが全額供給を続け、必要に応じて銀行システムに流動性を供給する用意があることを示す多くの兆候が存在する。

<ユーロ相場>

(ユーロの)上昇はある意味でユーロへの信認回復の表れと言える。ただ、為替相場はファンダメンタルズを反映すべきであり、ユーロの名目及び実質実効為替レートはおおむね長期的平均に近い水準にある。

前回の会見でも述べたが、為替レートは政策目標ではない。しかし、為替レートは成長と物価安定にとって重要だ。そのため、ECBはユーロの上昇が続くかどうかを見極め、物価安定に対するリスク評価を見直していく。

同時に、ECBは緩和的な金融政策スタンスを維持し、短期金融市場の動向を注視していく。

<アイルランドの銀行債務処理>

アイルランドに関し、決定はなかった。

私に言えることは、ECB理事会がアイルランドが講じている措置に留意しているということのみだ。これらの措置はアイルランド政府及びアイルランド中銀が策定・実施していることから、詳細については、アイルランド政府・中銀に問い合わせてもらいたい。

<インフレリスクは均衡>

中期的な物価動向見通しへのリスクは引き続きおおむね均衡している。間接税の引き上げや原油高などがインフレへの上振れリスクとなる一方、経済活動の低下や最近のユーロ上昇は下振れリスクだ。

<経済への下方リスク>

ユーロ圏の経済成長見通しを取り巻くリスクは引き続き下向きとなっている。これらリスクは、輸出に対する需要が予想を下回る可能性やユーロ圏における構造改革実施の遅れ、地政学的問題、主要先進国の不均衡に関連しており、世界の商品・金融市場の動向に影響を及ぼす恐れがある。

<緩和的な金融政策>

(金融政策は)流動性の全額供給を通じ、引き続き緩和的となる。

<3年物資金供給オペ(LTRO)返済>

金融市場の信頼感改善を反映している。返済は銀行の裁量で行われる。銀行は、資金調達環境や経済への新規融資を行う能力、ショックに対する弾力性を適切に評価する必要がある。

金融市場の状況やそれが金融政策スタンスに与える潜在的な影響を注視していく。金融政策は、流動性の全額供給を通じて引き続き緩和的だ。

<経済は依然弱いが、緩やかな回復見込む>

2013年の早い時期は、ユーロ圏経済の弱さが鮮明になると予想される。

それ以降は、われわれの緩和的な金融政策スタンスや金融市場の信頼感改善、世界的な需要の高まり、分断傾向の是正が追い風となり、経済活動は緩やかに回復していくとみられる。

<今後数カ月でインフレ率は低下>

欧州連合(EU)基準の消費者物価指数(HICP)は予想通りさらに鈍化し、今後数カ月で2%を下回ることが見込まれている。

金融政策に関連する期間において、インフレ圧力は引き続き抑制され、基調的なマネーの拡大ペースも落ち着いた状態が続く見通しだ。

 

英中銀:景気支援の姿勢を堅持−保有債の償還資金は再投資へ

  2月7日(ブルームバーグ):イングランド銀行(英中央銀行)は7日の金融政策委員会(MPC)で、約4年前に始めた資産買い取りプログラムで購入した債券のうち、満期を迎える分について再投資する方針を明らかにした。同時に、同プログラムの規模を3750億ポンド(約55兆円)で維持することを決めた。
キング総裁率いるMPCは声明で、保有国債のうち3月7日の償還で得られる66億ポンドを再投資すると説明。インフレ率については、向こう2年にわたり目標の2%を上回るとの見通しを示した。
7月に就任するカーニー次期総裁はこの日の議会証言で、英国経済が現状からの「脱出速度」を得るために現行政策は十分なもようだとの認識を示した。英国債の再投資計画は、前例のない3番底 リスクに見舞われる同国の中銀が引き締め回避を目指している姿勢を示すものだ。インフレ率は従来予想よりも長期に目標を上回る水準にとどまる公算が大きいものの、MPCは一時的要因として注意深く見守ると表明した。
バークレイズのエコノミスト、サイモン・ヘイズ氏(ロンドン在勤)は「中銀声明はMPCが直面している深刻なジレンマを浮き彫りにした」と述べ、「弱い景気見通しは追加刺激を必要としているが、インフレ見通しはMPCが緩和拡大に安心感を抱けるほど十分に良い内容ではない」と続けた。
英中銀はインフレがエネルギー値上がりやポンド下落によって短期的に加速する可能性を指摘。その上で、「インフレ率を早期に目標水準に戻そうとして金融市場が想定しているよりも迅速な現行刺激策の解除に動けば、景気回復を頓挫させインフレ率が中期的に目標を下回るリスクを冒すことになる」と説明。さらに、「成長とインフレの見通しから必要と判断されれば、追加の金融刺激を行う用意がある」として、「緩慢ながらも回復持続」が見込まれる英経済への「リスクは下向きだ」との見方を示した。
MPCは2009年に始めた国債購入を昨年11月にいったん停止。信用収縮を和らげて景気支援を図ろうと同年8月1日に開始した「融資のための資金調達スキーム(FLS)」へと軸足を移した。MPCはこの日、FLSが年内の景気拡大の一助になるだろうと予想した。
カーニー氏は議会証言で、目標を上回るインフレ率を静観する姿勢を示したMPCを支持し、中銀は柔軟であるべきだと主張。「カナダと英国で行われているインフレ目標の柔軟な運営が、これまで講じられた金融政策の枠組みとして最も効果的であることが証明されてきた」とし、「従って、これを変更する場合のハードルは極めて高い」と論じた。
英中銀は政策金利であるレポ金利 については、過去最低の0.5%に据え置いた。資産買い取り規模の維持も含め、ブルームバーグ・ニュースが実施したエコノミスト調査の予想通りだった。この日の会合の議事録は20日に公表される。キング総裁は13日、最新の経済・物価見通しを明らかにする。
原題:BOE to Reinvest Maturing Gilts as Stimulus PolicySustained (1)(抜粋)
記事に関する記者への問い合わせ先:ロンドン Scott Hamilton shamilton8@bloomberg.net;ロンドン Svenja O’Donnell sodonnell@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先:Craig Stirling cstirling1@bloomberg.net
更新日時: 2013/02/08 02:34 JST


 

米新規失業保険申請件数は減少、緩やかな回復継続示す
2013年 02月 8日 01:24 JST
[ワシントン 7日 ロイター] 米労働省が7日発表した2月2日終了週の新規失業保険週間申請件数(季節調整済)は、前週比5000件減の36万6000件となった。ただ、アナリスト予想の36万件までは減少しなかった。

4週間移動平均は2250件減の35万0500件と、2008年3月以来の低水準となり、緩やかなペースではあるものの、雇用市場の回復が継続していることを示した。

アメリプライズ・フィナンシャルのエコノミスト、ラッセル・プライス氏は「労働市場の状況は改善しているが、堅調なペースと呼べるものではない」と指摘した。

1月26日終了週の受給総数は前週比8000件増の322万件。

ウエスタン・ユニオン・ビジネス・ソリューションズの市場アナリスト、ジョー・マニンボ氏は「米雇用市場の回復が依然として、緩慢なペースとなっていることを示した」と述べた。


スタインFRB理事:金融政策も活用を、市場安定化に向け
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  2月7日(ブルームバーグ):米連邦準備制度理事会(FRB)のスタイン理事は、金融安定にリスクとなりかねない過熱した市場に対処する上で、金融当局は規制監督だけではなく、金利などの金融政策手段の活用にも柔軟であるべきだとの考えを示した。
スタイン理事は7日、セントルイスで講演。講演原稿によると、「金融安定を追求する上で、金融政策手段の助けを得ることが妥当な状況は想定できる」と発言。こうした手段の活用に関して「柔軟な姿勢を保つことが不可欠だと確信する」と述べた。  
同理事は、システミックな問題への対応においては規制が場合によって有効となる可能性はあるものの、金融政策を排除することはできないと指摘。
「雇用促進において金融政策が正しい手段とは言えないかもしれないが、監督や規制に比べて一つの重要な利点がある。つまりすべてのひび割れに入り込めることだ」とし、「金利の変更は監督や規制が入り込めない市場の隅々に到達できる可能性がある」と続けた。
原題:Stein Says Fed Should Consider Using Rates to FurtherStability(抜粋)
記事に関する記者への問い合わせ先:Atlanta Steve Matthews smatthews@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先:Chris Wellisz cwellisz@bloomberg.net
更新日時: 2013/02/08 01:06 JST

 


03. 2013年2月08日 05:54:51 : mb0UXcp1ss
【第421回】 2013年2月8日 宮崎智之 [プレスラボ/ライター]
「未知の円安不況」は本当にやって来るのか?
円高民族の日本人が抱える“漠然とした不安”の内実
1ドル=93円――。2010年5月以来、実に2年9ヵ月ぶりの円安水準である。大規模な金融緩和と2%のインフレ目標により、円高・デフレからの脱却を目指す金融政策は、安倍首相が政治生命を賭ける「アベノミクス」の目玉政策だ。これを受け、一時70円台まで達したかつての円高が嘘のように、足もとでは円安の流れが止まらない。いくら日本が輸出立国とは言え、この円安を本当に喜んでばかりいてよいのだろうか。巷では「未曾有の円安不況がやって来るのではないか」と危惧する声もある。足もとにおける円安のメリットとデメリットは何なのか。未知の円安不況は本当にやって来るのか。専門家の意見を聞きながらリサーチしよう。(取材・文/プレスラボ・宮崎智之)

白川総裁の辞任発言で一段安に
この円安はいつまで続くのか?

 1ドル=93円台――。2010年5月以来、実に2年9ヵ月ぶりの円安水準である。2月6日、日本銀行の白川方明総裁が任期満了前に辞任表明したことを受け、円はドルに対して一段安となった。

 背景には、安倍首相が唱える金融政策を忠実に行なう新総裁が誕生し、大胆な金融緩和が前倒しで実施されるという見通しが、金融市場の関係者の間に広まっていることがある。

 大胆な金融緩和と2%のインフレターゲットにより、円高・デフレからの脱却を目指す金融政策は、安倍首相が政治生命を賭ける「アベノミクス」の目玉政策だ。その期待から、一時70円台まで達したかつての円高が嘘のように、足もとでは円安の流れが止まらない。この円安に反応し、日経平均株価も1万1000円台を回復した。

 言うまでもなく、円安・株高は日本経済にとって追い風だ。その効果は、大企業の間で早くも表れ始めている。たとえば、円安によって輸出改善を見込む自動車メーカーでは、トヨタ自動車が3月期の営業利益予想を1000億円、マツダが200億円上方修正すると発表した。

 期待は、中小企業や個人事業主にも広がっている。内閣府が1月に発表した『景気ウォッチャー調査』では、家計、企業動向、雇用関連とも現状を「やや良くなっている」と回答した者が増えている。

 同調査では、「11月末から12 月にかけての忘年会シーズンで、売上が昨年より大幅に増加した。これは円安や株高などのように、期待感の表れではないかと考えている」(観光型旅館/四国)、「海外からの受注で受注量が増え、景気は上向きになっている」(精密機械器具製造業/九州)、「円安の状況などから製造業などでも求人数が回復してくるように思われる」(新聞社[求人広告]/北陸)という声が、回答者から寄せられている。

 こうして見ると、長らくデフレ・円高不況に苦しんできた日本人にとって、現状は良いことづくめのように感じられる。「円安、株高のニュースが連日のように流れているため、景気の先行きに希望を持ち始めた」(30代男性)という声も聞かれ、今後は消費者マインドの回復にもつながるかもしれない。

円高不況しか知らないから
円安になったら逆に怖い

 しかし、この顕著な円安傾向、本当によいことづくめなのだろうか。確かに、輸出企業が経済の屋台骨を支えている日本においては、円安で受けるメリットのほうがデメリットよりも大きいであろうことは、想像に難くない。

 とはいえ最近では、「これほど急激に円安が進んで大丈夫なのか」(30代男性)、「円高不況のイメージしかないため、円安になると何が起こるかわからず、逆に怖い」(20代女性)といった漠然とした不安を抱く人も増えているという。経済の専門家の間にも、「通貨安がゆくゆく日本の国力そのものを低下させかねない」などと危惧する声が少なくない。

 そう、これまで「円高不況」という言葉を刷り込まれて生きて来た我々には、実際に円安になると何がよくて何が悪いのか、実感できないのだ。そこで今回は、専門家の意見を聞きながら、足もとでの円安のメリットとデメリットは何なのか、未知の円安不況は本当にやって来るのかをリサーチしよう。

 ちなみに、日本経済に影響を与えるアベノミクスの政策は、金融政策の他にも大規模な財政出動などがある。インフレと円安の関係のように、これらの政策がもたらす影響は本来密接に絡み合っており、分けて論じられるものではないが、ここでは円安の影響を中心にリサーチすることをお断りしておく。インフレを中心とした影響については、以前の記事を参照してほしい。

 そもそも、この円安傾向はいつまで続くのか。三井住友信託銀行 調査部 経済調査チームの花田普氏によると、円安は現在の安倍政権の政策に加え、海外の金融情勢の改善が大きな要因になっているという。

アベノミクスのせいだけではない
円安には世界金融市場の情勢変化も

 現在、米国経済は住宅市場の改善を背景に、比較的堅調な推移を見せている。また欧州も、先行きは不透明であるものの、金融市場を揺るがす大きな悪材料がない状況だ。こうした情勢の中で、そもそもリスク回避で円を買う動きは収まりつつあった。

「そこに安倍首相の発言が重なって、円安が加速したわけです。もともと円高が進み過ぎていた面もあったので、一気に流れが円安に向いたのでしょう」(花田氏)

 つまり今回の円安は、日本一国の政策転換のみによるものではなく、世界情勢に呼応して起きている側面も強いわけだ。だとすれば、足もとのトレンドは中期的に続く可能性もある。

 では、我々が実生活で被る影響にはどんなものがあるのか。結論から言えば、少なくとも足もとで大きなデメリットが見られるわけではないが、その代わりに大きなメリットも考えづらいというのが現実だ。実生活に関わるお金の「入り」と「出」に大別して、円安の影響を見て行こう。

 第一に、最も気になるのは、生活のベースとなる雇用や賃金への影響がどうなるか、つまり「入り」の部分である。

 当然ながら、輸入企業に勤める人は賃金が減る可能性がある。円安が向かい風となるのは、食料、原料、燃料などを海外から調達している外食、小売、輸入雑貨、運輸などの業者だ。海外旅行ニーズの減少が見込まれる旅行代理店も、先行きに不透明感が募る。

 意外に影響が大きそうなのが鉄鋼業。日本銀行「企業物価指数」のデータを用いた三井住友信託銀行の試算によると、円実効レートが1割下落した場合の鉄鋼(鉄鉱石)の輸入価格は、15.3%も上がるという。「製品の輸出価格も同時に上がるとは言え、中国の生産能力の向上などによって競合が増えているので、原料価格が上がった分、価格を引き上げられるかどうかはわかりません」(花田氏)というのが現状だ。これらの企業が業績不振に陥れば、賃金カットやリストラに踏み切るケースも出てくるだろう。

 ある大手小売業者に勤める50代の男性中間管理職は、足もとを楽観的に見つつも、近い将来に対して不安を滲ませる。

「現状では、これ以上の賃金合理化は難しい。一方で円高時代の恩恵もあり、会社には内部留保がそこそこある。おそらく、1ドル=100円台までは大丈夫でしょう。しかし、それを大きく上回る円安になると、賃金カットなしでは厳しいかもしれませんね……」

業績が改善してもすぐに賃金は増えない
輸出企業が想定すべき「意外なリスク」

 一方、輸出企業にとっては円安は追い風だ。とりわけ輸出の割合が多い自動車や電機産業にとっては大きなプラス材料になる。これらの業界に勤めている人は、会社の業績が改善し、雇用拡大や社員の賃金アップにつながるという、ポジティブな図式を思い描きやすい。

 しかし、輸出企業に勤める人が、すぐに大きなメリットを受けられるかと言えば、実はそうとも言えない。円安のメリットを受ける業界が、円安になったからと言って、この不況下ですぐに雇用や賃金を増やすことは、現状では考えにくい。加えて、上場企業であれば、収益が回復したとしても、優先的に利益が還元されるのは、従業員ではなく株主である可能性が高い。

「業務が忙しくなって残業代は増えるかもしれませんが、正社員を大量に雇い入れたり、基本給やボーナスを増やすまでにはいかないと見ています」(花田氏)。

 期待できるとしたら、アベノミクスによって緩やかなインフレが始まり、それが雇用や実質賃金に波及するタイミングを待つ必要があるだろう。その段階で円安による企業収益の回復が続いていれば、従業員への還元も現実味を帯びそうだ。しかし、そうなるまでには相応の時間がかかると見られる。

 また、円安による輸出企業のメリットが海外景気に左右されることも押さえておいた方がいいだろう。日本からの輸出品は、それを買う外国人が、価格と自身の所得といった2つの要素をどう判断するかに左右される。いくら日本からの輸入品が安くなっても、自国内の景気が悪くなって所得が下がれば、彼らは日本製品を買いたくても買うことができないからだ。

 加えて、現在の日本が従来よりも円安のデメリットを被りやすい状況にあることにも、留意すべきだ。

 原発停止による火力発電用燃料の輸入増加などにより、日本の貿易赤字額は過去最大となっている。今後も円安傾向の中で、エネルギー原料や食料品などの輸入金額は確実に増えていくだろう。その一方で、前述のように万一海外の景気が後退して輸出が伸びなくなれば、貿易赤字は一気に拡大する。

「今のところ、所得収支が貿易赤字を支えていますが、貿易赤字がそれを上回る見込みが出てくると、長期金利が急上昇する可能性があります。最悪の場合には株式、為替、債券が同時に値下がりするトリプル安に陥る恐れも考えられます」(花田氏)

 そんな状況になれば、輸出企業に勤めている人であっても、自社の業績向上や賃金アップは期待できない。足もとで自分の会社に追い風が吹いていても、かように想定できるリスクは少なくないということだ。

食料品の値上げはすぐに起きないが
電気料金やガソリン代はダイレクトに

 第二に、家計への影響、つまり「出」の部分についてはどうか。花田氏は、「円安では、家計はメリットよりもデメリットを受けやすい」と指摘する。

 これまで述べてきたように、円安はエネルギー、食料品、家具などの輸入価格を押し上げる。輸入品の値上がりに加えてインフレによる国内の物価上昇が始まれば、家庭の負担は小さくなかろう。

 前出の試算によると、円実効レートが1割下落した場合の輸入価格変化率は「石油・石炭・天然ガス」が14.0%、「食料品・飼料」は10.2%上昇するという。

 ただし、これらのコストがすぐに店頭価格に上乗せされるかと言えば、可能性は低い。長引くデフレ不況下で、消費者は安い価格の商品に慣れ切っている。そのため、いくら円安によるコスト増に悩んでいても、消費者離れを招きかねない「値上げ」に踏み切る勇気がある企業は、少ないだろう。

 彼らは当面、自社内でコストを吸収し、「値上げ」を避けることに努めるはずだ。花田氏は、「食料品などはすぐにではなく、じわじわと影響が出てくることが想定される」と指摘する。

 一方、世界的な需給逼迫の影響も背景にあるエネルギーの価格上昇に対応するには、限界がある。こちらの影響は、もう少しダイレクトに出て来そうだ。

「電気料金やガソリン代などが上がり、家計の実質所得は目減りします。これにゆくゆく食料品の価格高騰が加われば、一気に消費者のマインドが冷え込むことも予想されます」(花田氏)

 たとえ経営努力によって値上げを回避し続ける企業があったとしても、その代わりに社員の待遇にしわ寄せがいく可能性もある。「それで自分の会社の給料が下がってしまうならば、むしろ生活物価が少し上がるほうがマシ」(20代男性)という意見ももっともだ。

アベノミクスの本領発揮まで
外貨建て商品で資産防衛を図る?

 こうして、「入り」の増加も「出」の抑制も怪しいなか、我々はどんな生活防衛策を練るべきか。まず第一に思いつくのは「節約」だが、むしろ円安の追い風に乗って資産運用を行ない、積極的に「利殖」を狙う手もある。

 インフレ・円安局面では、外国通貨と比べて円の価値が目減りするため、今後は資産防衛の意味でも、外貨建ての金融商品を購入する人が増えるだろう。花田氏も、「人々が外貨建て資産を買いやすくなり、投資信託の販売が増える」ことを円安のメリットとして挙げる。

 一般人が買える主な外貨商品には、外貨定期預金、外貨建てMMF、投資信託(外国債券、外国株式など)、外貨建てETF(株価連動投信)、FX(為替証拠金取引)などがある。しかし、外貨建て商品は激しい為替変動の影響をダイレクトに受けるため、自国通貨建ての金融商品よりもリスクが高い(金融商品によってその度合いは異なる)。投資の際には事前リサーチを怠らず、自己責任の範囲内で行なうことをお勧めしたい。

 日本経済にとって、円安が追い風であることは間違いなかろう。しかし、その影響を我々の実生活に落とし込んでリサーチすると、足もとでは必ずしもメリットばかりが大きいとは言い切れないことがわかる。

 日本が真に円安の効果を享受できるのは、期待先行の「アベノミクス」が真価を発揮し、実体経済の根幹に効いてくるタイミングだろう。果たして、それはいつだろうか。そして、実際にそうなるのか。その答えが見え始めるときまで、「円安不況」への漠然とした不安が消えることはないのかもしれない。


04. 2013年2月08日 16:08:19 : PeL55ghwLo
ゲンダイの論調だと

歴史的な円高だった民主党時代
それほど、景気が良くて素晴らしい時代だったのか?

と不思議に思う
円高だろうが、円安になろうが、政権を叩きたいだけじゃなかろうか。
円高のまま、円高の進行、ゆるやかな円安、現状の円安傾向

あらゆる面で、安倍政権を叩いている像しか浮かばない


05. 2013年2月09日 00:30:36 : mb0UXcp1ss
竹中平蔵の「経済政策ウオッチング」
常勝経営

日本の存在感が高まったダボス会議、「アベノミクス」に高評価
2013年02月08日

 日本のメディアは「ダボス会議」でアベノミクスに対する懸念が表明されたと報道しているが、実際は正反対である。むしろ、アベノミクスを称賛する声が多く、円安を正面から批判するような参加者はいなかった。

久しぶりに日本の存在感が高まる
 今年も1月末にダボス会議(世界経済フォーラム年次総会)が開かれた。年に1回開かれるダボス会議には政治家や経済学者、経営者など世界のリーダーが集まって議論が交わされる。定点観測的に世界経済の大きな流れがわかるため、私も毎年参加している。

 今回のダボス会議は国家元首が30数名集まるという非常に大きな会議となった。日本の安倍晋三総理は出席できず、ビデオ会議での参加だったが、結果的に見ると、日本の存在感が非常に大きい会議だったと言える。これは久々のことである。

 今回のダボス会議には3つのポイントがあった。

 まず一つめは、昨年に比べて非常に明るいムードだったということだ。ユーロ危機がどこまで深まるのか見通しが立たず、とても暗い雰囲気だった昨年は、参加者全員が悲観的になって「懸念している」という言い回しが多く聞かれた。一方、今年は事態がやや好転して、慎重な楽観論(cautious optimism)が場を支配していたように思う。

「今年は実行し、成果を出す年」とドラギECB総裁
 その中でも、マリオ・ドラギ欧州中央銀行(ECB)総裁の話が興味深かった。彼曰く、昨年は非常に重要なことを決めた年だった。ただ、決めただけなので、今年はそれを実行しなくてはならない。実体経済はまだよくなっているわけではないのだが、重要なことを決めたので人々の間に希望が出てきている――。

 ドラギ総裁の言う「重要なこと」というのは、昨年8月にECBが決定した、スペインなどの国債を無制限に買い支えるという政策である。つまり、ECBが「最後の貸し手」になるということを明確にした。

 それを受けて9月には、米国の連邦準備理事会(FRB)が量的緩和第3弾(QE3)を実行した。12月にはそれを強化した。さらに安倍内閣誕生を受けて、日本銀行までもが金融緩和に向けて動き出した。

 このように、2012年というのは世界の中央銀行において重要な動きがあった年だったと言える。ドラギ総裁は、それらの動きを受けて今年は実行し、成果を出す年にしなければならないとしている。非常に適切な表現だと思う。

「Abenomics」に対する評価は高い
 二つめのポイントは、安倍内閣の経済政策に対する評価がきわめて高いということだ。「Abenomics(アベノミクス)」という言葉を世界の首脳が使っていたのが実に印象的だった。それだけ、日本の存在感が久々に高い会議となっていたのである。

 クローズドな会議だったが、安倍総理もNHKのスタジオから中継で参加した。その会議室には、日本を代表して甘利明経済再生担当大臣と茂木敏充経済産業大臣が出席。ほかにダボス会議参加者の中でも論客十数人を集めて経済対話が行われた。その司会を私が務めた。

 出席した海外勢は、イギリスのゴードン・ブラウン前首相、メキシコのエルネスト・セディージョ元大統領、経済協力開発機構(OECD)のアンヘル・グリア事務総長をはじめ、ノーベル平和賞受賞のムハマド・ユヌス氏など、そうそうたるメンバーだった。その全員が、日本の経済政策は正しいと評価していた。

 日本の報道では、ダボス会議で円安に対する懸念が表明されたということになっているが、それはドイツのアンゲラ・メルケル首相が言っていただけだ。メルケル首相の発言に対する場の反応というのも、「ドイツが言うなよ」と冷ややかなものだった。ドイツこそがユーロ安でメリットを享受しているのに、そのドイツが円安を批判するのはおかしいというわけである。

Next:日本の財政再建を懸念するラガルドIMF専務理事

 クローズドな会議には、日本のメディアはなかなか入ることができないので、核心的な議論に触れることが難しいのだろう。そのため、どうしても一面的な報道に陥ってしまう。

 そもそも、日本は円安誘導をしているのではない。円を安くするのが目的ではなく、デフレ克服という国内目的のために金融緩和策を採っているだけなのだ。そうした事情を各国のリーダーも知っているから、結果的に為替相場が動いていることに対して、正面から日本を批判する声はダボス会議では聞かれなかった。

 英フィナンシャル・タイムズ紙の主席経済論説委員、マーティン・ウルフ氏は、いつも辛口のコメントをすることで有名だが、その彼でさえアベノミクスを高く評価している。会議の中で彼は「Abenomics」という単語を連発していた。

 ただし、一つだけ留意することがあるとすれば、それは財政再建である。2013年に最もリスクの高い地域はどこかという質問に対して、国際通貨基金(IMF)のクリスティーヌ・ラガルド専務理事は「日本だ」と答えていた。当面の財政拡大は仕方ないにしても、中長期的に財政再建ができない状況になれば、大きなリスク要因になるとの指摘である。

Next:領土をめぐる日中対立を世界は心配している

 最後に三つめのポイントとして挙げられるのは、領土をめぐって対立する日中関係が世界的な懸念材料になっていることだ。こうした反応があったのは、私自身も意外だった。

 われわれ日本人にしてみると、確かに領土に関する問題は非常に厄介ではあるが、世界に迷惑をかけるような問題ではないという感覚だろう。ところが、世界はそう見ていない。

 おそらく中国の対応が未成熟で心配という気持ちが大きいだろうが、同時に日本の対応も未成熟と見られているようだ。米ハーバード大学のジョセフ・ナイ教授は以前から、「日本の経済が悪くなるとともに、日本のナショナリズムが高まっていく」という懸念を表明している。

 われわれが当事者として認識していることと、第三者が見ている視点は少し違うということを考えなくてはならない。日本人は冷静なつもりだが、それでもなお一層、慎重な対応が必要であることを強く感じた。

 いずれにしても、ダボス会議で日本の存在感が高まったというのは事実だ。それをどのような結果に結びつけていくかということが問われる局面になっている。

竹中平蔵(たけなか・へいぞう)
慶応義塾大学総合政策学部教授
グローバルセキュリティ研究所所長
 1951年、和歌山県生まれ。経済学博士。一橋大学経済学部卒業後、73年日本開発銀行入行、81年に退職後、ハーバード大学客員准教授、慶応義塾大学総合政策学部教授などを務める。2001年、小泉内閣の経済財政政策担当大臣就任を皮切りに金融担当大臣、郵政民営化担当大臣、総務大臣などを歴任。04年参議院議員に当選。06年9月、参議院議員を辞職し政界を引退。
 現在、慶応義塾大学総合政策学部教授・グローバルセキュリティ研究所所長。公益社団法人日本経済研究センター研究顧問、アカデミーヒルズ理事長、株式会社パソナグループ取締役会長などを兼職。主な著書に『日本大災害の教訓―複合危機とリスク管理』(共著、東洋経済新報社)、『経済古典は役に立つ』(光文社新書)など多数。


06. 2013年2月09日 10:43:34 : EPFNWcPVGI
最近大きな疑問が一つ。
銀行が淡々と持ち株を処分し、国債を購入し続けてるようだ。
年金資金の運用も同様で、この株高の最中に株を売り国債を買い上げている。
どうにも納得いかない。
そもそも、この約2ヵ月の間に行われた20兆円以上の追加金融緩和の金はどこに消えたのか?
大きな犯罪の臭いがする。

国内市場 売り続ける国内投資家
http://www.asakurakei.com/newsDetail.cfm?newsID=215


07. 2013年2月09日 23:03:30 : MDURCTUJ7k
NYSEやナスダックを牽引するのは、アメリカ人の普通の家庭のパパ&ママ投資家です。
彼らの強みは、アメリカ的で、
楽観的で前向きに経済活動という営みをとらえ、
世界と調和しようとするからじゃないでしょうか?

株価を押し上げる要因は、その社会が出す波長のような気がします。
そう言う意味では、アベノミクスも株高要因であり、安倍総理を指示しないけど、野田や管と比較して明るくスマートであることも社会を明るくしています。

原発も廃炉ビジネスの巨大さを前向きに見て、放射能汚染の恐怖にある16万の避難民の方々を手厚く保護していくことで、社会に明るさが戻り、活性化するはずです。
それができないのは、富を独り占めしようとするケツの穴の小さな原子力ムラやそこに群がる金融、投資、メディアなどの提灯持ちの強欲に根ざした日本的な鬱的側面に由来した結果だと思います。

へ理屈の金融理論を振り回し、規制の権益にくっついている欲深い連中を排除し、日本も明るく前向きに行くべきです。


08. 2013年2月09日 23:39:07 : KE2OiHQK5s
>甘利再生相は「(昨年11月の衆院)解散宣言以降、安倍政権ができて、株価は2千円以上、上がった」とアピールした。(共同通信)

自民党は詐欺政党だな。
国民をだまして選挙に勝とうってことか?

ゲンダイの言うとおり世界中の株が上がってるな。ジャカルタ、タイは、リーマンバブルの2倍だ。
株が上がってないのは、フランスと日本だけだ。
原発とかで国民をだまして金儲けしてきたから企業も国もぼろぼろなんだろうな。

アメリカがやっと、リーマンバブルを抜こうとしてるけど、国債にうつってしまったな。
日本も株価が上がらないのは、国債に金が回ってるからだよ。

国も企業もだめ、放射能で汚染した商品なんて誰も買わない。
日本の株は上がらないよ。
銀行株と証券株、ゲーム株がちょっと上がっただけ。
製造業は無理だ。
建設株もだめだね。黒字倒産もありうる。
残念でした。


09. 2013年2月10日 21:52:43 : zBYc960RaI
ふむ、ガイジンがおすすめするということは、薬品株はダメか。
いい選択だと思ったんだがな。

10. 2013年2月14日 17:25:49 : QBrYpzDGwo
 政治家も、マスコミも、本当に皆さん役者ですねえ。スタンドアップコメディでも視てるようです。こんなに皆さん芸があるとは、驚きました。でも良く考えると太平洋戦争のときもそうだったのですね、確か、「勝ってる、勝ってる」と・・。

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