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「黒田日銀」は脱白川でレジームチェンジ、4月会合で量的緩和復活も (ブルームバーグ)
http://www.asyura2.com/13/hasan79/msg/345.html
投稿者 ミスター第二分類 日時 2013 年 3 月 01 日 21:51:02: syFUAx3Wc1pTw
 

出典 http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MIXJ8Z6JTSEL01.html

「黒田日銀」は脱白川でレジームチェンジ、4月会合で量的緩和復活も (ブルームバーグ)

  3月1日(ブルームバーグ):政府は28日、黒田東彦アジア開発銀行(ADB)総裁を日本銀行総裁に起用する人事案を国会に提示した。「異次元」の金融緩和を求める安倍晋三首相の意向を受けた「レジームチェンジ(体制転換)」により、早ければ4月にも量を目標とする量的緩和策が復活するとの見方も出ている。

衆参両院が人事案に同意すれば、3月20日に黒田総裁が率いる日銀新体制が発足する見通し。シティグループ証券の道家映二チーフJGBストラテジストは「首相はこれまで金融政策の『レジームチェンジ』を目指してきた」と指摘。みずほ証券の上野泰也チーフマーケットエコノミストも「首相が唱える金融政策の『レジームチェンジ』が、この新体制の下で具体的に実行されていくと考えるのが自然だ」とみる。

上野氏は「そこで浮かび上がるのが、金利ターゲットから量的ターゲットへの切り替え、すなわち『量的緩和の復活』だ」と予想。「黒田」総裁率いる日銀の新体制がレジームチェンジを行う場合、1998年から2002年まで日銀審議委員を務めた中原伸之氏の提案が「1つのモデルになるのではないか」とみる。

中原氏は、安倍首相が主催した日銀総裁選びの有識者会議にも名を連ねた量的緩和論者。日銀が量的緩和導入を決めた01年3月19日の金融政策決定会合で、同氏が提案したのが「02年10−12月期平均の消費者物価(生鮮食品除く)の前年比が0.5−2.0%」となることを企図して、「01年7−9月期のマネタリーベース(平均残高)が前年同期比で15%程度に上昇するよう量的緩和を図る」というものだ。

当座預金は年内に90−100兆円に

上野氏は中原氏の提案を参考にして、「物価目標の2%を15年1−3月期までのできるだけ早期に実現することを目指し、13年10−12月期の当座預金残高(平残)を70兆−80兆円程度まで引き上げることにより、同四半期のマネタリーベース(平残)が前年同期比で20−30%程度増加するよう量的緩和を行う」というような議案が可能だと指摘する。

新体制にとって好都合なのは、日銀が1月までに決定済みの追加緩和により、現在40兆円台の日銀当座預金残高が今後大幅に増えるのは必至なため、量的な指標を実現可能なターゲットにしやすいことだ。佐藤健裕審議委員は6日、前橋市内で行った会見で、日銀当座預金は年内にも「90兆−100兆円に達してくる可能性がある」と述べている。

マネタリーベースは日銀当座預金、日銀券などの合計なので、当座預金が増えればマネタリーベースもほぼ同じ分だけ増える。三菱UFJモルガン・スタンレー証券景気循環研究所の嶋中雄二所長が「円高是正や株高を導く基礎」とするなど、マネタリーベースの信奉者も多い。

スピード重視なら臨時会合も

ドイツ証券の松岡幹裕チーフエコノミストは「黒田氏は資産買い入れ等基金の拡大ペースに比べ、日銀の総資産やマネタリーベースの拡大ペースが遅いことも十分に認識しているとみられる」と指摘。新体制の発足により、@時間軸政策A基金を廃止しマネタリーベースか総資産を操作目標にするB残存年数の長い国債やリスク資産など購入対象の多様化C景気拡大局面でも追加緩和策を優先する−という「4つのすべての点において、ある程度の進展が見込まれそうだ」と期待する。

上野氏は「スピード感重視の場合は4月第1回目の3、4日会合、もしくは、それより前の臨時会合で、資産買い入れ等基金による長期国債買い入れの増額と、買い入れ対象の残存5年以内への拡大を含む追加緩和か」と予想。新体制が「レジームチェンジ」をまず行うという意向の場合、追加緩和は「経済・物価情勢の展望(展望リポート)と合わせる形で4月第2回の26日会合で行われることになるだろう」とみる。

「日銀券ルール」についても、見直しは必至の情勢だ。日銀は長期国債の買い入れについて、保有残高が日銀券発行残高を上回らないようにする、いわゆる日銀券ルールを設けている。しかし、資産買い入れ等基金における長期国債の購入は例外扱いにしており、同ルールは既に有名無実化しているのが実情だ。

日銀券ルールは旧体制の象徴

道家氏は「日銀券ルールは速水総裁時代の2001年3月に導入され、その後、福井・白川体制下でも受け継がれてきた。15年ぶりに日銀出身者以外の人物が日銀総裁となり、撤廃を含めた日銀券ルールの見直しが検討されれば、象徴的な意味があろう」と指摘する。

日銀の木内登英審議委員は28日、横浜市で会見し、「仮に年限の長い国債を買っていくとなると、基金を通じた資産の買い入れと、輪番オペの境目が不明確になるので、将来的には何らかの工夫が必要だ」と述べた。第一生命経済研究所の熊野英生首席エコノミストは「白川体制の金融緩和は不十分とみなされているので、新体制は4月3、4日会合で、そうしたイメージを払拭(ふっしょく)するため追加緩和に踏み切るだろう」とみている。

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コメント
 
01. 2013年3月01日 23:18:36 : xEBOc6ttRg
改定値、プラス転換に修正=10〜12月期GDP−民間予測
 民間シンクタンク11社による2012年10〜12月期の国内総生産(GDP)改定値の予測が1日出そろった。物価変動の影響を除いた実質GDPの平均は、前期比横ばい(0.0%増)、年率換算0.1%増で、速報値(前期比0.1%減、年率0・4%減)からわずかに上方修正され、3四半期ぶりにプラスに転換する見込みだ。内閣府は改定値を8日公表する。
 財務省が1日発表した10〜12月期の法人企業統計を受け、改定値では設備投資のマイナス幅が縮小するとの予想が大勢を占めた。公共投資も速報値から増加するとの見方が多かった。(2013/03/01-21:30)

 


4人に1人が有期雇用=1410万人、推計上回る−総務省
 総務省が1日発表した1月の労働力調査で、雇用契約期間の決まっている有期雇用者が1410万人に上ることが分かった。農林業以外の雇用者5452万人の約26%に当たる。これまで有期雇用者の正確な人数は把握できておらず、同省が初めて公表した。
 それによると、正社員ら契約期間が決まっていない無期雇用者は3712万人、役員は329万人。有期雇用者は契約社員や派遣社員、パート、アルバイトなどで、契約期間1年超が885万人、1カ月以上1年以下が439万人、1カ月未満が86万人だった。
 これまで厚生労働省は有期雇用者について、1200万人程度と推計していたが、200万人程度上回る結果となった。(2013/03/01-21:21)

 
推計より200万人多い…有期雇用1410万人

 総務省は1日、契約社員や派遣社員など期間を定めて働く有期雇用労働者が全体の労働者の約26%にあたる約1410万人に上ると発表した。


 同省が1月の労働力調査(速報)で初めて調べた。有期雇用労働者は一般的に雇用が不安定で、賃金も低いことが多い。厚生労働省はこれまで約1200万人と推計していたが、実態は約200万人多かったことになる。

 契約期間が定められていない「無期」の雇用労働者は約3712万人だった。

 総務省は、2008年のリーマン・ショック後に雇い止めや契約期間途中での解雇が相次いだことを受け、不安定な立場にある労働者の実態を把握する目的で今回から調査方法を変えた。

 これに関連し、田村厚生労働相は同日の閣議後記者会見で、「有期雇用を無期雇用にしていくなど待遇の改善が必要だ」と語った。

(2013年3月1日20時43分 読売新聞)
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1クリップ この記事をクリップ  労働力調査 総務省 有期雇用労働者 
 


 
「准正規労働」で待遇改善、無期雇用で賃上げ


 厚生労働省は来年度から、正社員と非正規労働者の中間に位置する新たな雇用形態の創出に乗り出す。

 働く期間に定めがない無期雇用にして賃金を上げ、正社員に近づける一方、昇進などは制限する「准正規労働者」ともいえる形態で、増え続ける非正規労働者の労働条件の改善につなげる狙いがある。非正規労働者を准正規労働者に引き上げるなどした企業に対し、総額54億円を助成する方針だ。

 「正社員を増やすことにこだわっていても、不安定な非正規労働者が増えるだけだ」。厚労省幹部は危機感をあらわにし、今回の対策を打ち出した背景を語る。

 同省では、これまで非正規労働者を正社員にした企業に助成金を出すなど様々な対策を講じてきた。だが、非正規労働者はこの10年間に年平均約30万人のペースで増え続け、昨年は約1813万人と労働者全体の35・2%を占めるまでになった。このうち約400万人は正社員を希望しながらかなわずにいる非正規労働者だ。

(2013年2月28日 読売新聞)

 


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【社会】失業率4・2%、0・1ポイント改善…1月 (3月1日 9:26)

 


【ロンドン市場】英PMIショックでリスク回避ムード強まる
2013/03/01 (金) 21:33


1日のロンドン市場は経済指標に敏感に反応、弱い指標でリスク回避の動きが強まっている。ユーロドルは昨年12月11日以来、約3ヶ月ぶりの水準、ポンドドルは2010年7月以来、約2年7ヶ月ぶりの水準まで下落している。大きな流れを作ったのは英国2月の製造業PMI。予想51.0のところ47.9と大きく下回った上に景況判断の節目となる50を3ヶ月ぶりに下回った。ポンドドルは1.51台半ばから1.51割れまで急落、その後は1.5013近辺まで下げ幅を広げた。景気後退のリスクが市場に漂っている。
ユーロ圏では、イタリア2月の製造業PMIが45.8と予想47.6を下回り、1月失業率は11.7%と予想を上回り統計開始後の最悪を記録した。また、ユーロ圏1月の失業率も11.9%と予想を上回り過去最悪を記録、2月の消費者物価指数は1.8%と2010年9月以来の低水準で、ECBが利下げを行う環境は出来ていると指摘する向きもあった。イタリア2012年の公的債務が対GDP比で127%と前年の120.8%から上昇したこともあり、ユーロドルは1.2986近辺まで下落している。

ロンドン市場入り際はユーロドル売りから始まった。イタリア中道左派連合率いるベルサニ氏が伊レプブリカ紙とのインタビューで、中道右派との大連立を組むことはないと述べたことが伝わり、ユーロドルは1.3080近辺から1.3060近辺まで下落した。その後ドイツ1月の小売売上高が前月比で3.1%と予想以上の伸びを示し、2012年1月以来の高水準だったことからじりじり買われ、1.3101近辺と本日の高値を付ける場面もあった。その後はイタリアやドイツ、ユーロ圏の製造業PMIで小幅上下動し、英国製造業PMIを受けたポンドドル売りにユーロドルもつれ安となった。
市場のリスク回避ムードでドル指数は約6か月ぶりの水準まで上昇、ドル円は93.03近辺と今週初めにイタリアショックで下落して以来の93円台を一時付けた。

klugアナリスト 鈴木信秀


02. 2013年3月01日 23:57:32 : xEBOc6ttRg
村上尚己「エコノミックレポート」

チーフ・エコノミスト 村上尚己が、ファンダメンタルズ分析を中心に内外経済・金融市場に鋭く切込みます。(@Murakami_Naoki )

[ プロフィール ]

2013年3月1日
印刷用PDF
(398KB)
日本銀行はどう生まれ変わるのか?

来週の重要経済指標、主要企業決算についてPDF版のレポートで解説しています


2月25日レポートでは、「黒田総裁、岩田規副総裁」との日経報道をうけて、新しい日銀執行部誕生が、市場にどのような影響をもたらすか筆者なりの見解を述べた。岩田規久男氏が副総裁になることは、事前に市場では想定されておらず、日本銀行の金融緩和姿勢が一段と強まるとの市場の期待が高まる可能性を指摘した。

このレポートに対して、「黒田さんの記述部分が少なすぎる。それぞれ総裁、副総裁の基本的考え方に関する記述を一覧表にして、どの部分が優れ、どこが足りないもしくは評価できないのかを、解説すべき」というフィードバックを頂戴した。一応言い訳しておくと、このレポートは当日の日経新聞の観測報道を早朝確認し、この報道が持つインプリケーションを株式市場が始まるまでにお伝えするために執筆した。朝9時までに完成させることを、重視したことをご理解いただきたい。

28日に政府は人事案を国会に提出し、来週の国会での所信聴取を経て、再来週15日までに国会で同意される見通しとなっている。黒田新総裁候補についてはメディアでも、「金融緩和に積極的」「財務官として国際金融に精通」「為替介入策を指揮」「安倍首相の信頼厚い」などが伝えられている。ただ、2005年からアジア開発銀行の総裁として働かれているため、黒田氏の金融政策についての考えは、十分報じられていない。

もちろん、現在メディアで報じられている評価は概ね妥当である。実際に、FRBのバーナンキ議長は27日、「(デフレが長引く日本の金融政策について)日本は慎重すぎた」そして「安倍政権と日銀新総裁は果敢な政策でデフレ対策にのぞもうとしている」と述べた。

中央銀行総裁が、他国の金融政策について言及するのは極めて異例である。ただ、それだけ黒田総裁によって日本銀行の政策が変わることが期待されているということである。バーナンキ議長とすれば、(1)日本銀行が少なくともFRBと同程度の大規模金融緩和を行い、(2)明確な目標を打ち出し期待インフレ率を高め、(3)日本経済の正常化をもたらし、(4)米国のみならず世界経済にとって望ましい、と認識していると思われる。

さて次期総裁となり、今後の金融政策決定会合の議論をリードする黒田氏は、これまでの日本銀行の金融政策をどのように評価しているのか?黒田氏の著書「財政金融政策の成功と失敗」では、1970年代以降の日本経済と経済政策について、黒田氏の経験そして海外の著名経済学者の理論を交えて説明されている。

この著書で目につくのが、日本銀行の金融政策の判断ミスを厳しく批判している部分である。特に、2000年にデフレにも関わらずに日本銀行が利上げを行ったことを強く批判している。また著書では最近の金融政策に対しての言及はないが、経済学者時代のバーナンキ氏の意見を挙げながら、デフレが続く中では、大規模な金融緩和(国債購入オペ)を行うべき、と述べている。

また、ケネスロゴフ氏がIMF調査局長時代に、黒田氏に対して「日銀のやり方は下手なゴルファーとよく似ている」「だからデフレから脱却できないのだ」と語ったエピソードが紹介されている。これらを踏まえ、海外で標準的である一流学者の金融政策に関する知見を踏まえたうえで、速水・福井総裁時代の日本銀行を強く批判しているのである。

これまで白川総裁は、2000年代に日本銀行が採用していた当座預金残高を目標とした量的金融緩和策すら採用せず、「資産買入れ基金」という曖昧な制度を導入し、結局ベースマネーの伸びを抑えてきた。このため、米欧とバランスシートの規模の点で圧倒的な差がついて、これが大幅な円高をもたらしていた(グラフ参照)。

黒田氏が、こうした状況に対して、量的金融緩和策に最後まで及び腰だった白川総裁時代の日本銀行の政策を、どう評価していたか明らかである。このまま、日本銀行の新体制がスタートすれば、これまで不足していた量的金融緩和のペースを早め、早期の脱デフレを目指すと予想される。

なお、拙著「日本人はなぜ貧乏になったのか?」では、これまで日本銀行の金融緩和が、米FRBと比べてどの程度不足していたのかを、詳細に説明しています。ぜひご参照頂ければと思います。皆様のご支持を得て、発売1ヶ月足らずで4万部突破と好評を頂いております。重ねて御礼申し上げます。


03. 2013年3月02日 12:56:29 : xEBOc6ttRg

黒田氏の日銀総裁指名は市場との対話能力が決め手 

By TATSUO ITO

 【東京】日本銀行次期総裁にアジア開発銀行(ADB)の黒田東彦総裁が指名されたことで金融市場では大胆なデフレ脱却措置に向けて期待が高まっているが、それと同時に通貨外交を仕切ってきた黒田氏のコミュニケーション能力にも大きな期待が寄せられている。これまでの日銀総裁に欠けていたと多くが考える資質だ。

 4日には国会での所信聴取が予定されており、黒田氏のコミュニケーション・スキルが注目される。

画像を拡大する

Bloomberg News
アジア開発銀行の黒田東彦総裁
 農林中金総合研究所チーフ・エコノミストの南武志氏は「黒田氏は、組織防衛的なコメントではなく、行動する日銀として、明確なメッセージを出すだろう」と予想している。

 退任する日銀の白川方明総裁は金融政策理論においては非常に雄弁だが、時には市場を混乱させてきた。例えば、自身が導入にかかわってきた金融政策には限界があると発言し、競争力の強化や成長性促進など、金融政策では対処できない構造的な問題解決の重要性を説くなど、アナリストが首をひねるような発言が見られた。

 白川総裁の評価はさておき、そのような発言の結果、日銀は断固とした行動をとることに躊躇しているのではないかとの見方が市場だけでなく日銀内部ですら広がった。

 ある日銀出身のOBは「成長力が重要であることは、皆分かっている。しかし、金融政策以外のそうした(構造的な)要因にことさら言及することで、日銀が実際に行っている金融緩和の効果を弱めてしまっている」と指摘する。

 それとは対照的に、1999年から2003年まで財務官として円高対策に取り組んできた黒田氏は、金融市場とのコミュニケーション能力が高いという評価を得た。

 クレディ・アグリコル銀行外国為替部ディレクターの斎藤裕司氏は「市場に精通していた黒田氏は当時、メディアを通じて適切なタイミングを捉え、メッセージを打ち出してくることに長けていた」と回想する。

 有名な一件がある。黒田氏が財務官として通貨政策を仕切っていた1999年のクリスマスイブのことだ。アジア取引時間早朝に1ドル100円まで円高が進行したが、多くのトレーダーが休暇中で薄商いのなか、市場は財務省の介入には懐疑的だった。

 だが黒田氏は記者団に対してクリスマスイブだからといって「介入がないと思うのは間違いだ」と強いメッセージを送った。

 その発言を裏付けるように財務省はその日だけで3704億円かあるいは約3700億円を為替市場に投じてドル買い介入し、一部のトレーダーに「クリスマスプレゼント」と呼ばれた。

 もちろん、日銀総裁となれば黒田氏もそのような手法を使ったり、為替に直接言及したりすることはできない。日本が輸出増を通したデフレ脱却のために為替操作を行っているという懸念もある。為替政策は財務省の仕事だ。

 黒田氏は2月半ばのウォール・ストリート・ジャーナルとのインタビューで「金融緩和の余地がかなりある」と述べている。

 しかし、為替トレーダーの中には黒田氏への期待が失望感に変わるのではないかと懸念する向きもある。

 三菱東京UFJ銀行金融市場部の平井邦行調査役は「金融政策にまだサプライズがあるのかどうか、想像できない」と述べ、「言葉にも限界がある」との考えを示した。

 ニューヨーク取引時間22日に1ドル=93.41円だったドル相場は、次期日銀総裁に黒田氏指名とのニュースが報じられた24日、急上昇して2010年5月以来の最高値1ドル=94.77円を記録した。

 黒田氏の国際組織の運営経験からの海外高官との会話能力、金融市場に対する深い知識など日銀総裁としての資質も十分であることから、野党が指名に反対する大きな理由はなく、黒田氏の日銀総裁就任はほぼ確実視されている。

 2人の副総裁候補、岩田規久男学習院大教授と中曽宏日銀理事の所信聴取は5日に行われる。また、これまでの慣例によれば3月20日の正式就任後間もなく、日銀本店で黒田氏ら3人が揃って会見が行われる見通しだ。


04. 2013年3月04日 00:28:15 : SNljMa86tM
日本経済、手早い対策は緩やかな停滞より危険か
2013年03月04日(Mon) Financial Times
(2013年3月1日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)


いわゆる「安倍トレード」で、日本株は上昇し、円は大きく下げてきた〔AFPBB News〕

 大方の日本人投資家は、通貨を押し下げ、新たな財政刺激策に乗り出す首相の決意を歓迎した。安倍晋三氏が昨年12月に首相に選ばれてから、TOPIX(東証株価指数)は22%上昇し、円相場は大幅に下落した。

 そして今後、財務省の元キャリア官僚で新たに日銀総裁に指名された黒田東彦氏が、より積極的な量的緩和策を指揮することになる。

 だが、もっと懐疑的な向きもある。構造改革の不足や不利な人口動態、低い生産性、中国、韓国などの近隣諸国からの競争上の脅威を考えると、こうした政策は金利上昇を招く一方、悪影響を相殺する恩恵が見込めないと考えているからだ。

 数十年とは言わないにせよ、もう何年も、日本円と日本国債に対する空売りは、損失が膨れ上がるために墓場トレードとして知られてきた。

「墓場トレード」と呼ばれてきた日本売りに異変

 ところが今、アベノミクスという決して新しくはないが素晴らしい世界のおかげで、円売りは利益を上げており、日本に対する弱気筋は、弱気に基づく賭けの対象を日本企業に広げている。

 こうした投資家のポジションは、政府がやろうとしていることにどれだけ大きな利害が絡んでいるかを物語るとともに、多くの運用担当者やエコノミストが、新政権が日本を今より高く持続的な成長軌道に乗せられる可能性について悲観的な理由を示している。

 なぜなら、政府の政策課題は概ね、過去にうまくいかなかった手っ取り早い対策から成り、長年の低成長ないしマイナス成長を経た今では、従来以上に危険な対策だからだ(そして現在、日本はマイナス成長が3四半期続き、再び景気後退に陥っている)。

 いくつかの面では、安い円は確かに日本の輸出企業の収益に貢献する。だが、そうした効果はある意味で人為的だ。むしろ、より魅力的な製品を作り、価格決定力を持つ方が望ましいだろう。

純粋な恩恵ではない円安

 いずれにせよ、円安は決して純粋な恩恵ではない。何しろ日本は依然、原材料の輸入に依存している。福島の原発事故で原子力発電が大幅に減少したため、現在は輸入エネルギーに対する依存度が高まっている。円安により、貿易収支と経常収支の双方に大きな圧力がかかる。

 そのうえ、もし政府が望んでいるように円安進行が続いたら、外国人投資家は為替サイドのリスクを補うために、高いリターンを求めるようになる。こうした資金は市場に流れ込む投資の一部にすぎないが、変化は常に周縁から始まるものだ。

 金利の上昇は、政府にとっても、過度な借り入れを行っている日本企業にとっても問題になる。後者のような企業が、新政権の政策に納得していない例の投資家の標的だ。

 政府の支出政策も、お粗末な対策に終わる可能性が高い。景気刺激策はこれまで、特に建設業界の既得権益の要求をそのまま反映しており、乗数効果がゼロだった。こうした事業は日本の有名な光景であるコンクリートで舗装された川や山間の小川にかかる立派な橋を生んだ。

 だが実際、そうした政策はこれまでは逆効果だった。消費者は、これらの不要な工事の代金を払うための増税を見越して、従来以上に節約しなければならないと感じたからだ。

 日本の人口高齢化を考えると、道路よりも老人ホームを建設した方がずっと良かった。そうした施設は、発展の遅れた日本のサービス部門を育成するとともに、老後のために貯蓄する動機を減らす助けにもなるはずだ。だが、それには移民が必要となるかもしれない。移民の受け入れは、政策課題に挙がってさえもいない多くの構造改革の1つだ。

「オールドジャパン」銘柄に目を付ける弱気筋

 さらに言えば、たとえアベノミクスが円安の結果としてより高い物価上昇率をもたらすことに成功したとしても、賃金は恐らくインフレに追いつかないだろう。賃金は物価に追いついたことがないからだ。その場合、弱い内需は一段と弱くなる。

 こうした理由から、米国の一部ヘッジファンドの運用担当者は今、まさに安倍政権の政策の恩恵を最も受けるはずの「オールドジャパン」銘柄に対してネガティブなポジションを取っている。

 こうしたファンドは例えばクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)市場で、製紙業界や海運業、鉄鋼業界の多くの企業のプロテクションを買っている。これらの企業がデフォルトすると考えているからではなく、事業衰退のリスクと比べて、CDSの保証料率が安く思えるからだ。

 これらの投資家が考えているように信用スプレッドが拡大すれば、投資家は儲かる。一部の鉄鋼メーカーは、アルセロール・ミタルよりも債務負担が大きく、同社以上に中国に影響されやすい。また、日本人がファクスされた地図の代わりに様々な機器を使うようになり、製紙会社ではついに需要が減少し始めている。

最軍備関連銘柄が買われ始めたら・・・

 さらに、多くの日本人でさえ、安倍氏の右派の国家主義的な見解のために、こうした政策が短命に終わったり効果がなかったりしたらどうなるか心配している。

 一部のバンカーは、ほぼ150年前の明治時代以来、日本は戦争によってしか景気後退から脱したことがないと指摘する(望むらくは、1950年代の朝鮮戦争などの他国の戦争だった)。

 再軍備関連の銘柄が高騰し始めたら、日本の運勢は短期的に上向くかもしれないが、長期的には一段と大きな危険にさらされるだろう。

By Henny Sender

 

まだ円安ではない。1ドル=107円が適正

古森重隆・富士フイルムホールディングス会長・CEOに聞く

2013年3月4日(月)  西 雄大

 日本の製造業は円高による競争力の低下に苦しんできた。アベノミクスの登場で円相場の流れは変わったが、古森重隆・富士フイルムホールディングス会長・CEOはまだ円安と呼べる水準ではないと見ている。適正なレートはどこなのか。
アベノミクスへの期待感から円安が進行しています。

古森:円安ではありません。行き過ぎた円高の是正と考えるべきです。日本は工業製品を輸出して稼ぐ国です。経済を成長させるには為替水準の是正が欠かせません。

 政府には電気料金や為替、税金など国の基礎的な競争力を整えてほしい。なかでも円のレートがフェアであることが一番大事です。購買力平価をみると1ドル=107円が適正な水準の目安ではないかと思います。そのなかで安倍さんが「行き過ぎた円高を是正します」と表明したことで変わりました。就任直後に第一声として表明して頂いたことは評価できます。


(写真:的野 弘路)
 リーマンショック前は1ドル=115円くらいで推移していました。我々は来年度が中期経営計画の最終年度になります。売り上げ2兆5000億円、営業利益が1800億円を見込んでいます。仮に115円の水準に戻れば、売り上げは3兆円、利益は3000億円になります。いかに企業がダメージを受けているのかお分かりいただけるでしょう。企業努力でできる部分はもちろんありますが、円高の為替水準では他国と競争になりません。

 行き過ぎた円高になると、製造業は生きていけません。海外へ製造拠点を移転させるか、国内に残ってつぶれるのを待つしかありません。電機業界など一部の業界は赤字で苦しんでいますが、ほかの競争力が弱い業界も同じような状況に陥り、ついには誰もいなくなるかもしれません。

 企業の活動が活発になれば雇用の問題も解決します。国内に製造拠点が残るというのは最も大事なことです。

 デフレから脱却するために賃金を上げるべきだという声もありますが、賃上げをして経済が良くなるのではありません。順番が逆で、まず原資が必要です。企業が売り上げを上げてから分配しなければならないのです。

世界でフェアに戦えるようにしてほしい

安倍政権に注文したいことはありますか。

古森:大きく4つあります。まず1つ目が税制改革です。法人税は海外に比べて高い。研究開発関連の減税ももう少し拡充してほしいですね。中小やベンチャー企業は利益率が低く、減税の恩恵を受けられる企業は少ないように思います。

 税制はそもそもの問題があります。税金を払っていない企業が多すぎるように思います。聞く所によれば、7割が法人税を払っていないといいます。やはり公平に負担してもらいたいところです。

 2つ目が規制緩和です。我々は医療機器を製造していますが、実に規制が多いと感じます。例えば医療機器のソフトウエアはハードウエアに組み込まれていないとダメ。ソフトだけの認可はしてもらえません。これではソフトウエア産業が育たないです。医薬品の承認も時間がかかりすぎています。アメリカは5年程度のところ、日本は倍かかります。時間もコストもかかる。規制緩和をしてもらわないと産業が育ちません。

 3つ目はエネルギーコストが高いことです。日本向けのLPガスは高値で推移しています。日本はアメリカに比べて6倍ほど高いそうです。我々だけでも600億円ほど払っています。アメリカの企業は100億程度で済んでしまいます。これでは競争になりません。

 最後に教育です。若者の教育を強化してほしい。みんな戦って紳士的にやろうしている。たしかにルールは守らないといけませんが、世界では熾烈な競争が繰り広げられています。昔の日本人のレベルと遜色がないくらいに資質を高めてもらえれば多くの課題に勝てると思うのです。

製造業が弱くなっているとの指摘もあります。

古森:それは違います。為替さえ適正な水準に戻してくれれば我々はきちんと経営できます。精密機器や化学など競争力が強い領域はあります。繰り返しになりますが、行き過ぎた円高を是正してさえくれれば負ける気はしません。

 適正なハンディキャップにしてもらえれば我々は自力でやっていきます。有利になるような制度を作って下さい、と国に頼ることはしません。とにかく世界でフェアに戦える状態にしてほしいだけです。

安倍首相とは以前からのお付き合いですが、印象はどうですか。

古森:安倍さんは色々な人の意見を聞かれます。経営者を交えて意見交換会をしていますが、じっと聞かれていることも多いです。

 前回と比べて余裕が出てきたように思います。ご本人も第一次内閣の時には「肩肘がはっていた」と振り返っていました。最近は自民党総裁選や総選挙を勝ち抜いた自信と経験からでしょう。このところ頻繁に会っていませんが、応援しています。

 昨年の総裁選でもご自分がなられると思っていなかったようです。僕も「立候補されたらどうですか」とお薦めしました。前回、政権を担っていた時も国の問題をご自分のこととしてとらえられている。私は応援していますよ。


西 雄大(にし・たけひろ)

日経ビジネス記者。


徹底検証 アベノミクス

 日本経済の閉塞感を円安・株高が一変させた。世界の投資家や政府も久方ぶりに日本に熱い視線を注ぐ。安倍晋三首相の経済政策は日本をデフレから救い出す究極の秘策か、それとも期待を振りまくだけに終わるのか。識者へのインタビューなどから、アベノミクスの行方を探る。


 
 
 

 
 
 

TPP交渉で農業改革に号砲

日米首脳会談

2013年3月4日(月)  安藤 毅 、 張 勇祥

日米首脳会談を経て決定的となった日本のTPP交渉参加。政府は交渉進展のカギを握る農業改革に本腰を入れる方針。守る対象から“稼げる”農業へ。政府の改革姿勢が試される。

 本誌が2月18日号で報じた通り、安倍晋三首相は近くTPP(環太平洋経済連携協定)交渉参加を表明する。2月22日のバラク・オバマ米大統領との首脳会談で、すべての品目の関税撤廃を前提にしないことを確認したためだ。自民党内では今夏の参院選での農業票離れを懸念する声がなお根強いが、安倍首相は交渉参加の判断について党役員会で一任を取りつけた。

 自由貿易推進論者の安倍首相は、日米同盟強化や成長戦略に弾みをつける観点からも、再登板前からTPP交渉参加に意欲を示していた。

 日本国内で「聖域」確保が交渉参加の条件との空気が広がる一方、米国も高い水準の自由化を目指しつつ、自動車や砂糖など一部品目は例外扱いとしたいのが本音だった。年明け以降、両国政府は首脳会談に向けた事前協議で、双方の顔が立つ落としどころを探った。

 政府関係者によると、「聖域」確保の感触が強まった2月上旬に安倍首相は交渉参加を決意した。それを前提に共同声明の文言調整が加速。「日本には一定の農産品、米国には一定の工業品というように両国ともに2国間貿易上の重要品目が存在する」とする共同声明が固まったのは首脳会談の前日だったという。

交渉参加は6月決定か

 TPPは関税撤廃に加え、投資や知的財産権保護などのルール整備を進めることで、アジア太平洋地域で企業活動がしやすくなる効果が見込まれる。

 ただ、交渉の見通しはなお霧の中だ。交渉に参加する11カ国は10月のアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議の場での大筋合意を目指す。日本の交渉参加には米議会の了承を得る必要があり、正式な参加決定は早くても6月。交渉参加は9月からになりそうだ。

 TPP推進を主張してきた日本の自動車業界も手放しで歓迎しているわけではない。米側は自らの「聖域」として、乗用車で2.5%、トラックで25%の輸入関税の当面維持を求めると見られるほか、軽自動車の税負担の軽さが非関税障壁に当たるとの主張を下ろさない可能性が大きいためだ。

 9月の交渉参加時には日本が重視する農林水産物の扱いなどに関する議論が大詰めを迎えている可能性が大きい。今のところ政府は2つのアプローチで農業対策を進める方針だ。農家にとってプラスになる議論を先行。農産物の輸出拡大や農商工連携の強化、耕作放棄地の解消策などを整理し、6月にまとめる成長戦略に盛り込む。

 一方、コメ、砂糖などのうちどの品目を例外扱いにし、農家向けにどのような補助金や振興策を用意するかに関する検討は激論が必至だ。自民党内では1993年のウルグアイラウンド合意時に約6兆円の対策費が投じられたことを念頭に、「10年で10兆円」といった構想が早くもささやかれる。

 だが、「金額ありき」の姿勢では農家や農協向けの単なるバラマキに終わりかねない。一律の支援を前提とする農政から、専業農家や中山間地向けに支援を手厚くするなど「選択と集中」が欠かせない。

 本間正義・東京大学教授は「成長が見込める分野はコメ。輸出産業化には農地集積による大規模化とコストダウンが必要」と指摘する。“稼げる”農業への脱皮に向け企業の農地取得や減反制度見直しなどタブー視されてきた課題に今度こそ手をつけられるのか。TPP交渉参加は安倍政権の改革姿勢の試金石になる。


安藤 毅(あんどう・たけし)

日経ビジネス編集委員。

張 勇祥(ちょう・ゆうしょう)

日経ビジネス記者


時事深層

“ここさえ読めば毎週のニュースの本質がわかる”―ニュース連動の解説記事。日経ビジネス編集部が、景気、業界再編の動きから最新マーケティング動向やヒット商品まで幅広くウォッチ。

 

 
 

 
景気映す業種・地域の広がり

2013年3月4日(月)  大村 法生

企業のIPO(新規株式公開)が回復基調をたどっている。業種の広がり、地方銘柄の増加が企業業績の回復を示唆する。一方、個人を中心に売買は過熱。相場に波乱を招きかねない。

 2012年のIPO(新規株式公開)社数は48と2011年の37社を上回り、3年連続で前年比プラスになった。上場を準備している企業の動向を分析しているが、2013年の新規上場は60社ほどと、引き続き増加しそうだ。


 なぜか。アベノミクスへの期待で株価が上昇していることが主たる要因ではない。多くの場合、企業は株式公開による調達額の多寡より、上場そのものを通じた信用力、知名度の向上に重きを置いており、上場できる時には上場する傾向が強いためだ。むしろ、上場予備軍の企業業績が上向いていることが大きい。

 このことは、次の2つの「状況証拠」からも見て取れる。1つ目は、上場する企業の業種が良い意味でばらけてきたことだ。

上場企業、業種が多様化


 日本経済が振るわない時期には、それでも底堅い収益が稼げる医薬品・ヘルスケアの新規上場がどうしても目立つようになる。例えば2010年はIPO件数の18%、2011年は16%が医薬品・ヘルスケアで、比率としては最も高かった。それが2012年はサービス業が16社と全体の3分の1を占めた。足元は住宅、不動産の動きが活発なうえ、円安に伴い製造業の業績も改善しつつある。海外経済などに変動がない限り、今後は製造業の上場増も期待できる。

 2つ目は地域の分散だ。景気が悪い時は、やはり経済規模の大きい東京の企業の割合が高くなる。東京以外の企業が増えることは、日本全体の景気が改善していることを表しているのだ。

 2011年は37社中25社が東京の企業だったが、2012年は48社中26社だった。九州に本社を置く企業の割合が1割に乗ったことも特筆できる。新幹線の整備が進んだこともあって熊本や鹿児島が九州経済圏として一体化しつつあり、地域全体の生産性が向上していると考えている。

 円高修正を除けば新政権による景気対策の効果が出てくるのはこれから。しかし、企業はこれまでのデフレや円高に必死に対応し、その成果が出つつあることがIPOの回復に表れている。

 ただ、株価を見ると個人を中心に売買が過熱している。今年に入り株式を公開した4社の初値は公開価格を大きく上回り、短期筋の投資意欲は過去数年にないほど盛り上がっている。この点は、株価形成のうえで波乱要因として意識する必要がある。

(構成:張 勇祥)


 

 

会社に姥捨て山を作らない方法

2013年3月4日(月)  蛯谷 敏

 「100歳の現役サラリーマン」、福井福太郎氏をご存知でしょうか。日経ビジネスの読者なら、昨年9月10日号の特集「隠居ベーション」で紹介したその活躍ぶりを記憶している方も多いでしょう。文字通り、100歳を超えた今も現役の会社員です。

 毎朝、神奈川県藤沢市から東京都内のオフィスに約1時間かけて通勤。宝くじを委託販売する会社で事務仕事を精力的にこなしています。万歩計を常に身につけ、1日7000歩が日課。矍鑠としたスーツ姿は、実年齢を感じさせません。「衰えは感じないねえ。まあ、97歳を超えた頃から、老化を感じるようになったけれど」と福井氏は笑います。

 60歳の定年を超えても、福井氏のように能力を発揮できる高齢者は少なくありません。引退世代を「隠居」と呼んで社会から追い出すよりも、むしろその力を積極的に活用してはどうか。それが、閉塞感漂う日本経済の活性化につながり、高齢化社会を生き抜く処方箋となる――。特集には、そんなメッセージが込められていました。

 ところが、物事はそう簡単ではありません。確かに、福井氏のように経験と能力と体力、さらにはモチベーションまで備えた人物であれば、会社も喜んで働いてもらいたいと願うでしょう。しかし、残念ながら世の中そんな人ばかりではありません。

 本日から公開している2013年3月4日号特集「定年延長パニック」では、今年4月1日から本格化する定年延長制度の実態に焦点を当てました。年金支給開始年齢の引き上げに合わせ、段階的に実施されてきた定年延長制度。法改正によって4月1日以降は、一定の猶予期間後、希望する全社員を65歳まで雇用する義務が、すべての企業に課されます。

 いわゆる、「65歳定年時代」の到来です。これまで60歳で定年を迎えていた多くの会社員が65歳までの雇用継続を選択することが想定されることから、企業がその対応に追われています。企業にとっての人件費増加は言うまでもありませんが、元上司が部下になるといった指揮系統の混乱、新規採用の停滞など、その余波は決して小さくはありません。特集班の試算では、65歳定年制によって、雇用しなければならない社員数は最大で約100万人増加。企業の人件費も、1.9兆円増え、各産業の利益率に0.1ポイントの押し下げ効果があると見ています。

 「新人でも半日でこなせる仕事に丸一日費やしている。電話を取ったかと思えば、他部署の人と世間話。パソコンに向かったかと思えばゲームの『ソリティア』。定年延長でこういう人が増えていくのかと思うと不安になる」。特集に登場する現役社員の冷ややかな言葉からは、定年延長世代の活用を間違えると、組織の活力を落としかねないリスクをはらんでいることが分かります。

 無論、すべての60代がこのような社員ではないでしょう。しかし、福井氏のような優秀な人ばかりでないのもまた現実です。制度が走り始める以上、企業の対応は不可避。では、経営者はどう向き合っていけばよいのか。特集では、4種類の方法を具体的な企業ケースと共に提示しています。若干品はありませんが、本質を言い当てた特集のサブタイトル「会社に“姥捨て山”を作らない方法」。定年世代を抱える企業にとって無縁ではいられないテーマを深堀りしました。


蛯谷 敏(えびたに・さとし)

2000年、日経BP社入社。通信業界誌『日経コミュニケーション』記者を経て、2006年より日経ビジネス記者。情報通信、ネット、金融、不動産、政治、人材など色々担当。「一極集中」から「多極分散」へと移り変わる様々な事象をテーマに日々企画を考えている。


特集の読みどころ

企業が直面する変化や課題に多角的に切り込む日経ビジネスの特集。その執筆の動機やきっかけ、誌面に込められたメッセージをお届けします。誌面と併せてお読みいただくことで、理解がより深まる連載です。


05. 2013年3月04日 01:30:31 : SNljMa86tM
【第266回】 2013年3月4日 山崎 元 [経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員]
運用初心者へ四つの心得
 いわゆる「アベノミクス」で円安と株高が進み、お金の運用に興味を持つ人が増えてきた。これから運用を始めようとお考えの読者もおられよう。

 本稿では、運用初心者のための心得を四つお伝えしたい。心得は以下の通りだ。

(1)自分がわからないものには投資をしない。

(2)お金の話においては他人を信用しない。

(3)勝ち負けでなく「将来の損得」のみにこだわる。

(4)判断に感情を混ぜない。

 まず、自分が完全にわかっていない金融商品を買わないということが、何をおいても重要だ。

 自分が「わかっている」とは、その金融商品について、自信を持って他人に説明できて、質問にも答えられるような状態を指す。そうでない商品については、購入を見送るべきだ。

 そうした場合に、チャンスを逃す可能性はあるが、危ない話に引っかかったり、損な金融商品を買ってしまったりする可能性を考えると、メリットのほうがはるかに多い。「転ばぬ先の杖」的な心得だ。

 また、この際に、商品を売ることで売り手(運用会社と販売会社)がいくらもうかるのか、「実質的な手数料」についてわからないと、商品がわかったとはいえない。売り手のもうけ分は、投資家にとって「確実なマイナスのリターン」だが、これがわからないと、商品の期待リターンもわからない。期待リターンのわからない商品を買っていい道理はない。

 お金の話では他人を信用しないことも大切だ。退職金が振り込まれた銀行のセールスマンの話に乗って、その銀行の商品で運用してしまう、というようなケースが、典型的な「失敗例」だ。

 金融商品は広い範囲の中からベストなものを選ぶべきだし、同じ商品でも販売窓口によって手数料が異なることがある。銀行や対面営業の証券会社で2〜3%もの販売手数料を取られる投資信託が、ネット証券で買うとノーロード(販売手数料ゼロ)といったケースもある。使う金額が大きいだけに、この差は侮れない。

 原則として、運用についてアドバイスを受ける相手から運用商品を買ってはいけない。この心得を守ると、怪しいもうけ話にも引っかかりにくくなるはずだ。

 FP(ファイナンシャルプランナー)に運用を相談するのは悪くないが、FPが紹介・仲介する金融商品(保険を含む)を買ってはいけない。

 運用で難しいのは、運用商品ごとの損得に対するこだわりの感情の扱いだ。株式でも投資信託でも、どうしても、自分の買値から見た損得が、あたかも「勝ち負け」のように気になってしまう。そうすると、客観的で適切な判断ができなくなる。

 自分の買値は市場の材料でもないし、過去の問題だ。自分の買値ではなく現時点と比較した「今後の損得」はどうなのか、ということのみに注意を向けて行動を決めるべきだ。「こだわる」という言葉をよい意味にも使うのは気に入らないが、こだわる対象は将来の損得のみにすべきと申し上げておく。

 お金に関する判断に感情を混ぜないことは重要だが、完全にそうすることは無理だろう(筆者にも無理だ)。しかし、例えば「株価が下がっても株主優待で楽しめるからいい」とか、「投資として高くとも自宅用の不動産ならいい」といった具合に、言い訳や感情を混ぜると、適切な判断ができなくなる。お金は、計算に基づいてドライに扱うべきだ。


 


【第6回】 2013年3月4日 野地 慎 [SMBC日興証券為替ストラテジスト]
今年も米国金利は4月がピーク
“リスクオン”相場は長くない

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 2012年11月以降、内外市場のリスクオン(リスクを取った投資をする)傾向が持続する中、米国債券市場では10年国債利回りが2%を上回った。他方、日本国債市場では日本銀行の新体制における資産買い入れ等基金拡大への思惑などから10年国債利回りの低位安定が続いており、米日10年国債利回りの較差は拡大傾向である。

 ここ数カ月に限れば、米日10年国債利回り較差と円の対ドルレートとの連動性も高まっており、米国の長期金利動向には為替市場からも大きな注目が集まっている。

 リーマンショック以降、毎年1月から4月前半には米国の長期金利が上昇する傾向があり、同時に円安や株高も進行している。リーマンショック後にその傾向が顕著であることを考えると、同ショック後、雇用統計など米国経済指標に季節調整のゆがみが生じ、年初に強めの数値が出やすくなっていることが大きな要因と考えられる。

 ヘッジファンドなどの新規資金が年初に株式市場に流入することも一因と思われるが、11年初においては、前年秋に決定されたQE2(量的緩和第2弾)が株高をさらに後押しした。

 また、10年末のオバマ政権による減税パッケージが11年初の株高を、12年2月の給与税減税延長が同年初の株高を支えている。振り返ってみれば「リスクオンの季節」を演出する材料がそろっていたように思われる。

 13年については、12年12月にFRB(米連邦準備制度理事会)が資産買い入れ政策を大きく拡大したことや、「財政の崖」について米与野党が一定の妥協点を見いだしたことなどがリスクオンの推進力となっており、例年同様に4月中旬までは米長期金利上昇、そして円安が続くとの期待が高まっている。

 もっとも、米国長期金利上昇抑制要因もある。FRBの「失業率が6.5%を下回らない限りは金融緩和を続ける」とのメッセージが市場に浸透し、超低金利政策が長期化するという時間軸はより堅固なものとなっている。

「労働参加率上昇による失業率上昇圧力」などにより、当面米国の失業率が下がりにくいことがコンセンサスとなる中、今年は2年債の変動幅は拡大しそうにない。ある程度長期金利が上昇すれば、市場参加者による長期債買いが進みやすい環境である。

 株高が続けば続くほど「実体経済との乖離」がうたわれやすいが、米国の増税や欧州の緊縮財政により、先行きグローバル経済の総需要が拡大しないとみられることを考えれば、今年のリスクオンも例年同様の「季節的なもの」である可能性は高い。

 4月にピークを迎えた長期金利はその後5月に向けて大きく低下する(債券価格は上昇する)傾向がある。「ターニングポイント」まで、およそ1カ月であるが、そろそろ債券買いのタイミングを計る時期に差しかかっている。

 (SMBC日興証券為替ストラテジスト 野地 慎)


 


TPP参加の“最終列車乗車”も
小さくない出遅れの代償
 日本はTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)交渉参加の“最終列車”にぎりぎりで乗り込む。


TPP参加に向けて前進はしたが、日本が自国の立場を主張できる時間は少ない
Photo:CNP/PANA
 安倍晋三首相がオバマ米大統領との会談で、“聖域なき関税撤廃”が前提条件ではないことを確認したことで、3月上旬にも参加表明するとみられる。ただ、表明直後に米国との事前協議が終了したとしても、米議会に日本の参加を通知して承認を得るまで90日かかるため、正式参加は6月以降になる。

 TPP参加国は今年12月の会合での妥結を目指している。それまでの会合は、3、5、9月。よって、日本が正式に交渉に参加できるのは最後の9月だけだ。

 これまで日本の国内市場をいかに守るかに注目が集まってきたが、TPPはモノの貿易以外も含めた包括的なルール作りを進めるもの。その中に、日本にとってメリットがあるものは少なくない。例えば、参加国の政府調達の対外開放が進めば、日本は鉄道などインフラ輸出で有利になる。

 9月の会合だけで、こうした得るものが多い項目のルール作りに日本の主張を盛り込めるのか。参加がずれ込んだ代償は小さくない。

 また、7月の参議院選挙を前に、農業対策として“バラマキ財政”政策が取られる可能性は高い。日本がコメの輸入を認めたウルグアイ・ラウンド時には6兆円強が費やされたが、農業の生産性向上には結び付かなかった。今回も同様の対策が繰り返されれば、巨額の政府債務をさらに膨らませるだけである。

 アベノミクスの第3の矢、成長戦略の重点項目であるTPP参加に向けた道筋が見えてきたことは一歩前進だが、先行きに不安は隠せない。

 (「週刊ダイヤモンド」編集部 竹田孝洋)

 

 

厚労省のお役所仕事で日本は韓国に完敗する日本の再生医療とがん治療を考える2つの新連載
2013.03.02(土)
川嶋 諭:プロフィール
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今回も新しく始まった連載についてお送りしたい。最初は内科医であり東京大学医科学研究所・がん研究会がん研究所で客員研究員を務める谷本哲也さんの連載「徒然薬」。世界で最も薬が好きな民俗かと思われる日本人にとっての薬について、つれづれなるままに専門家の立場から厳しくチェックしようという企画である。

iPS細胞による再生医療、国民そっちのけで利権化目論む厚労省

今週のランキング
順位 タイトル
1 日本語しか話せない在日韓国人が祖国で受けた衝撃
2 班目氏が認めた事故対応の失敗
3 零下20度の中で味見したマツダ「CX-5」
4 米国テレビ業界を震撼させたネットドラマ
5 世襲議員は本当にダメなのか
6 戦ったらかなわない日本艦を中国艦が自信満々でロックオンする理由
7 サイバー犯罪:動かぬ証拠
8 「絶好の商機」ではなくなった中国での環境ビジネス
9 オバマ大統領はなぜ尖閣問題に「無言」だったのか
10 韓国新政権、公約実現のカギ握る「地下経済」
11 中国を後進国と見下し続けたしっぺ返し
12 尖閣よりホットな米中サイバー紛争
13 米国で再び登場した日本の核武装論
14 私の父親は誰?
15 日本とこんなに違う!ドイツでの会社の休み方
16 中国語を話す者は信用できない、に変化の兆し
17 シリア:国家の死
18 全米に広がる「成績の悪い公立学校は閉鎖」の波
19 北朝鮮の核実験にピント外れの号外
20 求む! 金融政策の力を信じる日銀総裁
 第1回「厚労省が虎視眈々と狙う『再生医療ムラ』の権益拡大」は、最先端医療と国の規制についての問題提起だ。

 行政の特徴として、新しいことに挑戦することは苦手で、できるだけ問題が発生しないようにことなかれ主義に走る。

 iPS細胞を使った再生医療は、世界が激しくしのぎを削る。

 京都大学の山中伸弥教授がノーベル賞を受賞したことは日本にとっての誇りだが、それはさらに世界最先端を走り続けることで輝きを増す。

 しかし、いまの厚生労働省はお役所仕事よろしく、規制強化に走り、新しいことに挑戦させないような仕組みを作ろうとしているという。

 谷本さんは、かつて白血病の先端研究に携わってきた経験から、最先端医療の分野ではこうした厚労省による規制を安易に導入すべきではないという。

 白血病の治療でも不幸なことに新薬の開発段階ではお亡くなりになる人が続いたそうだ。しかし、あえて死のリスクを冒しても治療に取り組もうとした患者さんと医師のおかげで白血病の治療は飛躍的な進歩を遂げた。

 ようやく始まろうとしているiPS細胞を使った再生医療も最初は危険があるのは事実。しかし、だからといってほかに治療法がない患者さんの願いを規制強化で潰してしまうのはいかがなものか、と谷本さんは問う。

 再生医療の治験では日本よりも韓国の方が進んでいる。もし厚労省のお役所仕事をそのまま許せば、日本はこの分野で韓国の後塵を拝することになることは間違いない。私たちはその意味でも、厚労省の行政をきちんとチェックする必要がある。

 もう1つ紹介したい新連載は元ミス日本、元全日本ダンス選手権ファイナリストである吉野ゆりえさんの「いのちを懸けたブラインドダンス」。熱心な読者の方はすぐにお分かりになると思うが、以前「元ミス日本、ガンとの壮絶すぎる闘い」でご紹介したがんとの壮絶な闘いを続けている方だ。

 このときのインタビュー記事はおかげさまで多くの読者の方に読んでいただいたが、私の力不足でお伝えできない大切なことがいっぱい残っている。

 また、吉野さんにはご自身の筆で、がんとどのような挑戦をされてきたのかをぜひ書いてほしかったのでお願いした。連載のご愛読をぜひお願いしたい。


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