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財務省出身でも国際金融局長と財務官を長期にわたって務めた黒田氏が適任だろう。 2008年3月17日の株式日記より
http://www.asyura2.com/13/hasan79/msg/360.html
投稿者 TORA 日時 2013 年 3 月 04 日 12:56:13: GZSz.C7aK2zXo
 

株式日記と経済展望
http://www5.plala.or.jp/kabusiki/kabu283.html
http://blog.goo.ne.jp/2005tora/
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財務省出身でも国際金融局長と財務官を長期にわたって務めた黒田氏なら数多
くの本も書いており、黒田氏が適任だろう。 2008年3月17日の株式日記より

2013年3月4日 月曜日

◆「黒田総裁」案、賛成で調整=細野氏「空白つくらぬ」―民主 3月3日 時事通信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130303-00000050-jij-pol

民主党は3日、政府が提示した次期日銀総裁に黒田東彦アジア開発銀行総裁を起用する国会同意人事案について、賛成の方向で調整に入った。同党の細野豪志幹事長は同日のNHK番組で、白川方明総裁が19日に辞任することを踏まえ、「(総裁の)空白はつくらない」と強調した。
 衆院は4日に黒田氏から所信を聴取。参院もその後に聴取する見通し。一方、与党は15日までに人事案について採決する方針だ。細野氏は一連の日程が固まったことを受け、「黒田総裁案」に反対した場合、日銀総裁の空白を招き、金融政策に影響を与えかねないと判断したとみられる。
 ただ、民主党内には、金融緩和論者の黒田氏を容認すれば「アベノミクスも認めたことになる」との異論もある。これに関連し、細野氏はNHKの番組で「(黒田氏から)見識、コミュニケーション能力、日銀という組織を統治できるかを聞いて判断したい」と述べ、聴取結果を踏まえて最終判断する意向を示した。


◆基金による無期限国債買い入れの前倒し、あり得る=黒田氏 3月4日 ロイター
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130304-00000035-reut-bus_all

[東京 4日 ロイター] 政府が次期日銀総裁の候補者に指名した黒田東彦・アジア開発銀行(ADB)総裁は4日、衆院の議院運営委員会で行った所信表明後の質疑で、2014年に開始予定の期限を定めない毎月13兆円の国債買い入れ(うち長期国債2兆円)について、前倒しで実施することもあり得ると答えた。大口善徳委員(公明)の質問に答えた。

現状の基金で年限3年未満の国債のみを買い入れている点について、市場の流動性が薄くなるとして、より長い年限の国債を買い入れるのが望ましいとの見方を示した。

為替については「基本的に市場で決まるというのが国際合意」としてこれを重視する必要性を強調。一方、経済の基礎的条件(ファンダメンタルズ)からかい離した場合は単独・協調介入もありうるとした。

政府・日銀間でこれまでは必ずしも政府との十分な連携・協調が行われていなかったとし、具体例として、2006年の量的緩和解除や2000年のゼロ金利解除など、「デフレ下での金融緩和停止は間違いだった」と強調した。


◆武藤は財務省でも二番手か三番手だったが、ライバルがノーパンシャブシャブで失脚したから次官になることができたが金融は素人同然 2008年3月17日 株式日記
http://blog.goo.ne.jp/2005tora/e/401d7c13d991fb7d452c348ec2af9556

(私のコメント)
日銀の総裁人事がもめていますが、福田総理の迷走ぶりは演技なのか地なのかよく分かりませんが、武藤総裁案が否決されて良かったのかもしれない。武藤氏は見たところあまり頭の切れそうな人物ではない。ライバルがノーパンシャブシャブで失脚して次官になった口だ。

黒田東彦氏は国際金融局長の頃の名前は知っているが、民主党あたりは黒田氏なら賛成できると言っている。中央銀行の総裁ともなると誰でもなれる役職とは違って高い能力と識見が要求される。武藤氏ではこれといった業績もなく金融のエキスパートというわけでもない。それを福田総理は推薦したが、他に人材がいないのだろうか?

「株式日記」では現在の福井日銀総裁には大反対をした。日銀のプリンスとも言える人物でバブルの発生した頃の営業局長であり三重野氏とともに責任がある。人脈的にも村上ファンドとの関係でスキャンダルになりましたが、ノーパンシャブシャブでも関係してとても日銀総裁としての器ではないからだ。

財務省出身でも国際金融局長と財務官を長期にわたって務めた黒田氏なら数多くの本も書いており、財務省から探すのならば黒田氏が適任だろう。ニュースでは福井氏の続投で福田総理は話を持ち出しているが、ノーパンシャブシャブや村上ファンドとのスキャンダルはどうなるのだろう。

中央銀行の総裁ともなると国際金融マフィアからの圧力もあり、彼らにインサイダー情報を流すような売国奴では日本経済をまたしても破壊しかねない。その点では竹中平蔵氏や榊原英資氏も国際金融マフィアとはズブズブであり、とても薦められない。


◆外資族とマスゴミが総力を挙げて日銀総裁に外資族官僚の白川を副総裁に外資族財務官僚の渡辺を置こうとしている。断固阻止せよ! 2008年4月7日 株式日記
http://blog.goo.ne.jp/2005tora/e/bf51fbbb62782a1d8cc374e9e42e4a72

(私のコメント)
日銀総裁問題に対しては3月17日にも書きましたが、財務官僚たちの馬鹿さ加減には何とかならないものだろうか。流れとしては日銀出身の白川副総裁が次期総裁に選ばれそうな動きですが、財務省の渡辺氏の副総裁起用には民主党は反対するようだ。これで財務省は日銀に対するポストが完全に失われて、日銀と財務の交互に総裁を選ぶと言う慣行も無くなりそうだ。

「株式日記」では黒田元財務官を鳩山幹事長がテレビで名前を出していたから黒田氏でいいのではないかと提案したのですが、財務省はあくまでも次官経験者に拘って田波氏を押してしまった。財務官僚たちが時代を流れを読めないからなのですが、官僚が好き勝手な事ができたのも自民党支配が続いていた時だけだ。もはや民主党が参院で主導権を持ってしまった以上は妥協も時代の流れだ。

日銀と大蔵省の覇権争いは3月27日の株式日記に書きましたが、日銀の一方的な勝利に終わりそうだ。大蔵官僚は80年代までは政策の中心にいて政治家を動かして官僚主導政治を仕切ってきたのですが、バブルの崩壊は大蔵省の解体を招いて財務省と金融庁に分割されてしまった。外資と結びついた日銀の陰謀に嵌められたのだ。


(本日の私のコメント)


「株式日記」では2008年の時にも、日銀総裁には黒田氏がいいだろうと書きましたが、民主党は財務官僚出身者を排除して日銀出身の白川氏を日銀総裁に据えてしまった。それが「失われた15年」から「失われた20年」にしてしまった。白川氏は中川財務大臣の記者会見にも出席しており、べろべろに酔っ払った中川大臣を止められたにも拘らず放置した。つまり外資に白川氏は繋がっていたのです。

前回白川氏に決まってしまったのは、財務省内のどたばたもあり武藤氏では日銀総裁が務まる器ではありません。さらに財務次官経験者に拘って渡辺博史財務官を押す声もありましたが若すぎるとして排除され、財務省はあくまでも次官経験者に拘って田波氏を押してしまった。このようなどたばたで黒田氏の起用はお流れになりましたが、民主党は自分が選んだ白川日銀総裁のためにデフレが脱却できずに政権を失ってしまった。

民主党に「株式日記」を読んでいる人がいなかったからでしょうが、安部晋三総理大臣は「株式日記」の愛読者ではないだろうか? とにかく日銀出身の日銀総裁では、日銀の伝統的な緊縮政策からのしがらみから脱却する事ができず、どうしても緊縮的な政策スタンスになってしまう。出来れば民間の学者からも日銀総裁が選ばれてもいいはずですが、私から見てもインフレターゲット政策に賛成な学者は少数しかいないくらいだからレベルは知れている。

しかしインフレターゲットと言っても教科書があるわけではなく、試行錯誤しながら政策を進めていかなければなりませんが、インフレターゲット反対論者はハイパーインフレになると反対している。しかしハイパーインフレは産業のない途上国か、戦乱で焼け野原になったときに財政を使うから生ずるものであり、工場の過剰設備がありデフレギャップがあり海外からも安い製品が入ってくる時代ではデフレになりこそすれインフレにはなりにくい。

どうしたら国内の消費を伸ばすかですが、累進課税を強化して金持ちに金を使わせることだ。課税を強化すれば金持ちは海外に逃げていくと言う説がありますが、これからは海外のタックスヘイブンにも規制の網がかかるようになるだろう。


◆<在日社会>海外資産5000万円超 申告を義務付け・韓国に資産持つ在日は対応を 2月22日 東洋経済日報
http://www.toyo-keizai.co.jp/news/society/2013/5000_3.php

日本政府は、今年の12月31日までに5000万円以上の海外資産を保有する者に対し、翌年3月15日までに申告することを義務付けた。海外資産の実態を把握し課税するのが目的で、韓国に資産を持つ在日韓国人や日本人なども対応が必要だ。

 ソウルの主要銀行の相談窓口などでは、最近になって、在日同胞と日本人投資家からの問い合わせが増えているという。日本政府が施行する国外財産調書(海外財産申告制)制度を控えて相談したり、資金を引き出すためだ。

 日本政府は、日本国内の居住者(外国人を含む)が、日本以外の国で5000万円(約5億8500万ウォン)以上の財産を持つ場合、申告を義務化する予定だ。預金だけでなく、株式、債券、不動産、配当金、利子はもちろん、森林など、ほぼすべての財産が申告対象となる。

 これに伴い、韓国に資産がある在日同胞や日本人らが、これに対応するための相談をする事例が増えている。

 申告は12月31日時点が基準である。対象者は、来年3月15日までに、日本の税務署に調書を提出しなければならない。日本政府は、脱税を防止し、税源を拡大するために同制度を導入した。

 韓国はすでに2010年12月、海外金融口座制度を導入し、11年6月から申告を受け始めた。同制度は対象が10億ウォン以上であり、金融口座に限定していることと比較すると、日本の基準(5000万円以上、金融口座のほか、不動産証券を含む)は複雑で、届け出範囲が広くなると予想される。

 日本の国税庁は、申告をしなかったり、虚偽の記載をした場合の制裁案を用意している。申告漏れがあれば5%が加算され、虚偽記載も5%加算する予定だ。また虚偽記載をしたり、正当な理由なく申告期限を破った場合、1年以下の懲役または50万円以下の罰金まで科すほど強力な制度だ。

 世界的な経済危機が続く中、財政再建は主要国の共通課題となっている。各国で徴税体制を強化する動きが相次いでいる。米国では残高が1万ドル超の海外口座を持つ個人や法人は報告が義務付けられている。ドイツ、フランスなども同様の制度がある。

 日本でも海外資産を持つ者が急増し、対策が急務となっていた。

 

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コメント
 
01. 2013年3月04日 13:33:24 : sekAj4S9tQ
インフレターゲット導入が即ハイパーインフレに結びつくのでは勿論ない。ハイパーインフレは飽くまでも最悪のシナリオであって、過剰な金融緩和が行着く先の、必然的帰結として想定されるのである。問題はターゲットさえ設定しておけば、物価上昇を思い通りに制御できるという過信があること。ここで、CPIなるものが如何に緩和論者に都合良くできているかを知らねばならない。CPIとにらめっこしている間に、エネルギーや輸入食料品や原材料の物価が上昇し、中小企業や庶民の生活が圧迫されることにより消費や所得は一向に伸びず、一方で株や公債へ資金が流れ、大小のバブルを発生させることになる。

02. 2013年3月04日 15:20:52 : xEBOc6ttRg

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黒田東彦氏はタックスマンだ!
2013/03/04 (月) 11:24


 黒田東彦氏の知名度が急速上がってきています。

 たった数か月ほど前までは一般の方には殆ど馴染みがなかった黒田氏なのに、今や黒田氏の名前と写真が新聞に載らない日はないくらいです。

 

 そして、なんと日経の調査によれば、85.9%の人が黒田氏を支持するという結果が出たとも言うのです。

 本当に勢いというものは怖いものなのです。

 もう一度言います。ほんの数か月ほど前までは、例えば岩田規久男教授などを総裁にする方がいいという意見が圧倒的に多かったのに、こうして黒田氏に決まりかけると‥なんと85.9%が支持するだなんて‥

 皆さん、余りにも想像とか期待で判断し過ぎでないでしょうか?

 というよりも、黒田氏のことをどれだけ知っているのか、と。 

 もっと、彼の言動をよく観察しなければ、本当に期待に応えてくれるかどうかは判断できない筈ではないですか。

 でも、どうしても期待が先行してしまう。民主党が政権を取ったときもそうだったでしょう?

 それに、多くの方が、彼の経歴について殆ど知らないと思うのです。

 とにかく下の経歴を見て下さい。

1967年(昭和42年)4月 - 大蔵省入省(大臣官房文書課配属)
1974年(昭和49年)7月 - 国際金融局国際機構課課長補佐
1975年(昭和50年)6月 - 派遣職員(国際通貨基金)
1978年(昭和53年)7月 - 主税局調査課課長補佐
1980年(昭和55年)7月 - 主税局税制第二課課長補佐
1981年(昭和56年)7月 - 大臣官房企画官兼主税局総務課
1984年(昭和59年)7月 - 三重県総務部長
1986年(昭和61年)6月 - 官房参事官
1987年(昭和62年)7月 - 国際金融局国際機構課長
1988年(昭和63年)12月 - 大蔵大臣(村山達雄)秘書官事務取扱
1989年(平成元年)8月 - 主税局国際租税課長
1990年(平成2年) 1月 - 主税局税制第一課長
1991年(平成3年) 6月 - 主税局総務課長
1992年(平成4年) 7月 - 大臣官房参事官(副財務官)
1993年(平成5年) 7月 - 大阪国税局長
1994年(平成6年) 7月 - 大臣官房審議官(国際金融局担当)
1995年(平成7年) 6月 - 国際金融局次長
1996年(平成8年) 7月 - 財政金融研究所長
1997年(平成9年) 7月 - 国際金融局長
1999年(平成11年)7月 - 財務官
2003年(平成15年)1月 - 退官


 財務省出身者だからダメだ、とは言わない!

 そういう意見が最近増えてはきているものの‥

 役人を止める前に国際金融局長を2年、そして財務官を3年間務めているので、まさに国際畑出身者であるとも言える訳なのですが‥

 しかし、働き盛りの課長補佐、課長時代をどの局で主に過ごしたかと言えば‥主税局が圧倒的に多いのです。

 だから、この人は主税畑出身というべき人なのです。つまり、タックスマン。

 もちろん、タックスマンといっても、実際に現場で税を徴収する立場にいた訳ではありませんが、日本の租税制度の仕組みを考えるのが彼らの役割であるので、さらに「悪」と言ってもいいのです。

 「越後屋、お前も悪じゃのう‥」

 「いえいえ、黒田様ほどでは‥」

 ところで、主税局の仕事は論理が緻密であるために、頭の切れが要求されるといいます。だから、そこで枢要な課長のポストを務めたということは、黒田氏の聡明さを物語る一つの証拠になるのです。

 プラス、税の世界は様々な利害関係が絡み‥つまり、国会議員からの陳情などがつきものであるために、国会議員のさばき方も自然に上手になるのです。

 彼が頭がいいのはそのとおりでしょう。まるでバーナンキ議長のように八面六臂の活躍をするかもしれません。

 バーナンキ議長は、どれだけ追い込まれようと、「Fedとしてやれることはどれだけでもある」というのが彼の常套句で‥そのことは、黒田氏の「デフレ脱却のための手段は幾らでもある」という言葉を想起させるのです。

 黒田氏は、本日の所信聴取で「物価安定目標を一日も早く実現することが何よりも重要な使命になる」と答えたと言います。

 安倍総理などリフレ的政策を支持する人々からすれば、何と心強い発言であるのでしょう。

 昨今の物価の見通しからすれば、ひょっとしたら本当に早いうちに2%のインフレ率が実現できるかもしれないのです。仮に、それがなかなか達成できないとなれば、恐らく黒田氏は、それこそ様々な手段を動員し、何が何でもインフレ率2%を実現しようとするでしょう。

 ということで、私は、今後、黒田総裁の下で徐々にインフレ率が上昇していく可能性が大であると予想します。

 では、そうなればすべてはバラ色になるのか?

 しかし、もしインフレ率がそうして上昇することになれば、もはや超緩和策は不要のものになってしまうのです。それどころか、今度は逆に、物価が上がらないように苦労することになるのです。

 有能であるが故に、目標達成にために最善の努力をする!

 つまり、黒田氏は有能であるが故に、2%のインフレを実現するでしょう。

 但し、2%以上物価が上がりそうになれば、今度は逆に、国民が物価が上がることに対し不平不満を言うようになる!

 そして、安倍総理は、インフレを抑えることができない日銀なら存在意義がないと言っているので、有能な黒田氏は、今度は俄然インフレ退治にまい進することでしょう。

 そして、物価は落ち着く、と。

 でも、そうして余りにも早急に答えを求めようとするから、アクセルを踏んだかと思えば急ブレーキをかけ、そして、ブレーキをかけたかと思えばまたアクセルを踏むということの繰り返しになり‥結局、中央銀行は何をしているのかと言われかねません。

 ビートルズのタックスマンです。
 
Let me tell you how it will be
There's one for you, nineteen for me
'Cause I'm the taxman, yeah, I'm the taxman

Should five per cent appear too small
Be thankful I don't take it all
'Cause I'm the taxman, yeah I'm the taxman

If you drive a car, I'll tax the street,
If you try to sit, I'll tax your seat.
If you get too cold I'll tax the heat,
If you take a walk, I'll tax your feet.


 有能なタックスマンは、税をかけずに税を徴収することもできるのです。

 何故なら、私は有能なタックスマンだから。

 どのようにして税を徴収するかと言えば、インフレを起こせば済むだけだ、と。

以上


03. 2013年3月04日 15:29:22 : xEBOc6ttRg
日銀総裁候補・黒田氏:可能なことは何でもやる姿勢明確に−所信 (2) 

  3月4日(ブルームバーグ):政府が先に次期日本銀行総裁候補として国会に提示した黒田東彦氏は4日午前、衆院議院運営委員会で所信聴取に臨み、これまでの日銀政策は2%の物価目標の達成に不十分とした上で、デフレ脱却へ向け可能なことは何でもやると表明し、大胆な金融緩和を進める意向を示した。物価目標の達成期間については2年を目指すとした。
黒田氏は「物価 安定は中央銀行の責務だ。日銀の役割は極めて重要」と言明。「もし私が総裁に選任されたら、この物価目標を1日も早く実現することが何よりも重要な使命になる」と述べた。これまでの金融緩和関しては「その規模、具体的な買い入れ対象については、2%の物価目標を達成するという強いコミットメントを実現するためには、まだ十分ではない」と語った。
さらに、「金利引き下げの余地が乏しい現状では、市場の期待に働き掛けることが不可欠だ。もし私が総裁に選任されれば、市場とのコミュニケーションを通じて、デフレ脱却に向けてやれることは何でもやるという姿勢を明確に打ち出していきたい」と表明した。
具体的な金融政策に関しては、資産買い入れを量的に拡大するだけでなく、残存期間がより長期の資産にシフトすることが必要だと表明。長期国債の購入では現行の残存期間「1−3年」に限る必要はないとし、さらに長期の国債も購入対象として検討すべきだと述べた。日銀が先に公表した期限を定めない国債の買い入れ予定に関しても「前倒しは当然検討する」との意向を示した。
通貨下落が目的でない−日銀政策
購入を拡大する対象としては、国債のほか、社債や指数連動型上場投資信託(ETF)なども幅広く検討していく必要があるとし、リスク資産を買い入れる場合は、市場への影響を考慮しながら進めるとの方針を示した。ただ、具体的な政策に関しては「市場の状況、経済の動向を踏まえて政策委員会で決める」と述べた。
一方、金融政策の為替相場への影響については「米国、欧州という経済大国が金融緩和を行うと、他の事情を一定にすると、当該経済大国の為替レートが下落する傾向があることは理論的にも実証的に言われている」と指摘。日銀の金融政策が「為替の下落を狙っているわけでは全くない」と述べた。
その上で「何よりも重要なことは、2%の物価目標を実現することであり、その過程で為替などに一定の影響が出ることはあり得るが、それも、いろいろな実証的な研究によると、金融緩和をした国の為替が100%下落するわけではない」と語った。
2%達成は大変な困難伴う
2%の物価 目標の実現可能性については「ずっとデフレが続いている中で物価を2%まで高めることは大変な困難を伴うのは事実」と指摘。一方で「あらゆる手法を講じてできるだけ早期に達成する必要があるし、私は可能であると確信している」と述べた。
一方で、「物価安定、デフレ脱却の責務は中央銀行にある。ただ、物価は毎月毎月、毎年毎年、いろいろや要因で動く。物価の変動に影響を与えるのは中央銀行だけでなく、ありとあらゆる要素がある」と指摘。政府が財政政策や成長戦略、デフレギャップの削減を進めれば、「2%の物価目標がより達成されやすくなるのは事実だ」と語った。
2%の物価目標の実現時期については「いろいろな要素で物価は動くので、多くの中央銀行は直ちに2%というのをピシッと達成するのは不可能だし、そういうことにコミットしているわけではなく、あくまで中長期的に近づくよう金融政策を運営していく」と言明。
その上で「多くの中央銀行は2年程度というのを念頭に置いていると思うし、私自身もそういったものを念頭に置くのは正しいと思う」としながらも、「あくまでも物価安定目標は経済状況を踏まえつつ、できるだけ早期に達成するというもの」と指摘。「私もできれば2年ということが良いことだと思うが、2%の物価安定目標自体が毎月毎月2%ということはどこの国でも求めてないし、適切でもない」と語った。
財政ファイナンスは行うべきでない
日銀法の改正問題については「総裁は現行法を前提に行動する。法律改正という問題は政府、国会がお決めになる」と指摘。日銀による国債の直接引き受けでは「法律で禁じられていることを日銀がやるべきではない。いわゆる財政ファイナンスは中央銀行として考えるべきではない」と語った。
記事についての記者への問い合わせ先:東京 日高正裕 mhidaka@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先:Paul Panckhurst ppanckhurst@bloomberg.net;大久保義人 yokubo1@bloomberg.net
更新日時: 2013/03/04 13:37 JST

 

円上昇、黒田氏の所信聴取受けた売り続かず−対ドル93円前半 

  3月4日(ブルームバーグ):午後の東京外国為替市場では円が上昇し、対ドルは1ドル=93円前半で推移している。午前には次期日本銀行総裁候補の黒田東彦アジア開発銀行総裁の所信聴取を受け、強力な金融緩和策への期待から円売りが強まる場面も見られたが、その後は中国株の急落などを背景に円買い優勢の展開となっている。
イタリア政局混迷への懸念が根強い中、ドル・円相場は日本時間早朝に93円後半から93円半ばまで円買いが先行。その後、黒田氏が衆院での所信聴取で、デフレ脱却に向けて「やれることは何でもやる」と表明したことを受け、約2年10カ月ぶりの安値(94円77銭)を記録した2月25日以来の水準となる93円73銭を付けた。しかし、円売りの流れは続かず、午後1時15分現在は93円35銭前後で取引されている。
クレディ・アグリコル銀行外国為替部の斎藤裕司ディレクターは、「ドル・円は前週末の安値から1円超上げているので、 利食いが出るのは仕方がない。黒田氏の発言に対して決して失望しているわけではない」と説明。一方、中国株が大幅下落しているので、リスクオフ(回避)に伴う円買いも出ていると指摘する。
ユーロ・円相場は一時、1ユーロ=121円99銭まで円売りが進んだが、その後は121円半ばまで円が値を戻している。  黒田氏は4日午前、衆院議院運営委員会で所信聴取に臨み、これまでの日銀政策は2%の物価目標の達成に不十分とした上で、デフレ脱却へ向け「やれることは何でもやる姿勢を明確に打ち出したい」と述べ、大胆な金融緩和を進める意向を示した。日銀が掲げる2%の物価目標の達成期間については2年を目指すとした。
野村証券金融市場調査部の池田雄之輔チーフ為替ストラテジストは、「日銀がデフレ克服に対して責任を持っているということを強く打ち出しているし、さすが国際派の黒田氏で、できることは何でもやるというフレーズを織り交ぜてきた」と指摘。「黒田氏はもともとコミュニケーション戦略を重視されているので、新しい日銀の強いコミットメントを前面に出した内容になったと思う」と話す。
記事についての記者への問い合わせ先:東京 小宮弘子 hkomiya1@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先:大久保義人 yokubo1@bloomberg.net;Rocky Swift rswift5@bloomberg.net
更新日時: 2013/03/04 13:28 JST

 


 


焦点:アベノミクスで公的年金の運用配分乱れ、修正に「数兆円」の試算も
2013年 03月 4日 15:15 JST

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[東京 4日 ロイター] 安倍政権下での大胆な金融緩和を先取りするかたちで国債が買われ、長期金利は急ピッチで低下している。しかし、想定外の円安などで運用資産の構成比率が乱れ、それをもとに戻そうとする年金マネーの動きも見逃せない。

国に定められた比率に戻すのに「数兆円」に上る国債の追加購入が必要との試算もあり、今後、市況をかく乱しかねない情勢になってきた。

長期金利は国債市場に流通する10年物の取引価格から算出され、今年に入ってから低下傾向をたどっている。4日の取引では0.605%と、2003年6月以来9年8カ月ぶりの低水準をまた更新した。

安倍首相がめざす物価安定目標2%を達成するのに「次元の異なる金融緩和が必要になる」との見方は少なくない。緩和に積極的な黒田、岩田規ラインとする新たな日銀人事案が固まり、将来の緩和強化を見越して市場で国債を買う動きが広がりやすくなった、とされる。

世界最大の運用機関である年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)がリバランスに動いたことも金利の低下要因になっている。GPIFは100兆円を超す運用資金について、定められた比率で運用するよう義務付けられ、2014年度までは国内の資産では債券が59%から75%に、株は5%から17%になるように決められた。一方、海外では債券が3%から13%に、株は4%から14%の範囲に収まるよう、暫定的な規制がかかっている。

アベノミクスが生み出す円安の動きは外貨資産の上昇や株高を通じて、こうした規制に揺さぶりをかけている。GPIFが1日に発表した12月末時点の国債保有比率は59.65%と、許容レンジの下限59%にかろうじて収まった。

しかし、その後の円安などで外貨建て資産などの比率が上昇しており、ゴールドマン・サックス証券の試算では、リバランスに踏み切らなければ、国内債券の比率は3月末に57%前半と許容レンジを下回りかねない。「下限から余裕を持たせるには1月からの3カ月間で3兆円以上の国債を購入する必要がある」(西川昌宏・金融商品開発部部長)という。

GPIFは、高齢化に伴う年金給付への備えとして積立金の取り崩しを主に国債で行っており、13年度は4.7兆円を売却する方針。このまま円安、株高の状況が続けば、いまの比率を維持するのが難しくなるため、市場では、国債の比率引き下げを見込む声が多い。

GPIFの三谷隆博理事長は、今春にも資産構成の点検作業を本格化させ、「その後、必要ということになれば来年度・13年度からポートフォリオ構成を見直す可能性も、ゼロではない」と話す。実際に、国債での運用比率が引き下げられた場合、過剰に低下した長期金利が上昇に転じるおそれもある。

(ロイターニュース 山口貴也 編集;宮崎大)


  


04. 2013年3月04日 16:13:47 : xEBOc6ttRg

オピニオン:次期日銀総裁の使命とアベノミクスの宿題=フェルドマン氏
2013年 03月 4日 15:41 JST
ロバート・フェルドマン モルガン・スタンレーMUFG証券 チーフエコノミスト 兼 債券調査本部長(2013年3月4日)

衆参両院の同意を得られれば、3月20日に次期日銀首脳部が発足する。モルガン・スタンレーMUFG証券のロバート・フェルドマン債券調査本部長は、デフレ脱却に向け、真のレジームチェンジ(体制転換)を果たすためには4つのアクションが必要だと語る。日銀新体制と安倍政権の課題に関する同氏の見解は以下の通り。

<市場へのアピールでは成功>

安倍晋三自民党政権による次期日銀正副総裁の選出プロセスは、内外の事例に照らしても、成熟したやり方だったと評価している。

一部閣僚や政府顧問が大雑把とはいえ具体的な人選基準として「英語力」「国際金融の知見」「大きな組織運営の経験」などをあげたことで、出身母体よりも能力を重視している姿勢を市場に対しアピールできた。金融緩和、財政出動、成長戦略の「三本の矢」を掲げる安倍政権の経済運営は、ひとまず手堅い滑り出しを見せたと言えよう。

とはいえ、問題は実行力だ。そもそも安倍政権の経済政策は、経済学のイロハに従ったものであり、わざわざ「アベノミクス」なる造語で呼ばれるほどの目新しさは備えてない。その真価は、当たり前のことを当たり前に実行・実現できるかで決まる。

最初の関門は、日銀次期首脳部発足後の金融政策である。国会承認手続きが順調に行けば、3月20日には黒田東彦総裁、岩田規久男副総裁、中曽宏副総裁が誕生し、新体制の下で4月3―4日に最初の金融政策決定会合が開かれることになる。安倍政権の経済政策が成果をあげるためには、これを機に、日銀が過去の失敗を認め、真のレジームチェンジ(体制転換)を果たすことが必要だ。具体的には、次期首脳部によって次の4つのアクションが実行に移されることが不可欠だと考える。

<経済改革要求も日銀総裁のミッション>

第1に、デフレファイターとしての日銀の信認を得るために、金融政策運営の尺度となる指数を「食料品・エネルギーを除く消費者物価指数(CPI)」に変更することだ。これまで日銀は総合CPIや生鮮食品を除いたCPIを尺度として利用してきたが、これらの指数は賃金動向を十分に捕捉できておらず、インフレ目標の尺度としては適切ではなかろう。

日本の場合、一次エネルギーのほぼ全量を輸入に頼っているため、エネルギー価格の変動は企業収益の変化などを通じて賃金を逆方向へと動かす要因となる。エネルギー価格が上昇すると、賃金は下がる傾向が強い。安倍政権の真の経済政策目標は2%インフレではなく持続的な経済成長であるわけだから、賃金すなわち雇用への影響を十分にくみ取れない指標で判断しては、道を間違える可能性がある。

第2に、年間インフレ率目標から物価水準目標へのシフトが必要だ。なぜこれが大事かというと、毎年の伸び率を目標にすると、過去達成できなかったことをすぐ忘れてしまうからである。「今年は勉強します」「勉強できませんでした」「来年こそ勉強します」の繰り返しでは、誰も約束を信じない。ある年の目標を達成できなければ、その後数年で達成の遅れを取り戻すことを日銀に強いるような仕組みが必要だ。さもなければ、長期的なインフレ期待は醸成できない。

3点目は、実際の物価と物価目標の乖離(かいり)に基づき、ベースマネーの伸びを決めるような「ルールに基づく政策」の導入だ。

米カーネギーメロン大学のベネット・マッカラム教授が考案した「マッカラム・ルール」のようなものを想像してほしい。これは、需給ギャップと実際のインフレ率と目標インフレ率の乖離に基づき、マネーサプライ伸び率を設定するというものだ。この種のルールに基づいて、金融政策のアクセルの踏み方を決めればよい。たとえば、最終目的地の名古屋に向かうとして、まだ東京にいるならばアクセルを思い切り踏み込む必要があるが、静岡あたりに差し掛かれば、少し緩めてもいいだろう。

確かに、経済の波乱要因が多数存在することを考えれば、日本に限らず中央銀行の政策運営に政策委員の知見に基づく裁量型アプローチを残す必要はあるが、ルールとの共存は可能だ。とりわけ日銀にとっては、毀損(きそん)したデフレファイターとしての信認を回復するための有効な手立てとなるはずだ。

最後の4点目は、日銀新首脳部も金融政策という自分の庭にとどまらず、ミクロ経済改革を積極的に訴えることである。日本のデフレ克服に向けた実体経済面の最大の障害は、投資を阻む規制にある。金融緩和が効果を発揮するためには、農業やエネルギー、ヘルスケア、医療など他業種に深く根を張る、これらの障害を排除することが必要だ。

新総裁には是非、経済財政諮問会議など討議の場でミクロ経済政策の持論を提示し、「われわれがお金を刷っているのだから、しっかりやりなさい」と主張してほしい。日銀が大きな声を上げることは、安倍首相への援護射撃にもなる。自分の管轄に入ってもらいたくないから、他人の管轄に入らないという姿勢は改めなければならない。

<アベノミクスのアキレス腱>

むろん、日銀次期首脳部がたとえこれら4つのアクションを実行したとしても、デフレ不況が終息するとは限らない。いみじくも安倍政権も掲げているように、民間投資を喚起する成長戦略が不可欠だ。

また、安倍政権はまだ最重要課題に取り組んでいない。歳出の大部分を占める社会保障の改革だ。国民と企業が納める社会保険料はだいたい55―60兆円だが、社会保障関連の支出は大雑把に言って年金60兆円、医療費40兆円、その他を合わせて120兆円を超える。明らかに持続不可能だ。

もとより安倍首相にも改革の意思はあろうが、夏の参院選後までは手を付けられないということなのかもしれない。ただ、それならば、参院選後に本腰を入れて取り組む必要がある。「自己責任のルール」を徹底し、社会保障に切り込まないと、経済成長も財政再建も絵に描いた餅になる。

乱暴に聞こえるかもしれないが、たとえば「年齢マイナス30」のルールで高齢者負担を決めるのはどうだろうか。60歳の人は3割、90歳の人は6割。一方で、現役世代に対しては、肥満度指標のBMI(ボディマス指数)などをベースに自己負担を決めてはどうか。暴飲暴食などが原因でBMIの数値が悪くなった人からは、もっと保険料を取るなど、そうした動機付けがなければ、自己責任はこの国に根付かないであろう。

ちなみに、医療費を5%削減するだけで2兆円が浮く計算となる。これを日本人学生の海外留学補助金に使えば何ができるか。生活費を含めた学生1人の留学費用は、日本円にしておよそ500万円。2兆円を500万円で割ると、40万人の日本人学生を海外に送ることができる計算だ。現在のほぼ10倍の人数である。これを5年間続けるだけで、日本の未来は大きく変わるだろう。あくまで一つのアイディアだが、未来のための歳出見直しとは、こういうことである。

また、技術革新が急速に進む世界にあって、日本は多くの分野で先頭を走っている。1994年に携帯電話の個人所有を認めたことでイノベーションと関連産業の活性化をもたらしたように、生産労働人口が減少しても、規制緩和策を有効に使えば、生産性向上によって成長率を高めることは可能だ。

最近、少子高齢化が進む日本の潜在成長率の大幅な向上はもはや見込めないといった悲観論を耳にするが、それは財政改革やイノベーションによる生産性向上の可能性を無視した議論である。繰り返すが、金融政策、財政政策、成長戦略のすべてにおいて日本はまだ経済学が教える当たり前のことを実行していない。あきらめの境地に陥るのはまだ早い。

*本稿はロバート・フェルドマン氏へのインタビューをもとに、同氏の見解に基づいて書かれています。

*ロバート・フェルドマン氏は、モルガン・スタンレーMUFG証券のチーフエコノミスト兼債券調査本部長。国際通貨基金(IMF)、ソロモン・ブラザーズ・アジア証券などを経て、現職。米マサチューセッツ工科大学(MIT)経済学博士。


 

 
黒田氏が国会で所信、2%目標へ意欲:識者はこうみる
2013年 03月 4日 11:51 JST
[東京 4日 ロイター] 政府が次期日銀総裁の候補者に指名した黒田東彦・アジア開発銀行(ADB)総裁は4日、衆院の議院運営委員会で所信表明を行い、日本のデフレ脱却はアジアのみならず世界にとっても重要であり、デフレからの早期脱却が日本の最大の課題だ、との認識を示した。「物価安定は中央銀行の責務」としつつ、日銀の「資産買い入れの対象や規模は2%の物価目標達成には不十分」と述べた。

市場関係者のコメントは以下の通り。

●市場の期待に沿った内容だがやや安全運転のニュアンス

<野村証券 金融市場調査部 チーフ為替ストラテジスト 池田雄之輔氏>

黒田東彦・アジア開発銀行(ADB)総裁の発言は、デフレ克服に向けた強い意志を表明したことで市場の期待に沿った内容だ。デフレ克服に向けてやれることは何でもやるというメッセージは、国際派らしく、予想される海外勢の反応を十分に心得たものだろう。

ただ、今後参院で民主のサポートを得なければならないこともあり、黒田氏は量的緩和を強化する方針を明確に表わしたものの、その具体策についてはあまり言及していない。このため全体としてやや安全運転のニュアンスが出ていて、為替市場の反応も今一つだ。 また、金利低下の余地は限定的との認識を改めて示したことから、付利撤廃については現時点で強く推し進める方針ではなさそうだ。

●具体的な緩和策に言質取らせず

<三菱UFJモルガン・スタンレー証券・債券ストラテジスト 稲留克俊氏>

黒田東彦日銀総裁候補の所信聴取は、具体的な緩和策に言質を取らせず、安全運転に徹したとの印象だ。市場の関心が高かった超過準備の付利撤廃について言及が見られなかった。唯一、より長期の国債を買入が自然の流れと発言し、債券が買われた場面があった。国債買い入れ規模を拡大するには、買入年限の延長は不可避なのだろう。

しかし、市場の関心が高かった超過準備の付利撤廃について言及が見られなかった。期待インフレに働きかけるルートはこれまでと変わらず、サプライズはない。

円債市場は黒田候補の所信聴取で、これ以上買われることはないとみている。しかし、今後も緩和期待が継続するため、大きく売られることもないだろう。

●市場は金利低下容認と受け止めた

<SMBC日興証券 債券ストラテジスト 岩下真理氏>

2%の物価目標の達成について、「2年が良いと思うが、できるだけ早期に」ということで、「必ず2年」としなかった点が、やや気になった。デフレ脱却へ向け、あらゆる手段を行うということで、緩和手段として「一番自然な金融緩和は国債購入拡大」、「国債の、より長期のものを大量に買うのが自然」との発言が見られた。ここからは、リスク性資産をすぐに買うよりは、基金による国債買い入れ年限の長期化の方が早くなるのではないかという印象を受けた。

相場への影響は期待がつながっているようだ。国債の買い入れに触れたため、金利が低下している局面で、その低下を容認する発言として市場では受け止められたようだ。

 

財務相が経団連に賃上げ要請、「分配率など考えないと消費伸びない」 2013年3月1日
安倍首相が施政方針演説、日本を「世界の成長センターに」 2013年2月28日
日銀次期総裁に黒田ADB総裁、政府が起用固める=関係筋 2013年2月25日
日銀総裁に黒田ADB総裁、政府が起用固める:識者はこうみる 2013年2月25日


05. 2013年3月04日 19:31:15 : xEBOc6ttRg
コラム:黒田氏の大胆緩和、物価上昇との経路に不透明要素
2013年 03月 4日 16:25

オピニオン:次期日銀総裁の使命とアベノミクスの宿題=フェルドマン氏
コラム:終焉しつつある「緊縮の時代」=カレツキー氏
コラム:侮れない円安効果、金融緩和の真の威力=嶋津洋樹氏
コラム:ユーロ圏再び混乱、イタリア人は「正気か」

田巻 一彦

[東京 4日 ロイター] 次期日銀総裁候補に指名された黒田東彦・アジア開発銀行(ADB)総裁が4日に示した所信と質疑応答では、2%の物価目標達成への強い決意と、その手段としての大胆な国債購入増の方針が示された。

長期金利は一段と低下すると予想されるが、それが物価上昇につながる経路は、不透明な要素が多い。日銀がアクセルを強く踏み込んでも、「空ぶかし」になって自動車が前に進んでいないという現象に直面しないよう政府・日銀の緊密な連携が、これまで以上に求められている。

<緩和のメーンストリーム、国債の大規模購入か>

この日の所信表明と質疑応答の中で、黒田氏は大胆な金融緩和の実施方針を表明するとともに、具体的な手段としては、国債購入の大幅な増加の可能性に言及した。まず、2%の物価目標は2年がよいと思うが、できるだけ早期に達成したいと強い意欲を示し、具体的な達成手段として「一番自然な金融緩和は国債購入拡大」であると指摘。より長期のものを大量に買うのが自然であるとの見解を示した。

さらに資産買入等基金は「2014年以降111兆円で推移するという程度の緩和では不十分」、「1─3年に限らずもっと長い物買うことを検討していい」と述べ、黒田氏が日銀総裁に就任した直後にも、資産買入等基金の大幅な増額や、増額を実施するための買い入れ国債の長期化の可能性を強くにじませた。

市場には、株やその他のリスク性資産を日銀が大量に買い入れる緩和手法に踏み出すのではないかとの"期待感"が存在しているが、最も流動性が潤沢である日本国債の購入増が、黒田日銀における緩和手法のメーンストリームになる可能性が高まっているように見える。

<長期金利低下が示す物価目標2%の高いハードル>

こうした黒田氏の発言を受け、4日の円債市場では、長期金利(10年最長期国債利回り)が0.620%まで低下した。より長めの国債を大量に購入する可能性が高まった以上、マーケットの反応は順当と言えるだろう。

だが、この反応は円債市場が「簡単には2%の物価目標が達成できない」と予測していることにほかならない。円債市場は、黒田氏のリーダーシップでかなり劇的に日銀が量的緩和を強化することは予想している。その結果、国債需給がタイト化して長期金利は低下するものの、その先にあるべき国内需給ギャップの縮小と物価上昇までは予測できていないようだ。

<具体化しない物価上昇の芽>

東京市場でも、期待インフレ率の1つの指標とみられているブレーク・イーブン・インフレ率(BEI)がプラス1%程度まで上がってきたが、データ算出のキーになる物価連動国債の流動性が極めて低く、これだけで期待インフレ率が上がってきたとみるのは早計だと考える。実際、円安で仕入れ価格が上昇しているはずの輸入食料品の小売価格ですら、円安分を価格に転化する動きは目立っていない。

バークレーズ証券の試算によると、電力5社が電気料金を10%引き上げると、全国コア消費者物価指数(CPI)を0.11%押し上げ、4月から平均13.5%引き上げれる自動車保険料(自賠責)によって、同0.05%の押し上げになるという。だが、こうした要因だけでは、物価全体を力強く押し上げるには、力不足の感が否めない。

<アベノミクスに円安キャップの制約>

アベノミクスの成果と言われている円安と株高は、確かに足元で実現している。これは実物経済の変化を先取りした期待先行の動きと言える。この期待が実物経済に波及するには、円安や株高などを契機として、企業の設備投資が増加し、個人消費が強さを顕在化させ、需要と供給のマイナスのギャップが縮小するという経路を通過する必要がある。

ところが、足元の金融・資本市場や世界経済では、アベノミクスの進展を妨害するような「横風」も吹き始めている。1つは先の日米欧7カ国(G7)為替声明や20カ国(G20)財務相・中銀総裁会議を経て、金融緩和期待が円安に直結する力が衰えたことだ。円安が天井知らずで進む地合いから、95円─100円の壁が厚くなってきた地合いへと市場は変化。株高の推進力だった円安の進展が今までのように望めなくなった。

<欧米でうごめくリスクオフ要因>

2つ目は、欧州情勢がリスクオン一辺倒のムードから、イタリア総選挙後にリスクオフ心理が交錯する地合いに変わり、ここでも円安を後押しする力が削がれた点だ。3月下旬の米暫定予算切れに大きな混乱が発生すれば、それもリスクオフ心理を刺激することになるだろう。

こうした中で、金融緩和の強化─長期金利の低下が、物価上昇に結びつくステップが明確には見えなくなっている。日銀が大量に資産を購入し、長期金利が低下しても、そのことが国内需要の増大へとつながらなければ、金融緩和の効果と実体経済の動向が遮断されたままとなり、黒田氏の決断で、「確かにアグレッシブな金融緩和は実行されたものの、物価上昇率は今年後半になっても、0%前半で推移している」ということになりかねない。

<成長力引き上げなしの物価上昇、副作用も>

この日の質疑では、この点に対する黒田氏のコメントはなかったが、金融政策が物価上昇につながる経路に関し、明確な説明がいずれ求められることになると予想する。「デフレファイター」黒田氏の真価は、とりあえず半年後の物価状況と説明内容で試されるのではないか。私は、日銀の努力だけで2%の物価目標を達成するのはかなりの困難を伴うと考える。潜在成長率が0.5%程度に落ち込んだ日本経済の実力回復なしに、物価だけを意図的に引き上げる政策は、副作用が強くなり、国民の不満が高まりかねない。

政府と日銀が緊密に連絡し合い、財政再建への取り組みや成長力の強化に向け、政府が援護射撃してこそ、金融緩和の効果が出てくると予想する。その過程で「黒田総裁」の指導力が発揮される展開を強く望みたい。


 


 

日銀法改正、総裁が首相の目指す方向推進なら今すぐでない=官房長官
2013年 03月 4日 17:43 JST
[東京 4日 ロイター] 菅義偉官房長官は4日午後の会見で、日銀法改正について、安倍晋三首相が目指す方向を推進してくれる人(が日銀総裁)であれば、今すぐということではないと思うと語った。

菅官房長官は「日銀法改正を視野に入れているというのは首相が前から言っていた。考え方が違う人が(総裁に)なれば、視野に入れざるを得ないと思う」とも述べた。

黒田氏の後任のアジア開発銀行総裁に関しては「首相が言ったとおりの方を推薦すると思うし、このポストは必ず日本から推薦した人が勝てるというのも提示する重要な材料の1つだと思う」とした。


 


黒田氏のもとで日銀が大胆な金融政策行うと期待=首相
2013年 03月 4日 17:30 JST
[東京 4日 ロイター] 安倍晋三首相は4日午後の衆議院本会議で、次期日銀総裁候補として黒田東彦アジア開銀(ADB)総裁を国会に提示したことに関連して、最適任の人物だとし、「黒田氏の下で、日銀が責任を持って大胆な金融政策を行うことを期待している」と語った。

藤井孝男議員(日本維新の会)の質問に答えた。

安倍首相は「デフレ脱却に向けた私の考え方を理解し、断固たる決意と能力でこの課題に取り組む方、そして国際社会への発信力がある方を念頭に人選を行い、最適任の人物として先日、黒田氏を国会に提示した」と語った。

さらに黒田氏について「ADB総裁を8年あまり務め、経済、金融政策への幅広い知見はもとより、ADB総裁としてのトップマネジメントも国際的に高く評価されている」と指摘した。

また、「日銀法改正については将来の選択肢として常に視野に入れていくが、まずは2%の物価安定目標をできるだけ早期に実現することが重要だと考えている」とし、「国会の同意を得て、黒田氏の下、日銀が責任を持って大胆な金融緩和を行っていくことを期待している」と語った。

一方、安倍首相は財政健全化について、経済財政諮問会議で財政健全化と日本経済再生双方の道筋を検討するとした上で、「財政健全化は立法も含めて、どのような仕組みで確保していくかも検討する」との考えを示した。

(ロイターニュース 石田仁志;編集 内田慎一)


 

15年度赤字半減、経済成長3%でも歳出抑制必要=政府筋
2013年 03月 4日 18:02 JST
[東京 4日 ロイター] 財務省が2013年度予算案を基に16年度までの財政見通しをまとめた「後年度歳出・歳入への影響試算」の全容が4日、わかった。政府筋が明らかにした。基礎的財政収支(プライマリーバランス)の赤字割合を15年度に半減させるには、3%の名目経済成長率を実現しても、歳出を抑制しなければ目標に届かない。

試算は、3%と1.5%成長のいずれかの場合で、歳出を抑えないケースと抑えたものに分け、それぞれ4パターンを想定した。14年度から消費増税に踏み切ることを想定し、同年度の税収は3%成長のケースで49.3兆円、翌15年度は54.2兆円と見込んだ。13年度は43.1兆円だった。1.5%成長の場合でも14年度が48.6兆円、15年度は52.6兆円に増える。

一方、基礎的財政収支の対象経費は、歳出を抑えなければ14年度に73.2兆円に、15年度は74.9兆円から75.1兆円に膨らむと試算した。歳出を抑えたケースでは14年度が71.6兆円、15年度は73.1兆円から73.2兆円になるとしている。

債務残高の増大や景気回復に伴う金利上昇で国債費も増える見通し。経済成長3%では14年度が23.9兆円、15年度は26.1兆円から26.2兆円になる。1.5%成長でも14年度が23.8兆円、15年度は25.8兆円になる見込み。

歳出と税収の差額である財源不足は、歳出を抑えない3%成長のケースでそれぞれ44.6兆円、43.7兆円に、1.5%成長では45.3兆円、45.1兆円となる一方、歳出を抑えたケースでも3%成長で42.9兆円、41.9兆円、1.5%成長で43.6兆円、43.1兆円となっており、いずれの場合でも40兆円台の国債発行は避けられそうにない。

国際公約として主要20カ国・地域(G20)首脳会合でも約束した財政再建の目標については、高い経済成長を実現しても、歳出を抑制しなければ、半減するのは困難であることを浮かび上がらせた。

10年度の基礎的財政収支は、対名目GDP比で国と地方合計が6.4%の赤字、国単独では6.8%の赤字だった。政府はこれを15年度に半減させる方針だが、試算では、歳出を抑えない3%成長で3.3%、1.5%成長では3.8%の赤字に、歳出を抑えても3%成長で3.0%、1.5%成長では3.4%の赤字としている。

国際比較に必要な赤字幅0.3%から0.4%を上乗せすると、3%成長を実現しても歳出を抑えなければ、政府目標は達成できない計算になる。

(ロイターニュース 山口貴也)


 


日本の金融政策はデフレ脱却が目的=中尾財務官
2013年 03月 4日 18:14 JST
[東京 4日 ロイター] 中尾武彦財務官は4日、都内で開かれたシンポジウムに出席し、日本の金融政策はデフレ脱却を目指すものであり、結果として生じる通貨の下落は許容されるべきだとの考えを示した。

また、米景気回復とユーロ圏安定化の兆候が見られる中、最近の円安は世界経済のファンダメンタルズ(基礎的諸条件)を反映していると指摘した。

ドルについては、予測可能な将来において主要国際通貨にとどまるとの見方を示した上で、日本は安全で信頼できる資産としてドルを信用していると述べた。

日本の輸出に対する円相場の影響についての質問にはコメントを拒否し、為替レートは市場によって決定されるべきだと述べるにとどめた。


06. 2013年3月04日 19:36:27 : xEBOc6ttRg
岩田・日銀副総裁候補:物価目標のマジック、予想インフレ上昇で円安 
  3月4日(ブルームバーグ):日本銀行の次期副総裁候補である学習院大学の岩田規久男経済学部教授は4日午後に都内で講演し、長引くデフレを脱却するための鍵は、日銀が金融政策の枠組み(レジーム)を変更・明確化し、予想インフレ率を引き上げることだと主張した。
岩田氏は「デフレは貨幣的な現象だ」とあらためて強調。2%の物価目標達成に向けた日銀の取り組み姿勢が市場の信認を得れば、予想インフレ率の上昇を通じて予想実質金利が下がり、実際の物価が上がり始める前に円安・株高が進むと説明した。企業収益や設備投資、家計消費といった実体経済にも一定の時間差を伴って波及すると語った。
デフレ予想をインフレ予想に転換できるのは金融政策だけだと主張。各経済主体が物価目標の達成を前提に行動する同目標導入国の姿は「外から見るとマジックのように見える」と述べた。市場が注視するのは日銀当座預金と現金の増減だとも説明し、円相場に対しては予想インフレ率1ポイントの上昇で7.4円の円安・ドル高効果があるとの試算を示した。
安倍晋三首相が求める大胆な金融緩和を背景に名目金利が下がっている理由については、予想インフレ率の上昇で日銀による国債買い入れ増の観測が勝っているためであり、デフレ予想ではないと指摘した。ただ、世界標準の物価目標の下では達成に向けた金融政策手段に関しては独立性が保障されているため、政府に国債購入を強要される財政ファイナンスの懸念は起こりようがないと強調。こうした「プロパガンダ」を悲しく思うと述べた。
機動的な財政出動に関しては、予想インフレ率の押し上げが実体経済に波及するまでの「時間稼ぎ」という位置づけだと指摘。潜在成長率の引き上げを含めた日本経済の本格的な再生には安倍晋三首相が説く3本の矢が補完しあう必要があり「魔法の杖はない」と強調した。
岩田氏は東京大学経済学部を卒業後、73年に同大学院博士課程を修了。上智大学教授を経て、98年から現職。76−78年に米カリフォルニア大学バークレー校で客員教授を務めた。「昭和恐慌の研究」や「日本銀行 デフレの番人」などの著作がある。
記事についての記者への問い合わせ先:東京 野沢茂樹 snozawa1@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先:Rocky Swift rswift5@bloomberg.net;大久保義人 yokubo1@bloomberg.net
更新日時: 2013/03/04 19:13 JST

 
日銀副総裁候補の岩田、中曽両氏 所信聴取は5日午前に
2013.3.4 19:05
 衆院議院運営委員会は5日午前、次期日銀副総裁候補の岩田規久男学習院大教授と中曽宏日銀理事の所信聴取を行う。

 岩田氏は、積極的な金融緩和で物価上昇を促して景気回復を目指す「リフレ派」の代表格。デフレ脱却に向けた緩和手法や、2%の物価上昇目標の達成時期に関し考え方を示すとみられる。

 中曽氏は過去の日銀の金融政策について説明を求められそうだ。

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物価2%達成へ「何でもやる」、国債買入長期化・無期限前倒しも
2013年 03月 4日 18:10 JST
[東京 4日 ロイター] 政府が次期日銀総裁候補に指名した黒田東彦・アジア開発銀行(ADB)総裁は4日、衆院の議院運営委員会で、日銀が1月に導入した物価上昇率目標2%の早期実現に向け、聖域を設けずに「やれることは何でもやる」と述べ、質量ともに大胆な金融緩和を実行すると表明した。

達成時期については、個人的な見解としながら、2年程度を念頭に置くとも語った。具体的な緩和手法については、買い入れ年限の長期化を含め国債を中心とした量的緩和策の拡大に加え、リスク性資産の購入拡大も示唆。無期限(オープン・エンド)緩和の前倒しや、いわゆる「銀行券ルール」の見直しにも言及した。一方、外債購入はあらためて否定した。

<これまでの金融緩和は「不十分」、目標達成に向けた道筋は明確にせず>

黒田氏は、衆院・議運委での所信表明と質疑の中で、デフレからの早期脱却が「日本経済が抱えている最大の課題」と位置づけ、2%物価目標の「できるだけ早期」の実現に向けて大胆な金融緩和を展開すると宣言した。物価安定は中央銀行の責務だとし、これまでの日銀の金融政策運営は目標達成に「十分ではない」と断言。個人の意見としながら、今後2年程度での物価目標達成を念頭に置くと述べ、日銀総裁に就任した際には「聖域を設けずに」デフレ脱却に向けて「やれることは何でもやる」と強調、さらなる金融緩和に積極的に取り組む姿勢を明確にした。もっとも、量的緩和拡大など大胆な金融政策を通じた2%目標達成への具体的な道筋は明らかにしなかった。

<量的緩和は国債購入中心、リスク性資産も検討>

具体的な緩和手段については「経済・市場動向を見極めながら、何が効果的かを探す」としたが、日銀を含めた世界の中央銀行の現行の緩和策は単なる量的緩和ではないと述べ、さらなる金利の低下やリスクプレミアムの縮小などに働きかけていく工夫も追求する姿勢を示した。量的緩和面では、市場規模の大きい国債購入の拡大が最も自然と指摘。その際、短期国債に偏重した買い入れをすれば、「市場の流動性が低下する」とし、「バランスある量的拡大」には、より年限の長い国債を購入するのが「自然」と語った。リスク性資産の買い入れ拡大も「市場への影響を考慮しながら」検討する。日銀の金融緩和策の柱である資産買入基金による買い入れ国債は残存年限3年以下となっており、黒田氏の発言は、さらに年限の長い国債の買い入れを念頭に置いたものだ。

<無期限緩和の前倒し・銀行券ルール見直しも検討>

また、日銀が1月の金融政策決定会合で導入を決めた無期限(オープン・エンド)型の資産買い入れについても、現行は2014年からスタートするが、その実施の前倒しも検討すると語った。さらなる国債の大量購入を行えば、市場が財政ファイナンスと受け止める可能性があるが、黒田氏は「財政ファイナンスはしない」と明言。一方で、日銀が成長通貨の供給目的に実施している国債買い切りオペレーションに適用し、日銀が保有する国債残高を銀行券の発行残高以内に抑える「銀行券ルール」については、他の中央銀行で同様のルールを設定しているところはないと指摘。「既存のルールと仕組みを変えないということでは、大胆な金融緩和はできない」とし、ルール見直しを検討する考えを示した。

<外債購入を否定、緩和の結果として円安も>

一方、円高是正に効果的とされている日銀による外債購入については、「緩和手法は広い方がいいが、介入は日銀の役割ではない」とあらためて否定。日銀の金融政策運営は円安を狙ったものではないと述べ、日本では為替の安定は政府の役割だと語った。ただ、金融緩和によって資金流出が発生し、「為替が下落する傾向にあるのは事実」とも述べ、緩和策の結果として円安になることはあり得るとの認識を示した。その上で7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)声明などを引用し、為替は市場で決まるとの国際合意があり、考慮が必要だと語った。

<政府と日銀の連携十分でなかった、政治通じた声も聞く必要>

デフレからの早期脱却に向けた政府との連携では、安倍晋三首相が掲げる「大胆な金融政策」「機動的な財政政策」「民間投資を喚起する成長戦略」の「3本の矢」で「課題を克服する方向は正しい」と支持。2%目標達成に向けた金融政策運営は、政府の経済政策との連携でより高い効果が発揮されるとし、これまでの政府と日銀の協調は必ずしも十分ではなかったと述べた。日銀の独立性に関連し、政府・政治との距離感については「十分に認識しなければいけない」としながら、「政治を通じた声」を聞くことの重要性も指摘。一部の政治家から指摘されている日銀法改正の必要性では「世界標準も考えた政府・国会の議論が望ましい」と述べるにとどめた。

(ロイターニュース 伊藤純夫 竹本能文;編集 山川薫 内田慎一)


07. 2013年3月05日 02:23:47 : xEBOc6ttRg

【第268回】 2013年3月5日 真壁昭夫 [信州大学教授]
新生日銀はアベノミクスを初志貫徹できるか?
財務省、日銀、学者のバランス人事が持つ“真の意味”
 アベノミクスの最も重要な部分を担い、金融政策の元締めである日銀人事が明らかになった。総裁には、現・アジア開発銀行総裁で財務省OBの黒田東彦氏、副総裁に日銀理事の中曽宏氏、もう1人の副総裁に現・学習院大学教授の岩田規久男氏が就任する見込みだ。

 この陣容を見ると、財務省出身の積極金融緩和論者で国際金融に強い黒田氏に加えて、日銀内部のことを熟知し金融実務に精通した中曽氏、さらに強烈なリフレ論を展開する経済学者である岩田氏の組み合わせとなる。一見すると、「財務省+日銀+学者」というバランスのとれた組み合わせに見える。

 しかし、実際の中身は見かけとは異なる。今まで日銀の金融政策を、「慎重すぎる」と歯に衣を着せず厳しく批判してきた黒田氏と、「日本がデフレから脱却できないのは、日銀の金融政策の問題」として、積極金融緩和策を主張してきた岩田氏の2人が、日銀の総裁・副総裁に座る陣容はかなり強力だ。

 その2人の間に、日銀内部から昇格する中曽氏が入る。中曽氏は黒田・岩田ラインと日銀の現場との調整役を期待されるだろうが、ときにかなり難しい役回りを演じることになると見る。

日銀批判派が日銀首脳に就任
安倍首相の思い通りの人事に

 今回の日銀人事は、ある意味では、安倍首相の思い通りの組み合わせだ。今後、アベノミクスの政策意図が、わが国の金融政策にそのまま反映されることになる。

 問題は、今後の金融政策が、株式や為替など金融市場が期待している効果を発揮できるか否かだ。仮に期待を裏切ると、金融市場が不安定な展開に陥り、わが国経済の低迷がさらに長期化することも考えられる。

 今回の日銀人事をひとことで言うと、従来の日銀批判派が日銀首脳に就任したということだ。財務省OBの黒田氏は、以前から手厳しく日銀の批判を行ってきた。比較的温厚なスタンスを取ることが多い大蔵官僚としては、かなり目立つ存在だった。

 特に、同氏のインフレターゲット導入に関する持論は強烈だった。早くから、日銀はインフレ目標を設定し、その目標に向かってなりふり構わず金融を緩和すべきと主張した。その背景には、「日銀がさらに積極的に金融緩和策を実施すれば、わが国経済は必ずデフレから抜け出せる」との信念があるのだろう。

 一方、学習院大学教授の岩田氏は、黒田氏に輪をかけて先鋭的な日銀批判を展開してきた。「思い切り金融を緩和して、社会にお金を溢れさせてインフレをつくりだす」ということを主張する強烈なリフレ論者だ。かつて同氏は、日銀の翁邦雄氏(当時)と、中央銀行の機能と通貨供給量について、激しい論戦を繰り広げたことでも勇名を馳せた。

 同氏の基本ロジックは、中央銀行が積極的に流動性を供給すれば、デフレからインフレへと経済状況をシフトすることが可能との考え方だった。同氏の積極性は、ときにアカデミズムの中からも「やり過ぎ」との声が上がるほど強烈だった。

 その黒田・岩田の日銀批判派が、今回安倍首相の期待を背負って日銀に乗り込む。すでに金融市場では、新首脳陣が今までよりも一歩も二歩も進んだ金融緩和策を行なうだろうという期待が満ち溢れている。株価は堅調な展開が続き、海外投資家や個人投資家が株式投資に目を向けるようになっている。

 また為替市場では、日銀の一段の緩和策の実施を期待して、ヘッジファンドなど投機筋を中心に円売り・ドル買いのポジションが積み上がっており、当面円安基調が続くとの見方が有力だ。

「リフレ派」は期待を実現できるか?
金融政策の効果発現に高いハードル

 これから金融政策の運営に関して最も重要なポイントは、黒田・岩田リフレ派日銀首脳人が期待されている効果を実現できるか否かだ。黒田・岩田両氏は、いずれも日銀の外、いわば金融当局の外野席から批判を行ってきた。外から見るのと、実際に責任を持って政策を実施するのとは同じではない。

 特に、日銀が供給するのはベースマネー=社会で流通する流動性の元になる部分だ。ベースマネーは、いわばパンの生地と考えれば分り易い。パン屋さんは、パン生地にイースト菌を混ぜ合わせ、釜で焼いて膨らませてパンにする。生地=ベースマネーを膨らませる機能が金融に当たる。

 そのため、一般的に中央銀行がいくら潤沢に資金供給を行っても、企業がお金を借りなかったり、金融機関がお金を貸そうとしなければ、流動性は膨らまない。中央銀行である日銀には一定の限界がある。

 1990年代初頭、わが国のバブルが破裂して以降、日銀はかなり積極的に金融緩和を実施してきた。99年には、世界に先駆けて“ゼロ金利政策”まで実施した。そうした積極的な金融緩和策にもかかわらず、わが国の経済低迷は続き、デフレから抜け出すことができなかった。

 不動産バブルが弾けた欧米社会でも、わが国同様、金融緩和したにもかかわらず、なかなか景気が回復しない傾向が顕著になっている。そうした状況を反映して、最近アカデミズムの世界でも金融政策には限界があるとの見方が出ている。

 黒田・岩田ラインは一段の金融緩和策によって、本当にわが国経済がデフレから抜け出し、景気回復に向かって歩を進める状況をつくり出せるのか否か。正直言って不安がある。仮に、期待したほどの政策効果が上がらない場合、失望感が大きくなることが懸念される。

アベノミクスに期待する株式市場と
信用しない債券市場の“温度差”

 足もとの金融市場を見ると、アベノミクスに大きな期待を持って堅調な展開を続ける株式市場と、アベノミクスに懐疑的な債券市場が併存している。アベノミクスが上手くワークすると、わが国経済はデフレから足が抜けて、インフレになるはずだ。

 景気が回復してインフレになると、必然的に金利水準は上昇する筈だ。何故なら、表面金利は実質ベースの金利に期待インフレ率が上乗せされる水準になるからだ。

 たとえば、友人であるA君に1年間10万円のお金を2%の金利で貸すケースを想定する。その場合、1年間に10%のインフレになったとすると、来年A君が返してくれるお金の価値は10%分だけ減価していることになる。

 それではお金を貸した方が損をする。そのため、実質金利=2%に、期待インフレ率=10%を足した12%の金利をもらうことになる。インフレ期待が醸成されると、金利水準は上昇することになるのである。

 一方、足もとの債券市場では、国債の流通利回りはむしろ下がっている。確かに、日銀が国債購入額を増やすことが想定されるなどの追い風はあるものの、本来、デフレからインフレに移行するのであれば、国債の流通利回りも上昇してしかるべきだ。

 実際に金利が下落している現象を見ると、債券市場がアベノミクスの効果に疑問を持っていると考えられる。つまり債券市場は、アベノミクスを信用していないことになる。

円安には海外からも批判の声が
道のりが平坦でないことは確か

 為替市場で円安が進んでいたことが、わが国の主力輸出企業にプラスに働くとの期待から、株式市場は堅調な展開を続けている。しかし円安に関しては、海外、特に欧州諸国などから批判の声が上がっている。欧州経済の低迷が続いていることもあり、いずれの国も自国通貨を安くして輸出振興策を採りたいのが本音だ。

 円・ドルレートを見ると、昨年の秋口から2割以上円安・ドル高になっている。円・ユーロで見ても円安が進んでいる。ドイツなどの欧州諸国は、それに対して厳しい目を向け始めている。そうした状況を考えると、今後さらに円安傾向が進むことには反発が出ることも考えられる。

 黒田氏は、もともと財務省で国際金融関連の経験が長く、アジア開発銀行総裁の職でも海外関係筋との交渉力が高く評価されている。そうした能力を駆使して、わが国経済に光をもたらすことを期待したい。ただ、その道のりは平坦なものでないことは確かだ。


 

【第266回】 2013年3月5日 加藤 出 [東短リサーチ取締役]
米国で興味強まる次期日銀総裁
2%のインフレ達成には疑念も
 ワシントン、ニューヨークと出張で回っているところだが、今回は当局者や市場関係者とのアポがとても取りやすかった。「アベノミクス」への関心が高いからである。しかも、米国滞在中に黒田東彦氏が次期日銀総裁に指名されるとの報道が相次いだため、金融政策に関する質問も多数受けた。

 ただし、日本に対して強い興味を抱いているのは金融関係者であって、一般の人はそうでもない。象徴的なのは2月23日の新聞である。安倍首相訪米の記事は、「ワシントンポスト」は9面、「ニューヨークタイムズ」は7面だった。

 現地の市場関係者は、概ね日本がデフレ脱却への意思を示していることを評価している。しかし、ある有力FRBウオッチャーは「新総裁は2%のインフレを達成できるのか?」との疑念を呈していた。賃金が毎年数%ずつ増加していかなければ持続的な2%インフレは実現困難だからである。

 各国のインフレと賃金を比較するとそれがわかる。以下の数値は、前者が1992年から2011年までの20年弱の平均インフレ率、後ろのカッコ内が同期間の平均名目賃金上昇率だ。オーストラリアは+2.6%(+3.8%)、米国は+2.5%(+3.4%)、英国は+2.2%(+3.7%)、ドイツは+1.8%(+2.4%)、そして日本は+0.1%(▲0.2%)となっている。

 ところで、ニューヨークの家電量販店でのテレビやパソコンの価格は、中国系ブランドも多数入り乱れて、毎年激しく下落してきた。しかし、前述のように米国のインフレ率は全体としては2%台半ばである。それは、著しく値上がりしてきた品目があることを意味している。02年の観光ガイドブックの価格と、現在の価格を比べてみよう。

 JFK空港からマンハッタンへのタクシー料金(固定料金制)は、30ドルから52ドルへ(+73%)。地下鉄は、MTAカード使用時の初乗りが1.5ドルから2.25ドルへ(+50%)。ビストロ「ルシアン」のブイヤベースは22ドルから32ドルへ(+45%)。1868年創業「オールド・ホーム・ステッド」のポーターハウス・ステーキは60ドルから95ドルへ(+58%)。自然史博物館入場料は10ドルから19ドルへ(+90%)。現代美術館入場料は10ドルから25ドルへ(+150%)上昇した。

 地下鉄の初乗りは今年2.5ドルへと値上げされる。東京メトロの初乗りは10年以上160円のままだ。日本でも公共料金等の値上げを人々が許容できるようになるには、賃金の上昇がやはり必要であり、そのためには企業収益を向上させる成長戦略が重要となる。

(東短リサーチ取締役 加藤 出)


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