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日銀総裁 混乱招いたなら反省
http://www.asyura2.com/13/hasan80/msg/515.html
投稿者 金剛夜叉 日時 2013 年 6 月 19 日 22:33:39: 6p4GTwa7i4pjA
 

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130619/k10015427781000.html

日銀の黒田総裁は19日に開かれた衆議院の財務金融委員会で、日銀の金融政策のねらいが市場に伝わっていないことが長期金利の乱高下につながったと指摘されている点について、「誤解や混乱を招いたとすれば反省している」と述べ、市場関係者への説明を尽くしていく考えを示しました。

日銀が4月に大規模な金融緩和の実施を決めて以降、長期金利の代表的な指標である償還期間が10年の国債の利回りは乱高下し、先月23日にはおよそ1年2か月ぶりに1%まで上昇しました。
こうした金利の乱高下は、日銀が金融緩和によって金利を低下させようとしている一方、同時に金利の上昇につながる2%の物価目標を掲げていることから、日銀のねらいが市場関係者に伝わっていないことが背景にあるという指摘が出ています。
この点について黒田総裁は、「日銀の緩和の意図について誤解や混乱を招いた面があったとすれば、大変遺憾であるし反省している。これからは十分、市場関係者を含めて説明していく」と述べました。そのうえで黒田総裁は、「長期金利全体に下方圧力を加えて、できるかぎり大きく変動しないように対応していきたい」と述べて、長期金利の低下と安定に努める考えを強調しました。
 

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コメント
 
01. 2013年6月20日 08:35:02 : AjT2wU6UUk
反省は、猿でもする。

やるべきは、辞任、これしかない。
辞任せよ!


02. 2013年6月20日 18:13:07 : e9xeV93vFQ
Vol.292:2013年5月からの国債市場の異変>

テーマの領域: 株、債券、通貨、実体経済
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(過去の有料版も、抜粋し載せています)

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  著者:Systems Research Ltd. Consultant 吉田繁治
43851部


おはようございます。朝から雨で蒸し暑い、まさに梅雨です。二階
の仕事場の窓から、晴れていれば見える皿のような山が、霧状の雨
煙に閉鎖され、暗い。

雨が降らないので、普段は考えたことのない田植えは大丈夫かと案
じていました。天候はゆり戻すのですね。安心しました。さっきの
サッカー、イタリア戦は残念。でも力をつけています。

▼株価は、6月の限月をめぐる動きだった

3月、6月、9月、12月の第二金曜日が、日経平均先物〔日経225〕の、
反対売買での清算の期限になる限月(げんげつ)です。株価が、13
年5月23日の、暴落の後のように下げの傾向にあるときは、この先
物の限月が近づくと下げの波乱になることも多い。

理由は、5月に先物を高く売って、株価を下げたヘッジ・ファンド
などが、6月14日(第二金曜日)を期限日にして、先物の売りと逆
の、買いで清算取引をせねばならないからです。

(注)先物取引での売り(ショート)は、あらかじめ売っていた先
物を、限月までに買い戻す契約の売買です。ショート・ポジション
をとれば、価格が下がった分が利益になり、先物買い(ロング)で
は、価格が上がった分が利益になります。

先物では、下がる予想をしたとき、実際に下がれば利益が得られる
ことが、現物の売買にはない特徴です。ヘッジ・ファンドは、その
売買のほとんどが先物です。理由は、数十倍のレバレッジがかかか
り、少ない元金で大きな利益(または損)の可能性が高いからです。

13年6月限(ぎり)の先物で売っていた価格が例えば日経225で1万4
000円なら、6月14日までに買い戻して清算する価格(現物価格)が
1万3000円であると、差額の1000円(7%)が利益です。

1ヶ月で7%の利益は、差し入れ証拠金に対するレバレッジが30倍な
ら元金の210%の巨大利益なります。1000億円が2100億円になるの
です。

逆に、日経225の先物(シカゴ市場ならNikkei225 CME)で売ってい
たのに、6月14日の精算日に先物を売った価格より高ければ、未清
算の先物は、レバレッジの分、大きな損になります。

【6月14日の精算日(SQ)の前と後】
このため、6月13日までは下げの傾向で、6月14日を過ぎて、出来高
(売買額)も2兆円/日と、約半分に減って価格は落ち着いた動き
になっているのでしょう。

日本の株式市場では、ガイジンの売買が50〜70%のシェアです。先
物でも同じシェアです。このため、先物の限月をめぐるこうした動
きが、典型的に出ます。

利益が出ない先物は、9月限月にロール・オーバーされているでし
ょう。それが10兆円の買い越しに対して、3兆円(30%)はあると
予想されます。

(注)ロール・オーバーは、先物取引やオプション取引などにおい
て、ポジションが限月の決済日(例えば6月)をもって消滅してし
まうことから、取引最終日までに、次の限月(9月)以降のポジシ
ョンに乗り換えること。損をしたときの、それを確定させず先送り
する方法でもあります。利益が出たときは、誰でも、利益確定の清
算(反対売買)をするからです。

日経平均で言えば、5月の日経平均1万5000円超のとき本マガジンで
言った、リスクを見た次期予想PER 15倍の1万2000円くらいが、現
在も、想定底値でしょう。今日の日経平均は、1万3245円です(終
値:前日比+237円)。

(注)利益リスクを見た次期予想PER・・・225社平均 企業の次期
予想純益×0.8×PER 15倍=予想純益×12倍=1万2000円。

1ドル90円付近の円高に戻ると、円安で利益が大きくなる輸出企業
の次期予想利益は、減少します。2014年3月期(次期)までを見た
とき、円高のリスクがあるので、企業の次期予想利益は、20%は割
り引かねばならないと考えています。従って、妥当な予想PERは、1
5×0.8=12倍です。ドイツがPER 13倍の水準です。米国はバブ的
な18倍、 日本が15倍(FT紙のP/Eレシオ比較:06月13日時点の株
価)です。

参考のため、他の国も挙げれば中国7倍、イタリア18倍、スペイン1
6倍、フランス17倍、スイス19倍です。

▼テーマ:デフレ予想から、インフレ予想へ

株価が上がれば、実体経済にプラスの影響が生じます。6月18日時
点で、東証の上場企業(一部1722社+二部408社+ジャスダック186
社+PRO 3社:2319社)の時価総額は、401兆円です。1株平均の株
価は1019円です。

これらは株主の資産であり、株価が上がることは株主資産の評価が
増えることです。昨年10月、上昇前の時価総額は260兆円(日経平
均8500円)くらいでした。

5月23日以降、13%くらい下がったとは言え、それでも時価総額は4
01兆円(日経平均では1万3000円)であり、141兆円の株主資産が増
えた勘定です。

もっともこれは「評価額」なので、現金預金が141兆円増えた感じ
とまるで違います。感覚的には、個人で持ち株の含みで1000万円儲
かったとき、20%の200万円は使えるかなと思うくらいでしょう。

下がる恐れもあるので、1000万円の評価額の上昇をそのまま個人資
産の増加とは思わない。500万円くらい増えたかと感じる程度です。
それでも、「使えるお金」の増加です。資産効果と言っています。
株では、仮に3000万円あるとき、預金との関係では、30%くらい割
り引いた2000万円が資産額という感じでしょう。

株価の実体経済への影響を100とすると、その10倍の1000くらいの
影響を及ぼすのが、金利であり国債価格です。今回のテーマは、ま
ともに国債価格とします。

あまり知られていない国債市場、国債の保有主体、国債をもつ目的、
利回り、期待金利と国債価格などです。株式は、個人(700万人)
の参加があるので知っている人が多い。

しかし、株式市場の5倍以上(1日15兆円)の売買がある債券市場は、
金融機関やファンドの専門的なファンドマネジャーの売買なので、
知っている人は、とても少ない。国債価格と期待金利の関係も、ほ
とんど知られていないのです。実は、日銀や財務省は、金利を決め
てはいません。

【金融緩和】
金利を決めるのは、債券市場(=国債市場)で、株の何倍もの金額
が日々売買され、株のように、売りと買いで価格が上下している国
債です。日銀は、国債の売買に介入して、短期金利を調節していま
す。

日銀が大きく国債を買うとき(買いオペ)では、国債価格は上がっ
て、国債の利回りは下がる。金利は、今日の国債の利回りです。マ
ネーの緩和がこれです。

国債を売った銀行には、その分、現金が増えます。つまり、マネー
が増加供給される。これによって、マネー量が増えて、貸し出しの
金利も下がるのです。不況のときは、日銀は、国債を買って金融を
緩和します。

【金融引き締め】
他方、日銀が手持ちの国債を大きく売るとき(売りオペ)は、普通
は、国債価格が下がって、金利は上がります。

・日銀が、手持ちの国債(証券)を売れば、
・国債を買った銀行が、現金を日銀に振り込みます。
(注)実際は、日銀当座預金の減少です。

この国債の売りオペでは、金融機関の現金が、日銀に吸収されます
から、「マネーの引き締め」になり、金利は上昇します。好況のと
き、および物価が上がっているとき、日銀は景気を引き締めるため、
国債を売ってマネーを吸収することで金利を上げるのです。

以上が、「普通の時期」です。・・・ところが、日銀がアベノミク
スの「インフレ目標2%〔2015年〕」という方針に沿い、2013年4月
から
●「異次元の金融緩和」、つまり、月間7〜10兆円(昨年同月の3
倍)の国債買い切りを実行したとたん、
●金利と国債価格に「異常な動き」が起こっています。

その異常な動きの中で、なんといっていいか・・・金利が0.8%や
0.9%くらいに上昇しているのです。

金利が上がる理由は単純なものです。市場で、買いの金額より、売
りの金額が大きかったから、価格が下がって金利上がった。

●日銀が過去の3倍以上多い異次元の国債(月間7〜10兆円)買いに
出動している4月、5月に、一瞬であっても金利が1%にあがるくら
い、金融機関からの国債売りがあったのか?

普通、日銀から大量の買いがあれば金利は下がり、国債価格は上が
ります。ところが・・・金融機関は、日銀が異次元緩和として国債
を買う金額以上に売りを浴びせています。「売り>買い」だから、
金利が上がり、国債価格が下がるのです。

これはなぜなのか? そして、今度、どうなるのか?
株価の暴落は、金利の高騰に比べれば、はるかに・・・はるかに、
たいしたことではない。

新聞、経済マスコミ、エコノミストは、いずれも、13年4月、5月の
国債市場の、この異常な動きが、
(1)なぜ、起こったのか?
(2)金利と国債価格の、何の兆候なのか?
(3)悪い金利の上昇だったら、日銀はどう方針を転換すべきか?
について、根拠ある解釈と論述ができていません。

本マガジンで、(不遜にも)解釈と論述を行おうと思います。

この動きが続けば、とても危険な悪い影響が日本経済、つまりわれ
われの仕事と、生活に及ぶからです。

2年先になって、この傾向が行き着くと、
・物価は上がるが所得が上がらないスタグフレーションと、
・政府が社会福祉費(年金・医療費・介護などの福祉費で109兆円
/年)を払えなくなる財政破産です。

こうなるとすれば、安倍政権と日銀は、今年の9月には(もっとも
遅くても11月)には、方向を変えねばならない。アベノミクスの方
向を、どう変えるべきか、提案までも考えます。

現在、市場で起こっている金利と国債価格の異常な動きが、なぜ起
こったのか。理由を突き止めるには、準備的なマクロデータの整理
と解釈が必要です。そこから始めます。

名目GDPの2倍に相当する950兆円(2012年)という残高になるまで、
超低金利のまま国債が買われて保有され続けている理由は何か?

10年債の金利は、わずか0.8%水準です。1兆円の10年債を保有し
ても1年に80億円の受取金利でしかない。10年債の、国債市場での
期待金利が、わずか1ポイント(%)上がるとどうなるか。

残存期間が10年の場合、(1+表面金利0.8%×10年)÷(1+期待
金利1.8%×10年)=1.08÷1.18=91.5%・・・8.5%も価格
が下がるのです。 0.8%の金利をもらっていても、キャピタル・
ロスがその約10倍の8.5%も生じてしまいます。

記憶していただきたいのは以下です。

(1)低金利の国債ほど、金利上昇での、価格下落が大きい。
世界で金利がもっとも低い日本国債は、金利上昇があったと
きのキャピタル・ロス(保有資産の損)のリスクは大きい。

(2)残存期間(デュレーション)の長い国債ほど、金利が上昇し
たとき、価格下落リスクの金額が大きい。

こうした価格リスクが高いのに、金融機関は、10年債で金利0.8%、
3ヶ月債では0.08%というミクロな金利の国債を、なぜ大量に買っ
て、保有を続けてきたのか?

例えば生命保険は、総資産の60%が、長期国債での運用です。
これを考えねばならない。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
<659号 :2013年5月からの国債市場の異変>
2013年6月19日号

【目次】

1.保有特性グループ別の、国債の保有の分析
2.長期国債の保有グループA :生命保険・公的年金:252兆円
3.中期国債の保有グループB:農林系・共済・ゆうちょ:236兆円
4.短期的保有グループC:都銀、地銀、第二地銀:156兆円
5.日銀の異次元緩和で、
国債のイールドカーブが重要になってきた
6.イールド(金利)カーブをフラット化させる、
日銀の異次元緩和の危険
7.物価の期待上昇と金利、及び長期債の価格下落


03. 2013年6月20日 20:36:46 : e9xeV93vFQ
小笠原誠治の経済ニュースに異議あり! トップ |
バーナンキ議長の本音と建前が分からぬ黒田総裁
2013/06/20 (木) 13:50


 バーナンキ議長の発言が注目を集めています。それにしても、今回のNHKの熱の入れようはただごとではありません。

 まあ、株や為替に関心のある方なら、バーナンキ議長の発言に注目するのは当たり前とは思うのですが‥一般の方々にとってはFOMCと言っても、或いはバーナンキ議長と言っても、恐らくチンプンカンプンではないのでしょうか?

 それに、NHKのアナウンサーの方たちは、本当に分かってニュースを報じているのでしょうか‥なんて少し失礼なことを言って、失敬。

 いずれにしても、市場関係者がバーナンキ議長の発言に注目していたのはそのとおり。何故かと言えば、FRBが今後、資産購入措置、つまりQE3の規模を縮小する時期が早まれば、株価や為替に大きな影響を与えると思われるからです。

 ところで、本日解説をしたいのは、バーナンキ議長が何を言ったかについてではないのですが‥でも、そのことについても一応触れておきましょう。

<バーナンキ議長の発言要旨>

・国債等の資産購入措置について、2013年末までに規模の縮小が始まり、そして2014年中に完全に撤廃される可能性がある。
・規模縮小の時期等については、具体的な計画がある訳ではなく、今後の経済状況次第。
・規模縮小は、ブレーキを踏むというより、アクセルを緩めると解釈すべき。
・ゼロ金利政策は、暫くは続く見通し。失業率が6.5%を下回っても自動的に金利を上げる訳ではない。

 ということで、今回初めて国債の購入措置の規模縮小が年内にも始まる可能性について、バーナンキ議長が発言したために、長期金利が上昇し、株価は下落した、と言うのです。

 いずれにしても、2012年9月に始まったQE3の出口戦略がそろそろ始まろうとしている訳ですが‥それについて、貴方はどのようにお感じになるでしょうか?

 連銀による資産購入措置が縮小ないし廃止されることになれば、長期金利が上昇するであろうから、景気回復に冷や水をかけることになる、なんて考えている人が大勢いるかもしれませんね。

 貴方もそう思いますか?

 では、質問をしたいと思いますが、それでは米国では、QE3によって長期金利が相当引き下げられていたのか?

 確かにバーナンキ議長は、QE3を採用するに当たり、そのような発言をしていました。長期金利を引き下げることにより住宅投資などを促進することができる、と。

 そして、その発言を真似したのが我が国の黒田総裁であったのです。短期金利は、ゼロ金利政策を採用しているので、それ以上下げることはできないが、長期金利はまだ下げることが可能であり、従って、日銀が大量に国債を購入することによって長期金利に影響を及ぼし、民間の投資活動を刺激することになろう、と。

 しかし、日本の場合にはむしろ金利が上がってしまった。だから、黒田総裁の顔色が最近冴えない。そうですよね?

 アメリカでは、余りそのような話を聞きません。だとすれば、思惑通りに長期金利を低く抑えることに連銀は成功していたのか?

 グラフをご覧ください。10年物国債の利回りの推移を示しています。

 アメリカでは、QE3を採用した2012年9月13日の10年物国債の利回りは1.75%だったのです。それ以降、長期金利は着実に低下した、或いは、低い水準にとどまっていたと言えるのでしょうか?

 答えは、ノーです。むしろ、QE3を実施する以前の方が、長期金利は低かったと言えるのです。

 長期金利をそう簡単にコントロールすることができないことなど、バーナン議長は最初から分かっていたのです。そして、市場も、長期金利が下がることをそれほど切望していたとは思えません。

 だから、米国では、長期金利が上がっても失望の声が上がることはなかった、と。

 というよりも、QE3の前のQE2を実施たときに、むしろ金利が上がる現象が起きていたので、そのようなことが起きるのは十分予想できていたと思われるのです。

 では、長期金利を引き上げるかもしれない資産購入措置、つまりQE3を何故実施したのか?本音はどこにあったのか?

 それは、大きな声では言いにくいが、結局、株価を上げる効果があり、株価が上がれば景気回復に一役買ってくれるという願いがあったからだと思うのです。

 それに、失業率がなかなか低下しないなか財政の崖の問題が差し迫っていたので、何かをやらない訳にはいかなかったというのが実情なのではないでしょうか。

 そして、そのことは市場が一番よく承知していた。そして、株価は思惑通りに上がり続けた、と。

 しかし、実体経済の動きと乖離した形で株価だけが上がるのは、結局バブルを再燃させるだけの話で、後々、FRBの政策運営が批判される懸念があるのです。

 しかし、だからと言って、失業率の水準がまだ歴史的にみて高水準にあるなかで緩和策を転換することも考えにくい。

 バーナンキ議長の本音としては、ここらで物価が上がってくれれば、緩和策を転換する言い訳ができるのに、というところではないでしょうか。そろそろパンチボウルを下げないと、後々FRBのダメ議長として名を残すことにもなりかねない、と。

 そのような心情を黒田総裁は理解しているのでしょうか?

 それどころか黒田総裁は、バーナンキ議長が単に建前で言ったことを本気にしてしまいました。さらに、異次元緩和策の発表時には、長期金利を引き下げることを余りにも強調してしまったのです。

 そうですよね?

 そして、だからこそ思惑に反して長期金利が上がってしまったことに、少し狼狽えているのですよね。

 要するに、中央銀行は、長期金利をそう簡単にコントロールすることなどできないのです。

 そして、バーナンキ議長は、それについて十分理解していたにも拘わらず、長期金利に影響を及ぼすことができるような振りをした。しかし、本当の狙いは、長期金利を低下させることではなく、株価を支えることであった。

 一方の、黒田総裁は、米国の建前を本音と勘違いしてしまった。本当に長期金利に影響を及ぼすことができると思った。

 いずれにしても、米国はそろそろパンチボウルを下げますよと示唆し始めている訳ですから、株価上昇の勢いが緩やかにならざるを得ないと予想する市場関係者が増えると思われます。

 では、米国の株価がそのような動きを示すとき、我が国のマーケットはどのように反応するのか? 多分、我が国の株価も、それにつられた動きをする可能性が高いと思いますが‥でも、株価のことなど、誰にも分からないのです。


04. 2013年6月20日 21:20:38 : e9xeV93vFQ
コラム:米経済は尻上がりに改善、ドル再び100円も=竹中正治氏
2013年 06月 20日 19:22 JST
竹中正治 龍谷大学経済学部教授(2013年6月20日)

世界の投資マネーは乱気流局面に入っているようだ。BRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国)は経済成長率が低下し、株価動向も冴えない。とりわけ中国は官民の各層で膨張した不良・不稼働資産と過剰債務の両建ての累積に苦しむことになるだろう。

ユーロ圏は不況で失業率が上昇トレンドを辿っている。日本は実体経済の回復が持続しているが、株価と円相場が不安定だ。こうしたなか、実体経済の回復と資産価格(株価と住宅)の上昇基調が唯一続いているのが米国である。

おそらく来年にかけて米国経済は尻上がりに良くなる。そうした変化を反映して、19日の連邦公開市場委員会(FOMC)の声明文とバーナンキ連邦準備理事会(FRB)議長の記者会見では、「経済活動が穏やかに改善している」というこれまでの基調判断に「景気と労働市場の下振れリスクは昨年秋以降減少してきた」との一文が加わった。

もしも米国経済が今年失速すれば、世界経済全体に再び暗雲がたれ込むことになる。そのようなリスクはゼロではないが、杞憂に終わる公算が高い。これまでの様々な悲観論の流布にもかかわらず、リーマンショック後に米国経済が辿っている軌跡は、1990年以降の日本のそれとは明らかに違う。そうした事情を以下に確認してみよう。

<米国の再バブル突入は現状では杞憂>

まず家計のバランスシートのマクロ的な改善に注目しよう。家計(含むNPO)の総資産から負債を引いた純資産は2013年3月末で70.3兆ドルとなり、08年の危機前のピークである07年末の66.9兆ドルを3.4兆ドルほど上回った。

家計純資産はリーマンショック後の08年末には54.2兆ドルと07年末のピークから12兆ドル余りもへこみ、これが家計のバランスシート調整、つまり貯蓄率の上昇(消費性向の低下)を起こしたわけだが、そうした状況はすでに過去のものとなっている。また負債に注目しても、家計負債の可処分所得に対する比率は1.13倍まで低下した(ピークは07年1.37倍)。これは住宅バブル前の02年の水準(1.09)に近い。

こうした家計のバランスシート改善は、家計の貯蓄(含む債務返済)や負債の清算(金融機関の貸倒償却)に加え、株式と住宅を中心にした資産価格の上昇に支えられたものである。「米国はすでに再バブルへの道を歩んでいるのでは」と思う方もいるだろうが、以下の理由で現状では杞憂だろう。

まず住宅価格のバブル度は、住宅価格を家賃で割った指数(筆者はPrice Rent Ratio、略してPRRと呼んでいる)で判断できる。PRRの上昇は住宅価格の割高方向への変化であり、下落はその逆である。米国の主要都市部の住宅価格動向をカバーするS&P/ケース・シラー指数を家賃指数(消費者物価指数の一部)で割ったPRRは06年にバブル的なピークをつけた後、大幅に下落し、現在は87年以来の平均値とほぼ同じ水準、つまり割高でも割安でもない中立的な水準にある。

今年3月末のS&P/ケース・シラー指数(10都市部対象)は、前年同月比10.2%上昇した。この上昇速度は高過ぎであり、今後は鈍化しよう。ただし、米国は年間約300万人も人口が増える人口逓増経済(増加率で年率1%弱)である。08年以降住宅投資が大幅に落ち込んでいた結果、需給関係は好転し、今後当面は住宅投資、価格ともに堅調に推移するだろう。また、株価についてはS&P500の平均株価収益率(PER)は18.8倍であり、これは80年以降の平均値20.5よりも低い。

13年の米国経済の見通しについては、「財政の崖」に関する議会合意に伴う増税(給与税減税の失効と高所得層の所得税率引き上げ)と強制歳出削減の結果、政府部門が実質国内総生産(GDP)成長率の寄与度で見て大きくマイナスになる。このため13年についてはこれまで2%以下の成長率を見込む予想が主流だった。実際、今年第1四半期の実質GDP成長率2.4%(年率換算)の内訳で見ると、政府部門の寄与度はマイナス1.0%に及んでいる。

財政赤字の縮小のために増税と歳出削減はいずれにせよ不可避であるが、資産価格の堅調な伸びに支えられた個人消費の押し上げ効果(プラスの資産効果)で、政府部門のマイナス寄与度は第2四半期以降ある程度相殺される可能性が出てきている。

<資産効果が個人消費を押し上げる>

そこで、現在の資産価格の推移がどの程度個人消費を押し上げているか推計してみよう。個人消費の変化は、個人所得の変化と資産価格の変化(資産効果)に分解できるので、次のような回帰分析を行った。

被説明変数として個人消費支出の変化(前年同月比)、説明変数として個人所得の変化(前年同月比)、住宅価格の変化(S&P/ケース・シラー指数の前年同月比)、株価の変化(S&P500月末値の前年同月比)の3つを設定し、05年から13年4月の期間を対象に回帰分析を行った。

回帰結果はいずれの変数についても有意であり(すなわち統計上偶然ではない)、説明度を示す決定係数は0.89と高い。これは対象期間の個人消費の変化の89%は、上記3つの変数の変化で説明できることを意味する。

個人消費支出の変化に対する影響度が最も高いのは、当然ながら個人所得の変化である。次に影響度が高いのは住宅価格の変化であり、住宅価格指数の前年同月比10%の上昇は個人消費支出を0.54%押し上げる。また、株価指数の10%の前年同月比の上昇は個人消費支出を0.29%押し上げると推計された。

こうした個人消費支出の動向を示したのが、下の掲載図表である。灰色の線が個人消費支出、黄色の線が個人所得の前年同月比の推移である。個人所得が12年12月に一時的に大きく跳ね上がっているのは、高所得層への減税が停止される直前の昨年12月にボーナス支払いと配当支払いの駆け込みがあったためと考えられる。

青線は回帰分析による個人消費支出の推計値である。上記の12年12月の個人所得の上振れは一時的なものであり、実際の個人消費支出はそれにほとんど反応していないが、推計値は反応して計算されるので、一時的に上振れている。それを除くと、個人消費支出の推計値は現実の変化をよく説明しており、目先個人消費が上向く可能性も示唆している。

赤線が推計値の内訳から資産効果(住宅と株式)部分を抜き出したものであり、リーマンショックの年の08年から09年後半までマイナスとなった後、10年にプラスに転じたが、住宅価格が再度低迷した11年はほぼゼロ近辺となっていた。ところが12年後半から再びプラスに転じ、足元の13年は0.8―1.0%ほど個人消費支出を押し上げている(プラスの資産効果)。

13年第1四半期の実質GDP成長率2.4%に基づいて、この資産効果の規模を考えてみよう。同期間の政府部門の支出は前年同期比でマイナス2.3%、個人消費支出は前年同期比でプラス2.1%だった。米国の個人消費支出の規模はGDPの約7割を占め、政府部門支出の4倍である。したがってプラス1%の正の資産効果による個人消費支出の押し上げは、今年の第2四半期以降の政府部門支出がマイナス4%になってもそれを相殺し得ることになる。

<「化石燃料再革命」の中心に米国>

連邦政府の財政赤字問題は依然長期にわたるリスク要因ではあるが、今年5月に発表された議会予算局(CBO)の長期財政収支予測では、連邦財政赤字はGDP比率で12年度のマイナス7.0%から、13年度マイナス4.0%となり、15年度にはマイナス2.1%まで縮小する。もちろん、CBOの財政見通しは現行の法的処置が予定通り発動されて、歳出の削減や減税の停止が実行されることを前提に計算されているので、政治動向次第で赤字が上振れる可能性は十分にある。

連邦財政収支のさらなる改善のためには公的医療保険制度を中心とする赤字削減、並びに増税が必要であるが、政府債務が膨張・発散するリスクシナリオは回避可能であることが見えてきている。そうした事情を反映して、今月10日に格付け会社のスタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は、米国債の長期格付け見通しを「ネガティブ(弱含み)」から「安定的」に引き上げると発表した(格付け自体は最上位から2番目の「ダブルAプラス」)。

米国の対外不均衡の動向に目を転じると、06年にGDP比率で6%を超えた経常収支赤字は、リーマンショック後に半減した。過去1年間はGDP比率で2%台後半の推移である。詳しい説明は省略するが、この水準は米国の対外負債の持続可能性に長期的にも懸念を引き起こすものではない。

さらに長期的には、「シェール・ガス&オイル」の急速な増産によるエネルギー革命の進展が米国の産業構造と成長力にポジティブな変化をもたらすだろう。日本政策投資銀行の今年2月のレポートによる予測では、米国は天然ガスの生産では15年から20年代末にかけてロシアを抜いて世界最大の産ガス国となり、17年から20年代半ばにはサウジアラビアを抜いて世界最大の産油国になるという。

21世紀は原油生産がピークアウトし、化石燃料大量消費時代の終焉になるといわれた10年前までの近未来観とは反対に、どうやら21世紀は「化石燃料再革命」の時代となりつつあるようだ。その中心に米国がある。

一方、米国における所得や資産格差の拡大については、たとえばノーベル経済学賞受賞者のスティグリッツ教授による近著「The Price of Inequality」(2012年)での警鐘、すなわち米国では経済的な格差の拡大が、将来の経済成長や民主主義的な政体の維持を危うくするという主張を私は尊重している。しかし、格差問題の現状が中期的な視座で成長を損なうほどであるとは思っていない。

<波乱があっても一時的>

19日のFOMC声明文とバーナンキ議長の記者会見では、「今後の経済データが現在の我々の見込みと概ね一致する場合には」、現在の量的金融緩和のための債券購入額は今年の後半から減じ、来年半ばまでには停止されるのが妥当だという方針が述べられた。これに反応して、直後の金融・投資市場ではとりあえず債券売り、株売りの動きとなった。今後債券については価格下落(利回り上昇)基調となろうが、景気回復が持続する限り株価の堅調基調が大きく崩れる公算は低い。

今後起こり得ることと類似すると思われる過去のパターンとしては、94年の例がある。同年、景気の回復とインフレ率の上昇を背景に金融緩和政策が終了し、フェデラルファンド金利が3%から6%に引き上げられた。この時は金融機関や投資家は金利上昇に対して不用意な状態にあったため、長期債券価格の急落などで大きな損失を抱えた。株価も94年3月に反落局面があった。しかしそれは一時的で、実体経済の回復は持続し、株価も95年から目立った上昇基調となった。今回FRBは94年当時よりはずっと慎重に量的金融緩和の段階的な縮小、終了を行うはずである。

結論として米国経済は順風下にある。今年の実質GDP成長率は通年2%台に乗り、来年は3%前後となるだろう。ドル円相場について言えば、前回のコラム「この先のドル買いはハイリスク・ローリターン」(here)で警鐘を鳴らしたが、100円超えの水準で一段の円安・ドル高予想に煽(あお)られて、損失を被った方々も少なくないようだ。しかし、今年の後半には再度100円前後の円安・ドル高のチャンスがあるかもしれない。

*竹中正治氏は龍谷大学経済学部教授。1979年東京銀行(現三菱東京UFJ銀行)入行、為替資金部次長、調査部次長、ワシントンDC駐在員事務所長、国際通貨研究所チーフエコノミストを経て、2009年4月より現職、経済学博士(京都大学)。新著に「稼ぐ経済学 黄金の波に乗る知の技法」(光文社)。

 

 
 

アングル:ドル高基調でも難しい対円での上昇継続、新興国通貨安など重し
2013年 06月 20日 19:52 JST
[東京 20日 ロイター] - バーナンキ米連邦準備理事会(FRB)議長が年内に資産買い入れペースを縮小し始める可能性に言及し、ドル/円は98円前半まで急回復した。しかし、資源国や新興国の通貨が強い売り圧力にさらされ、株安連鎖が断ち切れない状況では、ドル/円がこのまま上昇を続けるのは難しいとみられている。

「ドル相場になった」(大手信託銀行)――。バーナンキ議長がQE3の縮小方針を示したことで、ドル買いが相場のテーマとなった。19日のダウ.DJIに続いて20日の日経平均.N225も下落したが、ドル/円は底堅さを維持。20日序盤の欧州市場ではドル高が進み、97円台のストップロスを巻き込み、98円前半まで上伸した。

20日の欧州市場では、日経平均先物の上げ幅拡大がドル/円上昇の追い風となった。また、南アフリカランド、ポーランドズロチ、トルコリラ、メキシコペソといった新興国通貨が対米ドルで下げ基調をたどるなか、海外勢は対円でもドル買い攻勢をかけやすかったという。

大手証券の関係者は、資源国・新興国通貨売り/米ドル買いのトレンドが当面は続くとみている。「QE1からQE3まで溜まっていた分がある。介入が行われているところもあるので一概には言えないが、しばらくは巻き戻しが続く可能性がある」とみている。

ただ、資源国や新興国の通貨は対円でも上値が重くなっている。新生銀行・執行役員市場調査室長の政井貴子氏は、新興国通貨との兼ね合いでみた場合、ドル/円は動きにくくなるとみている。「クロス円で売りになって円買いの『G』(重力)が掛かるが、大本としてはドル買い。基本的にドル/円は動かなくなる」と話す。

各国で株安が続き、20日の欧州市場ではスペイン、イタリアといった欧州周辺国の10年国債利回りが上昇した。市場からは「完全なリスクオンではない」(あおぞら銀行・市場商品部の諸我晃次長)との声が上がる。欧州市場で騰勢を強めたドル/円だが、今後の株式市場の動向次第では再び圧迫されるリスクが残されているとみられている。

三菱東京UFJ銀行・市場企画部の内田稔チーフアナリストは「QE3縮小を織り込む過程で株が下がると思うので、株安がドル/円の上値を抑えやすい状況が続く」とみる。ただ、「株価の下げが一巡してボラティリティが低下すれば、ドル/円の重しにはならなくなる」と指摘している。

(ロイターニュース 和田 崇彦 編集:田巻 一彦)

 

 

 

 

焦点:欧州「失われた10年」の折り返し、なお厳しい成長課題
2013年 06月 20日 14:31 JST
[ロンドン 19日 ロイター] - 欧州経済が「失われた10年」の道をたどっているとすれば、今はもう中間地点に達した。だが潜在成長率の落ち込みに歯止めをかけるという政治的な意思が存在するかどうかについては、悲観論が根強い。

欧州は生産性を向上させる抜本的な改革をしなければ、域内総生産(GDP)成長率は潜在成長率を下回り続けるとみられる。それは各国政府が財政的に耐え難い債務負担を減らし、社会的に耐え難い高い失業率を引き下げることを一段と難しくする。来週開く欧州連合(EU)首脳会議は、この「ゴルディオンの結び目」を断ち切る新たな機会になるだろう。

ユーロ圏が遅まきながらも、債務抑制や銀行危機の沈静化で目覚しい努力をしてきたことは間違いない。

欧州中央銀行(ECB)は必要なら弱体国の国債を買い入れると約束し、ユーロ解体の危機は回避できた。国際通貨基金(IMF)によると、スペインは2008年までに対GDP比で10.6%に達した経常赤字を一掃し、ギリシャは10年以降で競争力の格差を半分に縮めた。

さらにEU欧州委員会は2013年春の経済見通しで、欧州危機はより長期的な経済成長の動きには影響を及ぼさないと結論を下した。欧州委は今年の潜在成長率は0.4%程度と推計した上で、構造的な失業率の低下に伴って徐々に持ち直すはずだと予想する。

しかしバンク・オブ・アメリカ・メリルリンチのローレンス・ブーン氏はもっと厳しい見方で、トレンド成長率(潜在成長率)をけん引する二つの力がともに損なわれたと主張する。つまり、低調な銀行貸し出しによって資本設備への投資は抑えられ、特に若年層の高失業率に表れているように人的資本も悪化しつつある。

ところが欧州の政策担当者は、ECBがせっかく提供してくれた機会を生かさず、緊張感を欠いた状態にある。ブーン氏は「例えば銀行セクターの健全化など、これらの問題に取り組む裁量的な経済政策が打ち出されていない。私は欧州委員会よりもやや悲観的だ」と述べた。

<潜在成長率は低下の一途>

若年層の高い失業率が政治課題として急浮上しているのは無理もない。ギリシャでは62.5%、スペインでは 56.4%、イタリアとポルトガルでも40%超に達しているのだ。

経済学的に見ると、若者は年配の労働者よりも生産性が高いので、こうした惨状は潜在成長率をさらに押し下げる要因になる。欧州が高齢化社会を迎える中で、労働生産性の向上は、生活水準を引き上げる鍵になるだろう。

ドイツ銀行の見積もりでは、若年層の雇用がひときわ減少していることで、スペインとイタリアの生産性は0.2─0.3%下がる可能性がある。それだけなら何とかなりそうに聞こえるが、構造改革に手が付けられないと、スペインの潜在成長率は年1.2%程度に、イタリアに至ってはゼロ近辺まで下がってしまうという。同行によると、同じように過去の生産性トレンドと労働参加率に国連の人口予測を加えた分析では、フランスの潜在成長率は年1%となる見通し。

フランス国立統計経済研究所は幾分楽観的とはいえ、今週は潜在成長率の推計値を1.9─1.2%へと下方修正した。1999年から2007年までの推計潜在成長率は2.2%だった。

JPモルガンのデービッド・マッキー氏によると、ユーロ圏全体の潜在成長率も1980年代は2.4%だったのに、90年代が2.2%、2000年代が1.8%、過去4年平均が1.0%と低下を続けている。

潜在成長率を1%近く、あるいは1%超に維持するためには、自然失業率(賃金インフレを起こさないぎりぎりの失業率)の低下とともに、生産性の顕著な伸びが必要となる。マッキー氏はリポートで、この両方の実現にはユーロ圏全体を対象とする大規模な構造改革が不可欠になりそうだとしている。

<政策対応の失敗を懸念>

英ウォーリック大学のニコラス・クラフツ教授(経済学)は、税制の歪み解消や競争力強化、役所手続きの簡素化、教育の機会均等化促進といった供給サイドの改革を実行すれば、欧州の成長率は2030年までに0.5─1%ポイント押し上げられるとみている。

ただ、それには障害がある。クラフツ氏は「ナショナル・インスティテュート・エコノミック・レビュー」で「一般的に言ってこうした改革の実行は、財政に打撃を与えないが、多くの有権者の動揺を誘わずにはいられない」と述べた。むしろ同氏は、各国政府が例えば1930年代の大恐慌への対応で見せたように、深刻な政策面の間違いを犯す事態を心配している。

同氏によると、危機のせいで積み上がった膨大な債務がもたらす経済成長へのマイナス効果を政策担当者が減らそうとして、インフラや教育向けの支出を削減したくなり、それが長期的な経済見通しをさらに悪化させてしまうだろうという。また同氏は、保護主義の広がりや、公的債務負担の軽減のために資本移動の制限によって実質金利を押し下げようとする「金融抑圧」に向かう展開になることも懸念する。

こうした結果として、欧州危機によってトレンド成長率は影響を受けないとする欧州委や経済協力開発機構(OECD)の考えは、楽観的過ぎるというのが同氏の意見だ。

ユーロ圏の潜在成長率はOECDの予想(2012─30年で1.8%)を大きく下回るとみる同氏は「危機が残したのは、欧州の長期的な成長率を大きく下振れさせるいくつかのリスク要因だ。まだそれは広く理解されておらず、OECDなどの諸機関が策定する見通しにも織り込まれていない」と記した。

(Alan Wheatley、 Global Economics Correspondent)


05. 2013年6月21日 10:48:57 : e9xeV93vFQ
【第342回】 2013年6月21日 倉都康行 [RPテック(リサーチアンドプライシングテクノロジー)株式会社代表取締役]
FOMCを受けて広がる米国「出口戦略」の波紋
世界、そして日本への“影響度”はいかほどか
――倉都康行・RPテック代表取締役
世界の金融市場の関係者は、今月18、19日に行われた米国FOMC(連邦公開市場委員会)の協議の行方を、並々ならぬ関心を持って見守っていた。5月下旬にバーナンキFRB議長が議会証言の質疑応答で言及した「緩和縮小の可能性」は、日本のみならず世界の市場を揺さぶった。今回のFOMCにかつてなく注目が集まったのも、無理はない。政策現状維持を決定したFOMC後のバーナンキ議長の記者会見は、市場の乱調を強く意識しつつも、緩和縮小・停止に明確に舵を切ったという印象を与えた。今後、世界、そして日本にはどのような影響が及ぶのだろうか。米国をはじめ、世界の金融市場に精通する倉都康行・RPテック株式会社代表取締役が、その行方を鋭く推察する。

世界が注視したFOMCの行方
政策現状維持もFRBは金融緩和縮小へ


くらつ・やすゆき
RPテック(リサーチアンドプライシングテクノロジー)株式会社代表取締役。1955年生まれ。東京大学経済学部卒。東京銀行、バンカーストラストを経て、チェースマンハッタンへ移籍。チェース証券取締役東京代表を経て、2001年4月に独立、現在に至る。著書に『投資銀行バブルの終焉―サブプライム問題のメカニズム』(日経BP社刊)がある。
 今月18、19日の2日間にわたって行われた米国FOMC(連邦公開市場委員会)でどんな協議がなされるのか、そしてバーナンキFRB議長がどんな発言をするのか、世界中の経済問題に関心を寄せるほぼ全ての人々がその瞬間を待ち続けていた、と言っても過言ではないだろう。

 政策現状維持を決定したFOMC後の記者会見で、同議長は、その声明文に示された見通しに沿って経済が順調に成長し、雇用市場が改善すれば、QE3は年内に縮小し、来年半ばには終了する、との具体的なスケジュールを描いて見せた。

 もう少しハト派的な内容を期待していた市場にとって、これはややサプライズとも受け止められ、株価は下落して長期金利は上昇、為替市場ではドル買いの動きが強まった。

 ただし、バーナンキ議長が市場に対して一定の配慮を示したことは間違いない。緩和終了までには相当の距離があると述べ、政策判断は経済統計次第だとして緩和縮小シナリオが所与のものではないことを示し、緩和縮小と引き締めは異なるものであることを強調している。

 それは、市場に対して「来たるべき出口時期への準備をしておくように」とのメッセージのようにも聞こえる。

 それは、5月22日に同議長が議会証言の質疑応答で言及した「緩和縮小の可能性」が米国長期金利の上昇を通じて、日本のみならず欧州や新興国などのあらゆる市場を揺さぶったことに鑑み、議長が「市場との対話法」において相応の神経を遣ったものと思われる。

 5月下旬の米国市場には、半年間で長期金利が2%以上も急騰した1994年の「債券メルトダウン」が再現するのではないか、との戦慄さえ走った。金融緩和にどっぷりと浸かった金融市場は、突然の環境変化の予兆に機動的に対応できない弱さを露呈したのである。

 利上げでも緩和終了でもない単なる「買い入れ額縮小の可能性」が示唆されただけで、有り余るマネーは右往左往してリスク資産から逃げ惑う。日経平均の暴落とも言える下落も、そうした世界的な流れの一環であった。

 結果として、本来ドル買い材料になるはずの米国の金利高が、反対に「安全資産買い」を連想させて「ドル売り・円買い」を誘う、といった現象まで引き起こした。

市場の乱調を強く意識しつつも
緩和縮小・停止に明確に舵を切った

 市場では「実体経済からかけ離れた株価への懸念」も緩和縮小検討への一因だ、と言われることもあるが、米国株にはそれほど割高感はなく、5月中旬以降の下げ幅も限定的であった。

 むしろ、歴史的水準にまで利回りが低下した債券市場や、上昇スピードが強烈であった日本株、再建途上であるにもかかわらず金利が急低下していた南欧国債、そして実力以上に買われていた新興国通貨などが狙い撃ちに遭った、と見た方が解りやすい。

 先日のバーナンキ議長の会見は、こうした市場の乱調を強く意識したものとなった。だが一方で、緩和縮小・停止の方向に明確に舵を切ったという印象は強い。

 以下、まずFRBの現状認識と議長会見について概観した後で、日本を含む各国経済や世界の金融市場が今後どういう展開を見せるのか、推論してみよう。

FOMCと議長会見のポイント
修正見通しが正しければ緩和縮小へ

 今回のFOMCでは、毎月850億ドルの資産買い入れという現状の政策を維持すると同時に、GDP成長率、失業率、そしてインフレ率の見通しを修正している。

 具体的には、2013年の成長見通しを3月時点での予想値である2.3-2.8%から2.3-2.6%へとやや下方修正、一方で2014年は2.9-3.4%から3.0-3.5%へと上方修正している。

 また、失業率の2013年末見通しは7.3-7.5%から7.2-7.3%へ、2014年末は6.7-7.0%から6.5-6.8%へとそれぞれ改善の見通しを掲げ、コアインフレ率を2013年末は1.5-1.6%を1.2-1.3%へ、2014年末は1.7-2.0%から1.5-1.8%へと下方修正している。

 こうした米経済見通しの改訂を踏まえた上で、バーナンキ議長はその見通しが正しければ緩和が縮小・停止されるのは必然、との考えを示したのである。その中で、緩和が停止される頃の失業率は7.0%前後になる、との新しいメッセージも提供した。

 市場は、この発言を「緩和縮小・停止は既定路線になった」と受け止めたようだが、実際にFOMCで示されたシナリオ通りにことが運ぶのか、という点には注意する必要がある。FRBの成長見通しはよく外れることで有名だからだ。米国が厳しい景気後退から回復してきたここ数年間、FOMCで示された成長見通しは何度も下方修正されている。

 今回の成長見通しに関しても、財政政策は強制歳出削減で硬直化したままであり、企業の設備投資は回復せず、新興国経済の急速な冷え込みで製造業の新規受注は停滞中である現状を考えれば、かなり甘い見通しだと言わざるを得ず、IMFの1.9%予想や世銀の2.0%予想の方に現実味を感じる。ウォール街の予想もほぼ2%前後だ。金融緩和の効果で住宅市況と自動車販売は確かに好調だが、この2分野だけで景気を引っ張ることは難しい。

 また失業率は低下中であるが、それは労働参加率が減少していたからであり、求職者が雇用市場に戻ってくれば、逆に上昇する可能性も指摘されている。就業者数は確かに増えているが、その中身は主に給与水準の低いサービス業である。

 さらに、気になるのがインフレ動向である。QE3導入の際に懸念されたインフレはほとんど存在しない。むしろ、米国では物価上昇スピードが落ちている。FOMCの見通しにもそれが反映されており、FRBの一部には「2%インフレ維持が難しくなってきた」という別の警戒感もある。デフレ回避はFRBの大命題でもあり、こうした逆の物価懸念が強まる中で緩和縮小に踏み切れるのか、という疑問もある。

 市場には9月のFOMCで緩和縮小開始と見る向きが多いが、その時点で明確に「経済回復・雇用改善・インフレ率持ち直し」と言える数字が出ているかどうかは現時点では不透明だ。縮小開始は12月だとの声もあるが、半年先のことなど誰にも解らない。バーナンキ議長は緩和縮小に着手できないまま、来年1月に次の議長へバトンタッチ、というシナリオもまだ残っているように思われる。

なぜ緩和縮小へとなびいたのか
バーナンキ議長の心境を推察する

 では、何故同議長がこれほどまでに緩和縮小へとなびいたのだろうか。それは今回の発言には示されていないが、1つには緩和の長期化によるデメリットへの警戒感があるように思われる。

 具体的には、レバレッジド・ローンと呼ばれる低格付け企業向け融資の「ミニ・バブル化」である。銀行を中心とする金融システムにおける資産配分が狂い始めたことへの懸念、と言っても良いだろう。

 バーナンキ議長は、年初以降しばしば「クレジット問題を注視している」とコメントしてきた。それは、2007年のサブプライム・ローン問題を過小評価したために、金融危機防止への初期対応が遅れたことへの強い反省があったのではないか、と思われる。

 また、昨年9月に導入されたQE3は、回復力の乏しい雇用市場や下振れリスクを抱えた米国経済に配慮してのものであったが、この追加的量的緩和が雇用拡大に寄与したという議長の主張を疑問視する声は強い。

 FRB内部にも、QE3の効果は薄いとの指摘がある。そんな中で緩和のデメリットが目立ってきたとあっては、緩和規模の縮小を主張する声に議長も耳を傾けざるを得なくなった、という背景もあるかもしれない。

 そして、議長自身は来年1月で退任する腹を固めていると言われ、先般オバマ大統領もそれを事実上認める発言をしたことからもうかがえるように、自らが導入した非伝統的政策の解消への道筋を在職中に示しておく、という個人的な思い入れがあったとしても不思議ではない。後世に「ヘリコプターからドルをばら撒いただけ」という評価を下されることは、絶対に避けたかっただろう。

欧米経済への影響度はどうなる?
米国経済への懸念は欧州に波及か

 バーナンキ議長の思いがどうであれ、「中銀しか見なくなった市場」は今回の議長発言を重く受け止めている。仮になかなか緩和縮小に踏み切れなかったとしても、市場センチメントはすでに緩和停止を織り込む方向へ傾いている。その中で米国長期金利が2.5%を超えて上昇するような状態になれば、好調な住宅市場や金融機関経営にもネガティブな影響が出るだろう。

 昨年来、上昇機運に乗ってきた住宅市場には下半期に在庫が増える見通しであり、需給が緩む中でモーゲージ金利が上昇して需要を抑制することになれば、住宅価格が再び下落すると予想する向きもある。

 さらに、低金利に馴れ切った米銀の収益構造が揺らぐ可能性もある。大手は金利リスク管理が進んでいるが、中小規模の銀行や地域金融機関は金利上昇リスクに脆いのである。悪いことに、米銀では低金利の長期化を見込んだ「長期固定金利の資産」が増えている。金利高期待で銀行預金がMMFに流れれば、資金調達コストも上昇するだろう。

 米国の金利上昇や実体経済の下振れ懸念は、容易に欧州債務危機を再燃させる契機にもなるだろう。昨年来、ECBのOMT(国債買い入れ策)や欧州銀行同盟への合意などにより、南欧諸国の債務懸念はひとまず収束して長期金利の低下をもたらしたが、それは抜本的な解決によるものではない。

 現在は小康状態に過ぎず、ギリシア、キプロス、そしてスペインやイタリア、ポルトガルなどの問題は依然として燻っている。最近では、フランスやオランダの景気後退という新たな問題を抱え込み、域内でのドイツ独り勝ちという不安定な状態に陥っている。経済再生から抜け出せない中で、ユーロの将来像への不安感はいつ復活してもおかしくない。

米国の金融政策修正は影響大
エマージング危機の可能性も

 だが、米国金利上昇とドル高という点で、欧州以上に気になるのは新興国経済への影響だ。1980年代の中南米危機や1990年代のメキシコ危機・アジア危機などを思い出すまでもなく、米国の金融政策修正によって常に大きな影響を受けるのが新興国なのだ。

 今回は、その中に世界第2位の経済大国となった中国が含まれる、という点で、20世紀に見た光景とは大きく異なる事態に直面するかもしれない。

 中国経済に関しては、すでに鈍化傾向が鮮明となっているが、それに加えて、シャドウ・バンキングと呼ばれる規制対象外の金融取引の肥大化で、金融システムの脆弱化もまた浮き彫りになっている。

 米国の金融緩和修正が中国からの資本流出を引き起こし、資産市場の混乱や実体経済の下振れを通じて、中国の経済基盤を揺るがす可能性は否定し難い。

 今中国の金融市場では、前述したシャドウ・バンキングへの規制で流動性が逼迫しており、短期金利が急上昇するといった不安定な状況にある。こうした中での資本流出は危険なシグナルだ。仮に中国で何らかのショックが起きれば、当然ながら日本の経済にもかなりの悪影響を及ぼすことになろう。

アベノミクスへの賛否両論に固執
世界経済の乱流への警戒感が薄れる日本

 日本では、アベノミクスに関する細かな点での賛否論に固執するあまり、こうした世界経済の乱流への警戒感が薄れていることが最大の問題ではないだろうか。異次元の金融緩和には、プラス面と同時に危険な問題もある。その副作用が海外要因によって増幅されることこそが、日本にとって警戒すべき最大のポイントだろう。

 欧米諸国がこれまで「異次元の緩和政策」に理解を示していたのは、日本株市場と似たような「期待感」によるものだ。だが、先般のG8サミットでメルケル首相が釘を刺したように、副作用や出口戦略への意識が乏しい日本政府に懸念を示す向きは、市場にも増えつつある。

 出口に向けて市場との対話に四苦八苦するFRBの姿が、大胆な金融緩和政策への楽観ムードを冷却し始めているようにも見える。

 米国の金融政策変更の可能性を前にして、具体的に日本が今後警戒せねばならないのは、長期金利の上昇傾向と、それに伴う景況感の失墜だ。期待だけで持ち上げられた高揚感がハシゴを外されたと失望するときの落胆は、株式市場にも反映されるかもしれない。

 政府は秋の成長戦略に賭けているようだが、ニュースのヘッドラインだけに反応する投機筋はともかくとして、海外の長期投資家が注視するのは個別企業が打ち出す成長への経営戦略であって、政府や官庁がもっともらしく仕上げる文書ではないのである。

 そのことに気付いていない人が、あまりに多いような気がしてならない。

 

 

【第440回】 2013年6月21日 横山渉
異次元の金利上昇で家庭に募る「異次元の不安」
住宅ローン、投資にまつわる杞憂と真のリスク
日銀の“異次元”金融緩和は、長期金利の乱高下という予想外の副産物を生み出した。それにより、我々の家庭がダイレクトに被りかねない悪影響が懸念されている。「メガバンクで住宅ローン金利が上がった」「株のみならずREIT価格も下落している」など、金利上昇に伴うネガティブなニュースを耳にするにつけ、不安を感じている人も多いだろう。過去と比べて水準自体はまだそれほど高くないとはいえ、今まで経験したことのない状況下で起きている「異次元の金利上昇」だからこそ、我々は先行きを類推しづらく「異次元の不安」を感じてしまうのだ。金利の上昇基調をどう見据え、どんな対策をとればいいのか。住宅ローンや投資に関わる杞憂と真のリスクを、専門家の意見を交えながら検証しよう。(取材・文/フリーライター・横山渉、協力/プレスラボ)

増える住宅ローン金利上昇のニュース
家庭が不安を募らせる金融緩和の副産物

「今、結婚を前提に付き合っている彼女がいます。年も年なので、そろそろ入籍しようと考えていますが、最近住宅ローンの金利が上がったというニュースを毎月のように聞き、焦っています。いったい、どうなるのでしょうか」

 こう語るのは、都内在住で総合商社に務める金井哲二さん(仮名・42歳)。海外出張も多く、あまりの仕事の忙しさに、ここ数年は女性と付き合う機会がなかったという。1年ほど前に、結婚相談所を介して出会った6歳年下の女性と意気投合し、すでにプロポーズも済ませている。

「結婚には先立つものがなければ」と考えた金井さんは、数ヵ月前からマンション探しを始めた。しかし、数少ない休日を使って物件巡りをしても、住宅の好みがはっきりしている彼女となかなか意見が合わない。そうこうしているうちに、「メガバンクが軒並み住宅ローンの金利を引き上げている」というニュースがちらほら聞こえて来るようになった。

 職業柄、同世代の友人たちと比べて1〜2割は年収が多いという彼にとって、住宅購入はそれほどハードルが高い決断ではない。とはいえ結婚を予定している彼女は、務めていた人材サービスの会社を2年前に辞めており、今は実家で家事手伝いをしている。マンション購入のための頭金やローン返済を自分1人の収入で賄わなくてはならない金井さんにとって、金利上昇にはやはり不安が募る。

「消費税の増税開始や住宅ローン減税の期限も視野に入れながら、なるべく早い段階で家を買ってしまいたいんです。金利以外のそういう要素も、焦りの背景にありますね」(金井さん)

 現在、金井さんのように焦っている「家探し族」は少なくないという。自民党が政権に返り咲いて以降、日本はアベノミクスによる円安・株高に湧いた。米国の出口戦略観測などにより、5月下旬に株価は大きく下落、ドル円レートは円高に振れたものの、専門家の多くはこの現象を「一時的な調整」と指摘している。多くの国民は、景気回復への期待を変わらず抱き続けている。

 しかし足もとでは、いよいよ雲行きが怪しくなってきた。4月以降、日銀が推し進めてきた量的・質的金融緩和が、我々の生活に思わぬ「副産物」をもたらし始めたのだ。それが、金井さんが不安を抱く長期金利の上昇基調である。長期金利の上昇は、住宅ローンをはじめ、家庭が抱える借金の返済負担を増やしてしまう可能性がある。過去と比べて水準自体はまだそれほど高くないとはいえ、今まで経験したことのない状況下で起きている「異次元の金利上昇」だからこそ、漠然とした不安は募る。

 言うまでもなく、市中の長期金利(取引の期間が1年以上の金利)の指標となっているのは、国債(主に10年物国債)の流通利回りだ。したがって、国債が売られて価格が下落し、利回りが上昇すれば長期金利も上昇し、国債が買われて価格が上昇し、利回りが低下すれば長期金利も低下する関係にある。

日銀総裁は反省するよりも
早く金利を何とかしてほしい

 今なぜ、長期金利が上昇基調にあるのか。長期金利を低下させ、経済活性化を狙う日銀が始めた金融機関からの国債の大量購入は、新発10年物国債の流通利回りを、一時0.315%と過去最低水準まで押し下げることに成功した。しかしそれも束の間、5月中旬以降、国債価格は顕著に乱高下を始め、10年物国債の利回りは一時1.00%を超える水準まで急上昇。足もとの6月19日時点でも0.810%となっており、むしろ量的・質的緩和を始める前の0.5%台より上昇しているのが現状である。

 政府・日銀は今後2年間で2%の物価上昇率を実現するとしている。そうしたアナウンス効果もあり、「インフレ期待が高まれば金利が上昇するのは当たり前」という声もあるが、そもそも本来彼らが目指していた方向性になぜ逆行しているのか。

 原因として、あまりに多くの国債を日銀が購入しているため、市中の国債の量が減り、相対的に投資家の購入が細って国債価格が下落していること、円安を好感して株価が上昇したため、国債を売って株に乗り換える投資家が増え、国債価格が下落していることなどが指摘されている。

 また、国債の大量購入で金利を下げようとしている政府・日銀は、一方で金利上昇を誘うインフレ目標を掲げている。こうしたちぐはぐにも見える彼らの方針に対して、機関投資家が「これでは、今後国債市場がどう動くかわからない」という疑心暗鬼を募らせ、国債への投資に慎重になっているのではないか、という見方もある。

 6月19日の衆院財務金融委員会に出席した黒田東彦・日銀総裁は、長期金利の乱高下について、「緩和の意図について誤解や混乱を招いた面があれば、大変遺憾であり、反省している」と述べたが、前出の金井さんは、「総裁に反省されても金利が下げるわけではない。それより、早く対策を講じてほしいですね」と苦笑する。

どんなトレンドと対策があるのか
「住宅ローン不安」のウソとホント

 こうした状況下、家庭は金利上昇基調をどう見据え、どんな対策をとればいいのか。人生で最も大きな買い物である住宅の購入に関わる影響や、個人が資産形成のために投資する可能性がある金融商品について、専門家の意見を交えながら分析して行こう。結論から言えば、少なくとも今巷から聞こえてくる不安の声は、ほとんどが杞憂と言っていい。金利の動向に無頓着ではいけないが、過度な不安を抱き過ぎるのもよくない。

 第一に、住宅ローン金利のトレンドと対策だ。不動産コンサルタントの長嶋修氏は、「住宅ローンの金利には固定型と変動型がありますが、最近は固定型での借り入れが急増しています」と現状を語る。

「アベノミクス以前は固定を選ぶ人が2〜3割、変動を選ぶ人が7〜8割でした。しかし、アベノミクス以降は徐々に固定を選ぶ人が増えてきて、データ的に現在は約5割になっています。私の体感値としては、もっと多いような気がします」

 アベノミクスにより、中長期的に金利の先高感が募っているのは間違いない。そもそも、足もとを見てもすでに金利は上昇基調にある。消費者もその点で、経済情勢によって金利が変わる変動型ローンのリスクに敏感になっているということだろう。

 では実際に、ローン金利はどれだけ上がる可能性があるのか。

「住宅ローンは5年、10年、20年というロングスパンのものですが、中期的に見れば住宅ローン金利はいずれ本格的に上がります。アベノミクスが失敗すれば、日本の財政悪化が引き金で長期金利が上がるでしょうし、成功したら成功したでインフレ率がそれなりに高まりますから、やはり金利は上がります。仮に2%のインフレターゲットが達成されれば、住宅ローン金利は少なくとも3〜3.5%になります」(長嶋氏)

 確かにそれを予感させる兆候はある。長期金利の上昇を受け、三菱東京UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行などのメガバンクは、5月から2ヵ月連続で、長期金利に連動する固定型ローンの金利を一斉に引き上げた。主力となる10年固定(最優遇金利)の上げ幅は、5月に0.05%(年1.4%)、6月に0.2%(年1.6%)となった。前出の金井さんが気にしていたニュースも、これだろう。

リスクが大きい変動型は金利据え置き
一部の商品では金利引き下げ競争も

 しかし、足もとでは心配し過ぎる必要はない。たとえば、リスクが大きいと目されている変動型については、各社は今のところ金利を据え置いている。変動型ローンはほとんどの場合短期金利に連動するので、長期金利が上がってもただちに連動して変動型の金利が上がるわけではないのだ。

 また、冷静に考えれば、過去と比べてもまだまだローン金利は低い水準にある。10年固定に関しては、6月は5月と比べて年1.4%から同1.6%へと、0.2ポイント上がった程度。実質的な家庭への影響はほとんどないと言える。長嶋氏も「中長期はともかく、今はまだ住宅ローン金利が低いので、迷っている人もその恩恵を享受しない手はないと思います」と話す。

 さらに、一部の商品については、長期金利の上昇とは関係なく、住宅ローン金利の引き下げ競争も起きている。三井住友銀行は、住宅ローンの3年固定型金利を1.5%(最優遇金利)から、同行として過去最低の0.6%に引き下げた。これは、日銀が昨年導入した貸出増加支援制度を利用したもので、4半期ごとに国内貸出を増加した銀行に対し、日銀が低利で一定金額を融資するという制度を利用している。

 同制度で調達する低金利の資金を住宅ローンの原資に充当し、他行に対して商品の競争力を上げようというからくりで、三菱UFJとみずほも三井住友に追随した。3年固定商品にどの程度のニーズがあるかはわからないが、「家探し族」にとっては、むしろ良い選択肢が増えているという一面もあるのだ。

「ただし、住宅ローン金利は物件の引き渡しのときに決まるので、その点は要注意です。中古マンションはせいぜい2〜3ヵ月後ですが、新築マンションの場合は引き渡しまでの期間が長く、タワーマンションなどは1年半や2年後というケースもありますから」(長嶋氏)

スプレッド縮小懸念でREITも下落
市場は金利上昇を意識し過ぎている?

 第二に、投資のトレンドと対策について見てみよう。

 将来の資産形成を見据えて、様々な金融商品に投資している家庭は多い。不動産に関するところでは、ローンを組んで実物の家を購入するのではなく、REIT(上場不動産投信)に投資している個人もいるだろう。直近では、乱高下が激しい株式のみならず、REITも金利上昇の影響を受けている。 

 REITは投資信託の一種であり、投資先は賃貸不動産、賃貸収入が見込める住宅、産業用施設、オフィス、ホテルなどの不動産。特徴として、上場しているREITは株とほぼ同じような値動きをする、金利に敏感な金融商品だ。金利が上がればREIT価格は下落し、金利が下がれば価格は上昇する。

 長期金利上昇により、REITの分配金利回りとの差(スプレッド)が縮小するとの警戒感から、地方銀行などの機関投資家が買いを手控えていると見られ、東証REIT指数は下落基調が続く。投資家には気になるところだ。

 ただ、景気拡大が本格化していない今の段階で、「長期金利の急上昇」「不動産買入れコスト増」「分配金低下」という流れを意識するのは気が早い気もする。長期金利よりも、来春に予定されている消費税の3%引き上げのほうが不動産市場に与えるインパクトは大きいかもしれない。

 また、アベノミクスが成功して、今後景気との連動性が高い不動産市場が活性化すると考えれば、REITはむしろ最も魅力的な金融商品の1つとなる。先行きは不透明だが、投資家は先入観で動く相場に惑わされることなく、冷静に「売り時」と「買い時」を見定めたいものだ。

個人向け国債の適用金利は大幅上昇
デメリットもメリットも冷静に吟味

 一方、個人にとって手軽で安全な商品と言われる個人向け国債には、追い風が吹いている。6月に募集された個人向け国債の適用利率は、1年以上前の水準まで大幅に引き上げられた。

 個人向け国債の3年物、5年物は固定金利で、10年物は半年ごとに適用利率が見直される変動金利だ。見直しの際に基準となるのが長期国債の金利で、この基準金利×0.66が適用利率となる。

 具体的には、3年物が0.14%、5年物は0.3%、10年物は0.57%。メガバンクの定期預金金利は、3年物0.03%、5年物0.05%、10年物0.15%程度だから、足もとでは個人向け国債のほうがお得と言える。仮に、今後長期国債の金利が上昇基調をたどれば、10年物の個人向け国債の適用利率は上昇していく。

 もちろん、 満期まで金利が変わらない固定3年と固定5年は、金利が上昇しても低い金利しか適用されないため、儲け損なうこともある。また、中途解約して商品を入れ替える場合、3タイプとも購入から1年を経過すれば額面(投資元本)での換金ができるとはいえ、ペナルティとして直前2回分の税引き前の利子(1年分)などに相当する金額を支払う必要がある。

 いずれにしても元本割れをすることはないが、これらの点を資産運用上の微々たる必要コストと捉えるか、それともそれなりのリスクと捉えるかは、人それぞれだろう。

 金利の動きが激しい今、金利と相関性が高い国債に投資して利益を狙う手としては、他にも東証のミニ長期国債先物取引やベア型の債券投資信託などがある。しかしこれらは、個人が投資するには資金面・ノウハウ面などでリスクが高いこと、個人が投資できる商品が限られていることなどの理由から、セミプロならともかく、経験の浅い投資家は手を出さないほうが無難と言える。

 かつて経験したことのない状況下で起きている「異次元の金利上昇」だからこそ、我々は先行きを類推しづらく「異次元の不安」に囚われがちだ。しかし、その水準にもよるが、将来的に景気回復を伴う「良い金利上昇」であれば、心配には及ばない。デメリットをかいくぐってメリットを見つけ出すくらいの冷静な視点で、その動向を見据えたいものである。


06. 2013年6月21日 11:27:00 : e9xeV93vFQ
ドイツと欧州:消極的な覇権国
2013年06月21日(Fri) The Economist
(英エコノミスト誌 2013年6月15日号)

欧州の経済が回復するためには、ドイツが先導し始めなければならない。

 1963年6月、ジョン・ケネディは「Ich bin ein Berliner(私はベルリン市民である)」という言葉で、冷戦の前線に位置する分断された都市に希望をもたらした。あれから丸半世紀。バラク・オバマ大統領がベルリン訪問時に目にするのは、全く違う場所だ。

 統合され、力強く、豊かなドイツは、欧州の覇権国だ。欧州連合(EU)の中核を担う独仏同盟の相手国であるフランスは、弱体化し、統制が取れていない。英国はEU加盟に関する議論に気をとられている。EUでは、ドイツのアンゲラ・メルケル首相の積極的な支持がなければ何も起きない。


ドイツのメルケル首相の積極的な支持がなければ、EUでは何も起きない〔AFPBB News〕

 メルケル首相は欧州の最も優れた政治家だ。困難続きのこの5年間で、メルケル首相は何度も、良い目的のために自身の力を用いてきた。

 だが、首相は生来慎重な女性で、9月には接戦になる可能性がある選挙を控えている。また、本誌(英エコノミスト)が特集記事で明らかにしているように、欧州を主導することを渋る首相の態度は、ドイツ国民の多くが共有している。

 その結果、欧州は大惨事に向かって漂流している。市場は昨年より落ち着いたとはいえ、ユーロ圏の国内総生産(GDP)は縮小しており、失業率は12%を超えている。また、安定した通貨圏に必要な構造の構築は進展が行き詰まり、欧州プロジェクトに対する信頼は衰えている。ドイツが奮い立たない限り、欧州大陸の経済と政情は悪化していく。

歴史その他諸々

 3つの障害が、ドイツがリーダーシップを取ることを阻止している。どれも理解できるものだ。

 最も克服するのが難しい1つ目の障害は、歴史的なものだ。ドイツ語で指導者を意味する「Führer(フューラー)」という言葉でさえ、おぞましい記憶を呼び起こす。2度にわたり欧州を戦争に陥れたことから、多くのドイツ国民は、自国の義務は大きなスイスになることだと考えている。つまり、経済的に繁栄し、政治的に控えめな国である。

 しかし最近、欧州にとっての脅威は、ドイツの過度なリーダーシップではなく、指導力不足にある。ポーランド外相でさえ公然とそう指摘している。また、ドイツには後部座席に座るという選択肢はない。ユーロが崩壊した場合、失うものが最も大きいのは、ユーロ圏最大の債権国であるドイツだ。

 南欧諸国では、緊縮政策はメルケル首相と関連付けられている。その結果、EUへの支持が崩れている。ピュー・リサーチ・センターの最近の調査では、スペイン人の60%、イタリア人の75%、ギリシャ人の78%、そしてフランス人の77%が、欧州統合が自国経済を損ねたと考えていることが分かった。ユーロが崩壊すれば、ドイツが責任を負わされるだろう。

 ドイツがリーダーシップを取ることに消極的な2つ目の理由は、ユーロ危機の最大の原因は南欧の人々の怠惰さであり、彼らがドイツ人と同じくらい生産的だったら、こんな危機は起きなかったという考え方にある。この考えに従うと、解決策は、欧州諸国がドイツと同じくらい勤勉になり、かつ財政的に堅実になることだ。

 こうした見解にも一理ある。過去10年間で、単位労働コストがイタリアで21%上昇したのに対し、ドイツでは5%しか上昇していない。ドイツは南欧諸国が一度も真剣に取り組んでいない痛みを伴う構造改革を断行した。

 スペインはようやく真面目に取り組もうとしているが、イタリアは今でも必要な改革の多くを実施できていないし、フランスは相変わらず現実から目を背けている。フランソワ・オランド大統領は6月上旬、ユーロ危機は終わったと朗らかに宣言した。

 だが、こうした道徳的な見方は、選択的な歴史解釈に基づいている。ドイツは緊縮の時代に南欧諸国が改革を進めることを期待しているが、ドイツが2003年に改革に踏み切った時には、ドイツはユーロ圏の財政赤字規則を破っている。

 また、ドイツの近年の成功はユーロ安によるところが極めて大きく、そのおかげで輸出が急増した。さらに、南欧の人々が盛大に浪費することを可能にした融資の多くは、ドイツの銀行が実行したもので、ドイツの銀行はドイツが資金を負担した救済の主な受益者だった。

盤石ではないドイツ

 また、ドイツの経済は、一見するほど堅調ではない。ドイツは近年、成長を促す改革を事実上一つも行っていない。非現実的なエネルギー政策のせいで、家庭の電気料金はEUの平均より40%も高い。さらに、ドイツの人口は欧州で最も高齢化が進んでいる。ドイツの労働人口は今後10年間で、バイエルン州の全労働者数に相当する650万人程度減少する。

 つまりドイツは、高貴なプロジェクトや慈善行為としてではなく、自国の経済的未来のために、欧州の成功を切に必要としているのだ。

 メルケル首相が欧州を先導したがらない3つ目の理由は、戦術的なものだ。その論理は以下のようなものだ。

 ドイツは後方から導いた方が、多くのことを達成できる。欧州各地で敵意が強まっているため、過度なゲルマン的主張は逆効果になる。さらに、モラルハザード(倫理の欠如)も問題だ。もしドイツが財布の紐を緩める素振りを見せようものなら、南欧諸国は変わることを渋るようになるだろう――。

 そうしたリスクは確かに存在するが、行動を渋る現在のドイツの態度の方が重大な危険をはらんでいる。南欧諸国の大量の失業者の忍耐力は無限ではない。欧州大陸の銀行は依然として不安定だ。漸進主義と対応の遅れは今もまだ、単一通貨の存続自体を脅かしている。

ゾンビに要注意

 ドイツが動きの遅い南欧の人々に改革を迫ろうと思うのは正しい。だが、競争を高めるだけでは、周縁国の経済を蘇らせることはできない。賃金や物価が圧迫されればされるほど、弱小国は債務返済に困難を来すようになる。現在、渋々ながら財政緊縮は緩和された。だが、もっと活気に満ちたメルケル首相は、成長を促す多くの改革を推進できるはずだ。

 メルケル首相は、民営化を促すとともに、南欧での官民投資を増加させるために、大きな欧州変革基金を創設すべきだ。サービス分野の完全な単一市場を支持したっていいだろう。ドイツ国内での投資を促すために、メルケル首相にできることはもっとあるはずだ。

 新しい欧州の構造については、ドイツはそれ以上に消極的だ。ユーロ圏が機能するためには、適切な銀行同盟が必要だ。ドイツは銀行同盟の創設に必要な措置を妨げているが、ゾンビ銀行は各国を長期低迷に陥れる恐れがある。日本人に聞いてみればいい。

 低迷が長引けば長引くほど、最終的にユーロが崩壊するリスクは大きくなる。ドイツが主導権を握って、より団結したユーロ圏を構築すれば、そうした悪循環を断ち切ることができる。

 半世紀前に米国のリーダーシップが脆弱な西ドイツを支えた時、それはドイツ人だけでなく、米国人のためにもなった。今度は、弱い同盟国と自国の利益のために、ドイツが各国を導く番だ。

 

さらば「バーナンキ・プット」

業績相場への移行で日本株に光明?

2013年6月21日(金)  松村 伸二

 ここまで言い切ったのは、かなりの驚き――。

 米連邦公開市場委員会(FOMC)を終えた19日、会見に臨んだ米連邦準備理事会(FRB)のベン・バーナンキ議長に対し、一種の「潔さ」を感じた多くの市場関係者の間から漏れ伝わってきた言葉だ。

 振り返れば、とどまる所を知らなかった株式相場の上昇基調が急ブレーキを余儀なくされたきっかけ。それもバーナンキ議長による同様の発言。米量的緩和第3弾(QE3)の早期縮小への示唆だ。まだ記憶に新しい突然の株価急反落、「5.23ショック」の前日、5月22日のことだった。

 それから約1カ月の間、この米量的緩和が続くのか、それとも「出口」に向かい始めるのかで、市場の思惑は交錯。世界的に株式相場や為替相場が目まぐるしく乱高下してきた。その答えを今回、バーナンキ議長は明確に提示したことになる。

リスク回避、強まらず

 これまで、バーナンキ議長が進めてきた量的緩和は市場関係者の間で「バーナンキ・プット」と呼ばれ、特に株式相場の“強気派”にもてはやされてきた。この造語は、投資家が保有している現物株の価格が下落した際の損失を限定する役目を果たす、デリバティブ取引の「プットオプション(売る権利)」になぞらえた表現だ。つまり、株安になるような景況悪化の局面で、FRBが積極的に資金を市場に放出してリスクを和らげる様を、議長の名を冠して呼んだものだ。その大がかりなリスクヘッジ手段も今後、役目を終えることを意味する。

 バーナンキ議長は会見で、量的金融緩和策に伴う証券の購入策に関し、「年内に購入ペースを緩めるのが適切と考えている」として、「来年半ばには証券購入を終了させたい」と明言した。

 あまりの明確な言い切り方に、ニューヨーク市場は即反応。米金利の上昇を見込んだドル買いが膨らみ、その直前まで1ドル=95円近辺だった円の対ドル相場は一気に2円程度も急落。その後の東京市場を経て、98円台まで円安・ドル高が加速した。

 この動きは、逆に投資家のリスク回避姿勢を招いて円高・ドル安が加速した「5.23ショック」の時とは正反対だ。今回、市場の警戒心は強まらなかった証左と言える。
QEの下でも日本株は長らく底ばい

 一方、米株式相場の反応はと言うと、米量的金融緩和が曲がり角を迎えるとして、いわゆる「流動性相場」の終焉をにらんだ売りがかさんだ。その流れは東京株式市場にも波及し、20日の日経平均株価は200円強の下げとなった。

 とはいえ、終値は1万3014円58銭と、これまで多くの市場関係者が強く意識してきた「1万3000円」の心理的な節目は維持した格好だ。取引時間中、この水準を下回る場面では着実な買い注文が入るなど、相場の底力が確認できたという。

 流動性相場の終焉。このことが、米株式相場を中心とする世界の株式相場を不安定にさせる理由になっているのは確かだ。

 米国がリーマンショックの直後の2008年12月から量的緩和(QE)を開始して以降、ダウ工業株30種平均は右肩上がりで推移してきたことは一目瞭然だ(下図参照)。2010年11月からの量的緩和第2弾(QE2)、そして昨年9月からの量的緩和第3弾(QE3)と、畳み掛けるように供給を続けてきた資金が株価を押し上げてきた構図だ。


 方や、同じ期間の日経平均の動きを見ると、長引く景気の低迷を背景に、底ばいを続けてきたことが分かる。これら日米の株価比較からは、日本が流動性相場の恩恵を受けてきたとは、なかなか考えづらい。

 その日本株が昨年11月半ばから一転して上向き始めたのは、安倍晋三政権による経済政策「アベノミクス」の効果に対する期待が引き金だったことは言うまでもない。当時、野田佳彦前首相による「衆院解散」宣言の瞬間から、アベノミクス相場は事実上、始まった。

 そのアベノミクスの大きな柱の1つは、もちろん、日銀による大胆な金融緩和策、「量的・質的金融緩和」だ。これにより、輸出関連株を援護する円安の進行だけでなく、日米を主軸とする量的緩和競争が流動性相場をさらに演出した形になったことは確かだ。

「海外勢の日本株買いはまだ」

 もっとも、下のグラフを見ると、2009年以降、海外投資家による日本株の買い越しは続いているものの、規模は必ずしも大きくなかったことが読み取れる。それが今年に入ってようやく、わずか5カ月だけにもかかわらず8兆円近くを買い越している。


 とは言うものの、本当に海外の投資資金が日本株に流入しているのか、という疑問はまだ付きまとっているのが実情だ。フィデリティ投信の運用部長、アレキサンダー R.トリーヴス氏によると、「多くの外国人投資家は、実はまだ日本株市場に入ってきていない」という(詳しくは日経ビジネスオンラインで6月10日に配信した「日本株急落は新たな上昇に向けての“地固め”」を参照)。ここで言う「外国人投資家」とは、年金資金といった機関投資家による、比較的まとまった規模の長期投資の資金を指す。

 一方、最近の日本株の海外買い主体について、市場では「ヘッジファンドなど海外投機筋による短期的な資金の流入」との解釈が少なくない。もちろん、こうした短期投機筋がQE3の終焉を先取りし、世界の株式市場からの資金流出を当て込んだ投機的な売りを続ける可能性はある。ただ、日本株は今のところ、アベノミクス効果に対する期待が大きな支えになっていることが、海外の株式市場動向と違う点だということには留意しておく必要があるだろう。

試される「安倍プット」

 世界的に流動性相場が鳴りをひそめるとなると、どうなるか。次に向かうと見られるのは、業績の良い企業を選別して投資する「業績相場」への移行が考えられる。そのことが、かえって追い風に作用する投資先として、日本株がさらにクローズアップされる可能性があるという。

 アベノミクスの究極の目的は、長らく続いたデフレを克服し、景気を押し上げ、日本経済を再生させることだ。そのために安倍政権はすでに、日銀による未曾有の金融緩和策と、機動的な財政出動という「2本の矢」を放った。その次に期待されるのが、足元で具体策を詰めている段階にある第3の矢、成長戦略だ。

 ここまで大規模な景気浮揚策を遂行している中で、国内景気が底上げされれば、内需関連企業を中心に日本全体の企業業績もまだ上向くことが予想される。しかも、これまでの株安局面で、株価が業績面と比較して割安になっている銘柄は海外株に比べれば豊富との見方もある。

 そして、国際的に活躍する輸出関連企業にも追い風は続きそうだ。米量的緩和が縮小に向かうことで、米金利の上昇を伴う円安基調が継続する可能性があるからだ。対ドルで100円程度の円安が安定的に続けば、輸出企業の事業環境は劇的に好転すると見られる。

 こうした日本株を取り巻く環境の妙味が海外投資家に浸透するかどうかは、やはり、これから施策が講じられるはずのアベノミクスの成長戦略の中味にかかっている。安倍政権が構造改革路線を世界に強くアピールできれば、海外から日本への資金の流れは一気に加速してもおかしくないだろう。

 しかし反対に、この成長戦略が評価に値せず、日本の変革を海外勢に印象づけられないようだと、世間の景況感は一気にしぼみかねない。その尻ぬぐいとして、さらなる財政出動や、日銀による国債購入に依存するような状況に陥れば、「悪い円安」を伴って、日本売りを招く恐れもある。

 「バーナンキ・プット」が影をひそめ、日銀の「黒田プット」にも頼り切ることができない今、「安倍プット」ならぬ、アベノミクスの総仕上げのあり方が今まで以上に問われている。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20130620/249995/?ST=print

 


07. 2013年6月21日 23:52:10 : e9xeV93vFQ
緩和縮小計画示す決定「不適切なタイミング」=米連銀総裁
2013年 06月 21日 21:07 JST

ビジネス
上海外為市場=人民元は続落、終値6.1342元
5月粗鋼生産量は前年同月比4.3%増、11年1月以来の高水準=鉄連
韓国、ユニバーサルなどのカジノ運営申請を却下
黒田総裁が21日からスイス出張、BIS総裁会議など出席=日銀

[ワシントン 21日 ロイター] - 米セントルイス地区連銀は21日、19日の連邦公開市場委員会(FOMC)声明に同地区連銀のブラード総裁が反対した件で声明を発表し、総裁は緩和縮小計画を示すとのFOMC決定が「不適切なタイミング」だったとの懸念を抱いていたと明らかにした。

声明は「ブラード総裁は、議長が資産購入縮小に向けたより詳細な計画を示すことを認めたFOMCの決定のタイミングが不適切だったと感じている」としている。

また最近、インフレ率が低水準で推移する中で、FRBが2%のインフレ目標を擁護するという意向をより強く示す必要があったとの見解を繰り返した。

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米FOMC声明、緩和縮小の手掛かり示さず 2013年6月20日
ドル96円後半、米緩和縮小方針で底堅い 2013年6月20日
訂正:米株急反落、緩和縮小めぐるFRB議長発言で下げ幅拡大 2013年6月20日
バーナンキ米FRB議長の会見要旨 2013年6月20日


 

 

 

コラム:「QE縮小相場第2弾」は危機への入り口か=山下えつ子氏
2013年 06月 21日 19:19 JST
山下えつ子 三井住友銀行 チーフ・エコノミスト(2013年6月21日)

世界が注視した18―19日の米連邦公開市場委員会(FOMC)。今回は声明文に大きな変更は加えられず、バーナンキ連邦準備理事会(FRB)議長の記者会見に重要な項目はむしろ集中的に盛り込まれていた。

記者会見の様子を映像で見ていて、議長が冒頭説明後に「これでどうだ」といった表情をしたのが印象に残った。というのは、5月22日に行われた議長の議会証言での「今後数回の会合で量的金融緩和(QE)縮小開始もあり得る」という一言が、その後1カ月にわたる大きな相場調整の引き金を引いてしまったからだ。

議長は19日には、FRBの経済見通しどおりに進めば、今年後半にQEの縮小を始め、来年半ばまでに終了すると説明した。FOMC前は景気認識もQEの継続・縮小に対するスタンスも不明瞭だった。マーケットはハト、タカ入り混じった勝手な憶測で右往左往し、ボラティリティの高まりによって、株式相場やエマージング債相場、そして為替相場が調整の度合いを深めていった。

今回の説明で、QE縮小に対するFRBのスタンスとスケジュール感が明らかになり、そこにマーケットの憶測が入る余地はなくなった。バーナンキ議長はこの点で今回はビシッと決めたと言ってよいだろう。

しかし、憶測の余地がなくなり、それまで右往左往した分、相場が5月22日以前の姿へ戻ろうとしているかと言えば、否である。議長は、1)QEを縮小してもFRBのバランスシートの規模は依然として大きく、長期金利を低水準に抑制する効果は続く、2)QE縮小が利上げに直結するわけではない、の2点にも言及したが、FOMC後、債券相場は下落して金利は上昇、株式相場は一段と下落している。むしろ、QE縮小の方向が明らかになり、改めて「QE縮小相場第2弾」が始まった、という感じである。

米債券市場が近い将来、落ち着きを取り戻す可能性はある。だが、QE縮小開始が近づくと、利上げ開始をも先取りしながら長期金利が上昇することは避けられないだろう。また、FOMC前から始まった一部エマージング諸国の債券・株・為替相場の調整はオーバーシュート気味に継続する可能性が高い。

<新興国の混乱が波及すればQE逆戻りも>

このようなQE縮小相場第2弾は何をもたらすだろうか。米国経済に対しては長期金利の上昇および株式相場の下落が景気回復の勢いを削ぐリスクがあり、一部エマージング諸国には急速な資本流出が為替レートの急降下をもたらし、国内にインフレと景気減速、金融市場の不安定化をもたらすリスクがある。そして、エマージング市場の混乱がグローバルに波及していくというのが最悪シナリオだ。

米国の景気は回復基調にあるとはいえ、低金利を主因とする住宅市場の改善と資産価格の上昇を背景とする堅調な個人消費がけん引役だ。製造業には弱さがあり、また歳出一律削減の影響もあり政府支出はマイナスである。ここで長期金利が上昇すると、米国景気は回復の力を失う。外需はすでに弱いが、エマージング諸国の景気が減速すれば、一段とマイナスの力が加わることになる。まして、エマージング諸国の一角に金融危機が発生すれば、米国も再びQEに逆戻りといったことにすらなりかねない。

5月以降のグローバルな相場の調整は非常に大きく、流動性相場が何らかのバブルを醸成していた可能性を示唆している。バーナンキ議長は記者会見で、QE縮小の影響に留意はするが、それらの市場にはもともと過剰な資本流入があったり、過剰な成長期待があったと考えられる、との見解を示した。そして米国経済が強まれば、グローバル経済にもプラスであるはずだ、と言い切っている。バブル崩壊のコストが米国経済へ大きく向かうことがなければ大丈夫だ、ということなのだろう。

今回のFOMC後、米国の債券相場の下落とエマージング諸国通貨の下落でドルが上昇し、ドル円もそれまでの下落から上昇へ向かっている。QE縮小相場第2弾でのドル円の行方は、米国の債券相場の下落一巡によるドル上昇圧力の剥落、エマージング諸国の通貨下落とドル買いのセットによるドル上昇圧力、およびリスクオン・オフ相場の中での円の上下、といった力関係で作られるだろう。

QE縮小開始まで早くても恐らくまだ数カ月ある。現時点ではFOMCの結果を受けて、米国の債券相場も下落しているが、このまま相場の調整が持続すると、リスクオフの様相が強くなり、米国の債券相場の下落は早晩止まる可能性が高い。ドル円がドル上昇に引っ張られて100円を回復する可能性は十分あるが、その後は方向感を欠く展開になると予想する。

*山下えつ子氏は、三井住友銀行のチーフ・エコノミスト。東京大学経済学部卒。1990―2000年ロンドン駐在エコノミスト、2003年より現職。現在は米ニューヨーク駐在。

 

 

 


 

ギリシャ:民主左派、連立離脱 緊縮策履行困難に 
毎日新聞 2013年06月21日 21時09分(最終更新 06月21日 22時06分)

 【ローマ福島良典】財政再建下のギリシャでサマラス連立政権の一角を占める左派政党・民主左派が21日、緊縮策の一環として公共テレビ・ラジオ放送局ERTを閉鎖した政府の措置に抗議して連立離脱を決めた。これにより、1年前に発足したサマラス政権の3党連立の枠組みは崩壊した。与党はかろうじて過半数を維持するが、政権基盤の弱体化により、緊縮策履行が困難になる可能性がある。

 ERTは公務員数削減のため11日に閉鎖された。最高行政裁判所である国務院が17日、閉鎖を差し止め、放送再開を促す仮処分命令を出したが、放送は止まったままだ。ギリシャからの報道によると、サマラス首相率いる中道右派・新民主主義党と全ギリシャ社会主義運動、民主左派の連立3党は19、20の両日、放送再開について交渉したが、決裂した。

 サマラス首相は交渉で、解雇されたERT職員約2600人のうち約2000人を再編後の新放送局で再雇用する妥協案を提示し、全ギリシャは受け入れたという。だが、民主左派のクベリス党首は拒否、21日の党内協議で連立離脱を提案し、所属議員の支持を取り付けた。

 ギリシャ国会(300議席)で14議席を持つ民主左派の連立離脱により、新民主と全ギリシャの連立与党勢力は153議席となる。サマラス首相は20日、「残りの任期3年をまっとうする」と述べ、早期選挙を回避する考えを強調した。だが、ギリシャ政治の停滞を招いた連立2党に対する国民の反感は強く、反緊縮派野党が勢いを増すのは必至だ。

 財政危機に陥ったギリシャは欧州連合(EU)と国際通貨基金(IMF)から金融支援を受ける条件として緊縮策を進めており、サマラス政権は2015年までに公務員約1万5000人を削減する必要に迫られている。
 
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労基法違反:首都圏大学非常勤講師組合、早大を刑事告発へ
毎日新聞 2013年04月07日 10時25分(最終更新 04月07日 18時31分)


早稲田大学=東京都新宿区
拡大写真
 ◇契約期間に上限「手続き不正」

 早稲田大学(鎌田薫総長)が新たに設けた非常勤講師の就業規則を巡り、制定の手続きに不正行為があった可能性があるとして、首都圏大学非常勤講師組合(松村比奈子委員長)は同大を近く労働基準法違反の疑いで刑事告発する。非正規労働者の契約は5年を超えて働いた場合、期間の定めのない雇用に転換できるなどとした改正労働契約法が1日から施行されたばかり。この法改正で、大学現場では非常勤の契約に新たに上限を設ける動きが出ているという。【東海林智】

 告発状などによると大学側は3月19日の団体交渉で、非常勤講師の就業規則を組合側に初めて提示。上限のなかった雇用契約期間を通算5年とする内容だった。

 労働基準法によれば新たに就業規則を制定する場合、事業主は事業所ごとに労働者の過半数代表者の意見を聞く必要がある。組合側が「全く聞いていない」と反発したところ、大学側は2月4日には過半数代表者を選ぶ手続きを始めたとする文書や同月14日の公示などを示し、手続きは正当に実施したと説明した。

 しかし組合側によれば、同14日は入試期間で非常勤講師は公示場所に立ち入ることができず、その後も手続き文書を見たことはなかったという。代表者選びの投票結果も公表されないことから、告発を決めた。組合から相談を受け団交にも参加した佐藤昭夫早大名誉教授(労働法)は「『違法な手続きだから期間を空けてやり直したらどうか』と警告したのに大学側は強行した。学生時代から50年も関わった母校だが進歩に逆行するようなことをしてはいけない」と話す。

 組合によると、早大では12年時点で専任や専任扱いの教授らが約2200人なのに対し、非常勤講師や客員教授ら非常勤は約4300人。影響は大きいが、大阪大や神戸大も上限5年の実施を検討している。同様の動きは他大でも出ていたが労組の抗議で撤回や凍結したという。

 松村委員長は「正規の2倍にも達する非常勤の貢献を無視する強引なルール変更なので告発する」。早大広報課は「詳細がわかりませんので、コメントは差し控えさせていただきます」としている。


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