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捏造された景気回復とデフレの元凶・・・
http://eagle-hit.com/a/post-4793.html
イーグルヒット管理者 (2013年6月23日 19:00)
日本企業の「三種の神器」は健在−期待の「三本の矢」届かず
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MOPVGI6JTSF301.html
日本経済が昨年リセッション（景気後退）入りする中で、上原洋一氏は自身が経営する同族会社の経費節減に取り組んだ。ただその選択肢には社員の解雇は含まれていなかった。日本の労働法ではそれが経費削減につながるどころか、コストを上昇させてしまうからだ。
ホンダなどの自動車メーカー向けのエンブレム生産などを手掛け、500人の従業員を抱える上原ネームプレート工業で社長を務める上原氏は「ほとんど解雇できない」とし、「アメリカみたいにカットしたり、簡単にできればいいでしょうね」と訴えた。
安倍晋三首相が円安につながる景気刺激策を目玉に据えた結果、ホンダやパナソニック など輸出企業の円建ての売上高は膨らんだ。来月の参院選後は、企業規制の緩和や終身雇用を前提とした労働法から企業を解放するという公約を遂行することが課題になる。
ユーラシア・グループの奥村準参与は、減少する勤労世代を有効活用するための社会セーフティーネットの整備などを伴った採用・解雇ルールの変更により、ライフスタイルを全面的に見直すことが日本には必要だと説く。
競争力回復に向けた人員削減に踏み切りたいパナソニックや富士通などの企業は、安倍政権に対し抜本的な雇用制度改革を強く求めている。1960年代から70年代の日本の高度成長は終身雇用、年功序列、企業内労働組合という雇用制度の三種の神器で支えられた。
硬直的なシステム
パナソニックの大坪文雄会長は４月のインタビューで、三種の神器について「日本の強みを支えてきた経営の形だが、競争上の観点からすると若干固い、柔軟性に欠けるということがある」とし、「グローバル化が強くなり、三種の神器が維持できない部分が出てきている」と述べた。
日本では、赤字が数年連続で続いた場合など一定の条件を満たさなければ、大規模な人員削減を実施できない。警告を繰り返し、それでも甚だしい行為があった場合でなければ解雇できないと、法律事務所ＤＬＡパイパーのアジア地域マネジングパートナー、ランス・ミラー氏（東京在勤）は話す。上原ネームプレート工業は契約社員数の削減で対応した。
ミラー氏は「違法行為や資金着服あるいは非常に劇的な何かがなければ、日本の社員を解雇することはほぼ不可能だ」と言明。「解雇は厄介で非常に高くつき、事業運営上のコストも増える」と述べた。世界経済フォーラム（ＷＥＦ）がまとめた国際競争力リポートによると、日本は解雇・採用の容易さで144カ国中134位となっている。
デフレの原因
大規模人員削減に踏み切れない日本企業はその代わり、コスト削減策として従業員の賃金引き下げを実施、15年に及ぶ物価低下につながった。
日本総合研究所の山田久・主席研究員は、日本でデフレが続いているのは賃金が低下しているためだと指摘。企業が人員解雇で事業を再構築するのが難しいため、賃下げで経費削減を目指すことになると語る。結果として日本の失業率は主要７カ国（Ｇ７）で最低だ。米国が7.6％、イタリアが12％に対し、日本は4.1％。低い失業率の背後には、正社員と同じ保護を受けられない派遣やパートの雇用が増えているという実態が隠れている。
山田氏によると、90年代初めの非正規雇用の割合は約20％だったが、今や３割程度に上る。そのため、男性が正社員として１つの会社に一生勤め、女性は結婚までの数年間働くという従来型モデルが崩壊しつつある。日本社会は男性が正社員となり、家計を支えることを前提に構築されているが、今は共働きの家庭が増えていると山田氏は話す。
正社員の職が少ないため、学校や大学の卒業生の多くはパートや派遣社員とならざるを得ない。こうしたシステムによって若者は安定した職に就くのが難しくなり、スキルを磨く機会が減るほか、今後の経済成長にマイナスの影響がもたらされると山田氏は懸念する。
雇用に限らない
安倍首相は５日、成長戦略の第３弾を発表したが、関連法案の審議を秋以降に先送りしたことから、株式市場では売りが広がった。ＴＯＰＩＸは３日間で6.1％下落した。企業が競争力向上に向けて改革を望んでいるのは労働分野だけではないと、富士通総研のシニアエコノミスト、マーティン・シュルツ氏はみている。
シュルツ氏は「政府が新たな需要動向につながるエネルギーや医療、サービス、農業の改革に力を注げば、労働人口の縮小を背景に企業の間ですぐに人材の争奪戦が起きる」と指摘。「残念なことにこうした改革は実施がさらに難しく、このため企業は労働コストの削減や安易な人減らし策を引き続き好むことになる」と話した。【ブルームバーグ 21日】
この記事は、すでに旧態依然とした雇用形態を崩壊しているがゆえ、安倍政権が打ち出している雇用流動化＝解雇の自由化、準正社員制導入を促がす内容になっている。
そして、長期デフレの元凶が、解雇にコストがかかるがゆえ、賃金カットで広く浅く対応してきたことによる消費減退、需要低迷であることを示唆している。
だが、これも一面的であろう。
失われた２０年、長期デフレの中で、戦後最長と言われた"イザナミ景気"という好況期（02年２月〜08年２月）であったにも関らず、なぜ賃金抑制がおこなわれたのか？ "実体なき景気回復"と言われたように、企業は最高益を上げながら、賃金として還元せず、内部留保を貯め続けたのだ。
それは、株主へ還元するためである。その株主も外資連中である。
ここにデフレの元凶が潜んでいるのだ。
つまり、イザナミ景気という捏造された"景気回復"であり、当時のハゲタカ外資によってもたらされたものであり、景気回復感を与え、"貯蓄から投資"へ促し、その実、日本の投資家からの資金を巻き上げていたのがハゲタカ外資であり、
サブプライムローン破綻とともに日本から資金を引き上げたために"いざなみ景気"は終息した。
この好況期に事業拡大しつつ、増やしたのは派遣労働者であり、いつでも派遣切りを行なる雇用の流動化を行っていたのは周知のことだろう。リーマンショック前から派遣切り問題がクローズアップされ（08年の秋葉原の無差別通り魔事件の社会背景として大きく採り上げられた）、案の定、リーマンショックによって派遣切りが加速するのみならず、自動車、電機メーカーを中心とした製造業は巨額赤字を連発する。
裏返せば、上記記事中に＜赤字が数年連続で続いた場合など一定の条件を満たさなければ、大規模な人員削減を実施できない＞とあるように、大手は大規模リストラができるチャンスを得たのである。
しかも、あたかも金融危機が来ることを想定したかのように内部留保をしこたま貯めていたのだから、売り上げが落ちてもその分、人件費削減で穴埋めし、マスコミには赤字報道を敢えて大々的に報じさせ、"仕方ない"という雰囲気をつくる。
これは、恐慌になればなるほど大手資本が強くなり、中小零細が淘汰されていく構図にもなっているが、先にみた"実体なきイザナミ景気"の縮小版が、アベノミクスの正体といえる。
いずれにしても、もはや終身雇用、年功序列、労組という「三種の神器」は失われており、雇用の流動化は避けられず、解雇の自由化によって、いよいよ失業率は欧米並みの高水準へ跳ね上がっていくだろう。
無論、そこへ金融大惨事が覆いかぶさってくるのだが・・・
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