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UBS銀行最高投資責任者 最悪の場合は日本経済クラッシュも (週刊ポスト) 
http://www.asyura2.com/13/hasan80/msg/592.html
投稿者 赤かぶ 日時 2013 年 6 月 25 日 07:19:59: igsppGRN/E9PQ
 

http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20130625-00000008-pseven-bus_all
週刊ポスト 2013年7月5日号


 安倍首相はサミットから帰国すると「日本の経済政策は各国首脳から評価された」と自画自賛し、東京都議選を有利に戦った。この期に及んでも、7月の参院選までは国民に“株価急落は一時的。アベノミクスで日本は再生できる”と思い込ませようとしている。それで本当に景気がもち直すのであれば、大変結構な話である。

 しかし、国民をいくら誤魔化せても、東京の株式市場を動かす世界の投資マネーが安倍首相の言葉を信じなければ、株価急落も国債相場の乱高下も止まるはずがない。事実、国際金融のプロの見方は、安倍首相の楽観思考とはまったく逆だ。

 日本ではほとんど伝えられていない重大な発言を紹介しよう。さる6月5日、スイスに本拠を置く世界的な投資銀行、UBS銀行のグローバル最高投資責任者アレックス・フリードマン氏は、米国3大ネットワークNBC系列のニュース専門チャンネル(CNBC)に出演し、アベノミクスが日本経済に悲劇的な結末をもたらす危険性をこう警告した。

「資産インフレに経済成長が伴わないスタグフレーションが起きる可能性がある。私たちはハルマゲドンならぬ、“アベマゲドン(ABEGEDDON)”を目の当たりにするだろう。

 そのシナリオでは、投資家が日本の国債をさらに売り払うドミノ倒しが起きる。日本の債務水準が今後も維持できるかどうかに懸念が生じているためだ。日本の借金はGDP比で300%まで上昇し、長期金利は5%に近づくだろう。そうなると金融システムには深刻な打撃が加わり、地方銀行の自己資本が大きく毀損されてしまう」

 そのように「国債暴落」による金利急上昇を予測した上で、「最悪の場合、今後数か月の間に日本経済がクラッシュするかもしれない」と指摘したのである。

 国民にとって恐ろしいのは、予測の内容もさることながら、UBSという巨額資金を運用する投資銀行の最高投資責任者が「日本売り」を勧めていることだ。

 世界の投機マネーは、相手が弱いと見るや容赦なく売りを浴びせて自分たちの利益を稼ぐ。かつての韓国や東南アジアの通貨危機、最近では欧州の金融危機がそうして深まったことは公然の事実だ。フリードマン氏の言葉は、今や日本がそのターゲットにされていることを示している。


 

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コメント
 
01. 2013年6月25日 08:25:20 : nJF6kGWndY

>資産インフレに経済成長が伴わないスタグフレーション

逆に言えば、今までスタグにならず、物価が抑えられていたのが、経常黒字と投機的な円高のおかげだったということで

国内生産力がデフレで破壊されていくのに、無限に財政赤字を拡大できるはずもなく

いつかはインフレ、そして緊縮財政(緩和出口とバラマキの中止)に転じる方が遥かに自然だ

ただし、実際は、途上国のようなハイパーインフレには、まだ大分距離があるだろう


それだけ技術革新による生産性の増大と、少子高齢化による需要減、そして経常黒字の蓄積が大きいということだ



02. 2013年6月25日 08:58:35 : nNPddbW4SY

遠くない将来、団塊の世代も死に絶えるからね(笑)

安物を大量に作るのだけはやめておいた方がいい。

ゴミの山を残してもしょうがない。

ヨ−ロッパの建築に学ぶべき。


03. 2013年6月27日 16:40:45 : niiL5nr8dQ
グレートローテーション遠し、金融機関勢の日本株売り続く 

  6月27日(ブルームバーグ):日本株市場で、国内金融機関の売り越し基調が続いている。海外投資家と並ぶ最大株主の彼らは、アベノミクスの効果に疑心を抱くと同時に、規制によるリスク管理の厳格化にも直面しており、世界的な資金の債券から株式への大移動を言う「グレートローテーション」とは程遠い現実がそこにある。
東京証券取引所が20日に発表した2012年度の株式分布状況調査を見ると、金融機関の保有金額比率は1年前に比べ1.4ポイント低下し、28%と過去最低を更新した。外国法人等の保有比率が1.7ポイント上昇の28%と、6年ぶりに過去最高を記録したのとは対照的だ。
損保ジャパン日本興亜アセットマネジメントの中尾剛也シニア・インベストメントマネジャーは、「資産が目減りしないよう、インフレ率に負けないことを第一に、機関投資家の目標利回りは決まる」と指摘。日本銀行はインフレ目標2%を掲げるが、「それがリアルにイメージされていないからこそ、機関投資家はポジションを変えず、株は上がれば売るという現状にとどまっている」と打ち明ける。
こうした姿勢はフローのデータからも確認でき、東証の投資部門別売買動向で金融機関 は、衆院解散の流れが決まった昨年11月2週からことし6月3週まで、32週連続で日本株を売り越した。この間の累計売越額は6兆1654億円に達する。一方、同期間での海外投資家の買越額は10兆107億円だった。
富国生命保険の山田一郎株式部長は、安倍政権の経済政策である「アベノミクスにより、実体経済が持続的に良くなると信じ切れる日本の機関投資家はほとんどいないのではないか」と言う。過去の政権がことごとく経済を本格的に立て直すことができず、「疑心暗鬼は強い」ため、アベノミクスに期待し「ポートフォリオを変えるのは、非常に難しい」と同氏は見ている。
ソルベンシーマージン、バーゼル3
生保・損保や銀行の株式保有削減は、国際的に財務の健全性が求められる中、規制強化や会計制度の変更を受け、リスク性の高い資産の株式保有を圧縮する動きが背景にある。生・損保業界では、財務の健全性を示すソルベンシーマージン比率の算定基準が12年3月末から厳格化、国内株式の価格変動リスクに当たるリスク係数が10%から20%へと倍増した。金融庁はこの規制をさらに見直し、経済価値ベースによる算出への移行を見据える。同庁の長岡宏幸・保険財務会計基準専門官は、「国際的な動静がまだ不透明なところもあり、具体的な方向性は出ていない。現時点では厳しくなるとも、緩まるとも言えない」としている。
先行きが不透明な中、厳しい財務規制が導入された場合のソルベンシー比率の低下を避ける狙いもあり、多くの生・損保は株式残高の圧縮を続ける方針だ。大手生保各社の13年度運用計画によると、国内株残高は日本生命が横ばいか減少、明治安田生命が減少、第一生命 が微減、住友生命が横ばい。横ばいとする富国生命では、「ポートフォリオに占める比率は変えず、銘柄入れ替えに徹している」と山田氏は言う。
銀行は、国際的な自己資本比率規制「バーゼル3」が13年から段階的に適用、19年の完全導入まで6年間の移行期間が設けられている。「バーゼル3」では、自己資本の定義を狭めて質をより重視する半面、大方の資産のリスクウエートを引き上げており、多くの銀行にとって自己資本比率の維持・向上へ、リスクの高い株式売却は選択肢に入る。
国内最大級の地銀である横浜銀行 は4月発表の中期経営計画で、市場運用でのリスク・リターン向上を掲げ、リスク資産を12年3月期の約1000億円から16年3月期には約4500億円まで増やす方針を示した。しかし、増加分の多くは外債や国際分散投資、不動産投資信託(JーREIT)。同行経営企画部・広報の祓川崇氏は、「国内債券の代替としては変動リスクなどを考慮すると、日本株よりは海外債券になる。リスク分散の上でも海外資産に投資した方が好ましい」としている。
12年度株式保有比率の金融機関の内訳は、生保が前年度比0.2ポイント低下の4.1%と5年連続、都銀・地銀等が0.1ポイント低下の3.8%と4年連続、損保が0.2ポイント低下の1.6%と5年連続でそれぞれ低下し、いずれも過去最低となった。年金基金などの動向を反映する信託銀行も、前年から比率を下げた。
キャッシュアウト
大和証券投資戦略部の熊沢伸悟マーケットアナリストは、金融機関の売り越し基調は当面続くと予想。銀行は「市場動向を見極めながら、中長期的に政策保有株式を減らす全般的な傾向がある」とし、都銀・地銀はことしも「昨年と同程度の額を売ってくるのではないか」とみる。公的年金や企業年金も、給付のために積立金の一部を取り崩す「キャッシュアウト」をしなければならない状況で、年金から運用を委託されている信託銀の売りも続くと分析する。
昨年12月末時点で約112兆円を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は7日、運用資産の基本ポートフォリオ比率の見直しを公表した。国内債券の比率を従来の67%から60%に引き下げる一方、国内株式は11%から12%に上げたが、大和証の熊沢氏は、国内株について「引き上げ幅が1ポイントというのは物足りない」と言う。
さわかみ投信の沢上篤人会長は、機関投資家の先行きについて「買い主体としての再登場はないだろう」とみている。もっとも、「持ち合い解消売りはほぼ出尽くした。ソルベンシーマージン規制や自己資本比率規制に対応した金融機関の売りも緩やかに続くのであって、相場が崩れる性質のものではない」との認識だ。
記事に関する記者への問い合わせ先:東京 河野敏 skawano1@bloomberg.net;東京 岩本正明 miwamoto4@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先:Nick Gentle ngentle2@bloomberg.net
更新日時: 2013/06/27 16:14 JST


 


 


コラム:デフレ通貨は買いか、ユーロの「円」化という仮説=唐鎌大輔氏
2013年 06月 27日 15:12 JST
唐鎌大輔 みずほコーポレート銀行 マーケット・エコノミスト(2013年6月27日)

ユーロ相場の焦点は、緊急性の高い「欧州債務問題」から緩慢な不安を誘う「ぜい弱な実体経済」へとシフトした感が強い。これにより相場急落は想定しにくくなったとの見方もできるが、昨今のユーロの意外な底堅さは「為替市場の不可思議」として多くの市場参加者が共感するところではないか。

振り返れば、2009年末に欧州債務問題が浮上し、10年6月にかけて第一次ギリシャ・ショックを経験する中でユーロドルは急落したが、それでも史上最安値(0.8225)から4割ほど高い1.1875でとどまった。その後も断続的に対象国を変えて混乱が生じつつも、再び1.20を割り込むことはなかった。

足元でも、ユーロ圏の実体経済は日米欧三極の中で明らかに最悪だ。いったいなぜユーロは底堅さを保っていられるのだろうか。

<ユーロに適用される円の経験則>

欧州当局者などと意見交換をした結果、筆者が辿りついた一つの仮説として「デフレ通貨は買い」という長らく日本円に対して適用されてきた理屈がユーロにも当てはまり始めている可能性を指摘したい。つまり、ユーロの「円」化が始まっている可能性である。

繰り返しになるが、ユーロ圏の実体経済は最悪である。若年層を中心として域内労働市場は悲惨な状況に陥っており、失業率が早晩反転してくるような兆しはない。もはや、「ユーロ導入以来、最悪の失業率更新」は毎月恒例のヘッドラインと化している感もある。この点、着実に失業率が改善している米国とは対照的であり、それだけに1.30前後で推移するユーロドル相場の堅調さには違和感を覚える向きも多いはずだ。

そうした実体経済を反映してユーロ圏HICP(総合消費者物価指数、以下CPI)は前年比1%台前半で安定推移しており、最新5月分は4月の同1.2%から同1.4%へ上昇幅が若干拡大しているものの、それでも前年同月から1.0―1.5ポイント程度の落ち込みが常態化している。

昨年は悲惨指数(失業率とインフレ率の絶対値を足した数値)の高まりが「欧州中央銀行(ECB)の手詰まり感」の象徴として注目されたが、実体経済の弱体化に沿ってインフレ率が下がってきたことで悲惨指数もピークアウトしている。なお、ユーロ圏生産者物価指数は断続的にマイナス圏に沈んでおり、経済の上流ではすでにデフレの兆候が見受けられる。

こうした物価情勢を踏まえると、ユーロドルが「物価が下がる状況では通貨の購買力が高まる」という購買力平価説に則った動きをしても不思議ではなく、それはすなわちユーロの「円」化を意味する。

もちろん、そのようなディスインフレ傾向は米国を含めた世界的な現象であり、ユーロ圏の物価だけが突出して下がり続けているわけではない。足元で、米国のCPIや個人消費支出(PCE)デフレーターもユーロ圏と同等(もしくはそれよりやや遅い)ペースで下落しているため、ユーロの購買力が一方的に高まるようなインフレ格差は、今のところ、生じていない。だが、それはあくまで「今のところ」の話である。

今や米国経済とユーロ圏経済は世界経済の「明」と「暗」と言えるほど格差が生じており、ユーロ圏の物価先安感が米国のそれよりもはるかに強そうであることに関し異論は少ないだろう。「デフレ通貨は買い」という経験則は円相場の歴史が体現してきた通りであり、ユーロ圏が今後長期間にわたってデフレ局面に入っていくと仮定すれば、途中で振れはあるにせよ、思いのほか、底堅いユーロ相場が続く可能性もある。

<ユーロドル「1.20」の持つ意味>

振り返れば、金融危機後のユーロドルは「1.20」を一つの下値目途としつつ、それを割り込んだことは10年6月の数日間だけだった。12年7月も1.20割れをうかがう時間帯があったが、結局は割れずに守りきった。

この「1.20」はCPIベース(99年1月基準)で算出したユーロドルの購買力平価そのものであり、長らく下値抵抗線として機能してきた。これは購買力平価説に絡めてユーロの「円」化を考える上で興味深い事実だ。ユーロドルが購買力平価を明示的に下回っていたのはユーロ導入直後の5年程度であり、それ以降は購買力平価に比べて過剰に評価された水準が常態化してきた。

今後、ユーロ圏のディスインフレ傾向が強まる一方、米国経済のインフレ率が徐々に高まってくることを前提とすれば、ユーロドルの購買力平価は徐々に切り上がることになる。その場合、「下値は購買力平価」との経験則が意識される中でユーロ相場が予想を超えて堅調に推移する可能性はある。

こうしたユーロの「円」化シナリオがすでに意識されているかは定かではないが、実際、ユーロ相場を支えるような資本フローは慢性的に確認できる。ユーロ圏国際収支統計を用いて、ユーロ圏の対内・対外証券投資及び両者をネットアウトした資本純流出入を調べてみると、金融危機以降のユーロドルの動きは、概ね資本純流出入の趨勢と平仄(ひょうそく)が合ってきた印象が強い。

興味深い事実として、1)対内証券投資が常時、高い水準で純流入していること、2)対内証券投資が細る「悲観の極み」とも言える時期でも対外証券投資が処分(流入)超になり、レパトリ(資金還流)主導で純流入が保たれてきたことが指摘できる(たとえば、リーマンショック直後の08年下期などがそうした動きだった)。

結果、ユーロ圏の証券投資に係る資本フローが純流出となったのは07年以降でも稀であり、イタリアに焦点が当たった11年11月からスペインの金融支援要請やギリシャ債務の民間債権者負担(PSI)そしてギリシャ総選挙やそれに絡んだ同国のユーロ離脱が取りざたされた12年5月頃までの約半年間に限られる(その期間のユーロドルは確かに1.20割れ直前まで下落した)。それ以外の期間では対内証券投資の買い越し、もしくは対外証券投資の売り越しという形で資本純流入が確保されてきた。

<欧州債務危機という「コップの中の嵐」>

ユーロ圏から資金が流出していないとするならば、南欧諸国やアイルランド、すなわちPIIGS(ポルトガル、イタリア、アイルランド、ギリシャ、スペイン)から資金が流出し、国債利回りが危機的水準まで上昇したことはどう理解すれば良いか。これは単純に「ユーロ圏国債の間で資金の付け替えが行われただけ」という仮説が有力だろう。

国際通貨基金(IMF)公表のデータによれば、PIIGSへ投資されている海外保有分債券のうち、70%超がユーロ圏による保有分である。つまり、PIIGSに投資されている海外保有分債券といっても、純粋にユーロ圏外で保有される分は少ないのが実態ではないかと推測される。

たとえば、ギリシャ国債やスペイン国債を売却してドイツ国債へ戻す動きは、ギリシャやスペインから見れば海外投資家のキャピタルフライト(資本逃避)に映るが、為替市場の観点からは単なる域内資本移動であり、ユーロ相場への影響はない。北海道債を売却して、東京都債を購入しても円相場には影響がないのと同じである。

PIIGSの海外保有債券の70%超が域内原資で賄われていることを考慮すれば、債券市場の混乱に乗じて危機的状況が喧伝された割にはユーロ相場が下がらなかったことの辻褄(つじつま)は一応合うのではないか。つまり、一連の欧州債務問題をめぐる混乱はユーロ相場にとって「コップの中の嵐」に過ぎなかった可能性がある。

「売る円」を保有している機関投資家を筆頭とする日本人が本格的に円売りに踏み込まなければ、基調的な円安にならないことは過去の寄稿でも述べさせて頂いた。ユーロ圏もこれと似通っており、圏内居住者が本格的にユーロ売りに踏み込まない限り、基調的なユーロ安には至らないのではないかと思われる。

それはつまり、ドイツがストッパーに成り得ない状況であり、文字通り、ユーロが瓦解するようなタイミングだろう。筆者はそこまでのシナリオは考えていない。

現段階ではユーロ圏と米国のインフレ率に顕著な格差が生じておらず、購買力平価説に則ったユーロの「円」化はあくまで仮説である。だが、底の見えない労働市場の悪化に加え、慢性的に下がり続ける域内の不動産価格をかつての日本と重ね合わせる向きも見られ始めており、だとすれば域内の金融システム不安もどこかで再燃する恐れはある。

こうした点を踏まえると、ユーロ圏と米国との間に無視できない物価格差が今後生じても不思議ではない。今後、ユーロ相場の中長期見通しを考える上では「実体経済が駄目だから下落」ではなく、「実体経済が駄目だから底堅い」という発想もある程度持つ必要があるのかもしれない。その上で下値目途を示すとすれば、まずは購買力平価の支持する「1.20」を据えておけば良いのではないか。

*唐鎌大輔氏は、みずほコーポレート銀行国際為替部のマーケット・エコノミスト。日本貿易振興機構(ジェトロ)入構後、日本経済研究センター、ベルギーの欧州委員会経済金融総局への出向を経て、2008年10月より現職。欧州委員会出向時には、日本人唯一のエコノミストとしてEU経済見通しの作成などに携わった。2012年J-money第22回東京外国為替市場調査ファンダメンタルズ分析部門では1位。

 


 


 

コラム:金融市場の「流血事態」は1994年より2003年に類似
2013年 06月 27日 12:50 JST
By Agnes T. Crane

[ニューヨーク 26日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 最近の金利の急騰が約20年前に起きた事態の再現にならないかと、銀行関係者たちが思いを凝らすのは賢明なことだ。だが金融市場で起きている「流血の事態」は1994年よりも2003年に類似しており、格好の比較対象といえる。

当時も米連邦準備理事会(FRB)が金融緩和の終了を示唆した時に市場は怒りを爆発させたが、長くは続かなかった。重要なのはすべてが吹き飛ぶようなことは決して起きなかったという点だ。

多くの人が03年のことについてあまり記憶していないが、当時と今日の類似点は見過ごすことはできない。当時のFRBも景気を回復軌道に乗せる使命を負い、短期金利を引き下げた。まだ理事の1人にすぎなかった現在のバーナンキ議長は、必要に応じた景気下支えの手段として債券購入プログラムも議論の俎上に載せた。しかし、03年6月にFRBが実施した政策金利の引き下げは事前予想を下回る小幅なものにとどまり、これ以上緩和を進めない意向が示唆された。

当時の投資家にも現在のような動揺が起きた。指標となる米10年国債利回りは6週間で100ベーシスポイント(bp)以上跳ね上がるとともにスプレッドは拡大し、海外市場に激震が走った。

トムソン・ロイター傘下のリッパーによると、当時は米国債を組み入れた投資信託から5週間で総資産額の1.4%に相当する100億ドル以上の資金が流出。これは今年6月19日までの3週間の流出額の対総資産比率(0.9%)を上回る。それでも当時の投資家たちは間もなく事態に適応し、マーケットは落ち着きを取り戻した。10年債利回りも最終的に下落に転じている。

2013年に話を戻すと、ゼロ近辺で推移してきた日米の短期金利を含めて、まだしばらくは金利が上がるかもしれない。国際決済銀行(BIS)によると、世界の中央銀行のバランスシートは過去6年でさらに10兆ドル拡大している。これだけの規模と期間にわたり各国が実施してきた異例の金融緩和策により、資産価格に歪みが生じた。正常な価格にたどりつくまでに極端に逆方向に動くこともあるだろう。

要するに、量的緩和の終了期限を区切ることでバーナンキ議長はグローバルな金融システムのリセットボタンを押したのだ。状況が今より悪化する可能性はあるが、03年に起きた事態を振り返ると、少なくとも市場が痛ましいほどの損失を被らずに調整できるという希望は抱くことができるだろう。

*筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。

 


 


 

EU財務相、銀行破綻処理の損失負担ルールで合意
2013年 06月 27日 13:08 JST
[ブリュッセル 27日 ロイター] - 欧州連合(EU)財務相は27日未明、7時間に及ぶ協議の末、銀行の破綻処理費用の負担方法をめぐる新たなルールで合意した。銀行が経営破綻した場合、株主、債券保有者、10万ユーロ(13万2000ドル)を超える預金者に対して損失負担を求めることが新たに規定される。

オランダのダイセルブルーム財務相は「われわれは初めて、納税者を保護するための重要なベイルイン(破綻した銀行の株主と債券保有者に最初に損失を負担させる方法)で合意した」と述べた。

新ルールで、預金者は預金を失わないとしてきた欧州のタブーが破られる。ただ、各国は破綻した銀行の債権者に損失負担を求める時期と方法の決定において若干柔軟性が認められる。

ドイツのショイブレ財務相は会合後、「新ルールは世界の他の投資家に対してと同様、ドイツの預金者にも影響する可能性がある」と述べた。

ユーロの存続を脅かすほどユーロ圏全域に拡大した金融危機で、欧州の納税者は不本意ながらも多額の銀行救済費用の負担を強いられてきた。EUは2008─11年のあいだ、域内総生産の3分の1に相当する額を域内銀行の救済に充て、税金を投入してきたが、危機の封じ込めには至っていない。

今回の合意で、3月のキプロス支援で使われた預金者に損失負担を強要する手法がどこでも適用される可能性がある。

新たなルールは2018年までに実施され、各国には銀行の負債の最大8%に相当する損失の分配が義務づけられる。

フランスのモスコビシ経済・財務相は、欧州安定メカニズム(ESM)をユーロ圏の銀行救済に使えるようにすべきとする同国の主張に欧州の財務相が合意したことを示唆した。同相は記者団に「これによりすべてが一貫性を持つ」と述べた。

欧州は今後、ユーロ圏の銀行の監視と支援を一元化する「銀行同盟」という次の議論の柱に移ることができる。

ただ、厄介な問題が待ち受けている。特に、経営難の銀行の閉鎖や再編の最終的な決定権を各国が有するべきか、それとも欧州の一元化された監督機関が有するべきか、という問題だ。

当局者によると、EUの行政執行機関である欧州委員会は、この「執行役」を担う新たな機関について、早ければ来週にも提案を行う見通し。

ブリュッセル拠点のシンクタンク、ブリューゲルのニコラス・ベロン氏は、銀行再編の決定がどのようになされるかという最も重要な協議はまだ始まっておらず、欧州が団結していると語るのは時期尚早、との考えを示した。

 


 


 

ドル97円後半で変わらず、海外短期筋はロング再構築へ
2013年 06月 27日 16:21 JST
[東京 27日 ロイター] - 午後3時のドル/円は前日のニューヨーク市場午後5時時点からほぼ変わらずの97円後半。半期末を控え、投資家の動きは鈍く、方向感に乏しい展開となった。

日経平均株価は堅調に推移したが、上海総合株価指数は一時マイナス圏に転落するなど、投資家のリスク選好は盛り上がりに欠けた。相場のけん引役として期待されている海外短期筋は打診買いを入れ始めたものの、相場を押し上げるまでには至っていない。

<短期筋はロング再構築>

午後3時までのドル/円は97.56─97.87円の狭いレンジで取引された。半期末を控え、積極的な売買は手控えられた。「日米金融政策のビッグイベントを消化し、週末、月末、半期末を前に(投資家が)動く意欲をなくしている」(三菱UFJモルガン・スタンレー証券チーフ為替ストラテジスト、植野大作氏)という。

日経平均株価の上げ幅は300円超となったが、上海総合株価指数が一時マイナス圏に転落する中で、円売りの動きは限られた。輸出企業のドル売りも散見された。

このところドル/円は方向感がつかみにくくなっているが、市場では、やや長い目でみれば日米金融政策のスタンスの違いから、ドル高/円安基調に変わりはないとの見方が目立つ。

ある大手邦銀関係者は「米緩和縮小時期をめぐっては、強い数字が出れば前倒し、悪い数字が出れば先延ばしの思惑が出るだろうが、バーナンキ米連邦準備理事会(FRB)議長が言った年内スタートというのがやはり目線だ。であるなら、基本はドル高でいいだろう」と話していた。

こうしたなか、相場のけん引役として期待されている海外短期筋は米緩和縮小をにらんで打診買いを始めている。別の大手邦銀関係者によると、輸入企業の買いが97円近辺に控えていることから、一部短期筋はその下の96.90円付近にストップを置いてロングを再構築しているという。

もっとも「月末なので、本気になって買う雰囲気ではない」といい、この結果、98円に乗せてくると利食い売りが入るため、こうしたフローも方向感を見えにくくしている一因になっている。

三菱UFJモルガン・スタンレー証券の植野氏は「ドル/円は日米要因だけをみると、基本は上方向だとみているが、唯一気がかりなのが上海の状況だ」と指摘。その上で「現状のドル/円は新興国リスクで重くなっているとみるのが正しいのか、単に期末だから動意がなくなっているのか、7月第1週以降の動きがリトマス試験紙の役割を果たしそうだ」との見方を示した。

(ロイターニュース 志田義寧)

 


 


 

増税が米経済成長にブレーキ、消費伸び悩みGDP下方修正 

  6月26日(ブルームバーグ):1−3月(第1四半期)の米経済成長率は、給与税引き上げによる個人消費への打撃がこれまでの試算よりも大きく評価されたため下方修正された。
米商務省が26日発表した第1四半期実質国内総生産(GDP、季節調整済み、年率)確定値は前期比1.8%増と、改定値(2.4%)から下方修正された。個人消費 は2.6%増と、依然として2年ぶりの高い伸びながら、先月発表の改定値(3.4%)から下方修正された。
給与税率の2ポイント引き上げで所得が4年余りで最大の落ち込みとなった中、米国の消費者は休暇や法律助言などに関するサービスへの支出を減らした。ただ、労働市場の改善や住宅価格の上昇が消費者信頼感 を下支えしているため、エコノミストは年後半の成長回復を予測している。
JPモルガン・チェースのエコノミスト、ダニエル・シルバー氏は「個人消費の大きな落ち込みは見られない。これまでの試算よりも弱かっただけにすぎない」と述べ、「住宅セクターの回復は続くだろう。全体的な成長は年後半に強くなる」と予想した。
成長率の下方修正を受けて米連邦準備制度理事会(FRB)が債券購入の縮小を先送りするとの観測が広がり、米国の株・国債相場は上昇した。S&P500種株価指数は前日比1%高の1603.26で終了。10年物米国債利回りは2.54%と、前日の2.61%から低下した。
原題:Tax Bite Curbs U.S. Growth With Consumer Spending: Economy(1)(抜粋)
記事に関する記者への問い合わせ先:ワシントン Shobhana Chandra schandra1@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先:Chris Wellisz cwellisz@bloomberg.net
更新日時: 2013/06/27 09:26 JST


04. 2013年6月27日 18:16:21 : niiL5nr8dQ
Vol.293:肝心なこと:国債保有のリスクと予想される行動>

テーマの領域: 株、債券、通貨、実体経済
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バックナンバーはHPで: http://www.cool-knowledge.com/
(過去の有料版も、抜粋し載せています)

 著者への感想等    ⇒ yoshida@cool-knowledge.com 
  著者:Systems Research Ltd. Consultant 吉田繁治  

昨朝は室内からも雨足が立つ音の聞こえる強い雨で、豪雨の被害が
案じられました。最近の天候も、経済のようにゆき過ぎます。too
muchです。

中国の、銀行間金利が、異常に高くなっています。3%台だったも
のが、6月には突然、10%を超えています。

▼中国の金融崩壊

銀行間金利は、今日の資金に余剰が出れば、銀行がオーバー・ナイ
ト(1日)で貸し、不足なら借りるものです。

英国の不正問題が解決していないLIBOR(ライボー:London Inter B
ank Offered Rate )に当たるものです。日本ではTIBOR〔タイボ〕
で、もっとも低い金利です。過去は、電話でやりとりするのでコー
ルレートと言われていました。

現在、
・LIBORは翌日もので0.0886%、6ヶ月もので0.2286%です。
・TIBORも1週間もので0.11%、6ヶ月物で0.28%と低い。

中国の銀行間金利の、不意の高騰は、金融機関の大型倒産、つまり、
払うべきものの決済での不能を意味します。推測すれば、高騰して
いた不動産の融資での、数兆円規模の決済不能です。

中国は、政府によるマネー投入で、2年は先延ばしになっていた不
動産バブルが崩壊する時期に直面しています。

〔400兆円のバッド・ローン〕2011年に、実態では不動産バブルの
崩壊があった。不良債権は巨大で、400兆円と推計されています。
対策は人民銀行が元を刷り、決済に不足する銀行に貸すしかない。

政府が監視できていなかったシャドー・バンキング(影の銀行)の
不良債権が多いと言われます。銀行が子会社や基金を作り、高い金
利で、リスクの高い貸し付けをしたものです。

米国の金融危機を生んだサブプライム・ローンと、金融工学を使う
方法は違っても質は同じです。シャドー・バンキングの決済不能は、
親銀行の破産と同じです。10%を超える銀行間の金利は、異常に高
い・・・

中国の銀行システムの崩壊です。人民銀行がマネー印刷します。対
外的には、問題はない。しばらくすれば何ごともなかったように落
ち着くでしょう。

〔その後のGDP〕ただし、その後、投資が減るため、経済成長は数
%は下がります。日本・米国は不動産ローンの不良化で、欧州は南
欧債の信用不安からの金融危機でGDP成長が、数ポイント下がって
います。

7%台に下がったと言われるGDP成長も、実際は3%台に落ちたとい
う観測もあります。中国の発表は、こうした面で信用がない。

〔輸出減の問題〕中国の経済成長の急落は、GDP(国内総生産)の3
5%以上を占める輸出($1.9兆:190兆円:2011年)の急減による
ものです。GDPの総額は日本とほぼ同じですが、その中の輸出は日
本(73兆円:13年3月)の2.6倍もありました。

外需先(1位:欧州、2位:米国)の景気が後退すると輸出額はブ
ル・ウィップ効果で、何倍も減ります。例えばスペインの、ファッ
ション店(ZARA:低価格コーディネートのザラ)の店頭で10%売上
が減ると、過去の仕入結果の在庫が残るため、仕入は急減します。

〔ブル・ウィップ効果〕ZARAの、中国の生産委託工場への発注は、
30%や50%も減ってしまう。ブル・ウィップは牛へのムチです。手
許(消費)が少し動くと、先(生産)は大きく波打つ。サプライ・
チェーンで言われる、小売倉庫(DC:ディストリビューション・セ
ンター:店頭への供給倉庫)からの工場への発注がこうなる。

〔三角貿易〕米欧、中国、日本は三角貿易の関係です。パナソニッ
クやソニーも、日本から部品や部材を輸出し、中国の自社工場で組
み立て、欧州や米国に輸出しています。

〔外資系が輸出の70%〕このため、これらは中国の輸出というより、
実際は、日本の輸出です。中国内の工場は、中国のGDPです。輸出G
DPの急減は、日本の中国輸出の減少です。中国の景気は、日本にと
って肝心でした。中国の輸出の70%は、外資系企業のものです。

〔株価を決める次期純益〕円安(昨年比20%:2013年平均予想 95
円水準)で、わが国上場製造業の、次期純益が55%増加し、次期純
益の増加予想から、PER15倍(次期予想純益の15倍)で計る株価も7
0%は上がっていましたが、中国のため今日の梅雨のようになって
きています。

▼再び、危機に向かう欧州経済

昨年の秋、ECB(欧州中央銀行)による、無制限の南欧債の買いの
宣言のあとしばらく、市場では、南欧債を買い戻す動きが見られま
した。

ギリシア、スペイン、ポルトガル、イタリアの国債価格が回復し
(長期金利は5%台に下がり)、危機は落ち着いたと言われていた
欧州が、半年の時間をおき、再び、怪しくなっています。

(注)もともと南欧債の危機、財政危機から回復していなかった。
欧州も、当局の発表は中国に似ています。

〔回復の実相〕米国も欧州も、国をあげての金融危機に対し、中央
銀行がマネーを増発して貸す、あるいは下落した不良債権を額面で
買い取って支援するという方法で、表面を塗り固めた回復でした。

米国FRBは$3兆(300兆円)を、欧州ECBは3兆ユーロ(390兆円)を
使っています。米欧で、合計690兆円です。金融支援は08年9月の
リーマン危機からですから、すでに5年です。

なければ、世界恐慌でした。ただし、中央銀行のマネーで先送りさ
れた危機は、先送りだけのことです。

その間に、経済が、言い換えれば金融機関と企業が、売上と利益を
回復することがなければならない。これが、米欧ともこれができて
いない。ここが問題です。このため、繰り返す危機になる。

〔FRBによる住宅資金の大量投入〕米国では、2012年9月からの量的
緩和第三段(QE3)で、FRBは、毎月$400億(4兆円)のMBSを、40
%下がった市場価格ではなく、額面金額で買い、住宅金融にマネー
を贈与し続けています。

(注)MBS:多くの住宅ローン(原資産)を混ぜて、その回収権を
資産にしたデリバティブ証券。これによって米国住宅ローン資金が
提供されが、リーマン危機の以来、AAA格のものでも60%に暴落し
ていた。

年間ベースでは、48兆円という巨額マネーの投入です。3000万円の
住宅で言えば、160万軒分(米国の新築の3年分)に相当します。

FRBが、昨年9月から与えてきた住宅資金のお陰で、住宅市場で160
万軒の、FRB特需が起こって、米国の住宅価格(ケースシラー指数
:全米20都市の平均指数)は、13年4月で前年比12%も上がってい
ます。再びのバブルです。

このため、FRBのバーナンキ議長は、「量的緩和(QE3)」を停止す
る予定を、毎月、仄(ほの)めかしています。

〔$850億/月〕QE3は、毎月、米国債を$450億(4.5兆円)購入
し、額面の60%に下がっていた住宅ローン担保証券(MBS)を$400
億(4兆円)、額面で買ってきました。年間で$1兆(100兆円)の
マネー増発であり、

QE1,QE2、QE3とリーマンショック危機直後の、マネー増発を続け
てきました。危機対策を、いつまでも続けるのは、ドル信用の問題
になって無理です。

〔メッセージ〕ベーナンキの含意は何か? はっきりしています。
米国FRBは、$3兆のマネーを増刷した。これ以上の増刷を続ければ、
基軸通貨ドルへの不信が起こり、世界から、ドル国債が売られる恐
れがある。そうすると、貿易の急減から世界は恐慌を招くかも知れ
ない。

米国の金利は2.3%が、4%、5%と高騰し、ドル国債は下落し、ド
ル安になる。・・・そこで日銀。

●FRBのあとを埋めるため、2013年からは日銀が、円国債を買い、
ドル国債も買って、円を増発してください・・・というメッセージ
です。

最近の、欧州の経済指標を見てみましょう。
26%という恐慌に近い失業率の高さに、驚きます。

直近の 株価
失業率 GDP成長 長期金利 2013年
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
スペイン 26.8% −2.0% 4.6% −11%
ギリシア 26.8% −0.3% 10.3% +1%
イタリア 12.0% −2.4% 4.3% −1%
フランス 11.0% −0.4% 2.1% +5%
ドイツ 6.9% −0.3% 1.6% +8%
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
比較:日本 4.1% +0.4% 0.8% +27%
米国 7.6% +1.8% 2.3% +15%
中国 4.1% +7.7% 3.3% −6%
中国 (20%) (+4%)← 推計(真の姿)

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
〔英エコノミスト誌13.06.22:巻末統計より作成〕

スペインとギリシアの失業率は、26%台です(!)。

実態は35%付近です。職を求める活動をあきらめると、失業者では
ないからです。これは日米欧に共通です。中国の失業は、もともと、
1年前から20%でしょう。

南欧の経済は、失業率から見て恐慌の状態です。日本は、賃金が伸
びなくても(減っても)失業率は4.1%で、世界最低レベルに低い。

このため公的失業率が10%(フランス、イタリア)や20%以上(ス
ペイン、ギリシア)の、経済や生活が想像できない。ひどいもので
す。希望がある・ないというレベルではない。日本では見られるそ
ういう問いかけすら、起こらない。

しかし、失業や病気のときの、社会保障のレベルが欧州は高い。食
べられないという困窮は少ない。このため政府の財政赤字が、後で、
問題を大きくします。

イタリアのGDPのマイナス2.4%は、スペインを追い、ひどい状態
に向かっていることを示しています。

〔フランスも・・・〕以前、週刊Economist誌(ロンドン)は、201
3年は、欧州の大国フランスが、経済危機に向かうと予測していま
したが、フランスは、イタリアに似てきました。

欧州が「ひどい状態に向かっている」ことが、中国の輸出が急減し
て中国のGDP成長を大きく減速させ、関連して、円安の日本の輸出
数量を増やさない原因です。

欧州のデータは、昨日より今日、今日より明日が悪くなっています。

日本は、昨年からのアベノミクスによる株価上昇(5月23日まで)
に、意識が紛(まぎ)れて、世界を見ていなかったようです。

13年5月までは、金融相場だった世界の株価が、日本を最高にして、
上がっていたので、世界景気はいいという認識に、傾いていました。
そして、経済データを見れば上記です。

ユーロ圏は、17ヵ国合計のGDPが実質で−1.1%(2013年:第1四半
期)です。平均物価上昇が1.4%なので、名目GDPで−2.5%にな
ります。GDPの大きな後退です。不況という域は超えています。

現下の主要国の経済を概観しました。次は、日銀が、異次元緩和を
行った13年4月、5月以降の、異常に思える長期金利の上昇です。

▼不安定になった国債市場と、上がる長期金利

日銀の、3月31日の国債保有は、125兆円でした。
6月20日には、145兆円に増えています。

20兆円の国債を買い切って、円を増発したのです。
過去の6倍もの速度での、国債買いです。

https://www.boj.or.jp/statistics/boj/other/acmai/release/2013/ac130620.htm/

国債も、
・金融機関の間で売りが多ければ、価格が下がり(利回りは上が
り)、
・買いが多ければ価格が上がって、利回りは下がります。
金利は、国債が売買されるときの、価格に対する利回りで決まりま
す。

10年債で、満期までの残存期間(デュレーション)が7年の、表面
金利0.6%の国債があったとします。期待金利が1%に上がると、
この国債は、下の計算で価格が下がります。

計算:額面100万円×(1+0.6%×デュレーション7年)÷(1+1
%×デュレーション7年)=100×(1.042÷1.10)=94.7万円

価格は94.7%になり、100万円に対し5.3%も下がってしまいます。
一般に、満期まで7年の債券は、金利が1%上がると、その金利の調
整されるため、価格が5%の割合で下がります。

ある生命保険が、30兆円の国債を持ち、平均デュレーションが7年
なら〔30×5.3%=1兆5900億円〕のキャピタル・ロスが、一瞬で
生じてしまいます。(注)金利の0.3%や0.4%変動は1日で起こ
っています。

100万円の、デュレーション7年の国債が、94万7000円でしか売れな
かったから、金利が1%にあがったということです。

国債は、常に、安全資産と言われてきました。
金利と価格は、日銀の政策で、コントロールされていた。
金利は低くても、満期には額面100%の償還がある。
価格変動の大きな株(リスク資産)とは違う、ということです。

しかし、13年4月・5月の日銀が、利下げをしようとし、
・20兆円の、長期債の買い切り出動したときから金利が逆に動き、
・国債価格は下がり、金利は上がっています。

金利が上がった原因は、日銀の買い切り(2ヶ月で20兆円)以上に、
金融機関からの、国債の売りが多かったということです。

40兆円や60兆円分の売りがあったと思えます。
これは、異常な事態です。

日銀は、説明の言葉を失い、もごもご言う。
黒田総裁は意味のある部分を探すと「市場との対話がもっと必要」
と言うだけです。

【国債市場は相対(あいたい):OTC】
国債は、東証等の市場で売られるものはごく少ない。売買は、金融
機関の間の、デリバティブのような相対取引(OTC:Over The Coun
ter)です。

市場とは、銀行や保険会社のカウンターです。全部で290社(銀行、
生命保険、社会保障基金、政府系金融)という、ごく少数の関係者
です。

日銀が言ったのは「銀行や保険と、日銀担当が、事前によく話し合
って、売る価格を決める」という談合です。

あるいは、売らないでくれという圧力です。黒田日銀は、金融機関
の、国債取引担当の信用を得ていないふしがあります。

一体、何が起こったのか?
これから、どうなるのか?

株価よりはるかに、950兆円の残高の、国債の金利問題は大きい。
経済に与える影響では、株価の10倍は重い。

本稿は、この問題を解明します。
どうすべきか、政策も考えます。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

<660号 :肝心なこと:国債保有のリスクと予想される行動>

2013年6月26日号

【目次】
1.金融機関が150兆円も減らしていた企業への融資
2.融資を減らし、増えた預金で国債買いをするのが、
金融機関にとって合理的な行動だった
3.金融機関グループ別の保有状況と問題:合計950兆円
4.金融機関8類型別:国債のリスク計算
5.国債下落リスクが発生したときの行動
6.金融機関が、なぜ日銀が買うより多くの国債を売るのか?


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