この車載機器についてだが、収益源であった20万円超のカーナビが売れなくなっている。今や売れ筋は2〜3万円の安いカーナビ。世界的には1万円以下の中国製のカーナビが売れており、高いカロッツェリアのカーナビが売れない。

かつて高いカーナビも売れていた時代もあったが、夏冬のボーナスが思い切った出費に当てられていたので売れていたのだ。ところがボーナスが大幅に減額されたり、支給されなくなった企業も多い。これでは従来型の高いカーナビが売れなくなるのも当然である。

せっかく高いカーナビを買っても、地図の更新に費用がかかるだけでなく、数回しか更新できない。地図が更新できなくして次のカーナビを買わせようとする魂胆か。ここにも「計画的旧式化」と言うメーカーの都合が浮かび上がる。

カーオーディオにしても、中国製のデジタルアンプが3,000円で買える時代。これではカロッツェリアのブランド力を持ってしても売れない。これまで築き上げてきたブランド信仰が、大きな音を立てて崩れ去っている時代だ。パイオニアは自動車メーカーへの純正採用に力を入れると言うが、それでは追いつかないのではないか。

自社生産から東南アジアでも委託生産に切り替えるそうだが、アホノミクスの円安誘導がまったく効果のないことを露呈している。それにしても今回も大勢の従業員が離職することとなったが、次の仕事はあったとしても激安給料だろう。オーストラリアでも自動車メーカーが次々と工場を閉鎖し、人件費の安い国からの輸入に切り替えているので、失業問題が大きくなっています。