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中国で3つ目の世界経済危機が発生?:金融引締・財政抑制・産業構造変革と「井上財政」的政策に動く中国の近未来は?
http://www.asyura2.com/13/hasan80/msg/822.html
投稿者 あっしら 日時 2013 年 7 月 08 日 17:57:01: Mo7ApAlflbQ6s
 


 中国経済が、これまでのような内実の輸出主導型で今後も7.5%程度の成長を続けられるとは考えていないが、不況ムードが高まっているにもかかわらず、従来型成長パターンから脱却するためと称し、産業構造変革を目指し、金融引締・財政抑制に動いている政策状況を危惧している。

 記事にあるように、危機の定義は「コントロールを完全に失う」ことであるから、中国発の世界経済危機が起きることはないが、中国経済の成長鈍化が、世界経済の低迷に拍車を掛ける可能性は高い。

 記事は、「中国の公式データによると、今年第1四半期(1-3月)の中国のGDPは11兆8855億元で前年同期比7.7%増加した。成長率は12年末に下げ止まって「V字回復」を果たした後、再び低下したが、中国経済には「まだまだ切れる好カードがある」との判断から、ウォッチャーらは今年の中国の経済成長率は引き続き7%以上を維持すると予測」と書いているが、輸出の伸びが鈍化しているなか、7%以上の成長を確保するためには、従来レベルを大きく上回る財政支出を実施しなければならない。昨年と同等レベルの財政出動では、ほぼ現状維持であり、成長はしないのである。

 記事が解説している「都市化建設、鉄道への投資・融資の改革、新興産業、省エネ・環境保護などは、どれもみな未来の発展への潜在力を秘めている」ことや、「中国はこれから、都市化や所得分配制度などの改革をめぐって新たな消費と投資を生み出すとみられ、中国経済の発展にエネルギーと可能性を与える」ことに同意するが、政策として実行しなければ意味がない。


 戦前の日本も、米国発の「大恐慌」(その時点ではNY株式市場の大暴落というレベルでそれほど深刻には受け止められていなかった)の最中、浜口内閣(井上蔵相)が、金融引き締め・財政抑制・旧平価による金解禁という政策に打って出て、「昭和恐慌」を招いた。「井上財政」の背景には、WW1で膨らんだ産業を関東大震災などもあり淘汰できなかったことを憂い意図的なデフレ政策で改革したいという意図があった。

 銀行間金利の暴騰を放置する姿勢を見せたことなどを勘案すると、習体制の中国は、「井上財政」的舵取りに動いているのではという危惧を抱かざるを得ない。
 構造調整が必要だとしても、それは、成長を確保しながら慎重に行うべきものであり、拙速で大規模な調整は“破壊行為”となる。

 記事によると、中国人民大学財政金融学院の趙副院長は、「政府は企業に稼げる機会を提供し、短期的な視野の発展モデルを放棄するよう促し、「利益で誘導し、理性で理解させる」中で中国経済のモデル転換の長期的な利益と財政や雇用などの短期的な目標とのバランスをはかる必要がある」と強調したそうだが、「短期的な視野の発展モデルを放棄」という“過激な考え”ではなく、経済成長という総体的利益機会を保障しながら、“短期的な視野の発展モデルが衰退ないし消滅していく”ような舵取り(政策)が重要である。


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中国で3つ目の世界経済危機が発生?

 2013年は半分が終わったばかりだが、経済の鈍化、対外貿易の不振、債務の増加、株式市場の低迷、不動産市場の高騰に加え、人々をはらはらさせる銀行の資金不足などさまざまな不安要素があり、米国のサブプライムローン問題、欧州の主権債務危機に続く、3つ目の世界的な経済危機が中国から始まるのではないかとの憶測が飛び交っている。中国新聞社が伝えた。

 これについて関連の専門家がこのほど北京ではっきりと指摘したところによると、世界は中国経済を見誤っている。実際のところ中国は今、改革の新たな時期にさしかかったのであり、新たな成長源は明確であり、中国が世界経済の「重大リスクエリア」になることはあり得ないという。

 そもそも「危機」とは何だろうか。中国社会科学院(社会科学アカデミー)世界経済・政治研究所グローバルマクロ経済研究室の張斌主任によると、世界的危機とは通常は通貨危機、金融危機、経済危機を指し、通貨の急激な値下がり、金融システムの崩壊、経済運営の崩壊、企業の倒産ラッシュなどの形で現れるのが一般的だ。根本的な特徴は「コントロールを完全に失う」という点にある。この基準によれば、今は世界も中国も「危機」から遠い場所にいるという。

 中国人民大学財政金融学院の趙錫軍副院長は、「ある国の経済成長率が7%に達しながら危機があるというなら、それ以外の国はどうしたらよいというのか。国内総生産(GDP)の成長率はある国の経済状況を最も直感的に判断する材料になる」と話す。

 中国の公式データによると、今年第1四半期(1-3月)の中国のGDPは11兆8855億元で前年同期比7.7%増加した。成長率は12年末に下げ止まって「V字回復」を果たした後、再び低下したが、中国経済には「まだまだ切れる好カードがある」との判断から、ウォッチャーらは今年の中国の経済成長率は引き続き7%以上を維持すると予測する。

 清華大学中国・世界経済研究センターの李稲葵主任は、「現在、中国経済の成長源は非常にはっきりしている」とした上で、中国経済は今、制度が変化する新たな時期にさしかかっており、新たな経済成長源には公共製品への投資が含まれ、具体的には都市建設、空気の浄化、水の処理などが含まれると述べた。

 国務院発展研究センターの巴曙松研究員も次のように指摘する。中国のマクロ政策にはなお大きな展開の余地があり、たくさんの好カードを切ることが可能だ。都市化建設、鉄道への投資・融資の改革、新興産業、省エネ・環境保護などは、どれもみな未来の発展への潜在力を秘めている。
 また専門家らの分析によると、中国はこれから、都市化や所得分配制度などの改革をめぐって新たな消費と投資を生み出すとみられ、中国経済の発展にエネルギーと可能性を与えることが予想されるという。

 中国経済の発展を懸念する論調の中では、資本と金融リスクが重要な論点となっている。米国のウォール街を代表とする国際投資家の間では、金融危機後の中国では貸付と債務の対GDP比が大幅に上昇しているため、必ず通るであろう「デレバレッジ」の過程が中国の経済・社会に衝撃と動揺をもたらすことになる、との見方が出ている。

 今年5月以降、中国の比較的ゆとりのある流動性と銀行での資金不足が相互に絡み合い、ぶつかりあっている。特に米連邦準備制度理事会(FRB)が量的緩和政策(QE)から撤退するという予測が出てくると、資金が中国から引き揚げられるのではないかとの不安が広がり、中国経済を懸念する人の心配材料が増えた。

 趙副院長の指摘によると、現在、中国の広義マネーサプライ(M2)は100兆元の大台を突破しており、手持ちの資源をいかにうまく利用するかが目下の急務だ。資金の利用効率の向上で生み出される価値は、資金流出の影響を下回ることは絶対にないという。

 李主任も、中国人民銀行(中央銀行)がスタートした一連の計画がこの問題を解決することになると強調する。李主任は次のような提案もうち出した。今後の改革では不良債権を消化し、資金の正常な流れを保障すること。地方の財政再編に着手し、確実で持続可能な新たな税収源をみつけること。民間経済を大規模に緩和し、準公共製品の分野への投資を可能にすること、などだ。

 下半期の経済情勢について、趙副院長は、「市場の主体の発展の中に答がある」とした上で、政府は企業に稼げる機会を提供し、短期的な視野の発展モデルを放棄するよう促し、「利益で誘導し、理性で理解させる」中で中国経済のモデル転換の長期的な利益と財政や雇用などの短期的な目標とのバランスをはかる必要があると強調した。(編集KS)

 「人民網日本語版」2013年7月8日


http://j.people.com.cn/94476/8314765.html


 

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コメント
 
01. 2013年7月08日 18:35:07 : nJF6kGWndY

新興国減速の現状では、仮に消費税を上げれば、14年度にはアベノミクス景気が終わり、
名目の日本版CCPIでは2%を超えたとしても、
本来の海外版CCPIから見れば、再びデフレに近づく可能性は高まりつつある



02. 2013年7月09日 07:44:06 : niiL5nr8dQ
JBpress>海外>中国 [中国]
長い停滞の入り口に立った中国
破綻寸前の地方政府、深刻な景気悪化はすぐ目の前
2013年07月09日(Tue) 川島 博之
 “中国バブル崩壊”そんな記事が雑誌に掲載され、テレビのニュース番組もそのような特集を組んでいる。そこでは「シャドーバンキング」という耳慣れない言葉が使われているが、それは当局の監督を逃れた簿外融資を意味している。簿外融資は日本でバブルが崩壊したときにも問題になったが、中国の簿外融資は規模が違う。総額は、GDPの半分程度との報道も耳にする。おそらく、中国政府もその正確な額をつかみかねているのだろう。

 今後、中国経済はどのような展開を見せるのだろうか。ここでは、少々大胆であるが、私なりの予測を述べてみたい。

不動産バブルを作った投資主体は地方政府

 中国バブルの崩壊を考える上で決定的に重要なのは、土地が公有制になっていることである。中国の土地は基本的には地方政府が所有している。このことはバブル崩壊を考える上で極めて重要である。

 中国の株式市場の時価総額は2012年の年末時点で366兆円(1ドル100円換算)であり、中国のGDPの45%に相当する。一方、中国の地価総額の推定は難しいが、筆者は昨年265.7兆元と推定した(拙著『データで読み解く中国経済』、東洋経済新報社、2012年、204ページ参照)。1元を16円として計算すると4251兆円になり、株式時価総額の11.6倍にもなっている。

 筆者の推定が正しいと強く主張するつもりはないが、地価総額が株式時価総額を大きく上回っていることは事実であろう。

 中国のバブルは不動産を巡って生じている。そして、その不動産の所有者は地方政府である。中国経済は資本主義のように見えて、その基本に計画経済がある。地方政府は中央政府が示す経済成長目標を達成しなければならない。そのために、消費や工業部門の成長が思わしくない時には、公共投資によって「つじつま」を合わせてきた。シャドーバンクからの借り入れの多くは、その費用に使われたと考えられる。

 公共投資に無駄が多かったことは、地方に行くと立派な市庁舎や会議場などを目にすることからも分かる。また、それは「鬼城」と呼ばれる、人の住んでいない高級マンション街の建設にも使われたようだ。

 中国における投資の主体は地方政府である。このことは、日本でバブルを作った投資主体が不動産業や銀行であったこととは異なる。この違いは大きい。地方政府といえども政府である。そして、そのトップは全て中央から派遣されている。中央政府の出先機関なのだ。

 不良債権が積み上がったからと言って、本店である中央政府が支店を破綻させることがあるだろうか。そんなことをすれば、非難はトップを派遣し、かつ達成不可能な経済目標を押し付けてきた中央政府に及ぶことになる。

 日本でバブルが崩壊した時を思い出してもらいたい。誰の目にもバブルの崩壊が明らかになったのは、「住専」が破綻した時である。農協が「住専」に貸し込んでいたために、その救済が問題になったのだ。1996年の国会は大もめにもめて、今では「住専国会」と呼ばれている。

 中国でも地方政府が倒産の危機に瀕して、それが大きな問題に発展することがあるのであろうか。マスコミで語られる「7月危機」とはそんな状況を言っているのかもしれないが、「7月危機」が発生することはない。

 中国で「住専国会」が開かれることはない。日本の国会に当たるものは人民代表大会だが、それは議論をする場ではない。党の決定を人々に知らしめる場だ。そして、中国の中央銀行も民間銀行も共産党の指導の下にある。日本でバブル処理が大変になったのは、処理のために税金を投入するのには国会に関連法案を可決してもらう必要があったためだ。

 しかし、中国ではそのような手続きは必要ではない。共産党常務委員である7人が話し合った結果、必要ならば、いくらでも資金を投入することができる。そして、その議事録が公表されることはない。共産党は好きな時に好きなだけ、秘密裏に公的資金を投入することができる。そう考えれば、「7月危機」など起こりようがない。

共産党の手に負えない景気悪化が迫り来る

 それでは、中国はバブルが崩壊しても成長を続けるのであろうか。答えはノーである。崩壊しそうになった地方政府に際限なく公的資金を投入すれば崩壊は防げるのかもしれないが、インフレが加速されよう。デフレに苦しむ日本とは異なり、中国の民衆はインフレに苦しんでいる。そのために、インフレ率の上昇は政情不安につながることになる。

 だから、一気にバブル処理を行うことはできない。中央政府は地方政府にそれなりの罰を与えながら、少しずつ不良債権の処理を進めるつもりだろう。もちろんそれは秘密裏に行われる。

 大量の不良債権を作った高官は汚職を理由に処罰される。中国の高官は大なり小なり汚職を行っているから、粛清しようと思えばいくらでも材料を見つけることができる。経済運営に失敗したのであれば共産党にも責任があるが、汚職であれば個人の責任だ。このような手続きによって、表向きは平静を保ちながら、少しずつ不良債権処理を進めようと考えているのだと思う。

 だが、地方政府が派手な投資を行わなくなれば、中国景気は一気に冷え込む。ここ20年ほど、中国のGDPの約半分は投資から生じていた。そして、その多くは地方政府が行ってきたのだ。中央政府のさじ加減にもよるが、地方政府の投資が委縮すれば景気は一気に悪化する。

 西遊記に出てくる「お釈迦さま」のように万能の力を持っていると思い込んでいた共産党も、バブルが崩壊する過程では、自らが全能でないことを思い知ることになる。

 今後、景気後退がこれまで以上に鮮明化する。バブルが大きかっただけに、その回復には長い時間を要しよう。ちょっとやそっとの対策ではどうにもならない。

 そして、それは中国の政治制度や外交方針、人々の考え方や文化にも大きな影響を与えることになろうが、そのことについては次回に述べたいと思う。

 


 

 

地方政府から火がつく中国版サブプライム危機
景気後退の中で高まる金融システムリスク
2013年07月09日(Tue) 柯 隆
 経済成長と経済制度改革の関係は、本来ならば経済成長の各段階に合わせて、順次、関連制度を改革し整備していくべきである。成長が遅れている経済では、どんなに優れている制度を構築しようとしても、思うように機能しないだろう。逆に、経済成長が進んだ国で制度の構築が遅れた場合、経済成長はたちまち阻害されてしまうはずである。

 中国の場合、江沢民政権下で朱鎔基元首相は剛腕を振るって大胆な制度改革を推し進めながら経済成長を図った。結果的に、その後の胡錦濤政権下の10年間で高成長が実現できた。しかし、胡錦濤政権においてはほとんどの改革が先送りされ、今となって、その歪みが問題となって経済成長を妨げている。

 今、中国では家計の貯蓄率が30%を超え、一方、銀行や金融市場では資金が不足していると言われている。これはまったく不可解な現象である。

 上海で開かれている国際金融フォーラムで、尚福林銀行業監督管理委員会主席は、「銀行に流動性がないわけではない。システムに欠陥があるからだ」と問題の存在を認めた。すなわち、金融市場で資金が不足しているのは、資本効率が低いため資本の循環が滞っているからである。

金融機関が地方政府に過剰融資

 国際金融市場では、中国版サブプライムローン危機が起きる可能性について警鐘が鳴らされている。

 アメリカのサブプライムローン危機は次のように発生した。信用力の低い低所得層が返済能力をはるかに上回る金融機関からのローンで住宅を購入した。その住宅価格が下落したことで住宅の担保価値が下がり、貸し手の金融機関のバランスシートに巨額の不良債権が生じたのである。

 それに対して中国の金融システムリスクは、地方政府がその返済能力以上に金融機関から資金を調達したことに端を発している。今となって、地方政府が抱える債務の相当部分は返済不能に陥っている。

 会計検査院にあたる国家審計署の調べによると、全国36地方都市は債務不履行を起こす恐れがあると言われている。すなわち、金融機関などからの借り入れについて元利払いをしていかなければならないが、土地の払い下げの売り上げが成立せず、資金返済が困難になっている。

 共産党一党独裁の中国では、地方政府の破綻は考えにくい。だが、貸し手の金融機関はその債権の一部を回収できず、不良債権になる可能性が高くなる。金融機関の資金は預金者の預金がほとんどであり、最終的に預金者は銀行の不良債権のツケを払うことになる。

資金調達で手足を縛られている地方政府

 実は、中国の現行の法制度では、地方政府は債券を発行したり銀行から資金を借り入れたりすることが禁止されている。にもかかわらず、地方政府はどのようにして巨額の資金を借り入れたのだろうか。

 例えば、北京市政府は、地下鉄や道路の整備などのインフラ投資の需要が旺盛である。だが、インフラ施設を整備するための資金需要があるにもかかわらず、法的には債券の発行や銀行から資金を借り入れることが禁止されている。そのため北京市政府は工商銀行(中国最大手の国有商業銀行)に融資を申し込んでも、受け付けてもらえない。そして、地下鉄を建設する目的で債券を発行することもできない。

 なぜ、地方政府の資金需要を無視するような法律が作られたのだろうか。

 それは、地方政府に起債の権限を認めた場合、地方政府が勝手に資金を集める、いわゆる「乱集資」の心配があるからだ。中央政府および全国人民代表大会(立法府)は乱集資を防ぐために、債券の発行と銀行からの資金借り入れを禁止する法律を施行したのである。

 「改革開放」の初期段階においては、金融関連の法律が整備されておらず、金融市場も十分に発達していなかった。その中で地方政府による債券発行などを認めれば、確かに金融秩序を混乱させる恐れがあった。

 しかし、「改革開放」政策が始まってすでに三十余年経過している。銀行以外にも、債券市場はそれなりに成長している。にもかかわらず、地方政府による起債を禁止する関連の法律は改正されないままである。

 地方政府としては、何としても資金を調達しなければならない。このままでは経済発展が大きく遅れることになる。地方の首長にとっては、経済成長率こそ自らの業績を証明することができるため、何としてもインフラを整備し、経済成長を図りたいというわけである。

「上に政策あり、下に対策あり」

 中国では「上に政策あり、下に対策あり」という言い方がある。つまり、地方政府は法律への対策として様々な投資会社を設立する。その会社の名義で銀行などから資金を調達するのだ。これらの投資会社は、中国では「融資平台」、すなわち、資金を調達するプラットフォームと呼ばれている。

 だが、新たに作った投資会社が資金を調達しようとしても、差し出せる担保の資産はほとんどない。担保の資産がなければ、銀行は融資の申し込みに応じてくれない。

 そこで、胡錦濤政権に入ってから温家宝前首相は、地方政府が財源を確保できるように、都市再開発に伴う土地使用権の払い下げの売り上げを地方政府に帰属させた。その結果、地方政府は土地使用権の払い下げの売り上げの見込み額を担保として、銀行などの貸し手金融機関に差し出すことができるようになった。銀行は安心して地方政府の傘下にある投資会社に融資を行った。

 温家宝前首相の時代、経済成長を図るために何度も金融緩和政策を実施した。それによって銀行と金融市場では金余りの現象が起きた。銀行にとっては、地方政府が設立した投資会社に融資するほど安全な資金運用はないと思われていた。たとえ、その融資の一部が焦げついても、政府に責任を問われる可能性は少ない。結果的に地方政府は担保の能力をどんどん増やし、銀行からの融資額も膨張してしまった。

 なお、地方政府が設立した投資会社は、金融市場からの借り入れの一部を本来のインフラ整備に投資せず、住宅など不動産開発に投資した。なぜならば、銀行からの借り入れ金利は6%以上に上り、どんなインフラ投資でも、これ以上の利回りを実現することができなかった。しかも、監督・管理がきちんと行き届かないため、これらの投資会社の一部はインフラ整備よりも、利益を追求する財テクに走ったのである。

景気後退の中で手詰まる政策

 金融市場で資金が不足していると言われる中、李克強首相はインフレ再燃と金融機関および地方政府のモラルハザードを警戒して、「安易な金融緩和は実施しない」と繰り返し強調している。その意気込みは評価できるが、市場との対話として十分ではない。その結果、上海株式市場の株価総合指数は暴落し2000ポイントを割ってしまった。ちなみに2007年、同指数は6140ポイントの最高値を記録している。

 株式市場の動向を見る限り、中国のこの先の景気動向は決して楽観視できない。当初、新政権が誕生すれば、2013年の経済成長は持ち直すだろうと言われていた。だが、第1四半期の経済成長率は7.7%と低下傾向が続いている。第2四半期の経済成長率はまだ発表されていないが、大きな改善は期待できない。

 こうした中で、金融システムリスクが急速に増幅している。尚福林主席の言葉の通りに、「流動性が不足しているわけではなく、システムに欠陥がある」とすれば、そのシステムを改善する改革に取り組まなければならない。中国の金融システムは明らかに現在の発展段階に合致していないと思われる。


03. 2013年7月10日 19:04:13 : nJF6kGWndY
6月の中国輸出は前年比3.1%減、12年1月以来のマイナスに
2013年 07月 10日 14:33  
トップニュース
米中がサイバーセキュリティーに関する協力で合意=新華社
アングル:遠い薄型テレビのデフレ脱却、需要増なき価格反転
序盤の欧州株式市場は小幅続伸、バーバリーなど小売り株がけん引
エジプト暫定首相が組閣作業に着手へ、「全国民は満足させられず」

[北京 10日 ロイター] - 中国税関当局が10日に発表した6月の貿易統計は、輸出が前年同月比3.1%減で、2012年1月以来の減少となった。輸入は同0.7%減少した。予想も大幅に下回り、第2・四半期の景気減速を裏付けた。

政府が短期資金流入の抜け穴をふさぐため、偽の輸出文書を利用する行為を取り締まったことも、貿易不振の要因とみられる。中国の輸出はこれまで、こうした行為によって水増しされていたとされる。

ロイターがまとめたエコノミスト予想は、輸出が前年同月比4.0%増、輸入が8.0%増だった。

6月は、対米輸出は前年同月比5.4%減少した。欧州連合(EU)への輸出は8.3%減少した。

1─6月の対日貿易総額は前年同期比9.3%減の1469億2000万ドルだった。対米貿易総額は同5.6%増の2440億1000万ドル。対欧州貿易総額は同3.1%減の2592億1000万ドル、対東南アジア諸国連合(ASEAN)貿易総額は同12.2%増の2105億6000万ドルだった。

申銀万国証券のエコノミスト、LI HUIYONG氏は「6月の輸出が驚くほど弱かったことは、海外の需要が振るわないなか、中国経済への下振れ圧力が高まっていることを示している。輸出は今年後半も厳しい情勢だ。米ドル上昇、投機的行動に対する政府の取り締まりも輸出への圧力になった」との見方を示した。

6月の貿易収支は271億ドルの黒字。エコノミスト予想(270億ドルの黒字)とほぼ一致した。

<深刻な試練に直面>

税関当局は、6月の貿易統計を受けて、輸出と輸入で深刻な試練に直面しているとの見解を示した。

税関当局の報道官は、(投機的行為に対する)政府の取り締まりもあり、6月の貿易統計は輸出の実態がより正確に反映されたとの見方を示した。

報道官は、6月貿易統計発表後の記者会見の席上で「中国は現在、貿易について相対的に厳しい状態に置かれている」と指摘した。そのうえで「第3・四半期の輸出も苦戦が予想される」との認識を示した。

外需の減少、労働コストの上昇、人民元相場の上昇で輸出業者が自信を喪失しており、貿易見通しは悪化していると指摘した。

報道官によると、税関当局が輸出業者を対象に毎月実施している調査で、6月は、新規輸出受注が減少し、今後2─3カ月の輸出を楽観していないとの回答が43.8%を占めた。

この調査では、69.1%がコスト全般の上昇に不満を訴え、70.5%が労働コスト上昇、59.8%は元高の打撃を指摘したという。

 
 

 

 


中国の貿易見通し悪化、輸出業者は自信喪失=税関当局
2013年 07月 10日 13:27 JST
[北京 10日 ロイター] - 中国の税関当局は10日、6月の貿易統計を受け、輸出と輸入で深刻な試練に直面しているとの見解を示した。外需の減少、労働コストの上昇、人民元相場の上昇で輸出業者が自信を喪失しており、貿易見通しは悪化していると指摘した。

この日発表した6月の貿易統計では輸出が前年同月比3.1%減、輸入が同0.7%減。輸出は2012年1月以来の前年割れとなった。ロイターがまとめたエコノミスト予想は、輸出が前年同月比4.0%増、輸入が8.0%増だった。 中国の貿易統計をめぐっては、投機資金流入を隠すため貿易を装うケースがあり、それで輸出がかさ上げされていると指摘され、政府が取り締まりに乗り出していた。

税関当局の報道官は、政府の取り組みもあり、6月の貿易統計は輸出の実態がより正確に反映されたとの見方を示した。 そのうえで、税関当局が輸出業者を対象に毎月実施している調査で、6月は、新規輸出受注が減少し、今後2─3カ月の輸出を楽観していないとの回答が43.8%を占めたことを挙げて「第3・四半期の輸出は厳しい情勢」と述べた。 この調査では、69.1%がコスト全般の上昇に不満を訴え、70.5%が労働コスト上昇、59.8%は元高の打撃を指摘したという。

 

 


 

6月中国貿易統計、輸出入とも予想外のマイナス:識者はこうみる
2013年 07月 10日 12:17 JST
[北京 10日 ロイター] - 中国税関当局が10日発表した6月の貿易統計は、輸出が前年同月比3.1%減、輸入が同0.7%減、貿易収支は271億ドルの黒字となった。輸出が減少するのは2012年1月以来1年5カ月ぶり。

ロイターがまとめた市場予想は、輸出が4.0%増、輸入が8.0%増、貿易収支が270億ドルの黒字だった。

市場関係者のコメントは以下の通り。

●経済への下振れ圧力の高まり示す

<申銀万国証券(上海)のエコノミスト、LI HUIYONG氏>

6月の輸出が驚くほど弱かったことは、海外の需要が振るわないなか、中国経済への下振れ圧力が高まっていることを示している。輸出は今年後半も厳しい情勢だ。

米ドル上昇、投機的行動に対する政府の取り締まりも輸出への圧力になった。

●投機資金の流入抑制で、実際の貿易の現状反映

<国泰君安証券(上海)のアナリスト、WANG JIN氏>

輸出、輸入ともに市場のコンセンサスを下回った。これは貿易を装った投機的資金の流入を当局が抑制したことが一因だ。

この点からすると、6月の貿易統計は実際の貿易の現状を反映していると言える。

輸出と輸入は下期も、国内外の需要低迷を背景に引き続き比較的低水準にとどまる見込みだ。

2013年の輸出・輸入の伸びは8%程度になると予想する。

●輸出は今後もさえない見込み

<ING銀行(シンガポール)のエコノミスト、ティム・コンドン氏>

輸出は全般にさえない状況となっている。これまで中国はアジア諸国の輸出の中で例外的な存在だったが、今後もあまり期待できない。輸入が低水準なのは輸出の低迷が影響している。輸入の多くは輸出のためのものだからだ。

7.5%の2013年の成長率見通しでは輸出はゼロ成長が見込まれるので、成長率目標の達成は可能だと思う。ただリスクは下方に傾いている。

5月の米貿易赤字は450.3億ドルに12%拡大、輸入増で 2013年7月4日
5月貿易収支は9939億円の赤字、11カ月連続の赤字 2013年6月19日


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