資金需要じわり回復 貸出残高、４年ぶり高い伸び

　企業や個人の資金需要がじわりと回復している。銀行の６月の貸出平均残高は前年同月比2.2％増え、約４年ぶりの高い伸びとなった。貸し出しの増加は１年９カ月連続。けん引役は海外Ｍ＆Ａ（合併・買収）などの融資や、住宅ローンだ。

　みずほ銀行などは９日、大企業向け貸出金利の指標となる長期プライムレート（最優遇貸出金利）を年1.30％から0.05％高い同1.35％に引き上げると発表した。長プラを上げるのは４カ月連続で、４月の日銀の異次元緩和前の水準に戻った。長プラが連動する５年物国債の利回りが上がったことが大きい。

　ただ融資の現場では短期金利に連動する契約が大半。短期市場では日銀の緩和効果は出ており、東京銀行間取引金利（ＴＩＢＯＲ）の３カ月物は４月中旬に0.23％と約７年ぶりの水準に下がった。これを受け、貸出残高の平均金利は５月に1.319％と過去最低になった。
　例えば、ソフトバンクによる米スプリント・ネクステルの買収では約1.6兆円のつなぎ融資をした。昨年は各地で建設が進むメガソーラー（大規模太陽光発電所）向けの大型融資も相次いだ。

　消費増税を控えた住宅の駆け込み需要をにらんだ住宅ローンが加わった。３メガ銀行が６月に３年固定型の金利を年0.6％に引き下げた。三井住友銀行では同月中に上限の1000億円に達した。

［日経新聞７月１０日朝刊Ｐ．５］

コメント
01. 2013年7月10日 15:50:14 : nJF6kGWndY 黒田の発言通りマネーストックは伸び、確実にアベノミクスの効果は出ているが、まだ企業は国内実体経済への投資には慎重 つまり（主に非正規の）雇用は伸び、物価は上がるが、それほど賃金は上がらない景気回復の色彩が強まるだろう 相対的に賃金と社会保障コストが高く、生産性が上昇しにくい先進国では仕方がないことだ
02. 2013年7月10日 18:20:34 : tNukemObxQ 選挙期間中の 景気が回復していますという記事は あまり信用しない方が良い 自民が有利になるように世論誘導
03. 2013年7月10日 20:04:23 : BDDFeQHT6I 増税前の駆け込み不動産需要が出てきただけのこと、日本の経済とは何の関係も無い数字だ。

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