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◆東証・大証1部上場の通信販売大手「ニッセンホールディングス」は13年12月期通期連結業績予想を下方修正し、当期純損益が27億円の赤字に陥る見通しとなった。旧来のカタログを見直しネットへの比重を高めていくものの、これまでの客数減少が大きく影響し前回予想に比べ売上高の減少を見込む他、繰延税金資産の取り崩しによる法人税等調整額の計上も重なり、営業損益・純損益ともに従来の黒字予想を一転し赤字見通しとなった。
◆東証1部上場の牛丼チェーン大手「吉野家ホールディングス」の14年2月期第1四半期決算純損益が4億9700万円の赤字に陥ったことを明らかにした。主力の国内吉野家事業において、牛丼の値下げ戦略が好走し売上高は前年同期比で6.6%の増収となったものの、客単価の下落や原材料の高止まりで採算性が悪化したほか、広告宣伝費が増加したことから、営業損益・純損益ともに赤字となった。
◆東京都中央区の証券会社「アイティーエム証券」が6月28日付で破産手続開始決定を受け倒産した。1998年に設立し、投資顧問会社「AIJ投資顧問」が手掛ける年金投資商品の営業を主力に事業を展開し、上場企業から中小企業まで広く顧客を持つなど事業を拡大していたが、AIJ投資顧問により運用資産の大半が消失していることが明るみに出ると、営業を担っていた同社に対し12年3月23日付で関東財務局より業務停止命令を受けると、同年8月10日には登録取り消しの行政処分を受けるなど信用は毀損し、今年6月12日付で債権者の金融機関より破産手続を申し立てられ今回の措置に至ったもよう。（負債総額約1416億円）
◆英国ファッションブランド「ニコル・ファリ」が7月3日付で管財人を指名し会社管理手続を申請、経営破綻したことがわかった。英国のファッションブランド『フレンチ・コネクション』で1982年に設立し、フランス人デザイナー「ニコル・ファリ」による男性・女性向け衣料品の製造販売を手掛け、世界中に店舗網を拡大するなど業績は好調に推移していたが、景気低迷による消費者の高級品離れなどから業績が悪化すると、2010年には親会社のフレンチコネクションがニコル・ファリを投資会社へ売却し、その後は店舗網の縮小などにより生き残りを目指したものの業況は改善せず、自力での再建を断念し今回の措置に至ったもよう。
◆東京都港区の旅行会社「トラベル世界」が6月28日付で事業を停止し事後処理を弁護士に一任、自己破産申請の準備に入ったことがわかった。1973年に主催旅行『地球旅物語』を発表し、1975年に現商号で設立、熟年世代を主なターゲットに秘境や世界遺産・シルクロードなど海外ツアーの販売を手掛け、東京本社のほか大阪支店を開設するなど事業を拡大していたが、景気低迷による旅行需要の落ち込みに加え、競争激化による採算の悪化などから資金繰りが逼迫したため、これ以上の事業継続は困難と判断し今回の措置に至ったもよう。（負債総額約4億円）
◆兵庫県養父市の商業施設運営「ヨーカタウン」が事業を停止し事後処理を弁護士に一任、自己破産申請の準備に入ったことがわかった。1979年に設立し、養父市内で店舗集積型のショッピングモール『ショッピングタウンペア』の運営を主力に事業を展開し、スーパーや飲食店・専門店などがテナントとして出店し地元の人々を中心に親しまれてきたが、景気低迷による個人消費の落ち込みに加え、大手スーパーなどによる大型ショッピングセンターの進出などで競争が激化すると、今年3月には中核店舗だった地元資本のスーパー「トヨダ」が撤退したことで集客困難となり、事業継続を断念し今回の措置に至ったもよう。（負債総額約9億円）
◆岐阜県関市のゴルフ場運営「岐阜関スポーツランド」が7月5日付で民事再生法適用申請し、破綻した。1973年に設立し、1975年にゴルフ場『ボゥヴェールカントリー倶楽部』をオープン。同ゴルフ場は全18ホールの丘陵コースで名古屋圏からの良好な交通アクセスやフランスの古城をイメージしたクラブハウスなどが人気を得ていたが、景気低迷による客足の落ち込みなどから業績が悪化すると、12年5月期末時点において約11億円の債務超過に陥るなど資金繰りが逼迫しているため、自力での再建は困難と判断し今回の措置に至ったもよう。
◆大阪府吹田市の米穀卸業「大阪ライス」が6月19日付で破産手続開始決定を受け倒産した。1984年に設立し、米店やスーパー・飲食店などを取引先として米の卸販売を手掛け、積極的な事業展開により業績は好調に推移していたが、価格競争の激化や消費者の節約志向などから業績が悪化すると、コシヒカリ以外の米を『新潟県産コシヒカリ』と偽って販売したとして、今年2月に社長や専務などが新潟県警などから不正競争防止法違反の容疑で逮捕されたため、信用失墜により事業継続を断念し今回の措置に至ったもよう。（負債総額約3億9000万円）
◆兵庫県加東市のゴルフ場経営「ウエストワンズ」が6月28日付で民事再生法適用を申請し、破綻した。1993年に設立し、ゴルフ場『ウエストワンズカンツリー倶楽部』の経営を手掛け、同ゴルフ場は全18ホールの丘陵コースで、名匠と呼ばれるピート・ダイ氏の設計によるアメリカンスコティッシュスタイルの挑戦的なコースレイアウトが人気を得ていたが、景気低迷による客足の落ち込みやブームの一巡に加え、近隣ゴルフ場との競争激化で業績が悪化すると、預託金の返還請求が資金繰りを逼迫したため、自力での再建は困難と判断し今回の措置に至ったもよう。（負債総額約264億円）
◆山梨県笛吹市の壁材製造業「フッコー」が6月26日付で民事再生法適用申請・同28日付で同開始決定を受け破綻した。1955年に左官用壁材料の製造を目的として創業、1957年に「東京福幸壁材工業」として法人化したのち、内外装材の製造販売を主力に事業を展開し、東京・大阪に営業所を開設するなど事業を拡大していたが、景気低迷による建設需要の落ち込みで業績が悪化すると、資金繰りの行き詰まりから自力での再建を断念し今回の措置に至ったもよう。（負債総額約13億4000万円）
◆TBSはライブハウス『横浜BLITZ』（神奈川県横浜市みなとみらい地区）を10月14日付で閉館すると発表した。04年にオープンし、総床面積2600平方メートル・最大収容人数1700名となる横浜最大級のライブハウスで、交通アクセスの良さなどもあり人気アーティストの公演が数多く行われてきたが、赤坂サカスの再開発計画により03年で一旦閉館した「赤坂BLITZ」の代替施設として営業し、08年に赤坂BLITZが再オープンした後も営業が継続されていたものの、土地の借用期限が迫っていることもあり今回の決定となったもよう。
【コメント】
ゴルフ場、観光旅行、遊興施設等の凋落が依然として続いているが、これらの高度成長期からバブル経済期の名残を持つものは、ことごとく潰れていくだろう。"１億総中流時代"はすでに終わっており、中流層が下流層へ脱落していっている中、中流層をターゲットにした商売は成り立たないのが実状であり、今後も復活しない。成長経済という先進国主導型の時代は終焉し、一部の特権階級と大多数の貧困層というピラミッド構造の中でビジネスを考えていかなければならず、そのような構造の中では圧倒的に企業事業体が多すぎるのだ。従って、財務基盤の弱い中小企業を中心に淘汰されていくのは必定である。逆に言えば、手に職を持ち、生計を立てる個人事業によってしのいでいく下克上の世でもある・・・。
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