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迫りくる消費税増税とTPP参加決定に待ち受ける恐怖の近未来(神州の泉) 
http://www.asyura2.com/13/hasan81/msg/317.html
投稿者 かさっこ地蔵 日時 2013 年 7 月 24 日 20:44:46: AtMSjtXKW4rJY
 

http://shimotazawa.cocolog-wbs.com/akebi/2013/07/post-8313.html
2013年7月24日 神州の泉


エコノミストの森永卓郎氏が「庶民は知らないアベノリスクの真実 」(角川SSC新書)という本を明日から発売するらしい。

今朝、ラジオに森永氏本人が出ていて、この本について少し言及していた。

『アベノリスク』という言葉はエコノミストの植草一秀氏が、安倍政権発足後の早い時期から使っていて、近著でもそのものズバリ『アベノリスク』(講談社)を出されている。

『アベノリスク』なる言葉は植草氏が最初に使ったものと認識しているが、そのことはいったん置き、ラジオで森永氏が「庶民は知らないアベノリスクの真実 」について言っていたことを思い出す。

彼によれば、アベノリスクが最初に庶民に大ダメージを与えるのは消費税増税であり、次に来るのがTPPであるという。

消費税増税については植草氏がその欠陥を『消費増税亡国論』(飛鳥新社)、『消費税増税 「乱」は終わらない』(同時代社)『アベノリスク』(講談社)等で詳述されている。
これらを読むと、少なくとも野田政権がシロアリ駆除を無視して強行したこの増税政策は、財務省の邪悪な徴税意図に基づいていて、庶民にとっては踏んだり蹴ったりのろくなことがない。

『アベノリスク』で、植草氏は消費税増税が重大な構造的欠陥を持つと指摘していて、それは消費者が負担すべき消費税を零細事業者が負担するケースがあるということである。
中小零細企業はご存じのようにその立場上、増税分を価格に転嫁できない弱さを持つ。そのために彼らの税負担は恐ろしく過大になってしまうと述べている。

日本の経済を底支えしている中小零細企業のすそ野の広さを考えると、消費税増税は健全な野菜自体を殺す猛毒殺虫剤みたいなものとなる。
消費税増税は年金額が据え置きのお年寄りだけではなく、日本経済のダイナモとなっている中小零細企業を大直撃する。

森永氏によれば、来年4月に計画されている消費税のアップは、安倍首相は4月、6月の景気動向を見て今秋、総合的に消費税増税に踏み切るかどうかを最終判断するそうである。

ここで森永氏はほぼ確信的に次のようなことを言っていた。

われわれは消費税増税を判断する時期にあたり、“景気条項”と言われる附則第18条が唯一の歯止めであるかのように思い込まされているが、森永氏はそこにとんでもない落とし穴があるという。

その『景気条項』の内容を見てみよう。

〔消費税率の引上げに当たっての措置〕

附則 第十八条 

1、消費税率の引上げに当たっては、経済状況を好転させることを条件として実施するため、物価が持続的に下落する状況からの脱却及び経済の活性化に向けて、平成二十三年度(注・2011年年度)から平成三十二年度(2020年度)までの平均において名目の経済成長率で三パーセント程度かつ実質の経済成長率で二パーセント程度を目指した望ましい経済成長の在り方に早期に近づけるための総合的な施策の実施その他の必要な措置を講ずる。

2、税制の抜本的な改革の実施等により、財政による機動的対応が可能となる中で、我が国経済の需要と供給の状況、消費税率の引上げによる経済への影響等を踏まえ、成長戦略並びに事前防災及び減災等に資する分野に資金を重点的に配分することなど、我が国経済の成長等に向けた施策を検討する。

3、この法律の公布後、消費税の引上げに当たっての経済状況の判断を行うとともに、経済財政状況の激変にも柔軟に対応する観点から、第二条及び第三条に規定する消費税率の引上げに係る改正規定のそれぞれの施行前に、経済状況の好転について、名目及び実質の経済成長率、物価動向等、種々の経済指標を確認し、前項の措置を踏まえつつ、経済状況等を総合的に勘案した上で、その施行の停止を含め所要の措置を講ずる。

森永氏がラジオで指摘した景気条項の落とし穴とは、どうやら上記3項目にある『経済状況の好転について、名目及び実質の経済成長率、物価動向等、種々の経済指標を確認し、前項の措置を踏まえつつ、経済状況等を総合的に勘案した上で、その施行の停止を含め所要の措置を講ずる。』という文面にあるらしい。

ここにさりげなく“総合的に勘案した上で”とあるのがそれだ。

“踏まえて”とか“総合的に”とか“勘案して”などという言葉は、政治用語に変換すると“何もしない”ということの典型的なメタファー(隠喩)用語であり、国会における政治家や官僚答弁を散々見てきたわれわれは、それがごまかしであることをよく知っている。

森永卓郎氏はそれを指摘しつつ、“99%消費税増税は実行される”と断言する。

つぎにTPPであるが、これについては何度でも警告して行こうと思う。
カレイドスコープさんによれば、今回の参院選では自民党員にTPP話題を禁句とする強力な言論統制が敷かれたらしい。

自民党には確か6割以上のTPP反対論者がいたはずだが、彼らはTPPに関し一様に押し黙ったまま選挙に臨んでいた。つまり、自民党のTPP反対派はニセモノなのである。彼らはもはや国民の味方ではなく敵である。もう一縷の期待もかけられない。逆に言えば、今夏選挙でごく一部の自民党候補者がTPP反対に言及したとすれば、その候補者はぶれることのない本物であることが分かる。

森永氏はこれまでの日米交渉で、日本がアメリカに勝ったことがあるのかと強調する。その通りである。そもそも輸入関税だけに限定しても、交渉以前の問題として、すでに交渉の余地はほとんどなかったのではないのか。

恐ろしいことに7月23日の昨日午後、鶴岡公二主席交渉官はマレーシアで開かれているTPP交渉会議に正式参加を決めた。これがアベノリスクの最大の悪行と言わずして何というのだろうか。

 

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コメント
 
01. 2013年7月24日 21:02:33 : W18zBTaIM6
日本人が反米になるだけだからどうって事ないだろ

02. 2013年7月24日 21:50:18 : dmkMWIGdew
>TPP交渉会議に正式参加・・・

 「交渉」?→これは「交渉」などと言うものではなく、問答無用の「服従」を強いられたものだ。
 僅か2日間しか日本側に与えられた時間はない。しかも1000ページもの分厚い条約の内容をどのように理解できるのか?
 今まで「日本側に不利な内容であれば参加せず撤退する」と虚言を吐いてきた安倍晋三は、国民にどのように説明するのか? 内容を知ってから撤退など出来る訳がない。


03. 2013年7月24日 22:08:05 : mHY843J0vA

消費税増税は民主党時代に決定されていたことなので、円高デフレ不況真っ只中に実行されていた場合に比べれば、遥かに経済的なショックは小さくなります

TPPに関しては、インフレが進む場合、確実に日本経済にとってプラスになるでしょう



04. 2013年7月25日 01:06:43 : 79l2TRmCCs
アホwTPPで円安デフレ進行だ馬鹿

05. 2013年7月25日 23:15:34 : D71jIMQgBY
しかし政府が本気で景気対策、経済成長を考えるのなら、経済活動にマイナスになる消費税増税法案などは廃案にするべきではないのか。TPPで日本人はBSE感染の恐れある牛肉と遺伝子組み換え食品を充分食べれるようになるのだ。

06. 2013年7月26日 01:46:44 : niiL5nr8dQ
「女性の活躍」と矛盾する税・社会保障制度

2013年7月26日(金)  武田 洋子

 女性の労働参加の最大の効能は、画一的な既存の組織に「多様な視点」が取り込まれ、固定化した日本の社会や企業組織の体質が内側から変革するための原動力を生む点にあります。この点、安倍政権が「女性の活躍」を成長戦略の中核として掲げたことは、日本経済を再生させる大きな一歩です。

 しかし、残念ながら現政権の成長戦略には、重大な見落としがあります。それは、「働く意欲を促進する」税制や社会保障制度です。

 既婚女性の年収分布(給与所得)を見ると、30〜50歳代までの全ての年代において、90万〜110万円域に明白な「山」が確認できます。年収が103万円以下であれば、配偶者本人(既婚女性)は所得税が無税となり、夫も「配偶者控除」の適用を受けられます。さらに、厚生年金、共済組合に加入する第2号被保険者(夫)に扶養される第3号被保険者(既婚女性)と認められ、自身で保険料を納付せずとも年金を受け取ることが出来ます。

 こうした制度は、いわゆる「103万円の壁」と言われ、女性が意識的に年収や労働供給を抑制する行動を生んでいます(第3号被保険者の適用は、年収130万円未満が対象のため、後者は「130万円の壁」と呼ばれることもあります)。

既婚女性の給与所得者の所得分布(年代別)

資料:内閣府「男女共同参画白書 平成24年版」
就労インセンティブを高めるスウェーデン

 女性の働く意欲を削ぐ制度を是正すると、年収分布の不自然な「山」が消え、女性の働き方が根本的に変わりうることを、外国の事例は教えてくれます。現在、女性の労働参加率が高い代表例としてよく取り上げられるスウェーデンも、実は1970年時点では、25〜54歳の女性の労働参加率は65%程度と、今の日本の同年齢の参加率を若干下回る水準でした。当時のスウェーデンには日本と類似の配偶者控除制度がありました。1971年に同制度が廃止されると、僅か十数年の間に女性の働き方は劇的に変化し、1980年代後半には労働参加率は90%程度まで上昇しました。

 スウェーデン人女性の働き方が変化した背景には、配偶者控除の廃止だけでなく、各種の雇用の受け皿が確保されたことや、子育て支援策の実施などの効果が並行的にあったと言われています。それでもなお、女性の就労インセンティブを促すような税制の変更の果たした役割は大きかったと考えられています。なお、スウェーデンの年金制度には、日本の第3号被保険者制度のような仕組みも存在しません。

 さらに社会的に重要な事実は、日本で配偶者控除等の恩恵を受けている世帯は、いわゆる「標準世帯」よりも、かなり豊かな世帯が多いという事実です。給与階級世帯別の配偶者控除の適用割合を見ると、年収300万円以下世帯では約1割しかその恩恵を被っていない一方、年収800万円以上の世帯では半分以上が同制度の適用を受けています。

 配偶者控除制度は、事実上、貧困世帯を補助するためではなく、裕福な世帯を支えています。実際、女性の有業率(仕事をしている人の割合)を見ると、最も高い層は夫の年収が「250万〜299万円」の世帯です。つまり、働き方を調整する余裕がない世帯には制度的な恩恵が届いていない一方、裕福な世帯では労働参加をしない(もしくは抑制する)ことの恩恵があるのです。

 「女性の活躍」を本気で推し進めるためには、企業や社会がマインドセットを改革していくことが重要です。その一方で、政府も女性の働く意欲を削ぐ制度を改め、共働き世帯の育児・介護支援へと「舵を切る」ことが不可欠です。

給与階級別の配偶者控除の適用割合

資料:内閣府「男女共同参画白書 平成24年版」
夫の稼働所得階級(年収)別妻の年金加入状況

資料:内閣府「男女共同参画白書 平成24年版」
若者の雇用の喪失=日本の未来の喪失

 「量と質の両面からの労働力の底上げ」の観点では、若年層の労働市場への再参入も課題です。日本では、90年代以降、雇用構造改革はしばしば人件費削減の言い訳に使われてきた面があります。雇用喪失の世代別の影響は一様ではなく、バブル崩壊後の若年層が最も被害を受けたと考えられます。

 年齢階層別の失業率を見ると、20代の失業率は、40代、50代の約2倍程度で、7%に上ります。現在、大卒の新社会人の3人中1人は、非正規やアルバイト、もしくは無職(進学も就職もしない人)になるという状態が続いています。

 また、就業希望はあるものの何らかの事情で労働市場に参入しない(できない)非労働力人口は、2012年度には約400万人存在しています。これは、完全失業者(280万人)を上回る数字です。年齢別に分けると、団塊ジュニアを含み就職氷河期世代でもある35〜44歳が最多の101万人、次に25〜34歳の83万人、15〜24歳(除く在学中)の71万人と続きます。

 若年失業は、単なる景気の問題ではなく、日本の未来にも悪影響を及ぼします。一般に、若い労働力の質的向上はイノベーションをもたらし、ひいては生産性の向上につながります。ところが日本では、新卒の就職市場で失敗すると、職能を向上させる機会を失い、再チャレンジが難しくなる傾向があります。キャリアを蓄積しづらい非正規雇用が若い世代で増加すれば、労働力の質的向上が阻害され、日本経済の長期的な生産性にマイナスの影響を与えます。同時に、若者世代が将来へのコンフィデンスを高め、活力を取り戻さなければ、消費市場の活性化も期待できません。

 さらに、若年失業の深刻な側面は、社会保障制度の持続性を危うくすることです。若者の雇用の不安定化は、国民年金納付率が4年連続で60%を下回っていることと決して無関係とは思えません。そう遠くない将来、無年金の高齢者が増加する可能性があるのです。

新陳代謝の活発化と若者の雇用

 成長戦略を語るうえで欠かせない視点として、低成長分野から成長分野へ資本や労働力をシフトさせ、産業・企業の「新陳代謝」を高める必要があります(この点は、次回以降に議論する予定です)。実際、急速に進展するグローバル化や産業構造変化の中で、生涯一つの企業に勤め続けるような働き方を維持することは、現実問題として難しい状況になっています。

 「雇用の安定」の解決策は、企業に補助金を与え、雇用を続けさせることではありません。むしろ、ある企業を離れることになったとしても、比較的容易に次の職を見つけられるような人材育成や柔軟な人事・採用制度の方が現実的な解決策になりつつあります。解雇規制の緩和のみが先行することを懸念する声には十分肯けます。

 民間と連携した雇用斡旋の仕組みや教育訓練・能力評価機能の強化、就労インセンティブ型の社会保障制度づくり、グローバル化に適応できる人材育成に向けた教育改革や学び直しの強化、再チャレンジを可能とする採用・雇用慣行の見直しを同時平行で進めることが「雇用の安定と流動化」という一見相反する目的を達成することを可能にします。この「雇用の安定と流動化」が同時に実現してはじめて、労働力の底上げと経済の新陳代謝の向上も両立すると考えられます。

 次回は、若者の雇用について、シニア世代の雇用との両立という視点で掘り下げるとともに、日本経済の再生に向けた2つ目の戦略へと、話を進めたいと思います。

このコラムについて
武田洋子の「成長への道標」

歯止めのかからない人口減少、出口の見えない財政悪化、遅々として進まない構造改革…。景気や市場が好転しても、日本経済の成長基盤は脆さを抱えたままだ。持続的な経済成長をいかに実現するのか。米欧や途上国も直面するこの課題に、気鋭のエコノミストが処方箋を示す。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/opinion/20130723/251449/?ST=print


 


 

 


 

 


 


 JBpress>海外>Financial Times [Financial Times]
米国が日本との貿易協定を支持すべき理由
寄稿:アダム・ポーゼン(ピーターソン国際経済研究所所長)
2013年07月26日(Fri) Financial Times
(2013年7月24日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

 安倍晋三氏が先週末の参議院選挙で圧勝したことは、世界貿易にとって1つの転機となる。安倍首相は、認められるのであれば日本は環太平洋経済連携協定(TPP)交渉に参加し、その公正かつ完全な参加者になるのに必要な構造改革を実行すると国内外で約束してきたからだ。

 日本の市場、特に農業と保険の分野を開放するという約束は、日本の有権者はこの程度しか支持しないだろうという皮肉屋たちの予想を大きく上回るものだった。

ガイアツを超越し、国際的な経済統合を受け入れた安倍首相

 以前の日本の指導者は「ガイアツ」、すなわち改革を求める外国からの圧力を表向きは渋々利用するというやり方を取ってきたが、安倍氏はこれを大きく超越している。中国の朱鎔基氏やメキシコのエルネスト・セディージョ氏の例にならい、大幅な国内改革を推進するために国際的な経済統合を受け入れたのだ。

 これは大きな意味を持つ出来事だ。しかも、それは日本自身に限った話ではない。日本がTPPに参加することにより、21世紀にふさわしい質の高い協定、すなわちモノと同様にサービスの貿易も重視し、知的財産保護や環境問題についても高度な基準を整え、かつ旧来の関税にとどまらず投資の流れや非関税障壁(政府調達など)にも目を向けた協定が交わされる公算が高まる。

 最も重要なのは、日本がTPPに加わることによって先進国が基準の面で安心できる一方で、様々な途上国には発展の機会が開かれるということだ。この種の交換取引は、貿易で直接得られる最も大きな利得をいくつかもたらしてくれる。

 ブランダイス大学のピーター・ペトリ教授とジョンズ・ホプキンス大学のマイケル・プラマ教授の分析によれば、農業やそのほかの分野を開放した日本を加えたTPPが成立すれば、2025年までにはチリの1年当たりの国内総生産(GDP)が、TPPがない場合に比べて約1%多くなっていると予想される。マレーシアではこの値が5%、ベトナムでは10%にそれぞれ達するという。

 また日本自身の1年当たりのGDPも、2025年までにはTPPがない場合より2%多くなり、米国のそれもほぼ0.5%多くなる。国境を越える投資が増加したり、サービスに対する需要の増加にアクセスできたりするようになるためだ*1。

米国の圧力団体から日本のTPP参加に反対論

「ビッグスリー幹部はボーナス返上を」、オバマ氏インタビューで批判
強い懸念を表明しているデトロイトの自動車産業〔AFPBB News〕

 予想されたことではあるが、悲しいことに、日本のTPP交渉参加に反対する声が米国内の圧力団体から上がっている。日本が参加すれば、米国の企業や消費者も大きな利益を手にするにもかかわらず、だ。

 最も強い懸念を表明しているのは、「デトロイト・スリー」と呼ばれる米国の3大自動車メーカーと全米自動車労働組合(UAW)だ。

*1=両教授の論文は「ADDING JAPAN AND KOREA TO THE TPP」(PDF)参照、試算結果の詳細はwww.asiapacifictrade.orgで閲覧できる

 日本国内の自動車市場へのアクセスとライトトラックの関税に関する、正当な面もあるが視野の狭い訴えはさておき(これらはいずれにせよ、自動車に関する日米の付帯協定で取り扱われる)、彼らは大きな要求をオバマ政権に1つ突きつけている。

 日本の通貨安政策または為替操作から身を守る何らかの策を講じよと求めているのだ。これについては、連邦議会議員の一部にも支持する動きがある。

為替操作条項を設ければ、「違反国」は日本ではなく中国や韓国

 世界的な不均衡に対処するシステミックな改革が行われていない状況で、通商協定というものに為替に関する一方的な条項を加えるべきなのか? これはなかなか難しい問題だ。通貨安政策にはしっかりした、幅広く受け入れられている定義が存在しないため、条項を入れるとすれば為替操作を想定して起草しなければならないだろう。

 ただ、懸念を表明している向きにとっては皮肉なことに、為替操作の実用的な定義があっても今の日本がそれでルール違反に問われることはなく、むしろ中国や韓国との対立を引き起こすような対抗策が必要になる恐れがある。

解体中の民家から現金2600万円、作業員が発見 北海道
日本の為替操作はもはや歴史と呼べる昔の話〔AFPBB News〕

 また、重商主義的な政策を主要国の中では最も強力に推進しており、かつその通貨が最も過小評価されている先進国――ドイツ――は引き続きルール違反に問われないことになる。

 日本は2004年4月1日以降、為替レートを円安にするための持続的かつ一方的な介入を実施していない(ただし、2011年のツナミと原発事故の影響で円が急騰した時の介入を除く。またこの介入は、20カ国・地域=G20=から過度な介入への不満が示された時に停止された)。

 安倍政権は、自国通貨を下落させる口先介入や一方的な市場介入は行わないという昨年12月になされたG20の合意に従っている。

量的緩和は為替操作に非ず

 その結果、今年5月半ばに1ドル=102円だった円相場は、直接的な対応策が取られないまま、6月半ばには1ドル=93円に上昇した。確かに、日本の巨額の外貨準備(中国に次ぐ世界第2位)は為替操作が長期にわたって行われたことを暗示しているが、それはもう過去の話になっている。

 一部では不当な主張もなされているが、量的緩和をはじめとする拡張的な金融政策は為替操作ではない。本当の為替操作とは、貿易に明らかな影響を及ぼし、他国の成長を犠牲にして自国の成長を達成するために国境をまたいで意図的に実行される政策のことだ。

 筆者が同僚のジョセフ・ギャグノンとともにずっと論じてきたように、量的緩和は国内での目標を持った国内政策であり、最終的に他国にどんな影響が及ぶかははっきりしない。

 日本や米国のような規模が大きく比較的閉鎖的な経済の場合、その通貨が安くなれば、貿易相手国は競争力の低下により損失を被る。だが恐らく、そうした閉鎖的な経済への輸出が伸びることにより、それを補ってあまりある利益を手にすることだろう。

 一部の米国企業が抱いている、日本が為替操作を行っているという疑念は、ますます遠のいていく過去の個別事例に基づいたものだ。いずれにしても、円安にしようという一方的な取り組みは、しっかり監視されているG20の合意によって実行できなくなっている。

TPP交渉そのものや日本の全面参加を危険にさらす愚

 これらの原則をアジアやそれ以外の地域で比較的最近になって日本より積極的に為替操作を行っている国々に適用したいのであれば、ほかの通商・外交政策の目標を危険にさらしても構わないというかなりの度胸が必要になる。

 しかし、日本の量的緩和はもとより、円の為替操作を恐れて、TPP交渉そのものや、世界全体の利益になる日本のTPP全面参加をリスクにさらすというのは、とても正当化できることではない。

(寄稿者のアダム・ポーゼン氏は米国の有力エコノミストでピーターソン国際経済研究所の所長、2012年8月までイングランド銀行の金融政策委員を務めたことでも知られる)
http://jbpress.ismedia.jp/articles/print/38316


 


 

 


 


 

 


 

 

円安は追い風、資金のグローバル管理に着手

2013年7月26日(金)  清水 崇史

参院選後も金融市場はひとまず落ち着いた値動きが続き、企業収益にも追い風が吹いている。このチャンスをどう生かしていくか。大手商社3位の利益水準を誇る伊藤忠商事のCFO(最高財務責任者)、関忠行副社長に聞いた。(聞き手は清水 崇史)
アベノミクスの評価は。

関:アベノミクスは過去15年間のデフレ経済から脱却するという点では、(大規模な金融緩和と財政出動の)ほかに選択肢がなかった。今のところ効果も出ています。これから投資減税など追加の成長戦略が出てくるようですが、政府が行うのはあくまでも環境づくり。あとは企業の頑張りしかありません。


関 忠行(せき・ただゆき)氏
1973年大阪大学経済学部卒、伊藤忠商事入社。英ロンドン、米ニューヨーク駐在員、食料事業部門の財務責任者などを経て2005年財務部長。2013年4月から現職。柔らかな語り口と鋭い分析が内外の投資家から好評で、伊藤忠商事の外国人の持ち株比率は2013年3月期末時点で40%弱と大手商社の中でも比較的高い。(撮影:竹井俊晴)
 伊藤忠は今後2年間で1兆円規模の積極投資を考えています。このうち2000億円程度は、採算の芳しくない部門の整理などに使う予定です。資産を効率的に入れ替えるためです。

 金融市場に目を向けると秋口から年末にかけて米景気の回復がはっきりしてくるでしょう。為替は日米金利差を考えると1ドル=105円、110円と、さらに円安に傾いてもおかしくないと思っています。

大手商社のビジネスモデルは企業間の取引仲介(トレーディング)から事業投資に変わっています。金利上昇や株高でM&A(企業の合併・買収)に影響は出てきますか。

関:確かに今まで1ドル=70円台で買えたものが100円になって割高になるのは事実です。しかし(海外の企業はドル建て決算なので)円安で(円換算の)利益も膨らみます。今の為替水準になったからといって海外向けの投資に消極的になるとは限りません。

 金利が上がる場合、まず長期金利からでしょう。それがすぐにビジネスに影響するかといえば別です。経済の成長や景気の回復に伴う「良い金利上昇」ならば問題はありません。低成長下の「悪い金利上昇」ならば社債の発行コストなどに跳ね返ってきますが、今のところ考えにくい。やはり世界的にみると円金利は低いので円で資金調達するのが魅力的です。

大手商社のビジネスはさらにグローバル化しています。外貨建ての資金調達を増やす可能性は。

関:実は伊藤忠では2007年前後からアジア、欧州、米国の各地域で資金を集中管理する仕組みを取り入れています。(域内のグループ企業が資金を融通し合うシステムで)2008年秋のリーマンショックの時も資金調達では痛手を受けなかったほどです。

 さらに発展させて今年7月から、東京とロンドン、シンガポール、ニューヨークをカバーできるように布石を打ちました。「キャッシュ・マネジメント・システム」と呼ばれる仕組みで、専用口座内の余剰資金を拠点間で柔軟にやりとりして、海外での外貨借り入れを抑えます。まず数百億円のレベルから始めますが、金利負担や債務に絡む為替差損益を抑える効果が期待できます。大手商社では初の試みです。

財務格付けの向上が課題に

今年6月には伊藤忠商事の株価が一時、三井物産を抜きました。

関:株価は市場が決めることですが、投資指標で見る限り商社株は全般に割安圏にあるとよく指摘されます。例えば伊藤忠株のPBR(株価純資産倍率)は会社の解散価値を示すとされる1倍そこそこです。(株価を上げるには)やはり企業として利益を上げるしかありません。

三菱商事などは株主還元策として経営陣が自社株買いの可能性を示唆しています。

関:そう言える立場に早くなりたいですね。株価を上げるためには自社株買いも選択肢ですが、今は財務格付けを考えると踏み切れません。

伊藤忠は格付けでは4番手
大手商社の財務格付け
三菱商事 A+(全22段階中上から5番目)
三井物産 A+
住友商事 A
伊藤忠商事 A-
丸紅 BBB(投資適格のほぼ下限)
注)米格付け大手スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)による長期発行体格付け
企業の発展段階から見ると、伊藤忠のステージは。

関:1999年ごろから(低採算部門の売却・撤退など)資産のリストラをずっとやってきました。岡藤正広社長が就任した2010年以降、社内の規制緩和を進めて2012年3月期には連結純利益が3005億円と(過去最高の)成果が出ました。

 中期経営計画(2013〜14年)では2年間の投資金額を計1兆円としています。投資金額自体は前回の中計と同じですが、新たな基本方針として(1)収益拡大(2)バランスのとれた成長(3)財務規律遵守と低重心経営を挙げています。従来を「イケイケ路線」とすると、経営のトーンを若干変えているのです。今後は3000億円規模の利益を継続的に出せるような体質になります。

財務規律の遵守とは具体的にどういうものでしょうか。

関:伊藤忠の総資産は2014年3月期末で7兆5000億円規模になりそうです。これは1ドル=90円を想定しているので、足元の円安が続けばもう少し膨らむでしょう。例えば今後2年で8兆円まで総資産が膨らむとすると、ROA(総資産利益率)4%を維持するには3200億円の連結純利益が必要です。同時に株主資本比率を25%、ROE(株主資本利益率)を15%としても3000億円程度は稼がないといけない。このようなイメージを個人的には持っています。

総資産は7.5兆円に拡大へ
伊藤忠商事の連結業績と事業規模

注:一部本誌推計を含む
今後2年間は非資源分野への投資に注力

過去に投資した案件・事業で収益化の遅れているものがあります。

関:過去2年間で1兆円を投資し、このうち約5割が資源分野でした。確かに資源価格の下落で当初期待した利益を生んでいない案件・事業があるのは事実です。(減損などの)懸念材料はありませんが、資産に対するリターンがかい離しています。(掘削などの)合理化を進めています。資源権益を高値づかみしたというのではなく、一企業ではコントロールできない市況リスクにさらされているのです。

 今後2年間は(食料、機械など伊藤忠商事が得意な)非資源分野にも力を入れていきます。伊藤忠は2012年3月期を除くと、コンスタントに純現金収支(フリーキャッシュフロー=FCF)が黒字基調で推移してきました。青果物大手ドール・フード・カンパニーの一部事業を買収するなど、これから成長ステージに入るとFCFはやや赤字になるかもしれません。それでも営業CFだけで3000億円を稼ぐ力はあります。FCFが大きく崩れるとは考えていません。


(撮影:竹井俊晴)


このコラムについて
アベノミクスの真価を問う

「機動的な財政政策」「大胆な金融政策」「民間投資を喚起する成長戦略」の3本の矢からなるアベノミクス。円高の修正、景気の底入れなどの成果を生み出しつつある一方、株価や債券市場が不安定になるなど副作用も無視できなくなっている。規制改革を柱とする成長戦略も力不足との指摘が少なくない。アベノミクスは今後、どこへ向かうべきか。識者へのインタビューやアンケートを柱に、あるべき姿や国民の希望を探る。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/opinion/20130725/251522/?ST=print


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