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「消費増税」ではない。「消費税増税」と言うべきだ。 [斎藤貴男「二極化・格差社会の真相」](日刊ゲンダイ) 
http://www.asyura2.com/13/hasan81/msg/439.html
投稿者 赤かぶ 日時 2013 年 7 月 31 日 00:08:00: igsppGRN/E9PQ
 

http://asumaken.blog41.fc2.com/blog-entry-9452.html
2013/7/30 日刊ゲンダイ :「日々担々」資料ブログ


安倍晋三政権は来年4月に予定している消費税増税の可否を、10月の臨時国会の召集前に判断する方針を固めたようだ。菅義偉官房長官が28日に放映されたフジテレビの番組で明らかにした。

さっさと決めない慎重ぶりっ子に、大手のマスコミは苛立ちを隠さない。相変わらず財務省や財界のパシリである。なお政権内でも麻生太郎財務相はこちらの派。「増税は国際公約」なのだとか。

こうなると安倍首相がまともに見えてしまう。それはそうだ。現下の消費税増税はイコール全国の零細事業者や自営業主に対する死刑宣告だからだ。

殺される人々の商圏は大企業が食うので、GDPや日銀短観の景気指標には反映されにくいだろうが、失業者があふれ自殺者が列をなすとわかりきっている以上、仮にも政権を担う人間が少しはためらわないようでは、完全に狂っている証明ではないか。

断じて極論ではないので念のため。そう思われた読者には、消費税という税制がどれほどの嘘と弱い者イジメで成り立っているのかを理解してほしいと、心の底から願う。

詳細は拙著「消費税のカラクリ」(講談社現代新書)や湖東京至氏との共著「税が悪魔になるとき」(新日本出版社)等を参照されたい。ここでは一点だけ。「消費増税」と表現したがるマスコミや有識者は信用すべきでない。「消費税増税」が正しい。

なぜなら消費税は、原則あらゆる商品やサービスのすべての流通段階で課せられる。しかも「納税義務者」は年商1000万円以上の事業者と定められているのに、実際に税金分を負担する「担税者」の規定がない。個々の取引において、どちらが払うか。その規定がなく、弱い側がより多くの負担を強いられる、悪魔のシステムなのだ。

しかし、「消費増税」だと、むしろ小売りの現場だけで課税されるような印象になる。消費者だけが負担しているように見せる効果さえ果たしてしまう。

そう、かねて財務省とマスコミが国民を欺いてきた大嘘を、この期に及んでより徹底する役割を帯びたミスリーディング・タームになっているのだ。 実は筆者自身も、数年前までは頓着していなかった。深く反省しているが、とすれば「消費増税」を多用する者の全部が全部、承知の上で印象操作に加担しているとも限らない。ホントに何もわからないだけなのかも。

何度でも書く。消費税はとことん卑しく汚らしい税制だ。それにどうせ安倍政権は、税収が増えても大企業の法人税減税と土建屋利権に費消するだけ。普通の国民には何一つよいことなどない。


 

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コメント
 
01. 2013年7月31日 00:41:45 : niiL5nr8dQ
【第105回】 2013年7月31日 熊野英生 [第一生命経済研究所経済調査部首席エコノミスト],森田京平 [バークレイズ証券 チーフエコノミスト],高田 創 [みずほ総合研究所 常務執行役員調査本部長/チーフエコノミスト]
消費税先送りは株安円高を引き起こす
――熊野英生・第一生命経済研究所
経済調査部 首席エコノミスト
 最近、安倍首相の消費税に関する発言が目立っている。経済指標を見ながら、慎重に判断しようという構えである。

 ただし、見方によっては、参議院選挙を大勝した今になって、ことさらに慎重さを強調するのは、消費税増税を先送りしようと地ならしをしているのではないかと勘ぐることもできる。今秋に消費税増税を「決断しないかもしれない」と含みを持たせるメッセージを振りまいて、各方面からの反応を見ようとしているのだろうか。

 風向きの変化は、参議院選挙に前後して起こった。7月13日に浜田宏一内閣府参与が、消費税増税は「消費税増税による日本経済へのショックはかなり大きい」と語り、7月19日には本田悦郎内閣府参与が「1%ずつ徐々に引き上げていくのが現実的」と呼応した。

 最近では、7月27日に首相自身が、8月上旬に取りまとめられる予定の中期財政計画について「消費税率の引き上げを決め打ちするものではない」と釘を刺す発言をしている。同じタイミングで、増税が与える経済への影響について、首相自身が複数案を検証するように指示したという観測が広がった。

 折りしも日経平均株価は、7月26、29日と大きく下落し、不穏な空気が流れる(図表1参照)。アジア株の中で日本株の下落が目立つのは嫌な感じである。この期に及んで、首相が消費税率引き上げの先送りを決定するのならば、それは円高と株安を誘発する危ない判断に見える。


株安・円高を招く3つの理由

 消費税の先送りが、株安・円高を引き起こす要因になると考えられる理由は次の3つである。

1.改革色の後退

 アベノミクスの姿勢は、内外の投資家にとって思い切った経済改革を断行する強い印象を与える。「痛みを恐れずに、これまで変わらなかった経済構造をリフォームする」という改革色が、金融市場に対して好感度の高いアピールになってきた。

 しかし、今になって「景気が心配だ」と弱気心理を見せれば、他の様々な政策で方針を翻すのではないかと疑われる。

 また、消費税率を上げることの備えとして、金融緩和効果が期待されて、円安予想が強まる。円安予想は、インフレ率が高まる予想を刺激し、企業収益にもプラス効果を及ぼす。2012年11月以降、こうして円安・株高が進んだ。

2.日米金利差は縮小

 消費税の増税計画を見直すと、財政再建計画は大きく狂う。すると、潜在的に日本の長期金利が上昇する予想になり、日米金利差が縮小する。金利差が縮まるという予想は、円高ドル安要因になる。これは同時に株安要因でもある。

 リフレ政策を提言する人々は、もともと消費税増税の反対を唱える傾向があった。その点、アベノミクスは、消費税増税の必要性に合意していて、微妙なバランスが取られてきた。すなわち、リフレ政策だけでは長期金利上昇リスクが顕在化する弱点がつきまとう。

 ここに、アベノミクスは消費税増税を加えることで、ゆくゆくは財政再建が図られるという信認が得られ、うまく長期金利上昇が抑えられてきた。消費税の先送りは、そのつっかい棒を外す行為に見える。

3.価格転嫁できない体質

 消費税率を引き上げることは、企業に価格転嫁を求めるものである。過去の政権は、価格転嫁できない需要の弱さが背景にあって、消費税増税に躊躇することが多かった。財政再建が進まないことと、デフレ構造は親密な関係なのだ。

 それに対して、デフレ脱却を標榜する安倍政権には、デフレ構造に挑戦し、それを克服してほしいという期待感が強かった。しかし、ここで増税慎重論に傾くことは、企業の価格転嫁を心配する心理と重なる。

 これは同時に、「2年で消費者物価の上昇率を2%まで高める」という方針も疑わせる。こうしたデフレ構造は、円高と親密である。消費税問題で改革姿勢がぶれると、デフレ克服=円安の振り子が、デフレ継続=円高の振り子へと戻ってしまうリスクがある。

日米連携とアベノミクス

 今、日本と米国は、正常化へ進もうとする点で、歩調を一致させようとしている。米国は、QE3を終了させて、過度に金融緩和に依存した景気拡大から、実体面での力強さを背景にした景気拡大へとスイッチする転換点に差しかかっている。

 対する日本は、消費税増税を実行して、これまで先送りされてきた財政再建に大きく前進する分岐点が近づいている。

 日米経済がともに2014年に予定されるハードルを飛んでこそ、世界経済の牽引役として新しい舞台に立てる。オバマ大統領と安倍首相との間のパートナーシップも、経済力の強化を前提に絆を強めると理解できる。

 最近のTPP交渉を例にとってみても、日本は交渉に参加して初めて、各国の利害が対立している状況を目の当たりにしたことだろう。交渉が難航するほど、米国は日本との連携を進めることで、局面打開をしたいと考えるだろう。

 もちろん、日本も国内産業保護という自国の利害を抱えている。農業などの批判をかわすには、輸入農産物の価格が上昇する円安環境が好ましい。消費税先送りで、円高・株安に舞い戻れば、TPPも推進しにくくなり、国内からの抵抗も勢いを増す。

 株高環境がなくなれば、痛みを伴う規制改革もやりにくい。円安・株高の環境は、日本とパートナーシップを組もうとする流れを後押しする点で、自己実現的なプラス効果をもたらす。

試される内閣の危機管理能力

 安倍政権にとって、消費税増税の判断は明らかに分岐点である。これまで、安倍政権が誕生して8ヵ月間は、経済・外交面で安倍政権が小さなミスを犯しても、巧みに、リスクの顕在化を回避してきた。この巧みさは、歴代内閣の中で抜群だったと思われる。

 しかし政策運営は、新しい地雷原の前に立たされている。ここで消費税増税の先送りをすれば、円安・株高の追い風を失いかねない。せっかくねじれ解消で得られた政治的自由度も、経済改革を前進させるのに貢献してこそ意味がある。

 ここで今一度、何が正しい政策判断であるかを熟考してほしいものだ。
http://diamond.jp/articles/print/39521

 


 

 

 
 

 


 

 

 【第54回】 2013年7月31日 森信茂樹 [中央大学法科大学院教授 東京財団上席研究員]
安倍政権の命運を占う2つの政策
消費税率引き上げと法人税減税
今回の参議院選挙の焦点であったねじれは解消した。次なる課題は、ねじれを解消して何をやるか、ということである。アベノミクスには、大きな期待を寄せつつも、その出口まで見届けないと最終評価は難しい。まず直面する課題は秋口の、来年4月の消費税率引き上げの判断と、抜本的な法人税減税へのコミットである。この2つをどう決断するのかが、最大の試金石だ。

第1の関門は消費税率の
法律通りの引き上げ

 国民が安倍政権を支持した理由は、憲法改正や国家主義的な思想よりも、アベノミクス経済政策に対する評価である。デフレから脱却し、企業業績が改善して所得が増え物価が上がる。こうしたバランスのとれた経済を取り戻すことへの期待だ。

 円安や株価の上昇などによって実体経済も動き始めているが、いまだ本格的な賃金の上昇は起きておらず、デフレ脱却後の出口戦略まで見てみないと、前向きな評価は難しい。

 そのような経済運営に立ちはだかる2つの関門がある。

 一つは、9月にも行われる予定の、消費税率の来年4月の8%への引き上げの判断、もう一つは、経済成長戦略としての法人実効税率の引き下げの帰趨である。

 前者について、消費税率を予定通り引き上げ、財政健全化のコミットを内外に示すことの重要性、社会保障財源を安定的にさせ安心効果を国民に与えることの重要性は言い尽くされているので、ここでは繰り返さない。

「消費税率の引き上げは、外国の投資家を喜ばせるだけだ」という官邸アドバイザーの発言があったが、それは全くの暴論だ。消費税率の引き上げは、金利高騰リスクを軽減させ、わが国経済の持続的な成長につなげていくため、さらには社会保障の充実のために行うのである。決して外国投資家のために行うわけではない。

 消費税率引き上げ後の一時的な景気の落ち込みには、12年度予算の決算剰余金(1兆3000億円程度)の一部を活用した補正予算編成で対応が可能である。

 また、消費税率を1%ずつ段階的に引き上げていく、という案も出ているようだが、それが現実的でないことは、事業者に聞けばすぐわかる。2段階で引き上がるだけでも、経過措置(例えば、契約時期と支払時期とのずれの調整、返品をどう処理するのかなど)が大変なのに、5年間毎年引き上げることがどれだけ混乱を招くか、官邸は経済の現場を知る必要がある。

 一つ忘れてはならない点は、消費税率引き上げ時期を延期するには、「法案を出す必要がある」という点である。自民党の旧谷垣執行部が苦労してコミットした消費税率引き上げを延期する法律案の提出を、党内で議論することは、大きな政治リスクを生じさせるのではないか。

 安倍政権の直面する初めての「国民に苦い薬を飲ませる」決断で、政治家としての資質が問われる重要局面である。

第2に関門は
本格的な法人税減税

 外国の投資家と議論していると、彼らが期待する成長戦略は、法人税改革と特区である。TPPについては、各国の複雑な利害の中で軟着陸となるだろうから、農業改革など経済を活性化させるような大きな変化は起きないという見方だ。

 特区にしても、法人税を引き下げる特区となると、わが国がOECDで、「有害な法人税率引き下げ競争はやめよう」というイニシアティブを発揮しつつある中、逆行することになるのでできないだろう。

 一方6月公表の、アベノミクス「第3の矢」の成長戦略が市場から評価されず、追加的に秋口の設備投資減税が発表された。現在、投資減税の具体化に向けて政府部内で検討が行われている。

 しかし、わが国経済の成長に必要な税制改革は、効果が定かでない投資減税ではないという声もすでに出始めており、9月の投資減税の決定・公表は、再び市場の期待を裏切ることになる可能性が高い。

 そこで、政権が、本格的な法人税改革(法人実効税率の引き下げ)に向けて着手するかどうか(できるかどうか)、これが成長戦略の最大の試金石となる。

法人税減税は
課税ベースの拡大を財源に

 法人税改革を行う場合の最大の課題は財源である。財政健全化のために消費税増税が予定されている際に、財源なくして法人税減税を行うことは論理矛盾であり、事実上不可能である。

 したがって、法人税改革の哲学は明瞭である。「課税ベース(課税の対象となるもの)の拡大をして財源を捻出しつつ法人税率を引き下げること」である。欧州諸国がこのような改革を行って、法人税パラドックスを生じさせたことは、第52回に書いたところである。

 課税ベースの拡大は、基本的には法人税の中で行うことが望ましいが、その他の税目の見直しも含めて考えることも必要だ。

 世界に最も評価の高いレーガン第2期の税制改革は、所得税・法人税など広範にわたり課税ベースを見直し、その財源で税収中立(増減税の総額が等しいこと)の税制改革を行い、所得税や法人税率を大幅に引き下げた。これが今日の米国IT]産業発達の基盤となった。

 課税ベースの拡大といった場合、まず考えるべきは、租税特別措置の整理縮小である。平成22年(2010)度改正で租税特別措置透明法が成立し、租税特別措置の運用実態調査が行われている。この成果を活用して、抜本的な整理統合を図ることが必要だ。

 租税特別措置は、それぞれ所管の役所・業界団体・族議員という「三位一体」の既得権的のかたまりだ。その意味で租税特別措置の見直しは、税制の公平性・透明性を高め、簡素なものにするという立場からも評価できる。

 また減価償却を定額法に戻すことによる財源捻出など(減価償却のスピードを遅らせるので企業には負担増となる)、税率引き下げのために必要な思い切った見直しも必要であろう。

法人税率高止まりの要因=地方税
地方税改革としての法人税改革

 今回重要なことは、わが国の法人税率が高止まりしている要因が、地方法人税にあることから、地方法人税を含めて法人実効税率の引き下げを考える必要があるということだ。つまり今回の法人税改革は、地方税改革でもある。

 地方税の課税ベースの拡大の具体策としては、まず、さまざまな特例措置の結果、課税ベースに大きな脱漏が生じている固定資産税の見直しだ。住宅地にある生産緑地への課税強化、新築住宅への固定資産税の6分の1の負担軽減措置の見直しなどである。

 次に、地方税の応益税(サービスに応じた負担)としての性格を明確にしていくことだ。法人住民税均等割(法人住人税は、均等割と法人税割の2つで構成されており、利益に関係なく資本金等により課税されるものを均等割という)の大幅な引き上げや赤字法人への課税強化、さらには住民税の負担者の拡大などが課税ベース拡大策となる。

 アベノミクスに期待するからこそ、このような改革ができることを切に願っている。
http://diamond.jp/articles/print/39522


02. 2013年7月31日 13:29:49 : RVAqMdbrFM
消費増税は予定通りに=自民・高村氏


 自民党の高村正彦副総裁は31日午前、来年4月の消費税率引き上げに関し「今のところアベノミクスは順調であり、4〜6月の経済指標はそれほど悪いものが出ることはない」と述べ、予定通り行うことが望ましいとの認識を示した。
 同時に「景気にマイナスの影響を与えることは間違いない。その影響を最小限に抑える成長戦略をしっかりやって、(安倍晋三)首相が安心して判断できる環境を整えなければいけない」と語った。党本部で記者団に語った。(2013/07/31-11:08)

http://www.jiji.com/jc/c?g=eco_30&k=2013073100280

消費増税で日銀試算 26年度の成長率 「0.7ポイント押し下げ」
2013.7.31 09:48
 日銀の黒田東彦総裁は30日、政府の経済財政諮問会議で、消費税率の2段階引き上げが日本経済に与える影響の試算を示した。現在の税率5%を来年4月に予定通り8%にすれば、平成26年度の成長率を「(前年の)駆け込み需要の反動減や消費抑制で0・7ポイント押し下げる」と説明した。

 25年度に関しては、駆け込み需要による消費の盛り上がりが成長率を「0・3ポイント押し上げる」と指摘。

 27年度は、27年10月の10%への引き上げによって駆け込み需要と反動減の両方が出て、「若干のプラスになる」と分析した。

 日銀は7月に、こうした消費税増税の影響を考慮して経済や物価の見通しを示す「展望リポート」の見直しを公表し、25年度の実質経済成長率を2・8%、26年度は1・3%、27年度には1・5%と予測した。

http://sankei.jp.msn.com/economy/news/130731/fnc13073109490007-n1.htm

2013年 7月 31日 09:09 JST.安倍首相、消費増税のリスク検討で有識者会合設置へ By TAKASHI MOCHIZUKI 【東京】安倍晋三首相は、景気回復を頓挫させることなく政府の財政を再建していきたい考えで、消費税引き上げをどのように進めるかを検証するパネル(有識者会合)を設置する見通しだ。

 安倍首相の側近は、消費税を引き上げれば、せっかく持続的な成長の兆候を見せ始めている経済に打撃になる恐れがあるため、首相は消費増税を考え直すべきだと示唆している。パネル設置の動きは、こうした懸念を受けたものだ。


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http://si.wsj.net/public/resources/images/JA-AB305_0731_2_D_20130730213003.jpg
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REUTERS

安倍首相
.データでみるアベノミクス効果
インタラクティブ を見る
http://s.wsj.net/public/resources/images/OB-XY584_ABEpro_D_20130624121257.jpg
. パネルは、経済・財政の有識者で構成される見通しで、甘利明経済財政担当相は30日の記者会見で、パネルは「消費増税に向けてどういうリスクがあり、どういう対処をすべきかを幅広く聞く機会になる」と述べた。ただし現在はまだ、安倍首相からの指示を待っている段階だと述べた。

 政府は来年4月に消費税を5%から8%に引き上げ、2015年10月に10%に引き上げる構えだ。しかし消費増税は経済の状況判断によって延期できる。

 菅義偉官房長官は、安倍首相が消費増税の是非を最終決断するのは、9月9日の第2四半期の国内総生産(GDP)改定値の発表後、そして臨時国会が召集される10月半ば前になるだろうと述べている。

 菅長官は記者会見で、「総理は大企業のほか、中小企業、地元企業など各界の声を聞いた後で決断を下すだろう」と述べた。

 甘利担当相は、政府は財政再建のため増税を進めなければならないと述べた。年間GDPの200%以上に上っている政府債務総額が国債市場にパニックをもたらすのではないかと国内外で懸念が高まっている。

 甘利担当相は別の会見で、「リーマンショックなどよほどの外的要因がなければ上げないという選択肢はない」と述べ、消費増税プランを実行できるように、「最大限の環境整備行う」と語った。

 同様の見解は、消費増税に積極的な麻生太郎副総理兼財務・金融相からも出ている。麻生副総理は、財務省の地方局会合で講演し、「日本経済再活性化の目標を推進する一方で、財政改革を遂行するのは極めて大切だ」と強調した。

 しかし、安倍首相の側近の中には、これとは異なる見方をしており、来年4月に消費税を引き上げれば景気が腰折れすると懸念している。例えば安倍首相の特別経済顧問(内閣官房参与)でエール大学教授の浜田宏一氏は、消費増税は個人消費を減退させかねないと述べ、消費税の引き上げペースを鈍化させるよう求めている。

 経済の先行きに注目が集まる中、30日に発表された雇用関係の指標は改善を示した。6月の失業率は3.9%に低下。有効求人倍率は0.92倍と2008年6月以来の水準に上昇した。

 菅官房長官は、「アベノミクスによる景気回復に向けた動きが雇用にも波及し始めている」との認識を示した。

 失業率の低下や賃金の上昇はGDPの約60%を占める消費の改善を維持するために欠かせない。だが、ニッセイ基礎研究所の斎藤太郎氏は、消費増税によって起きる需要の減退に企業が対処しようとすれば、一時的に失業率が上昇する可能性があると指摘した。

http://jp.wsj.com/article/SB10001424127887323670304578638590089128904.html

消費増税判断は10月=世耕氏見通し


 世耕弘成官房副長官は30日夜のBSジャパンの番組で、2014年4月に予定される消費税率引き上げの是非について、安倍晋三首相は10月に判断するとの見通しを示した。
 世耕氏は、判断材料として、9月に発表される4〜6月期の国内総生産(GDP)に触れた上、「賃金、雇用も重要だ。これらのデータが10月頭に出てくる。結論は10月だと思っていただくしかない」と述べた。(2013/07/31-01:10)

http://www.jiji.com/jc/c?g=eco_30&k=2013073100016


03. 2013年7月31日 13:48:01 : RVAqMdbrFM
社説
消費増税判断 「凍結」含め徹底論議を(7月30日) 政府が来年4月に予定する消費税増税で、現行案のほかに、実施の凍結や税率を小刻みに上げるなどの修正案も含め、幅広く検討に入ることが分かった。

 安倍晋三首相がデフレからの脱却を最優先し、増税に伴う景気への悪影響を抑えたいとの意向を示しているためだ。

 円安株高で企業の景況感は好転しているが、国民の実感は乏しい。一方で、6月の消費者物価は1年2カ月ぶりに上昇に転じた。

 物価高が先行したまま増税に踏み切れば、暮らしを脅かすのは間違いない。麻生太郎財務相らは依然、予定通りの実施を主張しているが、凍結も視野に入れて、議論を重ねるよう求めたい。

 昨年8月に成立した消費税増税法では、現行の税率5%を来年4月に8%、2015年10月に10%へ引き上げることになっている。

 ただ同法には経済好転が確認できなければ、増税を見送る「景気条項」が盛り込まれ、政府は10月中旬に召集予定の秋の臨時国会前に最終判断する考えだ。

 首相は、財政健全化を目指し8月に策定する中期財政計画について「消費税率の引き上げを決め打ちするものではない」と述べ、増税を計画の前提にはしない考えを強調した。

 首相のブレーンの浜田宏一米エール大名誉教授らが、景気悪化への懸念を示しているためだ。

 今後、経済財政諮問会議のメンバーに有識者を加えた会議で、増税の当面凍結や税率を1〜2%ずつ上げていく案について、経済への影響を検証しながら議論する見通しだ。

 橋本龍太郎政権が1997年に消費税率を3%から5%に引き上げた際には景気が腰折れし、税収増にもつながらなかった。

 安倍首相が予定通り消費税率を上げると言うのであれば、増税してもデフレには陥らないとの見通しをはっきり示す必要がある。

 一方、消費税増税は半ば「国際公約」でもある。国債取引を行う金融市場も増税を織り込み済みという。

 日本は、9月上旬にロシアで開かれる20カ国・地域(G20)首脳会合で、中期財政計画の説明を求められている。

 増税方針を変更する場合は、財政再建の行方に疑問を持たれかねず、首相は難しい選択を迫られる。

 増税の凍結や上げ幅の修正には、法改正が必要となる。

 先の参院選では、民主党と日本維新の会を除く野党が増税の中止、凍結を掲げた。そもそも、セットだったはずの社会保障改革も置き去りにされている。秋の臨時国会で一から徹底的に論議し直すべきだ

http://www.hokkaido-np.co.jp/news/editorial/482597.html


04. 2013年7月31日 14:00:01 : RVAqMdbrFM
☮〖消費増税〗いよいよ対峙の秋、最大の敵は財務省[桜H25/7/25]
http://www.youtube.com/watch?v=h69FaxZkjHc
☮〖正論を聞くつどい〗日本再生−真の戦いはこれから[桜H25/7/30]
http://www.youtube.com/watch?v=qwCD0blr-9s

05. 2013年7月31日 17:47:40 : FlnFDq4Fl2
消費増税は必要=維新幹事長
時事通信 7月31日(水)16時52分配信

 日本維新の会の松井一郎幹事長(大阪府知事)は31日の記者会見で、来年4月に予定される消費税率の5%から8%への引き上げについて「日本の将来を考えれば増税に踏み切る必要がある」と述べ、法律で定められた通り実施すべきだとの考えを示した。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130731-00000106-jij-pol


06. 2013年7月31日 17:49:15 : FlnFDq4Fl2
高村副総裁、予定通りの消費増税主張 成長戦略とセット
産経新聞 7月31日(水)16時1分配信

 自民党の高村正彦副総裁は31日、党本部で記者団に対し、安倍晋三首相が10月ごろ判断する来年4月の消費税率8%への引き上げについて「今のところ『アベノミクス』は順調で、4〜6月の経済指標はそれほど悪いものが出ることはない」と述べ、予定通りの引き上げを主張した。同時に「税率を上げることが景気にマイナスの影響を与えることは間違いない。影響を最小限に抑える成長戦略をしっかりやらなければならない」とも語った。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130731-00000553-san-pol


07. 2013年7月31日 19:42:26 : RVAqMdbrFM
消費増税、影響最小限にする戦略を…高村副総裁

自民党の高村正彦副総裁は31日、安倍首相が9月中にも最終判断する消費税率の8%への引き上げについて、「(安倍政権の経済政策)『アベノミクス』は順調だ。想定より良い経済状況で、(引き上げの)判断を迎えることができるのではないか」との見通しを示した。

 そのうえで、「(景気への)影響を最小限に抑える成長戦略をしっかりやり、首相が安心して判断できる環境を整えなければいけない」と述べた。党本部で記者団に語った。

(2013年7月31日19時16分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20130731-OYT1T01047.htm?from=ylist


消費税:増税判断、首相先送り 景気先行き、不安残り 財政計画に影響も

2013年07月31日


 来年4月の消費税率8%への引き上げを巡り、首相官邸が最終決断を先送りしている。経済再生と財政再建の両立を目指す安倍晋三首相は、今秋まで経済指標などを見極める姿勢を崩さず、方向性を明確にしていない。その結果、中期財政計画や2014年度一般会計予算の概算要求基準(シーリング)の策定作業は消費増税を織り込まないまま進んでおり、「首相は増税を迷っている」という臆測も広がっている。【横田愛、光田宗義】

 首相は30日、麻生太郎副総理兼財務相、甘利明経済財政担当相と首相官邸で会談し、概算要求基準策定に向け「経済成長と財政規律をしっかり詰めるように」と指示した。しかし、財務省がこの日、自民党政調幹部会に示したのは、税収見通しが立たないために数字が抜け落ちた資料。増税方針が決まらないため、今回の概算要求は歳出の上限を示さない異例の事態になる見通しだ。

 15年度の財政赤字を10年度比で半減する財政健全化目標達成に向けた中期財政計画を巡っても、政府は消費増税に触れずに8月上旬にまとめる方針。首相は9月5〜6日にロシアで開かれる主要20カ国・地域(G20)首脳会議で、歳出と歳入の根拠を欠いた財政計画を説明することになる。

 麻生氏は30日の記者会見で、消費増税について「日本は秋に決めると最初から言っている。世界的におかしいと思う人はいない」と説明した。しかし、財政健全化は事実上の「国際公約」。経済情勢の見極めを優先する首相官邸に対し、政府内からは「財務省を信用していないのではないか」との声も聞こえる。

 菅義偉官房長官は30日、東京都内での講演で「輸出産業、大企業、中小企業、地方、さまざまな意見を聞く。どうしたらデフレを脱却できるかに政権の命運がかかっている」と述べ、結論を急がない考えを強調。首相のブレーンの浜田宏一内閣官房参与は11日、名古屋市の講演で「税率を1%ずつなだらかに上げる」というくせ球を投げた。

 首相官邸が増税のフリーハンドを確保しようと腐心するのは、景気の先行きになお不安が残るためだ。首相は「経済指標を見ながら、私が適切に判断する」と中立的な発言を繰り返す。参院選に大勝し、長期政権を視野に入れ始めた首相にとって、ようやく明るさの見えてきた景気動向が最大の不安定要素といっていい。

 ただし、自民党内では「(増税を)引き延ばす現状にはない」(石破茂幹事長)という意見が大勢だ。24日に首相官邸を訪ねた自民党の野田毅税制調査会長は「増税の悪影響を心配されているようだが、既に手は打っており、さらなる対応もする」と首相の決断を促した。党税調が30日開いた幹部会議では、浜田氏への不満が続出。自民党幹部は「増税方針を決めた昨年より経済情勢はよくなっている。予定を変更したら批判は免れない」と話す。

 一方、自民、公明両党との3党合意で増税を進めた民主党は、官邸の動きを複雑な視線で見つめる。民主党の前原誠司元外相は30日、毎日新聞の取材に「国債価格の下落や金利上昇など、消費税を上げないことでかえって経済が混乱するリスクがある」と指摘した。

………………………………………………………………………………………………………

 ◇消費増税の最終判断に関わる今後の日程

8月上旬   中期財政計画の取りまとめ

   12日 4〜6月期の国内総生産(GDP)速報値発表

   30日 7月の消費者物価指数、失業率発表

9月5〜6日 主要20カ国・地域(G20)首脳会議(ロシア)で中期財政計画を説明

    9日 4〜6月期のGDP改定値発表

9月中    自民党税制改正案取りまとめ

       安倍首相が最終判断

10月    臨時国会召集

http://mainichi.jp/select/news/20130731mog00m010007000c.html
http://mainichi.jp/select/news/20130731mog00m010007000c2.html


【片岡剛士氏インタビュー】異次元緩和から消費税増税まで――アベノミクスのこれまでとこれからをどう捉えるか

大胆な金融緩和などを主張する安倍総理の経済政策は、アベノミクスと呼ばれて、その是非をめぐってさまざまな書籍が発売された。その中でも『アベノミクスのゆくえ』(光文社新書)は、安倍政権の経済政策を過去・現在・そしてこれからの観点から、明晰かつ詳細に論じたものとして定評がある。参院選が自民党の圧勝で終わり、ねじれが解消された今、著者の片岡剛士氏にアベノミクスの実態と今後の展望についてお話をうかがった。

異次元緩和のインパクト
──アベノミクスについては、有識者やマスコミの中でも賛否両論ありますが、『アベノミクスのゆくえ』では、第一の矢である「大胆な金融緩和」こそが、第二の矢である「機動的な財政政策」、第三の矢である「民間投資を喚起する成長戦略」を適切に作動させるための必要条件としています。本書の発売(2013年4月)と同時期に、日銀のいわゆる異次元緩和が行われましたが、その動きについてどう評価していますか?


『アベノミクスのゆくえ』
 片岡剛士氏(以下:片岡氏)■「異次元緩和」については、高く評価していますし、すでにさまざまな指標で景気回復の兆候が見られています。日銀が4月4日に発表した異次元緩和について、執筆当初は盛り込めませんでしたが、2刷以降、また電子書籍では内容についての言及も入れています。新しく日銀総裁となった黒田東彦さんは「これまでと次元の異なる金融政策だ」と言い、「消費者物価の前年比上昇率2%という「物価安定の目標」を、2年程度の期間を念頭に置いて、できるだけ早期に達成・維持する」と発表しました。

 これはいままでの日銀には考えらないことでした。政策担当者の政策に対する考え方をレジームと呼びますが、そのレジームを変えることは政策の転換を一般の人に認知させる鍵になります。これまで日銀はデフレの原因が政府にあるかのように責任逃れをしてきましたが、黒田さんは明確にインフレ目標を打ち出して、従来とは異なる立場を示しました。レジームチェンジを明確に宣言したわけですね。

 安倍政権ができるまでの金融政策のレジームは、「現在でも十分に金融緩和をやっていて、それでもデフレから脱却できないのは政府の規制緩和が進んでないからだ」とか、「少子高齢化が原因」とか、「中国をはじめとした新興国の安い商品が輸入されてくるからだ」といったものでした。「日銀の金融緩和が足りない」「日銀の金融政策が間違っている」と批判しても、聞いてくれる人はほとんどいない状況だったのです。

──実際のところ、日銀のそれまでの金融政策をどうご覧になりますか?

 片岡氏■1985年のプラザ合意以降、日銀の金融政策はずっと間違い続けていました。プラザ合意後の円高不況に対処するために急激な利下げによりバブルを作り、そしてバブルを終わらせるために急激な金融引き締めを行なった。バブル崩壊以降は中途半端な金融緩和しかしないで、景気を十分に回復させることができず、1997年についにデフレに突入してしまいました。

 そして1999年に日銀はゼロ金利に踏み込み、ITブームもあって景気回復がはじまったと思ったら、2000年8月に政府の反対を押し切ってゼロ金利を解除し景気後退を促してしまった。そして翌年3月にまたゼロ金利を復活させ量的緩和に踏み切って景気が回復局面に戻ったのに、2006年3月にはデフレ脱却を待たずに量的緩和を解除し、同年7月には政策金利を引き上げました。そのため2008年2月から日本は再び景気悪化局面に突入し、8月のリーマン・ショックを迎えるわけです。

 リーマン・ショック以降、欧米諸国は大規模な財政・金融政策に踏み切りました。その時期の日本は、財政政策は行ったものの、一方で日銀の金融緩和は他国と比較して見劣りするもので、デフレと円高は深刻化してしまいました。その結果、リーマン・ショックの震源地でないはずの日本への影響が深刻となり、いつまでたってもデフレから脱却できないという状況になってしまったのです。そして東日本大震災が起こり、野田政権のもとで消費税増税が決まるという流れでした。

 野田政権当時は本当に手詰まり状態で、日本経済がよくなる可能性がまったく見出せませんでした。それなのに世界と同じ水準の金融政策をやったほうがいいと言うと、周りから石を投げつけられるような状況でした。

──そのような状況で新政権が誕生したのですね。

 片岡氏■はい、安倍政権が登場し、大胆な金融政策を掲げ、選挙に勝ったわけです。ちょうど任期が切れる日銀総裁に黒田東彦さんを、副総裁の一人に長年リフレ政策を主張してきた岩田規久男さんをあてたのです。

 安倍‐黒田体制となって金融政策のレジームが180度変わり、4月4日の異次元緩和につながります。安倍政権が誕生せずこれまでと同じレジームに沿った政権が誕生すれば、失われた20年が延長されて、失われた30年になることすら、ありえたかもしれません。『アベノミクスのゆくえ』はこういう状況の中で、過去の経済政策を検証し、アベノミクスの三本の矢の考え方を分析し、将来の日本経済の行く末とアベノミクスの落とし穴をできる限り詳しく論じたものにしたつもりです。

──『アベノミクスのゆくえ』が刊行されてから、3〜4カ月ほどたちますが、その間の経済動向をどう見ていますか。

 片岡氏■内閣府が6月10日に発表した2013年1〜3月期の国内総生産(GDP)は前期比年率換算で4.1%増となりました。特に輸出、消費が非常に堅調でした。株価も5月23日になる前までは1万5000円に届くところまで回復し、去年の11月は8000円台でしたからほとんど倍増しましたね。為替レートも当初80円台だったものが100円台をうかがう勢いになりました。

 日銀短観(全国企業短期経済観測調査。景気動向を把握するために全国1万社の企業に対して3カ月に1度行う調査)でも、6月は非常に良い結果が出ました。もちろん中小企業や中堅企業はまだまだ回復が行き届いていない側面がありますが、民主党政権の時と比べるとあきらかに改善している。

 6月28日に発表された5月の鉱工業生産をみると前月比で2%増えており、生産も回復傾向にある。在庫も減少し、出荷も伸びている。在庫循環という意味で考えると4月以降好循環の局面に入り、出荷が増えてきているということです。消費も高額商品の消費を中心に増加している。

 そして企業の利益も増え、前年度と比較して2〜3割増を予想している企業が多い。輸出関連企業はもっと増えると見込んでいます。

 輸出企業は想定為替レートが91.20円(日銀短観 2013年6月調査)で、現在の為替レートは100円前後を推移しています。つまり為替差益はさらに伸びる余地があるのが今の状態です。利益はさらに伸びる可能性が高いですし、この状況が持続すれば賃金増にもつながっていくでしょう。実際にパートやアルバイトの時給があがってきている業種もあります。そういう意味でも好循環が起きている。

 まとめると、現状のデフレの状態から将来は需要の増加を伴ったインフレが安定的に続くのではという期待感が株などの資産価格に反映され、それが着実に実体経済に波及しているというのがこれまでの流れだと思います。

──5月23日の午前中には1万5000円を超えた株価が一気に急落し、株安が続いたのでアベノミクスの限界論も流れました。

 片岡氏■株価が急落したのは、米連邦準備制度理事会(FRB)が出口戦略を表明したことが主因でしょう。バーナンキ議長が5月22日の議会証言で「労働市場の見通しが実質的かつ持続的に改善すれば、連邦公開市場委員会(FOMC)は資産買い入れペースを緩やかに縮小していく」と出口戦略に踏み込むようなことをほのめかしました。23日以降の株価下落はこの発言が契機だったと考えています。

 なぜならアベノミクスでおこった日本の株高・円安は、外国人投資家の影響が大きいためです。彼らは日本と違ってインフレの世界に生きていますから、日銀が大きく変貌したことに敏感です。アメリカは量的緩和を第3弾(QE3)までやっているので、投資家の手には多くの資金がある。これをバーナンキ議長が引き締めるといいはじめたので、今のうちに利益を確定しておこうという流れが起きたのです。

特に日本株は4月末時点で9カ月連続上昇していました。1984年以降9カ月連続で株価が上がったのはバブル期と小泉政権期の2回しかありません。投資家としては、そろそろ利益を確定して買いポジションを仕切り直そうという時期でもありました。つまり、ポジションの仕切り直しを考えていた時期とFRBが出口政策の話をした時期が重なって、外国人投資家に日本の株を手仕舞っていくきっかけを作ったのです。

 そして6月のFOMCでもバーナンキは次のように具体的なスケジュールを明言しました。「インフレ率は目標である2%に向け回帰していくと見ている。今後発表される経済指標がこの見通しとおおむね一致すれば、毎月の資産買い入れ規模を年内に縮小させることが適切であると、FOMCは現時点で予想している。さらにその後の経済指標が引き続きわれわれの現在の経済見通しとほぼ一致すれば、来年上半期を通して慎重なペースで買い入れを縮小していき、年央あたりに終了させる」と言ったわけです。見通し通りになればという条件付きですが、時期が明確化されるとそれまでにできる限り利益をあげた状態で手仕舞いたいというのが投資家の真理ですから、急速にポジションを調整したため株価の乱高下が起きたと考えています。

 ただ中長期的な流れとしてはアメリカが金融引き締めをし、日本が金融緩和を進めていくわけですから、円安・株高の地合いはまだまだ止まらないと思います。

──アベノミクスに日本の投資家がさほど動かなかったのはなぜでしょうか。

 片岡氏■外国人投資家はインフレの世界で生きていますが、日本の投資家は15年近く続いたデフレの世界で生きてきました。そしてレジームが変わったことを理解しきれていない、「変革」に半信半疑であるということではないでしょうか。

 本来であれば、その国の通貨を発行できる中央銀行は絶対的な権限を持っていますから、中央銀行と逆のポジションで争っても勝てるはずがありません。

 実際に黒田日銀は2%インフレの世界を目指しています。そうなった時には国債の金利は高くなり、価格が安くなります。つまり国債の旨味がなくなるわけです。ですから、早いうちにリスク資産に投資をしたほうが儲かるし、効率的ですよということを市場に働きかけているわけですが、その考えが浸透するには時間がかかるということでしょう。

 今はだんだん理解が浸透してきているという局面ですから、この状態を続けていけば、結果として物価上昇率は2%台になる。金利も株価も実体経済も2%のインフレに見合う状態まで回復していくという状況になると思います。

消費税増税の影響をどう読むか
──参院選後の焦点は、来年の消費税増税だと思いますが、これが景気を冷やす可能性はありますか。

 片岡氏■私は予定通り消費税増税が実行された場合、アベノミクスにより期待された景気回復が大きく頓挫するのではないかとの懸念を持っています。2012年からはじまった景気回復の流れで起点となっているのは消費です。今は株価が上がり、円安になり、実体経済では団塊世代層が消費をしているという状況です。消費税増税によって消費増にストップがかかるでしょう。

 今のところ、設備投資は伸びてきていません。住宅投資は盛り上がっていますが、増税前の駆け込み需要ですから、反動減は避けられない。そうすると耐久財の消費が悪化します。景気動向指標でも伸びているのは耐久財消費と株価、そして耐久財消費の裏側になっている企業の耐久財供給です。輸出は伸びていますがまだまだ。機械受注も目立った伸びを示していません。

 つまり景気は回復局面にあると言っても、完全に回復したわけではないのです。そこに冷水をかける可能性が非常に大きいと思います。私は消費税増税そのものに反対しているわけではありません。しかし予定通り行うことには反対です。

──消費税には貧しい層ほど、税負担が重いという逆進性の問題もありますね。

 片岡氏■与党は逆進性対策のために軽減税率を主張していますが、実は高額所得者のほうが、より高額の消費をしますから、彼らのほうがより恩恵を受けやすい面があります。逆進性対策には給付付き税額控除などで、所得税が非課税の層には現金を給付するという方法のほうがいいと思いますが、税と社会保険料を一元的に管理・徴収する歳入庁がないからそれも難しい。

 税の捕捉率もクロヨン(964=給与所得者の所得税の捕捉率が9割、自営業者が6割、農業・林業・水産業事業者が4割)などと言われるほどにバラバラですから、そこはちゃんとした仕組みにすべきです。増税の前に税の取り方そのものの効率性を上げることも大事ではないかと思います。

──消費税増税が実施されるかどうかは今年の4―6月期の景気を見て秋に判断すると法案には盛り込まれていますが、実施されると思いますか。

 片岡氏■安倍総理が「増税を遅らせます」と宣言し、法律の改正を行わない限り実施されるでしょう。私は経済が浮揚しつつあるところで増税を行うのは、世界的な潮流から鑑みても良いことだとは思えません。経済状況が良くならないと財政再建もできないことが、欧州危機では明らかになりました。ギリシャやポルトガルなど欧州の国々は財政再建のため財政緊縮をいくらやっても経済を浮揚させることはできなかったわけです。

 結果的に失業率が上がり、国民の不満も加速度的に溜まってしまう。日本においても増税によって、経済状況が悪くなり、元の木阿弥になってしまった場合は、アベノミクスの長所までもが一緒くたにダメだった、という話になってしまうでしょう。そうすると失われた20年をもう一回繰り返すことになりはしないかと懸念してしまいます。

 そういうリスクを考えれば、たとえば1年くらいは消費税増税の実施を待ってもいいんじゃないかと思います。消費税1%で徴収できる税収は2.5兆円ですから、3%分の増税で得られる税収は7.5兆円です。それをファイナンスする方法は埋蔵金でも国債発行でもいいと思いますよ。すでに1000兆円ほど長期債務残高が積み上がっているわけですが、ここで7.5兆円長期債務残高が増えたら財政破綻となるのでしょうか。

 財政再建で大切なのは増税をすることではなく、経済成長に配慮しつつ財政再建の道筋をつけていくかということです。政府は「骨太方針」で「国・地方のプライマリーバランスについて、2015年度までに2010年度に比べ赤字の対GDP比の半減、2020年度までに黒字化、その後の債務残高の対GDP比の安定的な引下げを目指す」と閣議決定しました。経済成長でどれくらいの税収増が見込めるのか、そして増税することでどれくらい税収が見込めるのかを明確化して、その中で弾力的に税制を見直していくことが大事だと思います。

(取材・構成:島田健弘)

●片岡剛士(かたおか・ごうし)
1972年、愛知県生まれ。三菱UFJリサーチ&コンサルティング経済・社会政策部主任研究員。専門は応用計量経済学、マクロ経済学。著書に『日本の「失われた20年」』(藤原書店)、『円のゆくえを問いなおす』(ちくま新書)、『アベノミクスのゆくえ』(光文社新書)がある。

http://www.sbbit.jp/article/cont1/26658?page=1
http://www.sbbit.jp/article/cont1/26658?page=2
http://www.sbbit.jp/article/cont1/26658?page=3


08. 2013年7月31日 19:50:29 : RVAqMdbrFM
財務省の瀬戸際戦略に要注意 消費増税の判断は「9月中」に2013.07.30
.連載:「日本」の解き方

 参院選後に行われた朝日新聞の世論調査で、消費税増税に58%が反対しているという結果が報じられた。消費増税10+ 件については昨年12月の衆院選と今回の参院選でも、直接国民に信を問うてはいないが、間接的には反対ということだろう。増税の道筋をつけた民主党が衆院選と参院選で惨敗したのも、国民の意思を示していると考えられる。

 麻生太郎財務相は増税の判断時期について、G20(主要20カ国財務相・中央銀行総裁会議)を念頭に9月上旬までに判断すべきとの考えを示している。安倍晋三首相は、4〜6月の経済指標を見て、秋にも判断するというが、この秋とはいつだろうか。

 今後の政治日程を見ておこう。8月は初旬に臨時国会召集、上旬に概算要求基準の決定、12日に4〜6月期GDP速報値(1次速報)発表、月末に概算要求締め切りとなる。9月は5、6日にロシアのサンクトペテルブルクでG20開催、9日に4〜6月期GDPの2次速報値、中旬に内閣改造。そして10月上旬に臨時国会が召集される。

 すでに消費税増税法案が成立しているので、増税を凍結するには、10月上旬からの臨時国会でそのための法案を提出しなければいけない。つまり、10月に判断するというのは、民間の準備を考えると事実上増税容認となる。となると、9月9日のGDP2次速報を見て、9月中に判断しなければいけない。

 ただ、麻生財務相の「G20までに方向性を示す必要がある」というのは、ちょっと急ぎすぎだ。その理由は簡単で、財務省がこれまで主張してきた理由に合わせただけだ。財務省は増税の必要性について「国際公約だから消費税増税しないと国債が暴落しかねない」という趣旨の説明をしている。これは北朝鮮の瀬戸際外交のような話だ。

 もっとも、金融市場は賢いので、政治的思惑の通りには動かず、もっと合理的な反応をするだろう。これまでの歴史から見れば、増税は必ずしも財政再建に直結しない。まして、デフレ下での増税は逆効果で、経済停滞を招き、財政再建への道は遠くなる。リーマン・ショック後の欧州で、増税をして経済が良くなった国がどのくらいあるのだろうか。デフレ脱却まで、増税をしないのが定石だ。財務省は変な脅しはやめたほうがいい。

 しばしば格付け会社が増税がないと日本国際の格付けが下がるということもあるが、格付けは市場ではあまり意識されていない。役所の息のかかった格付け会社の格付けよりも、市場取引の結果であるCDS(クレジット・デフォルト・スワップ)などの方がよく見られている。

 そのCDSはアベノミクスの経済成長により低下傾向だ。一時的には少しぐらいの金利乱高下はあっても、長い目で見れば、非合理な話は続かないので、余計な心配は無用だ。

 税率引き上げの判断については、9月9日のGDP2次速報を見て、その時期に予定されている内閣改造案を練りつつ、じっくり民意を読みながら判断するのがいい。(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20130730/dms1307300742004-n1.htm


09. 2013年7月31日 22:30:14 : RVAqMdbrFM
消費増税 安倍首相の判断は固まっていないのか?」

2013年7月31日 08:54

記事提供元:フィスコ

*08:54JST 「消費増税 安倍首相の判断は固まっていないのか?」
消費税増税の方法について、様々な意見が出ているようだ。安倍首相に対して消費税増税の具体的方法を変更すべきではないか?と提言する向きもいる。毎年1%ずつ、5段階で税率引き上げを実施すべきとの提案が示されている。

消費税増税を実施する場合、1年に1%ずつ、5回に分けて税率引き上げを実施すれば、経済に大きな影響を与えないからだ。ただし、市場参加者や専門家の間では、この方法にはいくつか問題がある。

まず、消費税率を毎年変更すると事業者の事務負担が重くなる。また、毎年1%ずつであっても増税が5年続くことは消費者のマインド悪化や政権支持率の低下につながる可能性がある。個人消費の活性化は期待できない。

財務省は2014年4月より消費増税率を8%に引き上げることで動かない。麻生財務相の発言を聞けば、誰もがそう思うだろう。しかしながら、安倍首相は2014年4月の消費増税実施を明言していない。増税方法を変更するか、予定通り実施するか、最終判断を下していないように思える。

(消費増税で)安倍首相の判断が固まっていないことは、景気の先行きに対する不安感を高めることにつながるとの見方がある。なお、1995年から1998年にかけての円安局面では、株価が大きく上昇する局面もあったが、橋本政権が消費税増税を決めた1996年6月以降、株安に転じている。今回も同じ現象が生じるリスクが存在している。《FA》

http://www.zaikei.co.jp/article/20130731/143350.html

主張
消費税増税
強行すれば取り返しがつかぬ

 来年4月から、現在5%の消費税の税率を8%に引き上げる増税をめぐり、予定通り引き上げるのかどうかの議論が政府周辺で活発になっています。安倍晋三首相は経済の動向を見極めて判断すると繰り返すだけで、増税しないとはいいません。有識者会議をつくって検討するとも伝えられます。政府部内には麻生太郎副総理のように予定通りの増税を主張する意見や、延期や段階的な増税を示唆する意見もあります。消費税増税は国民の暮らしと経済に壊滅的な打撃を与えます。小手先でごまかさず、きっぱり中止、消費税に頼らない財源対策に転換すべきです。

暮らしと経済に壊滅的
 消費税の税率を来年4月からまず8%に、再来年10月からはさらに10%に引き上げる増税は、昨年秋、当時政権にあった民主党が自民、公明と談合して決めたものです。国民の批判をかわすため、実際に増税するかどうかは経済動向を見極めて決めることにしており、安倍政権は8月中旬に発表される国内総生産(GDP)の伸び率などを見て、秋までには判断するとしてきました。その期限は近づいており、安倍政権の内部で増税の実施をめぐり議論が起きているのは、消費税増税の大義のなさと、「アベノミクス」による「経済再生」を売り物にしてきた安倍政権の自信のなさを浮き彫りにするものです。

 消費税の税率をまず8%、最終的には10%に引き上げて総額13・5兆円もの負担増を国民に押し付ける増税は、国民の暮らしに大打撃を与えるだけでなく、購買力の低下で日本経済にも壊滅的な打撃を与えます。中小零細業者は、仕入れに含まれる税額も転嫁しきれず身銭を切ることも多いため、売り上げの減少とダブルパンチです。政府が経済動向を見ながら増税の実施を決めるとしたのも、昨年のような「デフレ不況」のもとではとても認められないという批判を無視し切れなかったためです。

 実際これまでの消費税増税では、暮らしと経済が深刻な打撃を受けてきました。たとえば1997年4月から消費税の税率を3%から5%に引き上げたさいには、特別減税の終了や社会保険料の引き上げなども重なり、国民の負担増が8・6兆円にのぼったため、経済成長はマイナスに逆戻りし、税収も大幅に落ち込みました。負担増がさらに大きい今回の消費税の増税が、そのとき以上の打撃を暮らしと経済に及ぼすのは確実です。

 安倍政権が発足以来、経済の再生を最優先させてきたのは、消費税増税を実施できる条件づくりという側面もあったのは明らかです。実際には「アベノミクス」で株価や物価は上がっても、国民の所得や雇用は改善せず、政府も自信を持って増税に踏み出せないのが現状です。専門家は、所得の落ち込みが続いてきたため、家計へのダメージは前回の増税時より大きいと指摘します。消費税増税を強行する条件はまったくありません。

消費税に頼らない財源を
 いま求められるのは消費税増税をきっぱり中止し、国民の所得を増やす景気拡大による税収増と、大企業・大資産家優遇税制の是正で、消費税に頼らない財源対策に転換することです。政府にさえ自信がないのに増税を強行すれば、それこそ取り返しがつかない事態になります。

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik13/2013-07-30/2013073001_05_1.html


10. 2013年7月31日 22:37:35 : RVAqMdbrFM
消費増税で公明・上田氏「来春は前のめり」/神奈川

2013年7月31日

 公明党の上田勇政調会長代理(衆院6区)は30日、神奈川新聞社の取材に対し、来年4月に予定されている消費税増税について、「(民主、自民、公明の)3党で引き上げ時期を来春に決めたことは、前のめりだった」と述べ、増税時期を見直す余地があるとの見解を示した。

 政府は、9月に発表される4〜6月期の国内総生産(GDP)速報値の改定値を見て増税の是非を判断する方針。上田氏はこれに対し、「4〜6月期に、はっきりとした回復傾向が現れるのは難しい」と、9月段階での決断には流動的な要素があるとの見通しを示した。

 ただ、「この期に及んでご破算にするのは影響が大きすぎる面がある」とも述べ、3党合意の変更は困難との認識を表明。「安倍晋三首相は、難しい判断を迫られる」と語った。

http://news.kanaloco.jp/localnews/article/1307310002/

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