ＮＨＫの連続テレビ小説「あまちゃん」による岩手県内の経済波及効果が今年度だけで３２億８４００万円に上るとの試算を、岩手銀行系の調査研究機関、岩手経済研究所（盛岡市）がまとめた。

　試算によると、ロケ地の久慈市を訪れる観光客が約２倍に増える。増加分は３４万４０００人に達し、宿泊や、郷土料理「まめぶ汁」などの食事をするほか、関連グッズや土産物を購入。さらに４６５人分の雇用を生むなど県民の所得が増えることで消費も増加する、とした。試算には今年５月の大型連休の実績を用いた。

　担当した同研究所の沢田恭範研究員（３０）は、「番組をきっかけに県内を訪れた人がリピーターになれば経済効果はさらに拡大する」と説明。久慈市の山内隆文市長は、「市にもかなりいい影響が出ている」と商機を歓迎していた。

（2013年8月6日08時08分 読売新聞）

http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20130805-OYT1T01051.htm

　久慈地域でロケが行われたＮＨＫ連続テレビ小説「あまちゃん」による本県への経済波及効果は３２億８４００万円が見込まれると、岩手経済研究所（理事長・高橋真裕岩手銀行頭取）が算出した。ドラマの放送は９月までで、効果を持続させるための取り組みが課題となりそうだ。

　同研究所によると、今春の大型連休の入り込みから、久慈市の本年度の観光客数が、２０１１年度比２倍になると予想。観光客の増加分を３４万４千人と推計して試算した。

　それによると、県内への影響は宿泊費や交通費、土産代など直接効果が２０億９６００万円。原材料などの生産誘発による間接効果を含めた「１次波及効果」が２８億２００万円。さらに雇用者所得の増加分が消費に回ることで「２次波及効果」４億８２００万円が見込めるとした。誘発される就業者は４６５人と計算した。

(2013/08/06)
http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20130806_8

　県内経済に３２億８４００万円の波及効果が見込まれるＮＨＫ連続テレビ小説「あまちゃん」。ロケ地の久慈市だけでなく、内陸部でも関連商品が売れるなど、県内は千載一遇の商機に沸いている。

　試算をまとめた岩手経済研究所によると、内訳は、宿泊費や県内生産の材料費など１次波及効果が２８億２００万円、従業員の所得増に伴う消費誘発など２次効果が４億８２００万円だ。

　盛岡市菜園の特産品プラザ「らら・いわて」では店員数人が磯着姿で接客し、特設コーナーでマグカップや久慈特産の「まめぶ汁」など約３０種類を販売。７月の売り上げは約５０万円で、放送開始の４月からほぼ倍に伸びた。

　「放送回が進むに従って売り上げも伸びている。ブームは続きそうな予感です」と吉田牧子店長（５８）。親戚へのお土産を探していた同市北山、主婦沼宮内レイ子さん（７２）は、毎朝「あまちゃん」の視聴は欠かさないといい、「岩手を題材にした物語に人気が出てうれしいですね」と喜んでいた。

　同店など県内外の約２０か所で「あまちゃん」オリジナル手ぬぐいなどを販売する同市紺屋町の染色業「巴染工」の東條誠社長（４３）は「発売は５月末からで、当初の予想の３倍ほどは売れている」と手応えを語る。

　県観光協会では、ドラマの中でヒロインたちが驚いた時に発する言葉「じぇ」に焦点を当てている。

　今月３日には県のキャラクター「うにっち」と「じぇ」の文字を描いた缶バッジを発売。６月２０日には、ウニ捕りゲームなどが楽しめるスマートフォン用無料アプリ「じぇじぇじぇ」を民間委託して開発し、７月末までに約３万２０００人がダウンロードした。同協会は「県外の人にもっと岩手を知ってもらえれば」と期待している。

（2013年8月6日 読売新聞）

http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/iwate/news/20130805-OYT8T01238.htm