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急落した日経平均 (NEVADAブログ) 
http://www.asyura2.com/13/hasan81/msg/625.html
投稿者 赤かぶ 日時 2013 年 8 月 08 日 20:45:01: igsppGRN/E9PQ
 

http://blog.livedoor.jp/nevada_report-investment/archives/4513088.html
2013年08月08日 NEVADAブログ


【日経平均】は朝方207円余り上昇の14,031円まで上昇していましたが、午後に入り急落し、終わってみれば
219円安の13,605円で終わっていました。

高値から安値までの変動幅は475円余りとかなりの変動となっていましたが、売買代金は2兆1481億円と薄商いとなっており、買い手がいない中、少しの先物売り物ですとんと落ちた形になっています。

この日経平均13,605円ですが、テクニカル的に極めて微妙な位置となっており、明日金曜日に戻しませんと来週には13,000円割れという事態も十分あり得ますし、明日の後場に200円以上戻していない場合には、今日と同じパターンで先物が売り崩され、一気に13,000円台割れという事態もあり得ます。
*明日は金曜日であり、お化粧買いもあるでしょうから上昇するはずですが、先物の売り注文が膨大となれば、お化粧買いは意味を成しません。


今、日本の株を買う理由などなく、先物で売りを出して下がったところを買い戻すという「鞘取り」ファンドがいますが、商いが薄い中にあり、このような鞘取りは十分機能します。

もっとも、ファンドの「本家」が夏休みから戻ってきますと、今とは比較にならない売り物をぶつけてきますので、相場の変動はもっと激しくなり、一日の上下の変動が1,000円、1,500円という日が連続するかも知れません。

今は嵐の前の静けさとも言えます。


       ◇

市場は「閑散大動き」続く、夏休み返上のヘッジファンドがかく乱か
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE97705920130808
2013年 08月 8日 15:29 JST

[東京 8日 ロイター] - 東京市場では「閑散大動き」ともいうべき展開が続いている。夏休みシーズンは休暇で参加者が減り、商いが薄くなるため、相場は小動きとなりがちだが、今年は薄商いの中でも日本株やドル/円は大きく振れている。

その背景にはCTA(商品投資顧問業者)などヘッジファンドによる夏休み返上の売買があるとの見方が多い。長期投資家の本格復帰は9月になるとみられ、まだしばらくは薄商いの荒れ相場が続く可能性がある。

<CTAは夏休み返上か>

「閑散小動きではなく、閑散大動きが今の相場」と三菱UFJモルガン・スタンレー証券・投資情報部長の藤戸則弘氏は指摘する。多くの市場関係者が夏休みを取得し、商いが薄くなっているなかで、ヘッジファンドなど短期筋の売買が相場を大きく動かしているという。先物売買が裁定買いや解消売りを巻き込んで現物株の値幅が増幅される展開だ。

東証1部売買代金は5日に今年最低の1兆6431億円を記録、その後も株価が大きく動いている割に6日が1兆9407億円、7日が2兆1300億円と盛り上がりに乏しい。8日も日経平均.N225は200円高から200円安と大きく動いたが、2兆1481億円にとどまった。平均で3兆円以上のボリュームがあった5月とは様変わりだ。

米国では、連邦公開市場委員会(FOMC)や雇用統計など重要イベントが一巡し、日本でも成長戦略第2弾や消費税増税の判断などの新たな材料が出始めるのは9月に入ってからになる。材料一巡に加え市場参加者の多くが夏休みをとっていることが薄商いの背景だ。「短期筋中心の荒れた相場だが、彼らは売れば買い戻すので、最終的な水準はあまり変わらないのではないか」(国内投信)との安心感もある。

薄商いの荒れ相場における「主役」は、ヘッジファンドのなかでも為替や株式、商品など様々な先物を組み合わせた投資をするCTAやマネージド・フューチャーズとみられている。最近、彼らの注文を多く仲介しているとみられている米系証券の先物売買の手口をみると、日経平均が576円下げた7日はTOPIX先物を5500枚売り越し。日経平均が2日で800円上昇した8月1─2日は日経平均先物を計8800枚買い越していた。

通常なら彼らも夏休みをとるところだが、今年は事情が違うという。「マネージド・フューチャーズの成績が良くないようだ。世の中は夏休みモードだが彼らは少しでも取り戻そうと必死だ。ボラティリティこそ彼らの収益源であり、ちょっとした材料にでも食いついて先物で仕掛けている」(準大手証券)。大きな材料が見当たらないなかでも、中クラスの経済指標などをとらえて仕掛けているとみられている。

クレディスイスのヘッジファンド・インデックスによると、マネージド・フューチャーズのネットパフォーマンスは5月がマイナス4.98%、6月がマイナス5.42%となっている。ヘッジファンド調査会社イーベストメントが7日発表した7月のヘッジファンドの運用成績は平均でプラス1.2%となったが、マネージド・フューチャーズはマイナス0.87%と2004年6月以来最悪の期間となった。

三菱UFJモルガン・スタンレー証券の藤戸氏は「実需筋が夏休みであるほか、材料も一巡しており、8月中はしばらく薄商いが続くなかでCTAなど短期筋の売買で日本株やドル/円は荒れた展開が続きそうだ」との見方を示している。

<長期金利は緩やかな低下傾向>

荒れる日本株やドル/円と異なり、円債市場では緩やかな金利低下傾向が続いている。10年長期金利は今週に入り0.8%を下回る水準で推移。薄商いは他市場と同じだが、日銀の大量国債購入が功を奏している格好だ。流動性の低下はショックによる急変動のリスクを大きくするが、市場では「ショックの際でも日銀が大量に購入すれば金利は徐々に落ち着く」(国内銀行市場担当役員)との安心感があるという。

また需給面でも国債を支える潤沢な資金状況は当面続くとの見方が多い。国内への資金流出入を示す経常収支は2013年上半期が3兆2114億円の黒字と、過去2番目の低水準だったが、なお黒字が継続している。今年1─6月の貿易収支は4兆2382億円の赤字と過去最大となったが、所得収支が8兆6783億円の黒字と過去最大になり、経常黒字を維持させている。

金融機関の国債消化余力を推し量るデータの一つとして注目されている預貸ギャップ(預金から貸出を引いた額)は都銀・地銀(第2地銀含む)で前月に比べて2兆7980億円縮小したが、「預貸ギャップ縮小がトレンドとなるのか、単月の数値だけでは判断できない」(国内証券)として、債券相場への影響は限定的と受け止められている。市場では金融機関によるポートフォリオリバランスの動きも意識されているが、預金は6月のボーナス支給に伴う季節的要因のはく落を勘案する必要があるという。

消費税増税が金利動向を左右する大きなポイントだが、三井住友アセットマネジメント・シニアストラテジストの濱崎優氏は、増税を見送っても金利はさほど上昇しないとの見方を示す。「ここで増税を実施してはせっかく立ち直ってきた日本経済の腰を折ってしまう可能性がある。そうなればすべて終わりだ」としたうえで「日銀の国債大量購入が需給を引き締めるてくれているほか、インフレ予想もそれほど上がっていない。将来的な財政再建の道筋をきちんと示せば金利上昇は限定的だろう」と話している。


 

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コメント
 
01. 2013年8月08日 22:32:14 : 8NcqzHYN5c
空売りしてるので下がることは嬉しいのだが、ここへきての下げは今までの下げとは違うように思える。

米国債の利回りが落ち着いているのに円高になり、原油高で円高の相関関係にあったのに原油安で円高になっている。

この一週間のニュースを流れを追ってみると、福島原発の汚染水問題に対する外圧のような気がする。
2年間も東電任せにしてきた政府が本腰を入れざるを得ない何かが起きていると思う。

日本国民として生活の基盤を失っては何もならないので思い過ごしであって欲しいと願う。

明日はミニSQなので日経平均が寄り値を下回るマイナスで引けると下降波動になり、夏休みを終えた海外ファンドから大量な売り崩しを仕掛けてくるのではと思います。


02. 2013年8月09日 10:59:14 : e9xeV93vFQ
JBpress>海外>The Economist [The Economist]
欧州の経済と夏休み:さあ海へ行こう
2013年08月09日(Fri) The Economist
(英エコノミスト誌 2013年8月3日号)

欧州の夏季休暇の政治

砂浜にトンネル掘ったら生き埋めに・・・2時間後救出、スペイン
多くのヨーロッパ人は南欧諸国の海辺などで休暇を過ごす〔AFPBB News〕

 ようやく8月がやって来た。夏の果物は丸々と育ち、海は温かい。今にもシャルル・トレネが海辺について歌った、さえずるような「ラ・メール」のメロディーが聞こえてきそうだ。

 夏場になると、欧州では自然の秩序が逆転する。都会は地方と化す。大都市は住民たちを吐き出し、外国人観光客を飲み込む。欧州北部は南に来て、緊縮財政の痛みを和らげてくれる。

 スペインでの好調な観光シーズンは、景気回復の前触れとなるかもしれない。ギリシャでは、債権者がいずれ債務の軽減に踏み切ってくれるとの期待が高まるかもしれない。欧州官僚は今年、ユーロ圏で夏の危機がまた起きて呼び戻されることがないことを大いに期待して、ブリュッセルから去った。

 ドイツのアンゲラ・メルケル首相はほぼ3週間の休暇を取って、その一部をアルプス山脈のイタリア側で過ごす。フランスのフランソワ・オランド大統領はそうはいかない。オランド大統領はジャン・マルク・エロー首相と交代で1週間だけ休暇を取る。

 フランスの他の閣僚は2週間の休暇に入るものの、何かあった場合はすぐにオフィスに戻れるよう近場にとどまらなければならない。閣僚は不満を漏らしているが、オランド大統領は譲らず、「危機時には、2週間の休暇を取ることは当然のことではない」と話している。

危機だというのに休み過ぎではないか?

 確かに、ヨーロッパ人の多くは旅行の日程を短縮したり、安い宿を探したりして、質素な休暇を送っている。だが、欧州の有給休暇は今も、ホリデーであり、まさに神聖なものだ。これはラテン系の国々のみならず、アングロサクソン系やドイツ系の国々にも等しく当てはまる。ここで1つの疑問が浮上する。債務危機が4年目に突入した今、欧州の人々は働きが足りないのではないか、という疑問だ。

 これは実際、米国の仲間や中国のライバルたちが欧州に浴びせている批判だ。

 ジョン・メイナード・ケインズは1930年に「Economic Possibilities for our Grandchildren(我が孫たちの経済的可能性)」と題した論文で、富の拡大によって余暇がどんどん増えると予想した。100年以内に仕事はほとんどなくなり、「我々はバターの上にパンを薄く塗ることに尽力するようになる――まだ残っている仕事を極力多くの人で分け合うために」と論じた。

 1日3時間の労働というビジョンは空想に過ぎなかった。だが、ケインズは大きなトレンドについては正しかった。19世紀末に年間およそ3000時間だった労働時間は徐々に短縮され、今日では1500〜2000時間になっている。国家間の比較は、完全に信頼できる数字ではない。だが、欧州の人々は概して米国人より熱心に余暇を受け入れてきた。

 経済開発協力機構(OECD)の試算では、米国人は現在、平均して年間1790時間働いており、それに対してフランスは1480時間、ドイツは1400時間だ。これは米国人の方が裕福な理由を説明する助けになる。

 しかし、労働時間だけで、すべて説明がつくわけではない。南部の怠け者というステレオタイプに反し、スペイン人、ポルトガル人、イタリア人はドイツ人より長時間働いているし、ギリシャ人も年間2030時間働いている。

 欧州の人々は、所得より余暇を選ぶ自分たちの選択は、米国のそれより公平で健康的、かつ幸福な社会モデルの一部だと言う。ヨーロッパ人は、米国の方が例外だと考えている。米国は先進国で唯一、法定有給休暇がない国だからだ。

 米国の労働者の4分の3は平均して、有給休暇が祝祭日を含めて年間21日しかない。一方、欧州は20〜40日間、もしくはそれ以上に上る。だが、税金が増え、給料がカットされ、公務員が解雇されている時には、見識ある余暇という考え方を擁護するのは難しくなる。

 なぜ休暇は緊縮の影響を受けずに済むのか? 労働者としては、所得や仕事を失うよりは休暇がなくなった方がましだと考えるのかもしれない。

スタハノフの精神

 戦時中、工場労働者は生産を増やすことを奨励された。だから欧州の人たちは、第2次世界大戦以降最悪の経済危機に直面している今、ひょっとしたら1週間余分に働くことに同意すべきなのかもしれない。もしかしたらレイバーデー(労働者の日、欧州では5月1日)を労働の日にすべきかもしれない。スターリン主義に傾倒し過すぎだろうか?

 本コラムは、この意見を専門家にぶつけてみた。大半のエコノミストは概ね、労働を増やせば国内総生産(GDP)が拡大することに同意したが、どれくらいの差が生じるかは不確かだという。

 失業者が溢れかえるなか、企業は追加の労働力を必要としているのだろうか? 休日の削減は、企業のコスト増加を招くのか、それとも労働者の時給を減らすことになるのか? それに、余計に生産した商品は誰が買うのか?

 ホテルやレストランのオーナーの収入は減るだろう。また、長時間労働は生産性の低下を招くかもしれない。第1次世界大戦中、軍需工場は極端に長かった労働時間(当時は週100時間に及ぶこともあった)を短縮することで生産性を向上させた。とはいえ、最近、米国人はヨーロッパ人より長時間働きながら、なお1時間当たりの生産が欧州を上回っている。

 もちろん、休暇をより多く取得することが、危機を乗り越える答えだと主張する者はいない。英国の国家統計局は、昨年のエリザベス女王即位60周年式典「ダイヤモンド・ジュビリー」 のような特別な祝日はGDPを押し下げると報告している。世界有数の富裕国であるスイスでは、昨年の国民投票で有給休暇を4週間から6週間に増やす案が否決された。

 メルケル首相は最近、若年失業者に道を譲るために労働者の定年を早めるという考えを蒸し返した。だが、実際にはむしろ、労働者は自分たちの年金を賄うために定年を先延ばしすべきだ。働く年数を増やすことは、1年の労働時間を増やすこととそう変わらない。

 それなのに、ただ休日をいじろうとするだけで猛烈な抵抗に遭う。イタリアが週の半ばに来る祭日を一部動かそうとした時、ナポリの信者たちは聖ジェナーロの奇跡――ナポリの守護聖人であるサン・ジェナーロの乾いた血液が9月19日(および少なくともあと2日)に液化すると言われている――は役所の命令で動かせないと反発した。

経営者も労働強化には消極的

 欧州労連のベルナデッテ・セゴール書記長は、2008年にペンテコステ(聖霊降臨)の後の月曜日の公休日を廃止しても、フランスの競争力が目に見えて高まることはなかったと主張する。いずれにしても、苦労して手に入れたものを、経済的なご都合主義であきらめることはできない。

 企業経営者でさえ、部下をこれまで以上働かせることに前向きでなさそうだ。雇用主団体のビジネスヨーロッパは、これまで有給休暇を減らす議論をしたことはないと言う。同組織の代表のエンマ・マルチェガリア氏に話を聞くことはできなかった。休暇中だったからだ。

 従って、本コラムの筆者は敗北を認めざるを得ない。疲れて意気消沈した筆者は筆をおき、しぶしぶ3週間の休暇を取る。そして、ビートルズにのみ慰められるのだ。「Here comes the sun. And I say it's all right・・・」


03. 2013年8月09日 13:14:30 : niiL5nr8dQ

コラム:カーニー英中銀総裁は「サッチャー時代」の幕引き役=カレツキー氏
2013年 08月 9日 11:48 JST
アナトール・カレツキー

レッセフェール(自由放任主義)的なマネタリズムの時代が終わりを迎え、世界が新ケインズ経済学に向かう歩みは少しずつとはいえ、もう止められない。先進各国の政府や中央銀行は次から次へと、失業率を管理する責任を受け入れつつある。

これはマネタリストが旧ケインズ経済学に対する革命を起こした1970年代にいったん捨て去られたものだ。7日にはイングランド銀行(英中央銀行、BOE)のカーニー総裁が、先行していた米連邦準備理事会(FRB)のバーナンキ議長に合流する形で、失業率の押し下げを金融政策の主要目標に設定した。

最近までカナダ中央銀行総裁を務めていたカーニー氏は、英政府が「マネタリー・アクティビズム(能動的金融政策)」の新時代を切り開くという特別な役割を任せるため招へいした。そして7日のBOE総裁としての初会見で、彼はこうした期待に応えたのだ。

BOEがあらかじめ決めた1年ないし2年という期間中、政策金利をゼロ近傍に据え置くと約束するであろうことは幅広く予想されていた。だがカーニー氏はそれよりももっと大胆で、知的な面ではより論争を呼ぶような措置を打ち出した。失業率が7%を下回るまでは金融緩和の縮小を検討さえしないと宣言することで、マーガレット・サッチャーが1979年の選挙を経て首相になってから英国の経済政策を支配してきたタブー(禁忌)をカーニー氏は意図的に打ち破った。

過去30年にわたり、英国のセントラルバンカーたちは、金融政策はインフレを制御し続けることでしか経済的な繁栄に貢献できないとする「サッチャー・ドクトリン」にあえて公然と挑戦することはしてこなかった。実際、カーニー氏が今回の会見で指摘したように、BOEはこれまで失業率の見通しを決して公表しなかった。その理由は、失業率の対応は中央銀行の管轄ではなく、労働市場の柔軟性や競争の問題にかかわる構造的な、サブライサイドの政策領域に属するとされたからだ。

しかし今やカーニー氏は、2016年末まで失業率が「閾値」の7%程度にとどまりそうで、そのために金利は少なくともあと3年間は、現在のゼロ近傍で推移すると予想している。

金融市場とメディアは、こうしたBOEの発表の重大性を最初の段階としては理解できなかった。カーニー氏がはっきりと期待し、恐らくはそうなると想定していたような金利低下が起きずに、投資家はBOEの「フォワード・ガイダンス」が条件付きだったとの理由で金利を押し上げた。それでも投資家がカーニー氏の言ったことのより奥にある重要さをじっくりと思案するにつれて、市場の反応は当初とは逆向きになる可能性が大きい。

カーニー氏は金融引き締めに踏み切る条件として(1)2年間のインフレ率が2.5%を上回るとBOEが予想する(2)中期的なインフレ期待が「十分にアンカーされた状態」でなくなる(3)実質ゼロ金利がBOEの規制・監督権限強化を通じてもコントロールできない形で金融の安定にとって脅威となる──場合を挙げた。

だがより深く洞察してみれば、これらの条件は今後数年間は現実化しそうにない。インフレ見通しと市場の期待は、例えば7%といったようなきっちりと定まった統計ではなく、その解釈は最終的にBOEの手の内にある。1つの例としてBOEはこれまで、現実のインフレ率が5%まで上がった局面でさえ、2.5%を超える中期的なインフレ率予想を公表したことはない。つまり、インフレ懸念によって失業率を7%に下げるまでゼロ金利を維持するというBOEのコミットメントが破綻する事態は容易には想像できない。

金融安定の面では、7日のカーニー氏の発言が将来のあらゆる中央銀行に対する道しるべを提供した。カーニー氏は、金融安定への脅威は金融引き締めではなく、規制・監督を厳しくすることで対処するのを理想とすべきだと強調したのだ。これは、FRBは失業率のコントロールと物価安定という2つの使命を課せられているが、今やBOEはそれよりも幅広い権限と責任を受け入れつつあるという意味合いを持つ。

もっとも金融の安定を含む3つの使命でもまだ十分ではないかもしれない。現実には中銀と政府がより厳格に管理していかなければならないマクロ経済面の目標はもっと多い。具体的には財政の健全性、経常収支の持続可能性であり、場合によってはスイスのように為替相場の安定も含まれる。

これだけ多くの目標があるので、カーニー氏が示唆するように伝統的な金融理論に基づく標準的な政策手段(金利や中銀のバランスシート)のほかにも多くの措置が必要になるだろう。ところがそうした多様な政策手段をもってしても、有り余るほどのマクロ経済面の目標が的確かつ持続的に達成されそうにはない。だからこそ、中銀はインフレ率であれ失業率であれ、正確に数値目標を達成しようとするのではなく、主要なマクロ経済指標のすべてを妥当な範囲に収める努力をすべきだと分かる。

インフレが深刻な問題になっている局面では、失業率が理想的と考える水準より上昇してしまうという犠牲を払ってでも、インフレを抑える必要がある。反対に現在のように、失業率が何年も続けて受け入れがたいほど高い場合は、成長を刺激して雇用を創出することが金融政策の最優先課題でなければならない。たとえそれがインフレや金融の安定にある程度のリスクをもたらしてもだ。

世界中のセントラルバンカーは徐々に、インフレと失業率、金融の安定などの間に複雑なトレードオフがあると認めつつある。またこれらの目標を同時に管理しなければならないが、危険なゾーンに向かいつつある指標があればその管理に不完全な形でも優先順位を与えるべきなのだと暗に認識している。

第二次世界大戦後の旧ケインズ経済学による需要管理は1960年代に失敗に終わった。それは政府と中銀が失業率に注意を払い過ぎて、インフレが制御不能に陥るのを許したからだ。今後は政策担当者がこの教訓を生かさなければならないが、正しい教訓とはインフレ抑制がそれ以外のどんな目標よりも大事だということではない。真の教訓とは、マクロ経済政策は最も切迫した問題に集中的に対処する必要があるということであり、現在はそれが失業だという点に疑いの余地はない。

(8日 ロイター)

*アナトール・カレツキー氏は受賞歴のあるジャーナリスト兼金融エコノミスト。1976年から英エコノミスト誌、英フィナンシャル・タイムズ紙、英タイムズ紙などで執筆した後、ロイターに所属した。2008年の世界金融危機を経たグローバルな資本主義の変革に関する近著「資本主義4.0」は、BBCの「サミュエル・ジョンソン賞」候補となり、中国語、韓国語、ドイツ語、ポルトガル語に翻訳された。世界の投資機関800社に投資分析を提供する香港のグループ、GaveKal Dragonomicsのチーフエコノミストも務める。


短期的経済成長予想を引き下げ=豪中銀金融政策報告
2013年 08月 9日 12:23 JST

8月9日、豪中銀は金融政策報告の中で、短期の経済成長率見通しを引き下げた。写真はシドニー市内の豪中銀のビル(2013年 ロイター/Tim Wimborne)

[シドニー 9日 ロイター] - オーストラリア準備銀行(中央銀行、RBA)は9日発表した金融政策報告の中で、短期の経済成長率見通しを引き下げた。インフレ見通しにはおおむね変化はない。

鉱業投資ブームが当初の想定よりも速いペースで後退するなか、来年半ばまで経済成長率がトレンドを下回ると予想。インフレ見通しは引き続き抑制されているとし、必要ならば追加利下げの余地が依然としてある可能性を示唆した。

豪中銀は6日、政策金利を25ベーシスポイント(bp)引き下げ、過去最低の2.50%としたが、市場はクリスマスまでに金利がさらに2.25%まで引き下げられる可能性をすでに織り込みつつある。

豪中銀は、追加利下げに関するフォワードガイダンスは示さず、最近のインフレ・賃金データは、8月利下げの余地縮小にはつながらなかったと指摘するにとどめた。

2013年末時点の国内総生産(GDP)伸び率見通しは従来予想から0.25%ポイント引き下げ、2.25%とした。その後2014年半ばまでは2.5%への緩やかな加速にとどまると予想した。

2015年に関してはより楽観的な見方を示し、「GDP伸び率は来年半ばごろまでトレンドを下回る見込みだが、2015年にはトレンドを上回る水準に加速する」とした。

また、豪ドルの一段の下落は、経済が鉱業投資からのシフトでバランスを再調整することを支援し、経済成長とインフレへの注目度を高める可能性があると指摘した。

中銀は、これまでの豪ドルの下落によるインフレへの影響は、景気減速と労働コストの低下によって相殺されると判断した。一部のアナリストは、中銀が豪ドルの下落を反映してインフレ見通しをやや引き上げると予想していた。

しかし、中銀のインフレ見通しにはおおむね変化はなく、基調インフレ率は来年半ばまで2.25%、2015年末までは2─3%と長期目標のレンジ内にとどまると予想した。

鉱業投資については、データで今後数四半期に著しく減少する可能性が示されており、見通しはかなり不透明だとあらためて指摘した。

失業率は景気減速に伴い、来年ごろにかけて徐々に上昇する見込みとした。

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コラム:日銀、2%目標達成時の金融政策検討を
2013年 08月 8日 20:06 JST
[東京 8日 ロイター] -

田巻 一彦

日銀は足元の日本経済の状況に自信を深めているようだ。このまま推移すれば、4カ月前は「達成可能」と見る向きが極めて少数だった2年で2%の物価目標についても、実現可能性が相対的に高まっている。市場の一部では、目標達成時に日銀が国債購入量をどのように調整するのか、ゼロ金利政策はいつまで継続するかについて情報が全くないことに対し、困惑する声も出始めている。いつまでも日銀が「時期尚早」で押し切ることは難しく、欧米の中銀で採用されているフォワードガイダンスの手法をいずれ採用する可能性がかなりあると予想する。

<経済・物価情勢に自信持つ日銀>

8日の会見で、黒田東彦総裁は景気回復の現状について、かなり強い自信を示した。所得から支出への循環について「部分的には好循環が既に起こっている。雇用はかなり改善している。有効求人は上がってきて失業率は3%台に入ってきた。賃金も所定外やボーナスでプラスがみられる」と指摘。「夏のボーナスも久方ぶりにプラスになっているようなので、雇用者所得が消費に結びついていく部分は始まっている。さらに強くなることが望まれるが、始まっているのは事実だと思う」と、好循環の様子を述べた。

物価についても「いわゆる除く食料・エネルギー、コアコアでみても前年比マイナス幅が縮小していることによく表れている。先行きもわが国経済が緩やかに回復し、需給バランスが改善していくもとで、CPIの前年比は次第にプラス幅を拡大していくとみている」と説明し、日銀の想定通りに経済情勢が進展しているとの認識を示した。

<2年・2%の目標、増え始めた達成可能の見方>

4月4日の「黒田緩和」決定時に、市場で2%の物価目標を2年間で達成できると見ていた割合は、たぶん数パーセント以下だっただろう。しかし、足元では海外勢ばかりでなく、一部の国内金融機関関係者の間でも「もしかすると達成できるのではないか」との声が漏れだしている。

確かに「2年間で2%は無理」という声は、今でも相対的にかなり多くの市場関係者の見方だろうが、「1.5%前後までは行くのではないか」(大手銀関係者)という声は増えている。

こうした市場の声を踏まえると、目標達成後の金融政策のあり方について、「今具体的に議論するのは時期尚早」(8日の会見で黒田総裁)と、いつまで説明ができるのか、という問題が出てくると指摘したい。

日銀が示した2年という年限も、すでに4カ月が経過した現在、着実に「有効期限」が短縮している。残り1年数カ月は、黒田総裁が説明するほどに、遠い将来であるとイメージしている市場参加者は多くないと考える。

<米国での市場動向は日銀にとって有益な情報>

最近の欧米中銀の対応と市場の動向をみると、量的緩和政策とゼロ金利政策の関係や量的緩和政策の終了時における適切な中銀の対応という点で、日銀にとって有益な情報が点在していると思われる。

例えば、米連邦準備理事会(FRB)は、量的緩和政策の縮小を始めてから終了するまでに一定の期間があり、その後も失業率が6.5%に低下するまでは、ゼロ金利政策を継続すると明示した。量的緩和政策とゼロ金利政策の終了を分離する考えを示したことで、米長期金利の上昇を抑制する効果を目指し、実際にその目的は達成していると考える。

また、量的緩和政策の縮小時期をめぐり、株価やドルが上下にかなり振幅し、この点が市場に大きな影響を与えることも明らかになっている。

振り返って「黒田緩和」を点検すると、ゼロ金利政策がいつまで継続するかは、明言されていない。また、2年で2%の物価上昇を達成した後に、マネタリーベースを増大させる手段としての国債などの資産購入をどうするのかも、全く明らかにされていない。

ゼロ金利の継続期間について、黒田総裁は「生鮮食品を除くCPIが前年比でプラス0・4%になったが、2%の物価安定目標を達成する、あるいはそれを安定的に維持するにはまだまだ時間が掛かりそうなので、ご指摘の点を今具体的に議論するのは時期尚早であろうと思っている」と指摘。

目標達成後の資産購入のあり方についても「米国の状況は当然、十分参考にさせていただくつもりだが、日本と米国の経済あるいは物価、金融資本市場の状況もかなり違った面もあるので、そこはご懸念のような日本における問題が起こることのないように適切に対処していくということに尽きると思う」と述べるにとどまった。

<目標達成後の日銀、フォワードガイダンスの手法検討する可能性>

イングランド銀行が7日、フォワードガイダンスの内容を公表したことに関連し、黒田総裁は「市場とのコミュニケーションについて、どのような方法が政策の透明性や有効性の向上につながるかは、当然ながら経済や物価の状況、あるいは金融市場の動向などによって違うので、どうしても国ごとに様々になっているわけで、各国の中央銀行はそれぞれ置かれた状況で最適の方法を追及していると理解している」と発言。そのうえで「日銀としては、従来から申し上げている通り2%の物価安定目標の実現を目指し、これを安定的に持続するために必要な時点まで量的・質的緩和を継続するということを述べているが、こういう現在の方向が最も適切であると考えている」と語り、早期のフォワードガイダンスの導入に消極的なスタンスを示した。

ただ、現在の「黒田緩和」の枠組みが目標を達成した後に、どのような金融政策の枠組みに移行するかを検討する際に、フォワードガイダンスの枠組みは有効だと考える。

特にゼロ金利政策の継続期間を市場に類推させる機能が、フォワードガイダンスには強く、市場の金利水準を抑制する効果がかなりある点に着目すべきであり、日銀がこの点を無視するとは思えない。

また、長期金利の振れを最小限にするためにも、目標達成後の資産購入量の調節も重要なポイントになる。目標達成後にいきなり資産購入量をゼロにするのは、米市場の動向を見ても事実上、不可能であろう。緩やかに購入量を減らしていく手法が、最も現実的ではないか。

ただ、財政への信認が失墜したり、海外経済の動向で物価が急上昇した場合は、ゆっくりした対応ができないケースもあるだろう。その時に黒田総裁と日銀は、厳しい政策判断を迫られることになると予想する。

その意味で黒田総裁がこの日の会見で何回も強調したように、財政の信認確保が日銀の金融政策の遂行上、不可欠な前提になると考える。その点を与党の政治家がどの程度、認識しているのかが、今後の日本経済の動向を予測する上で重要になると指摘したい。



【コラム】中国が最も恐れる悪夢、それは「日本化」-ペセック
  8月9日(ブルームバーグ):「日本化」ほど、エコノミストや政策当局者を震え上がらせる言葉はあまりない。慢性的低成長とデフレ、不良債権という悪夢を恐れるあまり、バーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長やドラギ欧州中央銀行(ECB)総裁はじめ世界中の中銀総裁が、それぞれの失われた数十年を回避しようと市場にマネーをあふれさせている。
世界が恐れるこの病気の専門家たちが中国に目を向け始めているという事実を、同国は心配すべきだろう。1992年に日本の没落を予見した著書を出したブライアン・リーディング氏は最近、ロンバード・ストリート・リサーチ社の同僚、ダイアナ・チョイレバ氏と共同で「China’sChance to Avoid Japan’s Mistakes(中国が日本の過ちを回避するチャンス)」という40ページのリポートを執筆した。
JPモルガン・チェースも投資家の質問を受けて中国と日本の類似性について分析した。同行エコノミストのグレース・エン氏(香港在勤)によれば、現在の中国と1980年代の日本には、多様な債務が国内総生産(GDP)の2倍近くに膨らんだという共通点がある。
中国が日本化するリスクがどの程度高いかと言えば、実のところ非常に高いと言わざるを得ない。習近平国家主席と李克強首相の大胆で創造的な行動だけがこれを防ぎ得る。3月に始まった10年間という2人の任期は中国の運命を分ける10年と言えるだろう。
中国の債務残高
JPモルガンの計算では、中国の債務残高の対国内総生産(GDP)比率は2012年に187%と、2000年の105%から上昇した。これに対し日本の同比率は1990年に176%と、80年の127%から上昇。日本の債務は膨張し続け14年にはGDPの250%に近づく勢いだ。
日本と同様に高齢化が進む中国は、日本のような債務急増を乗り切ることはできないかもしれない。だからこそ、中国は今手綱を引き締める必要がある。高齢化が始まる前に豊かになった日本は準備する時間があったので、社会不安に陥ることなく20年間の低迷に耐えられた。とはいえ、日本は過剰投資と輸出、過剰債務に基づく経済モデルを迅速に改めることをせず、経常黒字と財政赤字、資産バブルに頼り続けた。
「中国はこれまでのところ、日本と同じ道を歩んでいる」とリーディング、チョイレバ両氏は指摘する。両氏は「しかし中国経済はまだ過剰債務を抱えてはいない。従って、方向を変えれば日本と同じ過ちを回避する時間がまだある」としながらも、あと20年バブルを膨らませている暇があるわけではないと警告した。
心配なことに、中国 政府がまだ十分時間があると考えている節がある。余剰生産設備を減らす、政府の借り入れを監査する、8%未満の成長率を容認するというそれぞれの約束に対して、過度の成長減速を容認しないということを付記している。
問題は政治
エマージング・アルファ・アドバイザーズのディレクター、マーシャル・メイズ氏のように長く日本を見てきた人々には、このような矛盾した発言が不気味なほど耳慣れたものに聞こえる。
問題の所在は経済というよりも政治だ。中国の地方の指導者たちは国中で、自分の街を世界地図に載せ、共産党内での自身の地位を高めようと競い合っている。このために高層ビルや国際空港、高速道路、5つ星ホテル、大学や文化センター、プラダやエルメスが出店するショッピングモールを建てようとし、そのために新たな借り入れを増やしている。
インフラ投資は地方と中央政府の両方で、既得権者の利益を膨らませる。債務の時限爆弾を取り除く方法はあるが、習主席と李首相は日本の歩んだ道を避けようとするなら、相当な勇気をもって取り組む必要があるだろう。両リーダーにそうした勇気があるのかどうかはまだ分からない。(ウィリアム・ペセック)
(ペセック氏はブルームバーグ・ビューのコラムニストです。コラムの内容は同氏自身の見解です)
原文:China’s Worst Nightmare Is Maybe Turning Japanese: WilliamPesek(抜粋)
記事に関する記者への問い合わせ先:Tokyo Willie Pesek wpesek@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先:Nisid Hajari nhajari@bloomberg.net
更新日時: 2013/08/09 10:19 JST


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