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秋の市場の波乱に備えた「日米密約説」とは?米国の出口戦略は、チャイナリスクの行方次第 (東洋経済) 
http://www.asyura2.com/13/hasan81/msg/810.html
投稿者 赤かぶ 日時 2013 年 8 月 19 日 09:27:00: igsppGRN/E9PQ
 

FRBのバーナンキ議長は「引き際の美学」にこだわっているのだろうか(ロイター/アフロ)


秋の市場の波乱に備えた「日米密約説」とは?米国の出口戦略は、チャイナリスクの行方次第
http://toyokeizai.net/articles/-/17805
2013年08月19日 草食投資隊 :渋澤健、中野晴啓、藤野英人 東洋経済


米国の株価は過去最高値を更新中。リーマンショックから間もなく5年、ようやく米国経済に回復の兆しが見えてきました。そして景気の回復とともに注目されるのが、FRB(米連邦準備制度理事会)が、いつ出口戦略に着手するのか、ということ。9月有力説がある一方で、一部からは「QE4ever」(Forever、量的緩和は永遠に)などと揶揄する声も聞こえてくるなか、出口戦略の行方はいかに?


■米国の金融緩和は永遠に続く?

渋澤 先日、米国から議会のスタッフの視察団が来日してきてね、そのお世話をしていたんだけど、米国景気の現状はどうか聞いてみたんだ。最近、ようやく雇用も上向いてきたし、一部では金融緩和のペースを少し緩めるって話も出ているし、ちょっと気になるところでしょ。

中野 なんて言ってました?

渋澤 確かにリーマンショックがあった2008年に比べると良くなっているのは事実。ただ、ガッと勢い良く回復しているという実感はない。出口戦略については、「まだ当分はないんじゃない?」という意見もあった。QEは永遠に続くという皮肉で、QE4everなんて言葉も出ていたくらいだから(笑)。

中野 私はバーナンキFRB議長が出口シナリオを口にしたことで、うまくQE3のバブルの火を消したんじゃないかと評価していたんですが、出口シナリオはありませんか。なるほど。まあ、最近の米国景気を見ていると、良いが2で、悪いが1という感じですよね。上向きにはなっているけれども、はしゃぐほど良くはない。QE3をここで止める必要はないでしょう。

藤野 「いい塩梅の悪さ」といっても良いのではないでしょうか。たとえば雇用統計の非農業者部門雇用者数も、恐らく20万人の増加になると出口の話が浮上してくるのだけれども、今の水準はそこまでではない。16万人、17万人というように、絶好調に少し足りないくらいのところでウロウロしている。だから、QEを止めるとはっきり言わずに済むし、そのなかで景気はジワジワと上昇しているという感じを受けます。

■辞めるから、思い切ったことができる?

中野  でも、バーナンキさんとしては、来年1月にFRB議長を降りる前に、何とか蛇口を絞りたいところでしょうね。

渋澤 最後の最後に蛇口を絞って、さっと消える(笑)。辞める直前だからこそ、蛇口も絞りやすいんじゃないのかな。

中野 もしそうだとしたら、年末にかけてボラティリティは高くなりそうですね。でも、いきなりギューッと絞るようなことはしないでしょう。850兆ドルの資金供給を600兆ドル、あるいは500兆ドル程度まで絞るけれども、引き続き金融緩和は継続するという感じじゃないでしょうか。

藤野 状況次第でしょうね、出口戦略については。今、世界経済で一番懸念されているのは、やはりチャイナリスクでしょう。その行方次第で、出口戦略の行方が大きく変わってくると思います。

中国経済がさらに厳しい状況に追い込まれると、中国向けに鉄鉱石などを輸出しているブラジル経済がダメになる。そうなると、ブラジル国債を大量に保有しているスペインが苦境に追い込まれ、結果的に欧州債務問題が再燃する。そのリスクについては、IMFもEUも、バーナンキも知っている。そこまでの大問題にならなければ、少しずつ出口戦略に向かうシナリオも描けますが、その懸念が現実化したら、マーケットはクラッシュします。だから、隠し玉が用意されている。

■黒田バズーカ砲の第2弾の可能性

中野 それってなに?

藤野 黒田バズーカ第2弾ですよ。出口戦略が遠ざかるのはもちろんですが、これに黒田バズーカの第2弾を放つわけです。そこまでのセーフティネットはできあがっている。米国としては、黒田バズーカ第2弾に期待しているので、その代わりに1ドル=100円程度の円安には目をつぶる。そういう話し合いは出来ているはずです。

中野 債務上限の引き上げに関する問題が秋口に出てくると思いますが、その辺について、来日した議会スタッフの人たちは、何か言ってましたか。

渋澤 今回、来日した米議会のスタッフは、民主党と共和党、両方のスタッフが一緒だったのだけど、お互いに何をどうするかという話は一切出ていなかったんだよね。今はお互いに立場を譲らない状態なんじゃないかな。まあ、それでも最後の最後には何とかする、ということなのでしょう。

■米国経済は、今後一段と復活する

藤野 いろいろな要因を見ても、米国経済がここから大きく悪化する感じはしませんね。あの国のすごいところは、とにかくどんどんアントレプレナーが現われて、そこに資金を提供するリスクテイカーがいるということです。

渋澤 しかもシェールガスで今後はエネルギーコストが大幅に下がる。安いエネルギーコストでイノベーションが進み、人材の流動性も高い。そのうえ法人税も引き下げる。起業家が儲かる土台が着々と築かれている。

中野 経済のダイナミズムを感じますよね。今、米国の経済は大転換点に差し掛かっていると思います。米国の製造業は一時期、本当にダメになりましたが、それさえも復活してきた。今後10年、世界経済の覇権を握るスタートラインに差し掛かっているのではないでしょうか。米国経済はメガトレンドになると思います。

藤野 日本の経営者でそこを見ていたのが、ソフトバンクの孫正義さんですよね。一時期は中国にベッドしていたけれども、米国の大手通信会社であるスプリント・ネクステルを買収して、一気に米国市場に参入した。恐らく10年以上の歴史観を持って、これから攻めるのは米国市場だと判断したのでしょう。その先見の明は本当にすごいと思います。あと信越化学工業。テキサスに新しい化学工場を造りました。明らかに、米国経済にベッドしてきている。

中野 トヨタ自動車や富士重工業も米国マーケットに力を入れていますよね。先見の明がある企業は、もうあまり中国にはこだわっていなくて、米国に目を向けています。

渋澤 今回、来日した議会スタッフは全員、初めての日本だったんだけど、日本のテクノロジーに対するリスペクトが非常に強いんだよね。

たとえば新幹線の技術なんか、その典型。日本からすれば、中国は確かにマーケットの規模が大きくて、ビジネスを展開していくうえでの魅力はあるんだけど、国が完全な民主主義ではない。歴史の問題も整理できていない。ここが非常に難しいところで、どうしても一歩、踏み込めないところがある。

でも、米国は民主主義国家で、歴史の問題も概ね整理できている。そのコンフォート・ゾーンが非常に深いんだな。その意味でも、日本企業にとっては米国マーケットの方が商売はしやすいはず。加えて米国の経済が本当にこれから盛り上がっていくならば、日本にとって米国のマーケットは、とても重要な位置を占めるようになると思うな。

■目先円高が続くなら、ドルを買うチャンス

中野 金融市場に関していえば、為替がどうなるか。米国の実体経済が良くなれば、確実にドル高が進むと見ているのですが。

藤野 もともと昨年の秋口から円安ドル高へと転じたのは、米国に景気回復の兆しが見えてきたからですしね。アベノミクスが円安を促したのではなく、もともと円安になる素地ができていた。安倍首相はそこにうまく乗った形になったわけです。このまま米国の景気が回復に向かえば、為替はもう一段、円安になるでしょう。

中野 1ドル=110円近辺が居心地の良い水準。そこまでは自然に行くのではないでしょうか。現状、円高に向かう材料はないといっても良い。

渋澤 その割にはなかなか円安に行かないけどね。まあ、円高になったら米ドルを買うチャンスだと見ています。

中野 そうなんですよ。今、円高が進む理由が分からない。8月に入ってマーケットが薄くなっていることもあると思うのですが、いきなり1ドル=96円台に入ったりしている。今、円を買う理由なんて、どこにもないですよね。

藤野 結局、夏休みで外国人投資家の参戦も少なく、マーケットが品薄だから、先物などに振らされて変な動きをしているだけなんだと思いますけどね。それにしても、外国人投資家がいないから品薄で、マーケットがかく乱されるって言いますけど、これって変な話ですよね。

もっと日本人が買えばいいじゃん、って僕なんかは思うんですけど。外国人投資家に依存した日本のマーケットって、情けないじゃないですか。もっと日本人が自国のマーケットで取引をして、分厚い市場にしていけば、いちいち外国人投資家の動向に一喜一憂することもなくなります。

中野 本当にその通りだと思います。

渋澤 草食投資隊の地道な活動が、いつか日の目を見る時が来るさ。今夜も、その活動の一環でバーベキュー(笑)。大勢の投資家さんが集まるんでしょ。なんか夏休みっぽいよね。

藤野 そう。今夜だけは肉食投資隊ということで(笑)。


 

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コメント
 
01. 2013年8月19日 10:03:58 : niiL5nr8dQ
【第36回】 2013年8月19日 安東泰志 [ニューホライズン キャピタル 取締役会長兼社長]
個人投資家がアベノミクス相場に乗れない理由
異常に高い投資信託の手数料を撃つ
株式相場は、5月下旬以降は一進一退であるものの、昨年来、趨勢的には上昇基調にある。本来であれば、個人投資家は、このアベノミクス相場に乗って、少なくとも平均株価の上昇率程度の利益を確保しているはずなのだが、必ずしもその利益水準に達していない投資家が多いのではないだろうか。その理由は、日本独特の投資信託の設計や販売方針にある。そして、それは、日本のファンドマネジャーの質の低下という問題に繋がり、それがますます個人投資家の投資利益を圧迫するという悪循環になっているのではないだろうか。

手数料が高すぎる日本の投資信託

 年金積立金管理運用独立法人(GPIF)の推計値によれば、日本株式の期待リターンは年率4.8%、国内債券の期待リターンは年率3%、海外株式の期待リターンは年率5%、海外債券の期待リターンは 年率3.2%である。

 期待リターンとは、歴史的なデータから、各々の投資商品が平均して何パーセントの利益を生むかという指標である。アベノミクス相場によって、昨年末から今年5月中旬までの期間を取れば株式の期待リターンは短期的には大きく膨らんだ一方、騰落率(ボラティリティー)も高まっているので、短期的な売買では大きな損失を生むリスクもある。個人投資家が使う指標は、GOPIFが用いているように、より長期の推計値であるべきだろう。

 日本の投資信託は、主としてこれら4つの資産のいずれか、またはその組み合わせに投資をするものであり、幅広い銘柄を一人で調査することや、売買をすることが困難な個人投資家にとっては、本来、投資信託は頼りになる投資手段のはずである。しかし、なぜか投資信託を買っても、上記のようなリターンが出ている実感がない投資家が多いのではないだろうか。その理由は簡単である。手数料が高いのだ。

 投資信託の場合、手数料は、@販売会社(銀行・証券会社など)が販売時に徴求する「販売手数料」、A委託会社(運用の指図を行なう運用会社)・受託会社(財産管理を行なう信託銀行など)・販売会社の3者が分け合う「信託報酬」、Bその他の費用(監査費用など)があり、投資家は、投信を購入した年には、@ABの合計額を手数料として支払うことになる。その料率は、若干の幅はあるものの、@の販売手数料が概ね2〜3%、Aの信託報酬が1.5〜2%であるが、Bについては実費請求とされており、事前にわからないものが多い。

 一つの例として、比較的安全で相応のリターンが稼げる印象がある「DWSグローバル公益債券ファンド」を取り上げてみる。この投資信託は、委託会社がドイチェ・アセット・マネジメントであり、世界の電力・ガス・水道など公益企業の社債に投資をするものであるから、上記GPIFが想定する海外債券投資の対象として相応しい投資信託のように見える。

 実際、この投資信託が買っている債券は、クーポン(表面利率)が高い銘柄が多く、基準価格(為替ヘッジあり)も分配金込みでは相応に上昇している。しかし、投資家が支払う手数料を見ると、様相が少し異なってくる。@の販売手数料は、3.15%(消費税込み)、Aの信託報酬が合計1.512%(消費税込み)、Bのその他手数料は0.1%、すなわち、投資家は、購入した年には合計で4.762%にも達するのである。

 同じ海外債券の投資信託で、別の例を挙げよう。「三菱UFJ新興国債券ファンド」である。この場合も、5000万円以下の投資家について言えば、@の販売手数料は3.15%(消費税込み)、Aの信託報酬は1.596%、Bは実費を差し引くとされている。しかも、この「実費」はどの程度なのかの目途も開示されていない。つまり、合計では、少なくとも4.746%以上、恐らくは5%以上の手数料が取られていると推計される。

 実際、モーニングスターの推計によると、2011年において初年度に投資家が負担するコストは平均で4.16%となっており、上記2つの実例が決して異例なものではないことがわかる(図1)。たとえば、1000万円の投資信託を購入した個人投資家は、その瞬間、41万6000円の損失からスタートするわけであり、これを年間の利回りで回復するのは至難の業である。実際、この4.16%という手数料を、冒頭に述べたGPIFのリターン推計値から差し引くと、投資家の手元に残るリターンは、マイナスか、ほんの少しのプラスにしかならないことがわかる。


日本の投資信託は利益相反の塊

 以上のことを、投資信託を売る金融機関側から見ると、いかに「おいしい」商売であるかがよくわかる。

 すなわち、銀行や証券会社は、その投資信託が投資家の利益になるかどうかなど関係なく、販売手数料が大きい投資信託を選んで顧客に回転売買させれば、大きな利益を得ることができる。さらにに言えば、仮に回転売買させなかったとしても、信託報酬の3分の1から半分程度は毎年懐に入ってくるのである。しかも、これら金融機関は、投資信託の取引に際して何らのリスクも負担していないのだ。

 銀行にしてみれば、正常先への貸付から得られるスプレッド(利ザヤ)は、大きくても1%程度で、しかも、信用リスクを負担する。預貸率がどんどん低下している現状、銀行が労せずして収益を稼げるのは投資信託の販売なのだ。

 証券会社にとっては、株式の委託手数料は、昨今のネット取引経由ではせいぜい0.5%〜1%といったところであるのに対し、投資信託を売ればその数倍の利益が生まれるのであるから、当然投資信託の販売に傾注することになる。

 個人投資家もそんなに馬鹿ではないと言いたいところであるが、そこに日本独特の「目くらまし」のような販売手法がまかり通り、言葉を選ばずに言えば、投資家は見事に騙されている。それは「分配金利回り」という魔法である。本来、分配金は、その投資信託の運用の途上で発生した利息や配当などの収益(インカムゲイン)を投資家に還元すべきものなのだが、日本の場合は特殊な手法を使って、実質的にはインカムゲインではない、元本そのものを「分配金」として還元することが可能になっているのだ。

 そのため、銀行や証券会社は「高い分配金利回り」を謳い文句に投資信託を売り、多くの個人投資家は、その分配金利回りをインカムゲインと誤解して投資信託を購入しているように思われる。その証拠に、2012年度の売れ筋トップ10の投資信託を見ると、なんとそのうち9本が毎月分配型の投資信託になっているのだ(図2)。


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 元本の取り崩しによる分配金支払いは、当然、基準価格を下げることになる。どんなに分配金が出ていても、基準価格が下がったのでは、売却した際の総収益(トータルリターン)はマイナスとなることもある。にもかかわらず、分配金利回りを前面に出して投資信託を売り、手数料を稼ぐ銀行や証券会社は、投資家との間に大きな利益相反を抱えていると言えるだろう。

米国の手数料は1%台半ば

 さらに大きな利益相反は、系列証券会社・運用会社・信託銀行を使って、販売手数料から信託報酬までのすべてを獲得しようという、大手証券会社やメガバンクの手法にある。

 本来であれば、販売会社(銀行や証券会社)は、投資家利益保護のため、系列に関係なく顧客にとってベストの投資信託を販売すべきであるし、運用会社は販売会社のポリシーに関係なく投資家第一の運用をすべきである。ましてや、信託銀行が販売会社の系列であった場合、投資家保護のための牽制機能は働くのだろうか。連載第3回で触れたように、日本の金融当局は、世界の潮流に逆らうような形で、日本の金融機関のコングロマリット化を進めようとしているが、それは商業銀行の経営の安定性を阻害するばかりでなく、こうした利益相反の温床になるということも十分考慮されるべきであろう。

 そもそも、こうしたコスト高や利益相反の問題は、日本独特のものである。ちなみに、米国の株式投資信託の信託報酬は、2012年時点で概ね0.8%前後である(出所:Investment Company Institute and Lipper)。また、販売手数料も概ね1%前後であり(出所:ICI Research Perspective April 2012)、総額でも1%台半ばである。もちろん、債券投資信託の手数料はこれより低い。また、米国ではトータルリターンが開示され、毎月分配型など分配金利回りを標榜するような販売手法はあり得ない。また、独立系の運用会社が多数活躍しており、自分の系列の運用会社を優先することもない。

PEファンドと比べてみると

 必ずしも個人向け商品ではないものの、ファンドでの運用商品としては、投資信託のほかにヘッジファンドやPE(プラベート・エクイティ)ファンドが存在する。特にPEファンドは日本では投資信託仕立ての商品は販売されていないので、主として富裕層に直販されている。

 このPEファンドの場合、手数料(管理報酬)は概ね年率1.5〜2%であるが、日本では、「PEファンドは手数料が高い」とよく言われる。果たしてそうだろうか。

 一般の投資信託の場合、販売会社・運用会社・信託銀行などが多くの人手をかけ、しかも相当の高給を与えて運営されている。そして、既に述べたように、日本では、その運用パフォーマンス(トータルリターン)よりも、販売会社から見た手数料が稼げ、見た目の分配金利回りが高い「売れ筋」商品が評価される傾向にある。

 ファンドマネジャーは、パフォーマンスで評価されるのではなく、多くの場合は、サラリーマンの延長線上の給与体系で雇用されている。要するに、投資家が儲けようと損しようと、給与は変わらないのだ。しかも、非常に高い手数料を支払っている投資家に対して、常時アドバイスを与えるなどのサービスをしているかと言えば、そうでもないことは読者もご存じのとおりである。

 これに対し、PEファンドの場合は、投資先の選定・精査(デューディリジェンス)・ハンズオン(自ら投資先に出向いて汗をかく)によるバリューアップ、M&A等での投資回収まで、大変な手間と労力を要するほか、投資家に対しては個別投資先別にきちんとした情報開示が求められる。しかも、ファンドマネジャー、特にキーマンと言われる主運用責任者は、パフォーマンスが悪ければ市場から退出を余儀なくされる厳しい世界である。

 ファンドマネジャーは、投資が成功して投資家に儲けが出た場合のみ、その一部を成功報酬として手に入れることができる。1.5〜2%の管理報酬は、こうした労力に伴う最低限の人件費や物件費を賄うためにギリギリ必要な、文字通りの「管理報酬」なのであり、いわば不労所得である投資信託の「販売手数料」「信託報酬」などとは質が全く異なる。

 なお、米国の投資信託では、PEファンドと同様、主運用責任者の名前がきっちりと開示されることになっており、その個人的責任は重い。日本の「サラリーマン運用者」とは厳しさが全く異なるのである。

投資家として気を付けたいポイント

 このように、日本では、個人投資家が投資信託によってリスクに見合った利益を上げることは極めて難しい。本論で述べたような高コスト、利益相反、運営者責任不在などの問題点が早急に改められなければ、日本における投資信託市場発展の見通しは暗いと言わざるを得ない。

 とはいえ、個人投資家の場合、どうしても投資信託でしか投資できない商品があることも事実だ。たとえば多数の銘柄の海外株式や海外債券、あるいは不動産を個人が投資運用管理することはなかなか困難である。ヘッジファンドなど、機関投資家向け商品に個人がアクセスすることも困難である。個人投資家の場合は、こうした商品には、残念ながら投資信託を通してしかアクセスできないのだ。

 したがって、筆者は、投資信託の利用を全面的に否定するつもりはない。ただし、その場合には、銀行や証券会社など販売会社の言うことを鵜呑みにせず、自らトータルリターンや運用者個人の実力を見極めるべきであるし、そうしたデータの開示がないような投資信託にはなるべく手を出さないことが肝要だ。
http://diamond.jp/articles/print/40142


02. 2013年8月19日 10:11:40 : niiL5nr8dQ

>850兆ドルの資金供給を600兆ドル、あるいは500兆ドル程度まで絞る 

ドルではなく円


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