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韓国経済、“ウォン高の嵐”で独り負けの様相 財閥系など軒並み業績悪化(ZAKZAK) 
http://www.asyura2.com/13/hasan82/msg/505.html
投稿者 かさっこ地蔵 日時 2013 年 9 月 17 日 19:08:54: AtMSjtXKW4rJY
 

急速なウォン高は、現代自動車など韓国の輸出企業に大打撃を与える(ロイター)


http://www.zakzak.co.jp/society/foreign/news/20130917/frn1309171810010-n1.htm
2013.09.17


 韓国経済を再びウォン高の嵐が襲っている。米国の量的緩和縮小観測を背景に新興国が通貨安となったのに対し、韓国では通貨高が再加速、輸出企業が死守すべき“防衛ライン”に迫る危険な水準だ。このままウォン高が続けば、アベノミクスによる円安で息を吹き返す日本の輸出企業との競争力も失われる。最悪期を脱しつつあるように見えた韓国経済だが、輸出頼みの構造を変えられないまま、二番底となりかねない。

 円とウォンのレートは安倍政権誕生前の昨年秋ごろまでは1円=14ウォン近辺で推移していたが、アベノミクスの金融緩和期待を受けて、今年5月には1円=10ウォン台まで3割近く円安ウォン高が進んだ。アベノミクス相場が一服すると11〜12ウォン台まで戻す場面もあったが、9月に入って再びウォンが買われ、10ウォン台後半と、リーマン・ショック当時の円安ウォン高水準となっている。

 対ドルでみても、今年6月ごろに1ドル=1100ウォン台後半だったのが、9月には1080ウォン台までウォン高が進んだ。

 各国の通貨と逆行する動きだ。インドやブラジルなど新興国では、米FRB(連邦準備制度理事会)のバーナンキ議長が量的緩和第3弾の縮小を示唆したことをきっかけに、投資マネーが一斉に引き上げられ、大幅な通貨安に見舞われた。日本も1ドル=100円近辺まで再び円安基調だ。なぜか韓国のウォンだけが買われているのだ。

 国内系金融機関のエコノミストは「新興国から流出した投資マネーが韓国に避難先として流入している」と指摘する。株式市場でも韓国総合株価指数が約3カ月ぶりに2000ポイントを回復しており、海外の投資マネーによる買いが入っているのは確かなようだ。

 ただ、前出のエコノミストは「韓国株が下落して割安感が出ていたためで、日本円のように“安全資産”として買われたわけではない」という。

 景気減速を受けて韓国から逃げ出していた海外の投資マネーが戻りつつあるのは結構なことのようにみえるが、急速に進むウォン高は韓国経済にとって深刻な事態を招く。

 昨年、韓国の経済団体が輸出企業に対して行ったアンケートでは、輸出で利益を確保できる為替レートは、1ドル=1086ウォンという結果が出ている。企業の規模別では、中小企業の防衛ラインである1090ウォンはすでに突破され、大企業の1076ウォンにも迫っている。

 すでに今年1〜6月期の時点で、現代自動車やSK、ポスコなどの財閥系企業グループの業績は軒並み悪化しており、最大手のサムスン電子も、主力のスマートフォンが中国メーカーなどとの低価格競争に突入しており、収益低下が懸念されている。

 「輸出依存度が極めて高い韓国は、輸出関連の大企業の業績が悪化すると経済全体にも大きな打撃となる」と準大手証券のアナリストは分析する。

 すでに異変は起きている。韓国銀行(中央銀行)が11日に発表した輸出入物価指数では、輸出物価が前月比0・7%減と2カ月連続のマイナスに。前年同月比では2・2%減の落ち込みを記録した。

 一方で、輸入物価については、本来ならウォン高の恩恵を受けるはずだが、原油や原材料価格が値上がりした影響で、前月比0・7%上昇してしまっている。

 昨年秋までの超円高が修正されたことで日本の輸出企業が競争力を取り戻しつつあるのと対照的に、韓国の輸出企業を取り巻く環境は厳しさを増している。

 だが、再度ウォン安を演出して、輸出産業を救うという手立ても取りづらい。「急速なウォン安で輸入物価が高くなれば、国民の不満が高まる。また、ウォン安予想が広がると、海外投資家の資金が国外に逃げだしてウォン安が止まらなくなる恐れもある」(前出の準大手証券アナリスト)

 ウォン高になってもウォン安になっても懸念材料を抱える韓国経済。急速な為替の動きに対する脆弱(ぜいじゃく)さを露呈している。


 

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コメント
 
01. 2013年9月17日 20:37:57 : KOuPsoorRU
自国通貨が値下がりして喜ぶのは日本だけ。隣の国の事をとやかく言う必要はない。

02. 2013年9月18日 03:11:08 : niiL5nr8dQ
JBpress>海外>アジア [アジア]
9月中旬は韓国人にとって悩ましい季節
男は墓掃除でスズメバチに刺され、女は家事で手首を傷め・・・
2013年09月18日(Wed) アン・ヨンヒ
 韓国は9月17日から秋夕(チュソク:盂蘭盆)連休の帰省ラッシュが始まる。チュソク連休には、家族が帰省してご先祖様の墓参りをし、チュソク当日はご先祖様の祭祀をする。久々に親族に会って、これまでの暮らしを報告する時期でもある。

 韓国は20〜30年前までは、亡くなった人を土葬してお椀型の丸いお墓に遺体を収めるのが慣わしだった。先祖代々、山の頂上の畑や近くの小高い丘に墓地を買って埋葬していた。専用の墓地だと除草作業も墓地がやってくれていいのだが、山に墓地を作る場合はそうもいかない。

墓掃除でスズメバチに刺される人が続出

 そこで親族の男たちはチュソクの前に駆り出され、ご先祖様のお墓の墓なぎをさせられる。これを韓国語で伐草(ボルチョ:墓の除草作業および掃除)と言う。

 最近、芝刈り機で墓の雑草を刈っていると、墓の近くの藪に生息していたスズメバチの巣をつついてしまい、怪我や死亡する事故が相次いだ。

 現在、韓国では土葬より火葬の割合が増えており、ここ20〜30年の間に亡くなった人は火葬で遺骨となり納骨堂に安置されている人が多いとはいえ、韓国の風習上4代前の祖父母まで墓参りや祭祀をするため、土葬されたお墓の伐草が必要なのだ。

 最近は、墓守を代行してくれる会社も多くそこに任せるケースも増えている。それでも墓なぎはご先祖様を大事にするという意味もあるので、代行会社に丸投げするわけにもいかず、どうしても災難に見舞われる人たちが出てしまう。

 韓国はここ20〜30年の間で葬儀の文化が変わってきた。1990年代の初めは2割しかなかった火葬率が今では7割を超えている。今では、奉安施設が火葬の需要に追いつかないほどだ。

 それでも全国には墓地が2100万基あり、墓地面積は国土の1%を占めている。そして、毎年7万基以上増加している。2010年基準で埋葬の場合、かかる費用は平均1916万ウォン(約175万円)、火葬は1390万ウォン(約127万円)だった。

 それまでは、生きている人たちの土地が足りないということで、土葬より火葬を勧めていた政府が、今度はもっと土地利用を有効にしようと、自然葬を進めている。

 韓国の保健福祉部(「部」は日本の「省」に当たる)よると、今年の6月11日に「葬事施設需給総合計画」が国会の審議を通ったという。これで、火葬して遺骨を木や草花の周辺に埋葬し、簡単な標識を立てる「自然葬」を家の庭でもできるようになった。

 さらに火葬率が年々高くなる状況を見て、韓国政府は施設不足を解消し、現在3%しかない自然葬の割合をもっと増やそうという政策を打ち出したわけだ。

舅や姑に監視され、強制的に家事労働させられる嫁


ご先祖様へのお供え物
 チュソク連休になると、主婦、子供はそれぞれ異なったストレスにより大変な時期となる。

 主婦の場合は、嫁ぎ先の嫁としてチュソクに執り行う祭祀の準備や祭祀に訪れる親戚たちの食事の用意や後片付けなど、家事労働に駆り出される。

 男子厨房に入らずという教えの下、男性たちは家では祭祀を執り行う以外に家事は全く手伝わない。新妻を助けたくても、周囲の大人たちが監視しているので、夫としてもなかなか手が出せないのが現状だ。

 チュソクの祭祀のために用意するものは、ソンピョンと呼ばれる松葉の香りをつけて蒸したお餅。日本のイシモチに似た「チョギ」というお魚を焼いたもの。スケトウダラのお焼き。魚の干物。肉類も同じく、焼き物、乾き物、お焼きを作る。野菜は三色お焼きと三色のナムル。ご飯と汁物。季節の果物を用意する。

 これだけでなく、親戚の人たちが食後に飲む伝統飲料まで作る。

 それを1回だけならまだ我慢できるが、1日3食を3日以上繰り返す。核家族に慣れている最近の妻たちはなぜこんな無駄な労働を強いられるのかぜひ改善したいと思うが、彼女たちが姑になると、やはり伝統を重んじてしまい、嫁をこき使うことになる。

 墓の形は変わっても、先祖を大事にしないと家門に不幸が訪れるという迷信をかなり信じている人たちが多いのだ。

 親戚中の人が集まって楽しむチュソクなのだが、嫁は休む暇なく働かされる。ただし、彼女たちも実家に帰れば大切な娘なので、そこでは嫁いできた嫁が働かされることになる。女性の立場は行先によって天と地ほどに差がある。

 そうした主婦たちにチュソク連休が終わった後に現れるのが、俗に言う「名節症候群」である。名節は旧正月とチュソクのことで、年に2回ご先祖様への祭祀を執り行う時期のこと。

お盆と正月の後は、嫁の手に痛みが走る

 もちろん、儒教を重んじる家系ではそれ以外に4代前までのご先祖様の忌日に祭祀を行うしきたりだが、それは家庭の事情によって省略されることも増えてきたきたので、実際には旧正月とチュソクが嫁にとって一番辛い時期となる。

 名節症候群とは、様々な種類のお焼きを焼くなどの反復的な動作によって、手首が痛くなる手根管症候群と、心性ストレスによる鬱状態のことである。

 子供は子供で、核家族に慣れていたのに大家族の中で数日間を過ごすことに対するストレスがあり、旦那は帰省ラッシュの中での運転に疲れる。未婚の男女は、結婚しないのかと質問攻めにされ、就活中の人たちも親戚たちの関心の的になり、余計なお世話を受けることになる。

 このように書くと、ストレスのたまる行事なのになぜ続けるのかと訝しがられるかもしれない。

 しかし、ご先祖様の墓参りをする習慣と子孫の幸福を願う祈福信仰が根づいている限り、どんなにストレスがあろうとやはり繰り返さざるを得ないのである。

 もっとも、政府が進める「自然葬」が定着すれば、将来的には帰省ラッシュも、名節症候群もなくなるかもしれないが・・・。


JBpress>海外>Financial Times [Financial Times]
インド人が涙するタマネギ価格の高騰
2013年09月18日(Wed) Financial Times
(2013年9月17日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

インドでトラック乗っ取り、目的は積み荷のタマネギ
インド・ハイデラバードの卸売市場で、運搬前にタマネギの重さを量る作業員たち〔AFPBB News〕

 インドでは涙が出るほどのタマネギ価格の高騰が予想外のインフレ昂進に寄与した。インフレ率上昇は16日にインドの金融市場を揺るがし、今後、マンモハン・シン首相率いる連立政権を困惑させることになる。

 タマネギ価格は過去1年で3倍以上に高騰しており、卸売価格は245%跳ね上がった。

 インド商務省によると、卸売物価指数で見たインフレ率は7月の5.79%(前年同月比の上昇率)から8月の6.1%に急騰した。主に食料価格の上昇率がこの1カ月で11.91%から18.18%に跳ね上がったためだ。

 インドは年間およそ1500万トンのタマネギを生産しており、タマネギはほぼ毎食欠かせない食材と見なされている。

インド料理に欠かせないタマネギ、過去には価格高騰で政権崩壊も

 インドでは、タマネギ不足は1980年以降、2つの政権の崩壊をもたらしたとされており、閣僚は大抵、買いだめを禁じたり、地域におけるインドの競合国パキスタンからも含めた輸入を素早く許可したりして、タマネギ価格の高騰と、それに伴う国民の怒りを回避しようとする。

 CLSAのシニアエコノミスト、ラジーブ・マリク氏は「タマネギなしでは美味しいカレーを作れないことから、タマネギの価格高騰は明らかに政治的な影響を及ぼし得る」と言う。

 インドのタマネギ価格は1月から高かった。政府関係者は水不足とモンスーンの過剰な雨のせいにしているが、企業経営者らは、根本的な問題には、生鮮食品の貯蔵と流通のためのインフラがお粗末で道路が悪いことなどが含まれていると話している。

 16日に卸売物価指数が発表されると、株式市場はすぐにこの日の上げ幅の半分を失ったが、午後になると株価指数が持ち直した。インフレ率の上昇を受けて、ラグラム・ラジャン新総裁が率いるインド準備銀行(中央銀行、RBI)が利下げを検討する可能性が低くなる。

 「我々の見解では、卸売物価指数のインフレ率上昇により、利下げは年が明けてしばらくするまで議題から外れるだろう」。キャピタル・エコノミクスは16日の投資家向けメモでこう書いた。

By Victor Mallet


03. 2013年9月19日 03:35:01 : niiL5nr8dQ
越北しようした男性を警備中の韓国軍が射殺、これは殺人か?

2013年9月19日(木)  趙 章恩

 韓国軍の報道官が、「9月16日午後2時20分頃、臨津江(イムジンガン)を泳いで北朝鮮に渡ろうとした民間人男性を、警備していた哨兵が射殺した」と発表した。この男性を見つけた哨兵は、韓国側へ戻るよう3回、警告放送をした。だが、男性が渡河を続けたので警告射撃。それでも止まろうとしなかったので射殺したという。

 韓国軍の発表によると、臨津江周辺は統制区域で民間人が入ってはいけないことになっている(農業をするために立ち入り許可をもらった一部の人を除く)。同川は幅が800メートルほどしかなく、泳いで北朝鮮に渡ることが可能だという。韓国軍の法規では、臨津江周辺は敵(北朝鮮)と最も接近している地域であるため、軍の統制に応じず逃げる者は射撃することになっている。射殺は適切な処置だったと説明した。

 男性が射殺された臨津江から5〜6キロほど離れた場所には臨津閣という観光地がある。ここには、北朝鮮が故郷で帰る場所がない人が秋夕(チュソク、韓国のお盆で旧暦8月15日、2013年は9月19日)に集まり、茶禮(チャレ)を行う場所になっている。茶禮は、その年に採れたお米や果物をご先祖様に供える行為をいう。事件当日も、茶禮のために臨津閣を訪問する人が多かった。

 「軍事分界線内であることを理由に兵士が民間人を射殺した」というニュースは韓国中に衝撃を与えた。観光地のすぐ近くで北朝鮮に渡ろうとする人がいて、哨兵が射殺する事件が起きたことに、「韓国は休戦中で、北朝鮮は主敵である」ことを改めて考えさせられた。

 韓国軍が9月17日に発表したところによると、射殺された男性が所持していたパスポートから、日本をはじめとする複数の国に政治難民として申請したが断られた経歴があることが判明した。複数のメディアが「日本が韓国に強制出国させた男性だ」と報じたが、これは、政治難民としての受け入れを断られ、日本に滞在することができなくなったからだと見られる。この男性が誰で、なぜ北朝鮮に渡ろうとしたのか、なぜ日本や他の国に政治難民としての受け入れを申し込んだのか、についてはまだ調査中だという。

射殺に賛否両論の声

 筆者はこのニュースを見て、「韓国は休戦状態にあり、主敵は北朝鮮だ。民間人に扮した北朝鮮のスパイが北に渡ろうとしていたかもしれない。射殺した哨兵は、軍人としてやるべきことをやった。やむを得ないことだったのではないか」と思った。ところが、Twitterや掲示板サイトでは「軍人が民間人を射殺するのは殺人だ」として論争が始まっていた。

 「この男性は、午後2時という白昼に『私を見て!』と言わんばかりに鉄柵を超えて臨津江を泳いで北朝鮮に渡ろうとした。この男性が民間人統制区域に入った時から韓国軍は防犯カメラで監視していたという。なぜこの男性に近づいて止めなかったのだろうか。射殺することなく止めることもできたはずだ」

 「脱北する北朝鮮の人を射殺する北朝鮮軍は残酷だと非難しておきながら、北朝鮮に渡ろうとする民間人を射殺した韓国軍はよくやったと褒める。これはおかしくないか」

 「武装していない民間人を軍人がその場の判断で射殺するのは殺人行為だ。北朝鮮に渡ろうとしたぐらいで殺すなんて残忍だ」

 「韓国は人権保護を重視しており、死刑も執行しない。射殺は正当なのか」

 以上のように、韓国軍がやりすぎたと非難する書き込みが多かった。

 もちろん、韓国軍は間違っていないという意見もたくさんある。

 「哨兵だって射殺したくてしたわけではない。原則通りに義務を果たしただけだ。韓国は休戦状態ということをみんな忘れてしまったようだ」

 「北朝鮮との軍事分界線付近で哨兵の警告を無視すれば敵とみなされる。哨兵は民間人を射殺したとはみなされない」

 「もし北朝鮮に渡ろうとした男性を韓国軍が射殺しなかったら、『韓国軍は何をしているのか』『軍事分界線の警備が甘すぎる』『安心して暮らせない』と非難を浴びたに違いない。これは南北分断の悲劇だ」

 「射殺したのは殺人だ」という議論が広がると、韓国国防部は9月17日、国防部のオフィシャルFacebookに「軍の警告を無視した明白な越北だったため、このような処置をした」と射殺の経緯について掲載した。

 射殺は殺人だという論争は、「正当な射殺」という意見へまとまりつつある。

警備の甘さを指摘されてきた

 今回は兵士らが軍人としての義務を果たしたことが論争を巻き起こした。だが、過去には、その逆の事件が数多くあった。

 2012年10月、北朝鮮軍兵士が軍事分界線を越えて脱北した。その兵士が韓国軍の警備所をノックするまで韓国軍は誰も気付かず、「軍事分界線の警備はどうなっているのか」と大問題になった。

 2013年8月には、北朝鮮の民間人が海を渡って脱北。民家のドアをノックして助けを求めるまで、韓国軍は誰も気付かなかった。「警備がずさんだ。北朝鮮軍の兵士が民家に爆弾を投げても韓国軍は気付かなかったかのではないか。軍事分界線は一体どうなっているのか」と韓国軍に非難が殺到した。これを受けて韓国軍は警戒を強化していた。

 韓国人が北朝鮮に自ら「越北」する事件はこれが初めてではない。北朝鮮に置いてきた家族を心配する脱北者が北朝鮮に越北したり、韓国で殺人や詐欺を犯して警察に追われる人が北朝鮮に渡ったりする事件が何度かあった。韓国統一部の許可を受けることなく北朝鮮に渡ることは違法である。検察が北朝鮮に渡った目的などを捜査して、国家保安法違反に当たるかどうか調べ処罰が決まる。北朝鮮体制を褒め称えるため北朝鮮に渡った場合、10年以下の懲役となる。

 韓国は、北朝鮮から逃げてきた人を韓国の国民として保護する。しかし北朝鮮は、韓国から軍事分界線を超えて北朝鮮にやってきた人を「利用価値がない」として追放している。

北朝鮮は越北者をどう扱ってきたか

 国際ラジオ放送局「Radio Free Asia」が2010年10月26日、韓国語放送において、「越北」を取り上げた。次のような内容だった。

 「韓国人の医者が北朝鮮の体制を褒め称えながら在スウェーデン北朝鮮大使館に亡命を申し込んだ。北朝鮮大使館は『亡命価値がない』として即座に拒否。その医者は韓国に戻って検察に身柄を拘束された。韓国では医者の社会的地位は高い。だが、北朝鮮ではそうではないからだ」

 「北朝鮮は70〜80年代に、北朝鮮への越境を勧めるビラを韓国に向けて大量に飛ばした。越北すれば大学まで無料で行ける。定着金と高級住宅も支給する、という内容だった。しかし今、北朝鮮は食糧難で苦しんでおり、定着金を払うお金もない。越北した韓国人が『定着金をもらえなかった』と不平不満を言いふらせば、逆に体制維持が危なくなる――という理由で越北者を追放している」

 ずいぶん前の記事ではあるが、2005年7月22日付の連合ニュースの記事はこう報じている。中国から北朝鮮に渡り北朝鮮に住みたいと願う韓国人数人を北朝鮮がすべて追放した。彼らは全員、韓国に戻って国家保安法違反で処罰された。

 この記事は、越北者に対する、北朝鮮のほかの反応も伝えている。ネパールにある北朝鮮大使館に亡命を申し込もうとした韓国人男性を「お昼休みだから」と断った。再度やってきた男性を「『北朝鮮が拉致した』と韓国政府が誤解するからだめ」といって追い返した。韓国でクレジットカードを使い多額の借金を作って北朝鮮に越北した別の男性に対し、北朝鮮当局が反省文を書かせて追放した。

 北朝鮮に行けば、北朝鮮当局からちやほやされると思い込んでいる人がいる。「韓国より北朝鮮の方が暮らしやすい」と吹聴すれば、北朝鮮の体制にとって便利な宣伝道具になるとの理由だ。だが、事実は全く異なる、という警告の記事でもあった。

開城公団がようやく再開

 射殺事件が起きた9月16日、開城公団が再稼働した。同公団は韓国が北朝鮮との経済協力のために始めたもので、北朝鮮側にある。韓国企業が北朝鮮の労働者を雇って、時計、鍋、衣類、電子部品などを生産している。

 これを北朝鮮が2013年4月9日、暫定閉鎖してしまった。一方的に通航を制限し、韓国企業の関係者が公団に入れないようにしてしまった。南北政府の対話により、9月16日からようやく正常稼働することになった。

 韓国メディアはこう報道している。

 「秋夕(チュソク、韓国のお盆)前に開城公団が再稼働したので、韓国企業も北朝鮮労働者もすっきりして気持ちが楽になった、良い秋夕を迎えられる」

 「開城公団の再稼働は、韓国と北朝鮮の関係が改善したことの象徴だ。朴槿恵大統領が大きな成果を成し遂げた」

 北朝鮮は韓国にとって、助けるべき同じ民族であると同時に主敵でもある。この複雑な関係に混乱し、「北朝鮮に渡ろうとした民間人を射殺するのは殺人ではないか」と疑問を持つ人が増えたのかもしれない。韓国人にとって北朝鮮は難しすぎる存在である。

このコラムについて
日本と韓国の交差点

 韓国人ジャーナリスト、研究者の趙章恩氏が、日本と韓国の文化・習慣の違い、日本人と韓国人の考え方・モノの見方の違い、を紹介する。同氏は東京大学に留学中。博士課程で「ITがビジネスや社会にどのような影響を及ぼすか」を研究している。
 趙氏は中学・高校時代を日本で過ごした後、韓国で大学を卒業。再び日本に留学して研究を続けている。2つの国の共通性と差異を熟知する。このコラムでは、2つの国に住む人々がより良い関係を築いていくためのヒントを提供する。
 中国に留学する韓国人学生の数が、日本に留学する学生の数を超えた。韓国の厳しい教育競争が背景にあることを、あなたはご存知だろうか?


 


 
越北しようした男性を警備中の韓国軍が射殺、これは殺人か?

2013年9月19日(木)  趙 章恩

 韓国軍の報道官が、「9月16日午後2時20分頃、臨津江(イムジンガン)を泳いで北朝鮮に渡ろうとした民間人男性を、警備していた哨兵が射殺した」と発表した。この男性を見つけた哨兵は、韓国側へ戻るよう3回、警告放送をした。だが、男性が渡河を続けたので警告射撃。それでも止まろうとしなかったので射殺したという。

 韓国軍の発表によると、臨津江周辺は統制区域で民間人が入ってはいけないことになっている(農業をするために立ち入り許可をもらった一部の人を除く)。同川は幅が800メートルほどしかなく、泳いで北朝鮮に渡ることが可能だという。韓国軍の法規では、臨津江周辺は敵(北朝鮮)と最も接近している地域であるため、軍の統制に応じず逃げる者は射撃することになっている。射殺は適切な処置だったと説明した。

 男性が射殺された臨津江から5〜6キロほど離れた場所には臨津閣という観光地がある。ここには、北朝鮮が故郷で帰る場所がない人が秋夕(チュソク、韓国のお盆で旧暦8月15日、2013年は9月19日)に集まり、茶禮(チャレ)を行う場所になっている。茶禮は、その年に採れたお米や果物をご先祖様に供える行為をいう。事件当日も、茶禮のために臨津閣を訪問する人が多かった。

 「軍事分界線内であることを理由に兵士が民間人を射殺した」というニュースは韓国中に衝撃を与えた。観光地のすぐ近くで北朝鮮に渡ろうとする人がいて、哨兵が射殺する事件が起きたことに、「韓国は休戦中で、北朝鮮は主敵である」ことを改めて考えさせられた。

 韓国軍が9月17日に発表したところによると、射殺された男性が所持していたパスポートから、日本をはじめとする複数の国に政治難民として申請したが断られた経歴があることが判明した。複数のメディアが「日本が韓国に強制出国させた男性だ」と報じたが、これは、政治難民としての受け入れを断られ、日本に滞在することができなくなったからだと見られる。この男性が誰で、なぜ北朝鮮に渡ろうとしたのか、なぜ日本や他の国に政治難民としての受け入れを申し込んだのか、についてはまだ調査中だという。

射殺に賛否両論の声

 筆者はこのニュースを見て、「韓国は休戦状態にあり、主敵は北朝鮮だ。民間人に扮した北朝鮮のスパイが北に渡ろうとしていたかもしれない。射殺した哨兵は、軍人としてやるべきことをやった。やむを得ないことだったのではないか」と思った。ところが、Twitterや掲示板サイトでは「軍人が民間人を射殺するのは殺人だ」として論争が始まっていた。

 「この男性は、午後2時という白昼に『私を見て!』と言わんばかりに鉄柵を超えて臨津江を泳いで北朝鮮に渡ろうとした。この男性が民間人統制区域に入った時から韓国軍は防犯カメラで監視していたという。なぜこの男性に近づいて止めなかったのだろうか。射殺することなく止めることもできたはずだ」

 「脱北する北朝鮮の人を射殺する北朝鮮軍は残酷だと非難しておきながら、北朝鮮に渡ろうとする民間人を射殺した韓国軍はよくやったと褒める。これはおかしくないか」

 「武装していない民間人を軍人がその場の判断で射殺するのは殺人行為だ。北朝鮮に渡ろうとしたぐらいで殺すなんて残忍だ」

 「韓国は人権保護を重視しており、死刑も執行しない。射殺は正当なのか」

 以上のように、韓国軍がやりすぎたと非難する書き込みが多かった。

 もちろん、韓国軍は間違っていないという意見もたくさんある。

 「哨兵だって射殺したくてしたわけではない。原則通りに義務を果たしただけだ。韓国は休戦状態ということをみんな忘れてしまったようだ」

 「北朝鮮との軍事分界線付近で哨兵の警告を無視すれば敵とみなされる。哨兵は民間人を射殺したとはみなされない」

 「もし北朝鮮に渡ろうとした男性を韓国軍が射殺しなかったら、『韓国軍は何をしているのか』『軍事分界線の警備が甘すぎる』『安心して暮らせない』と非難を浴びたに違いない。これは南北分断の悲劇だ」

 「射殺したのは殺人だ」という議論が広がると、韓国国防部は9月17日、国防部のオフィシャルFacebookに「軍の警告を無視した明白な越北だったため、このような処置をした」と射殺の経緯について掲載した。

 射殺は殺人だという論争は、「正当な射殺」という意見へまとまりつつある。

警備の甘さを指摘されてきた

 今回は兵士らが軍人としての義務を果たしたことが論争を巻き起こした。だが、過去には、その逆の事件が数多くあった。

 2012年10月、北朝鮮軍兵士が軍事分界線を越えて脱北した。その兵士が韓国軍の警備所をノックするまで韓国軍は誰も気付かず、「軍事分界線の警備はどうなっているのか」と大問題になった。

 2013年8月には、北朝鮮の民間人が海を渡って脱北。民家のドアをノックして助けを求めるまで、韓国軍は誰も気付かなかった。「警備がずさんだ。北朝鮮軍の兵士が民家に爆弾を投げても韓国軍は気付かなかったかのではないか。軍事分界線は一体どうなっているのか」と韓国軍に非難が殺到した。これを受けて韓国軍は警戒を強化していた。

 韓国人が北朝鮮に自ら「越北」する事件はこれが初めてではない。北朝鮮に置いてきた家族を心配する脱北者が北朝鮮に越北したり、韓国で殺人や詐欺を犯して警察に追われる人が北朝鮮に渡ったりする事件が何度かあった。韓国統一部の許可を受けることなく北朝鮮に渡ることは違法である。検察が北朝鮮に渡った目的などを捜査して、国家保安法違反に当たるかどうか調べ処罰が決まる。北朝鮮体制を褒め称えるため北朝鮮に渡った場合、10年以下の懲役となる。

 韓国は、北朝鮮から逃げてきた人を韓国の国民として保護する。しかし北朝鮮は、韓国から軍事分界線を超えて北朝鮮にやってきた人を「利用価値がない」として追放している。

北朝鮮は越北者をどう扱ってきたか

 国際ラジオ放送局「Radio Free Asia」が2010年10月26日、韓国語放送において、「越北」を取り上げた。次のような内容だった。

 「韓国人の医者が北朝鮮の体制を褒め称えながら在スウェーデン北朝鮮大使館に亡命を申し込んだ。北朝鮮大使館は『亡命価値がない』として即座に拒否。その医者は韓国に戻って検察に身柄を拘束された。韓国では医者の社会的地位は高い。だが、北朝鮮ではそうではないからだ」

 「北朝鮮は70〜80年代に、北朝鮮への越境を勧めるビラを韓国に向けて大量に飛ばした。越北すれば大学まで無料で行ける。定着金と高級住宅も支給する、という内容だった。しかし今、北朝鮮は食糧難で苦しんでおり、定着金を払うお金もない。越北した韓国人が『定着金をもらえなかった』と不平不満を言いふらせば、逆に体制維持が危なくなる――という理由で越北者を追放している」

 ずいぶん前の記事ではあるが、2005年7月22日付の連合ニュースの記事はこう報じている。中国から北朝鮮に渡り北朝鮮に住みたいと願う韓国人数人を北朝鮮がすべて追放した。彼らは全員、韓国に戻って国家保安法違反で処罰された。

 この記事は、越北者に対する、北朝鮮のほかの反応も伝えている。ネパールにある北朝鮮大使館に亡命を申し込もうとした韓国人男性を「お昼休みだから」と断った。再度やってきた男性を「『北朝鮮が拉致した』と韓国政府が誤解するからだめ」といって追い返した。韓国でクレジットカードを使い多額の借金を作って北朝鮮に越北した別の男性に対し、北朝鮮当局が反省文を書かせて追放した。

 北朝鮮に行けば、北朝鮮当局からちやほやされると思い込んでいる人がいる。「韓国より北朝鮮の方が暮らしやすい」と吹聴すれば、北朝鮮の体制にとって便利な宣伝道具になるとの理由だ。だが、事実は全く異なる、という警告の記事でもあった。

開城公団がようやく再開

 射殺事件が起きた9月16日、開城公団が再稼働した。同公団は韓国が北朝鮮との経済協力のために始めたもので、北朝鮮側にある。韓国企業が北朝鮮の労働者を雇って、時計、鍋、衣類、電子部品などを生産している。

 これを北朝鮮が2013年4月9日、暫定閉鎖してしまった。一方的に通航を制限し、韓国企業の関係者が公団に入れないようにしてしまった。南北政府の対話により、9月16日からようやく正常稼働することになった。

 韓国メディアはこう報道している。

 「秋夕(チュソク、韓国のお盆)前に開城公団が再稼働したので、韓国企業も北朝鮮労働者もすっきりして気持ちが楽になった、良い秋夕を迎えられる」

 「開城公団の再稼働は、韓国と北朝鮮の関係が改善したことの象徴だ。朴槿恵大統領が大きな成果を成し遂げた」

 北朝鮮は韓国にとって、助けるべき同じ民族であると同時に主敵でもある。この複雑な関係に混乱し、「北朝鮮に渡ろうとした民間人を射殺するのは殺人ではないか」と疑問を持つ人が増えたのかもしれない。韓国人にとって北朝鮮は難しすぎる存在である。

このコラムについて
日本と韓国の交差点

 韓国人ジャーナリスト、研究者の趙章恩氏が、日本と韓国の文化・習慣の違い、日本人と韓国人の考え方・モノの見方の違い、を紹介する。同氏は東京大学に留学中。博士課程で「ITがビジネスや社会にどのような影響を及ぼすか」を研究している。
 趙氏は中学・高校時代を日本で過ごした後、韓国で大学を卒業。再び日本に留学して研究を続けている。2つの国の共通性と差異を熟知する。このコラムでは、2つの国に住む人々がより良い関係を築いていくためのヒントを提供する。
 中国に留学する韓国人学生の数が、日本に留学する学生の数を超えた。韓国の厳しい教育競争が背景にあることを、あなたはご存知だろうか?


04. 2013年9月19日 03:36:01 : niiL5nr8dQ
韓国人社員との付き合い方

自己主張は最大の保身術

2013年9月19日(木)  佐藤 登

 9月5日の本コラム「部長級でも責任を取らされるサムスン」で、韓国企業に勤務して驚いた文化の1つとして、責任の所在を明確にして措置を図る事例を紹介した。このコラムも、当日のアクセスランキングで首位を獲得し驚いているばかりだ。やはり、韓国企業、特にサムスングループ内部での経験は、日本企業に勤めるビジネスパーソンにとって興味が高いのだろう。

 実は、韓国企業での勤務で驚いた文化がもう1つある。韓国人の強力な自己主張の文化だ。役員や部長、次長級の幹部級社員だけではなく、入社2〜3年の若手社員でも自己主張が激しい。これは日本との大きな差だろう。今回のコラムでは、この文化を紹介したい。

 韓国人の自己主張が最も顕著に表れるのが、個人での業績評価だ。評価システムそのものは、ホンダとサムスンではほぼ同じ。期初に年間のテーマと目標を設定。期末には部下の自己申告を基に、上司が最終的な評価を決定していく。ちなみにサムスンでは役員でも同様のシステムである。筆者自身、両社で自らの目標を設定してきたが、日本企業でも類似した評価制度を設けているところは多いと思う。

 もちろん、ホンダとサムスンでの違いは多い。まず、期初の目標設定では、ホンダの場合、目標値をやや背伸びする形でモチベーションを高く設定する傾向がある。一方、サムスンでの目標設定は背伸びせずに、それほど困難なく達成できるレベルで設定する。

 その理由はなぜか。疑問に思った筆者は、2011年に日本に駐在していた韓国人社員に尋ねてみた。すると回答は、「もし期末の段階で本人が掲げた目標が達成されていないと、本人の評価も当然低くなります。だから達成できそうな目標を設定しています」というものだった。

 ホンダの文化では目標を高く設定することで自身を奮い立たせるのだが、サムスンの文化では達成できなかった場合のリスクを第1に考えるわけだ。サムスンでは、昇進し続けるには評価が高いことが絶対条件なので、目標設定がどうしても保守的になってしまう。

業績の自己申告で最大限に主張

 自己主張の文化が色濃く反映されるのは、期末の自己申告からだ。サムスンにおける期末の自己申告では、社員自身が上から、A、B、C+、C、D、Eの6段階の評価を付ける。ここでは、C+が普通の評価となり、それ以下では低評価という位置づけだ。

 筆者自身、部長級から若手までの社員に評価を下す立場にあったが、これが容易ではない。誰もが高い自己申告を提出してくるからだ。ざっくりと言えば、95%の社員がAを、残りの5%の社員がBを付けてくる。標準評価のC+以下の自己申告をしてくる社員は誰ひとりとしていない。こうした傾向は職位を問わず、部長・次長、課長、新入社員に至るまで共通している。

 この理由についても、韓国人社員に直接訪ねてみたことがある。すると、「本人が付けた評価をひっくり返して高い評価をつける上司の役員はいないからです。だからほぼ全員がA評価を申告するのです」との回答があった。もはや自己申告の意味をなしていないが、これがサムスン流だ。

 サムスンでは、社員の評価は役員決裁となる。部下の自己申告書が出された時点で双方向の理解が必要なこともあり面談が実施される。筆者はA評価を申告してくる韓国人社員に、「あなたの能力は現在が最大で、これ以上の成果はあまり期待できないことを意味しているね」と質問を投げかけるようにしてみた。すると、そんな変な質問を投げかけてくる韓国人役員と接したことがなかったのだろう。韓国人社員の反応は、外国人である筆者の質問にポカンとするか唖然とするかのどちらかであり、即答はなかった。

 面談後、全体で調整をして約1カ月後に最終結果を本人に伝達するのだが、社員の自己申告と実際の最終評価との間には大きなギャップが存在することになる。若手社員の多くも標準的なC+の評価に落ち着くわけだ。

 実際に「あなたは、こういった理由から今回の評価はC+です」と評価結果を渡そうとすると、どうなるか。日本企業であれば、標準的な評価を知らされても「わかりました」と、納得をしなくても結果を受け入れるだろう。

 だが、サムスンではそうはいかない。「どうしてC+評価なのですか。成果を出し目標も達成しているのに、C+という評価には納得できません。いったい誰が高い評価を得ているのか教えて下さい」と異口同音に食い下がってくる。ここに男女の差はなく、この迫力だけは評価に値する。

 こうした光景は日本ではあまり見られないだけに、最初は筆者も一瞬たじろいだ。しかし、上司として評価通知書を渡そうとしても、「評価に納得していないので受け取れません」と食い下がってくる。こういった際には、評価を決定した理由を延々説明していくことになる。

 韓国は儒教国家であり上下関係の明確な文化であるため、通常は上司の立ち位置は絶対的だ。しかし話が個人の評価になると事情が異なってくる。これも社内での昇進競争に大きく影響するため必死になるわけだ。

 韓国人社員は自己主張が激しいため、個人主義に陥りやすい。何となく会社へ貢献したいと考えるよりも、自らの将来を第一に優先する。なので、高い評価が得られないと昇進競争に出遅れてしまい、結果として自信と希望を失い退社していく。サムスン社員の平均的な在籍年数は8.2年と言われているが、このような背景がある。

 日本人の謙虚さは、日本国内では今でも美徳のように評価されるが、いったん日本の外へ出るとそれを理解してくれる人達は圧倒的に少なくなる。日本企業がグローバルなビジネスを展開しようとすると、このような謙虚さは弊害となることすらある。むしろ、主張を繰り広げて自らの論理に相手をどれだけ引き込めるかが重要だ。

 9月8日に決定した2020年の東京五輪開催も、日本のプレゼン力や訴求力が評価されたからにほかならない。日本においては初等教育から自分の意見を積極的に述べるような教育システムが必要だ。同質を良しとせず、異質も評価し受け入れる文化の構築は、今後の日本の行く末を考える上で避けては通れないだろう。

韓国人が分析、日本人と韓国人の違い

 ホンダからサムスンへ移籍してから2年後となった2006年秋、韓国人の性格を理解する講演に遭遇した。ソウル大学の教授が、サムスンSDIの経営会議で実施した「サムスンの発展と今後への期待」と題する講演だ。その中には日本と韓国の比較論もあった。

 講演では、日本人と韓国人の間における大きな違いとして、以下の3つが紹介された。(1)韓国人はルールを守らない、(2)韓国人は嘘をつく、(3)韓国人は他人の意見を聞かない――というものだ。この3つを改善しなければ、今後のグローバル競争で韓国は生き残れないという指摘だった。

 多くの韓国人役員の中にいた日本人役員は筆者ともう1人。2人は隣り合わせで座っていたので、思わず顔を見合わせて苦笑した。この光景を見ていた韓国人役員たちは社長も含めて、いささか嫌な思いをしたことだろう。なぜなら、韓国で仕事をしている間に納得できる節が少なからず思い出されたからである。

 もちろん、日本人だって上述の3つに当てはまる人間はいるだろう。ただ、韓国人には少なくないということだ。これが日本人の発言であったら両国の文化交流に大きな問題となって影を落としかねないが、ソウル大学の教授の発言であるため客観性は十分に保たれていると言える。

 ここからは(1)〜(3)に関する筆者の体験談を紹介しよう。まずは(1)の「韓国人はルールを守らない」からだ。あるゴルフ練習場でのこと。打席には喫煙打席と禁煙打席に番号が指定されているのだが、禁煙席に灰皿をもって来て平然と吸っている韓国人はしばしば見かける。特定の練習場だけではなく、あちこちでそうだから。

 さらに、交通信号を守らず「赤」でも進んでいく大胆さ。2005年くらいに比べたら今では相当マナーが向上し減ってきた。順番待ちをしている中に割り込んでくることも日常生活では多い。サムスン人の名誉のために言っておくが、流石に統制されているサムスン人にあって、そんな光景は見た覚えがない。

 続いて(2)の「韓国人は嘘をつく」の体験談。ジョークのように比喩されるが、韓国人に道を尋ねると、分からなくても分かったかのように教える人がいる。それが間違っている可能性があるにしてもだ。知らないということが恥ずかしく、知ったふりをして教えるようだ。もちろん大半の韓国人はそうではないことを期待しているが。

 サムスンでの業務でも似たような話があった。「社長は今日の会議で、Aと指示していたからそうするように」と役員が部長に指示をする。数日後に、「社長はBと指示していたのだから、そうするように」と同じ役員が同じ部長へ指示する。ところが、最初と2回目の指示はまったく相容れない内容だ。どこかに真実でないことが語られ伝えられているというわけだ。

 当然、指示を受けた部長は、どちらを優先するのか困惑する。困った挙句に、筆者のところへ電話してきて「役員はこう言うが、どれが本当なのか分かりません。どうすればいいですか」と尋ねてきた。筆者は、「困っているのならば直接社長に確認してみればどうか。そうすれば何が本当で何が嘘かわかるだろう」とコメントした。部長が直接、社長に質問できないため、まったく意味のない助言だったのだが。似たような話は業務上で少なからず経験した。

 最後の(3)「韓国人は他人の意見を聞かない」。ソウル大学の教授の言葉を借りれば、「他人の意見を聞くということは自分に判断できる力がないからという証拠になってしまう。だから内容的に理解し納得しても、あえて耳を傾けようとしない性格がある」らしい。これもなかなか説得力に富んでいた。

 振り返ればサムスンSDIの研究所に勤務していた際、良かれと思い同僚の役員やプロジェクトリーダーにさまざまな提言をした。その場では理解したような表現をするものの、しかしそのような行動に移さない場面を数多く見てきたのが何よりの証拠だ。

韓国人とサムスン人の大きな相異

 韓国人教授にも自己主張が激しいと分析されてしまう韓国人。自殺率を韓国と日本で比較してみると、2012年のWHO(世界保健機関)のデータでは、10万人あたりで韓国は31人(ワースト2位)、日本は24.4人(ワースト8位)となっている。精神疾患を患う人間も同じような傾向があるだろう。

 ホンダ在籍時代、研究所では精神的に病んでいる社員を多く見てきた。自宅療養となる社員は、管理職から若手社員まで幅広く、その期間も1カ月間から年単位とまちまちだ。会社へ復帰できる者がいる一方で、復帰と自宅療養を繰り返す者もいる。結局、業務復帰は果たせず退社する者、自殺した同僚など、多種多様である。業務上の悩みや職場の人間関係が主な要因だったようだ。

 筆者が在籍時には、ホンダの栃木研究所には約1万人が勤務していたが、心が病んでいる人間は少なくなく、健康管理センターには心理カウンセラーが常駐していたほどだった。相談する社員が多いので予約待ちになる場合もある。

 筆者自身、サムスンへ移籍前のこと。ホンダでの業務に行き詰まりを感じて苦しんでいた際に、自分でも精神状態が安定していないことに気が付いていた。そのまま過ごしていても解決には至らないと思い、この心理カウンセラーに相談し、さまざまなアドバイスをいただいた経験がある。

 こうしたホンダでの経験もあり、サムスンに赴任した際も、同じように心が病んでいる社員が多いのではと考えていた。先に紹介したように、韓国人の自殺率が日本人より多いというデータがあるのだから類推するに値する。

 実際に、韓国内で2004年から5年間、業務をしながら観察してきた。驚くことに心が病んで会社を休んでいるという人物は見かけなかったし、聞いたこともなかった。

 それには、韓国人の自己主張の激しさが関係しているようだ。業務上で大きな悩みを抱えて、自分の考えと大きくかい離したら、我慢せずに会社から去っていく。韓国人社員は苦境や逆境に遭遇し心が折れそうになると、耐えるのではなく、離れることを選ぶ、つまり割り切りがはっきりしている。先に書いたように、平均在籍年数が8年程度と短いのはそのためだ。

 よって、精神的苦痛で出社できない社員は生まれない。そうなる前に行動し、そうなる前に退社する。ダイナミックな考えだし、精神衛生上はこの方が正しいだろう。

 2012年4月中旬、サムスングループの外国人役員約200人がソウル郊外のサムスン人力開発院に召集され役員研修を受けた。業務より研修が最大優先という縛りの中、全世界から多国籍の役員が集まる光景はサムスンならではと言える。

 研修の過程で、人事部門から「サムスンの歴史と今後の展望」という観点での説明を受けた。その中で、ブランド力やサムスンの文化に関するクイズ形式の質問も出された。例えば、「サムスン人のビジネススタイルは組織的か個人的か?」と。躊躇いもなく「個人的」と回答したら答えは不正解とされた。韓国で仕事をして実感した自信から即答したが、「組織的」が正解と説明されて、これには今でも釈然としない。

 一方、今後の展望におけるサムスンの進む道が、グローバルな人脈ネットワークを最大限活用した新たなビジネスモデル創りという方向性については賛同した。

日本人も意識変化が必要

 現在、日本国内のニュースでは、若者の早期退社が社会問題として取り上げられている。報道によれば、本人のイメージと入社後の実態、つまり理想と現実のかい離によるものが多いようだ。それだけ、日本は我慢しなくても何とかできるという豊かな社会になってきているのかも知れない。

 若者でなくても、会社の経営状況の悪化や事業撤退などで会社を去る人達は、日本の高度成長期の時代に比べたら圧倒的に多いと感じる。ましてグローバル競争にさらされている産業界では、企業間競争が永続的に続くだけに、こうした状況は今後も大きくは変わらないと言える。

 現状、社会で求められていることの1つは、個人の存在感を高めていくことだろう。個人のキャリアを高めることが結局は企業の活力や原動力につながるため、経営側には組織や個に重点を置く理念や経営方針が必要となる。

 日本の中では業績が優れているが、厳しい業務実態で離職率が高いとされる「ブラック企業」が名指しで批判されている。人材は経営投資が必要なのだから、早期に退社することは企業にとってもマイナス面が大きい。

 人材を大事にして個を伸ばそうとする組織や企業には発展や希望がある。個人と企業との関係、キャリアアップに対する個人の意識改革、いかにアイデアを出して新たな価値を創造できるかなどが、あらゆる業種で問われているし必要とされているだろう。国力は突き詰めれば、1人ひとりの価値の集合体として形成されるのだから。

 今後のグローバル社会を生き抜く上で、今回の韓国の紹介事例は反面教師として日本人としても参考にすべきものだと考える。その国々の文化、その国の人々の慣習や特性など、それを理解した上でビジネスができるかどうかが重要だ。

 それを批判・否定するのではなく、そういう部分も理解しつつ、場合によっては逆手に活用することで、企業にとってより良い方向に舵をきっていくことが必要だろう。

 そんなことを考える際、日本人の直球勝負的な行動指針から、時には変化球を交えるなどの変幻自在、柔軟な対応が求められているような気がする。その際に韓国人のような自己主張や行動は、日本の謙遜の文化を大きく超越する武器となるのではないだろうか。

このコラムについて
技術経営――日本の強み・韓国の強み

 エレクトロニクス業界でのサムスンやLG、自動車業界での現代自動車など、グローバル市場において日本企業以上に影響力のある韓国企業が多く登場している。もともと独自技術が弱いと言われてきた韓国企業だが、今やハイテク製品の一部の技術開発をリードしている。では、日本の製造業は、このまま韓国の後塵を拝してしまうのか。日本の技術に優位性があるといっても、海外に積極的に目を向けスピード感と決断力に長けた経営体質を構築した韓国企業の長所を真摯に学ばないと、多くの分野で太刀打ちできないといったことも現実として起こりうる。本コラムでは、ホンダとサムスンSDIという日韓の大手メーカーに在籍し、それぞれの開発をリードした経験を持つ筆者が、両国の技術開発の強みを分析し、日本の技術陣に求められる姿勢を明らかにする。


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