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新しい日本のかたち
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投稿者 天橋立の愚痴人間 日時 2013 年 9 月 21 日 21:09:13: l4kCIkFZHQm9g
 

50年から100年前までと現在の経済の違いは、物資の生産に必要な人手が驚くほど少なく済むようになった事です。

それは、どこの先進国でも製造業を中心とする第二次産業の割合(就労者)が25%前後まで落ちでいることで現されています。
第一次産業も機械化のあおりで、第二次産業よりも酷く5〜10%の労働者より必要としません。

この認識なしに現代の経済を語れないと共に、既成の経済の理論(アダムスミスからハイエクまで)が想定している経済と言うものは、表面の通貨の動きを追うだけで成り立っていて、問題点といえば、通貨の循環の齟齬ばかりを気にかけています。

その中では人間の実際の生活と言うもの取り残されてしまっています。
経済為の経済であり、それで社会を維持しなければならないと言う観念がありません。

既成の経済の理論、方程式には、失業と言うものを、景気、不景気の概念の中で考えようとしているのです。
資本主義の実態を早くから見抜いていたマルクスさえも、このような環境を想定して資本論に取り組んでいたとはいえません。
ですので、全ての既成の経済論を、そのまま延長して乗り切ることは出来ません。

では、現代の社会が持つ、この根本的な矛盾が、どのようにすれば解決できるかであります。
一つは第一次、二次産業で必要ではなくなった労働力を第三次産業で吸収できるかと言う事です。

第三次産業と言いますと、大きく分けて次の様に成ります。

電気・ガス・熱供給・水道業
情報通信業
運輸業、郵便業
卸売業、小売業
金融業、保険業
不動産業、物品賃貸業
学術研究、専門・技術サービス業
宿泊業、飲食サービス業
生活関連サービス業、娯楽業
教育、学習支援業
医療、福祉
複合サービス事業
サービス業(他に分類されないもの)
公務(他に分類されるものを除く)
分類不能の産業

エネルギー分野は、太陽光発電、風力発電など、新しいものを求めて将来活気つくことでしょうが、それに人力が必要かと言えば、従来の石油、石炭算出の手間と、そんなに変わりはありません。
情報通信の分野は、すでに携帯電話の市場が満杯に近づいている事で判るように、もう少しは増えても大きなものは期待できません。

卸売業、小売業などは、昔のように対人販売のよさを省みる習慣が戻らなければ、ますますネット販売に傾き、縮小する方向といえましょう。

金融業、保険業について、金融立国などと言う発想は、アイスランドの危機でいかに脆弱なものであることが実証されています。
詐欺が職業として市民権を持たない限り、金融、保険業が余った労働力を吸収するとは思えません。

不動産業、物品保管業も新しい試みが伴わなければ、マンション、店舗共に十二分に在庫があります。

生活関連サービス、娯楽業については後述します。

教育、学習支援業は、人々の生活に余裕があってこそ、伸びるものであり、人々の生活を豊かにする為の起爆剤とはなりえません。

医療、福祉の分野も後述します。

複合サービス業、分類不可能の産業については割愛します。

さて、公務員については如何でしょう。公務員の世界もPCの普及で人手が足りないという事態ではありません。
むしろ財政難のあおりで縮小させる傾向がありますが、実は、ギリシャではありませんが、他に仕事がないとき、強いて公務員と言う形で失業者を吸収することも考えられます。

さて、飛ばしました、医療、福祉の分野ですが、これは老人人口の比率が増えている現在、これに携わる人間を増やす傾向は間違いなくあるでしょう。
しかしながら、この分野は不採算部門なのです。
要するに税金で保証されなければ経営が成り立たないのです。
ですので、この分野の経済を大きくすることは、それだけ大衆の負担も増える事になり、厳密に言えば付加価値を生産して、その対価として給料を支払い雇用を確保すると言うことには成りません。
富裕層が、税金として、その負担に耐えられるかと、言う問題が発生します。

最後に、生活関連サービス、娯楽業ですが、これから伸ばせる第三次産業としては、どうしても、これに期待をする訳ですが、これも金に余裕があって、始めて活性化する分野であり、ます先に金がなければ、幾ら奨励しても動かないでしょう。
この分野は、世直しが旨く言って最終的に伸びてくる分野であり、最初から期待できるものではありません。
それなのに、一足飛びに、この分野に期待すること錯覚以外の何でもありません。

今までのことを総括しますと、第三次産業の分野は、他の第一次、二次産業と異なり、集約化、グローバル化の影響が少ない分野なので、急に縮小する事はないでしょう。
それよりも、やりようによっては微増が期待できます。
医療、福祉の分野は、人数的に言って、あと300万人くらいは増えるとしてもよいでしょうが、新たに発生する人件費、年収300万円として9兆円、資材その他も必要なので実際は15兆円くらいの資金が必要です。
この資金を何処から調達すればよいのでしょう。
利用者から調達するとしても、3000万人の利用者から年間30万円を徴収するとして(それだけ払える年寄りが幾らいるかと言うことも問題)、これも9兆円です。
この9兆円が、通常の付加価値と計算することも出来るでしょう。
では、後の6兆円は富裕層から頂く事になります。
新たにこれを負担できる富裕層として3000万人を見込めば(5000万人くらいが所得税を納めています)、年間20万円の増税とまります。
医療、福祉の領域で300万人くらいは増やせると言ったのは、この程度が富裕層が負担する限界ではないかと言う事です。
ところで、生産技技術、IT技術の発達は、現在も止んでいません。
今後は、機械化、省力化でますます失業する人間が増えるでしょう。
要するに、将来は2500〜3000万人分の仕事がなくなると想定します(労働人口の半分近く)。

これに対して、医療、福祉の領域で300万人、他の領域を含めて好意的に見て、第三次産業全体で500〜600万人の雇用を生む事が限界かと思います。

それでは、他に手はないのでしょうか。

一時、森首相の時でしたか、新しい産業の興隆を言い、ベンチャー企業の事が騒がれました。
自分の智恵と才覚で、世の中に打って出ようとする人間は、本当に極僅かな人たちであり、こんな分野で労働力を吸収できるなどと考える方が間違っています。

全く新しい産業が発生する期待は期待として持っていてもよいでしょう。
この様な状況のもと、厚かましくも、最後に私の持論を述べさせていただきます。

常に主張しています「新しい公共事業」の発注と「食料鎖国政策」です。

土木、建築の分野は、まだまだ人手を多く要する分野であり、グローバル化の影響を受けにくい分野です。
また仕事も無尽蔵と言ってよいほど(100〜200年分)あると思います。
それを、どの分野からも必要とされなかった人々の受け皿として就労の場を提供できるように発注するシステムを作る事です。
このシステムは、特別に共産主義的な考えではありません。
要するに、中小零細企業中心に発注するのです。
最近は建設業に携わる人間が足りないと言われていますが、そんな事には関係なく、このような施策を10年も続けると、自然に労働者が集まってきます。

受注は飽くまでも資本主義のルールに乗っ取り競争入札ですればよいのです。
年間50兆円分の公共事業の発注を言っていますが、この中に直接含まれる(建設労働者として収入を見込む)人件費は、おそらく6〜7兆円くらいでしょう。
この場合の年収は、雇用促進事業の様なものなので200〜250万円で辛抱していただきます。
結局、建設現場で働く人は250〜300万人がそれで生活できる事になります。
先には建設現場で直接、収入を得る人と言いましたが、これに建設資材の生産、運搬などに携わる人たちを含めると、さらに150から200万人の人に仕事が増えるという事になります。
都合、年間50兆円の公共事業の発注で新たな雇用を500万人くらいは発生すると見込んでいます。

その他の方法として、農業、漁業、林業を復活させます。
復活させると言っても言葉だけでは復活しません。
そこで考えたのは食料鎖国(原則)と言う施策です。
これならば、何が何でもこの分野に力をいれねばなりません。
この分野でも、都合100〜150万人の雇用を作ります。
食料鎖国政策と共に確かな補助手段の施策が必要ですので、此処にも公的資金が随分と必要になります。

結果、最初に言いました第三次産業の増加による雇用増 500万人
公共事業の発注によるもの 500万人
農業、漁業、林業の復活によるもの 150万人

都合、1150万人の雇用増は期待できます。
ですが、先に想定した、2500〜3000万人分には至りません。
私の計算では50兆円の公共事業を発注し、他の施策も旨く言っても、あと500〜1000万人分の雇用の保証が出来ません。

ただし、1500万人くらいの雇用増が実現でき、それで10年くらい経てば、生活の安定した人々が消費に目覚め新たな需要を生み、後の1000万人くらいの人は、そこへ吸収されると言う虫のよい話です。
どちらにしても、あと500万人分くらいの雇用の確保の方策を見つけねばなりません。

それでも、現在では、まだ3000万人の人が失業していないので、今すぐ、この施策を採用すれば、それでやって行けるのではないでしょうか。

最後になりましたが、一方で、年金の改革をして殆んどの人は老後に憂いがないようにする事です。
これも消費を活性化する大きな要因です。

どれも、これも金がいる話です。
ですので、前提条件として、ヘリマネ政策を訴えているのです。
ヘリマネと言っても、実際に現金を支給するのではなく、公共事業に使うか、年金や医療、介護保険の資金として補充するのです。
これなら、インフレも起きなく、働く意欲を保ち続ける事が出きます。

このためには、通貨の概念さえも変える必要があるのです。

これを実現出来る経済のシステムを、修正資本主義と考えています。

別の言い方をすれば、ヘリマネ(通貨の増刷)さえ受け入れる事が出来れば、現在資本主義が直面している、そして最後には破綻する問題を解決できる方法があるのです。
何故、人類は、其れに踏み切らないのでしょうか。
本当に出来ないのでしょうか。

ヘリマネといっても、ベーシック・インカムには、飽くまでも反対する者です。

http://www.kyudan.com/cgi-bin/bbskd/read.cgi?no=35  

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コメント
 
01. オリハル 2013年9月22日 01:45:27 : 3eVpHzO3Pti46 : AmwoG4U4n2
食料鎖国というのは必要ですね。これは本当に必要だと思う。

> 表面の通貨の動きを追うだけで成り立っていて、

それで人間がスポイルされている。「新たな雇用」とか「労働力」とかいう考え方も人間をスポイルすると思う。なぜなら、権力または既定事実によって押しつけられるような仕事であり、絶対必要な仕事だとは思えないから。第一、二次産業以外は「やりたい人だけやればいい」と思いますけどね。絶対必要じゃないから。

人間は元々、「活動したい」ところに基本があるので、疲労回復したら「やりたいこと=仕事を始める」わけです。人間が「仕事=やりたいこと」を出来る為には、ヘリマネを信用創造して配るところから始めるのが良いと思いますが。「ずっと休んでいろ」と言われてもそうはいかないので、第三次産業が立ち上がって来る。それらは全部、「やりたいこと」だらけになる。


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