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続 法人税減税を考える (三橋貴明) 
http://www.asyura2.com/13/hasan82/msg/588.html
投稿者 赤かぶ 日時 2013 年 9 月 22 日 00:05:00: igsppGRN/E9PQ
 

続 法人税減税を考える
http://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-11618323756.html
2013-09-21 10:28:17 新世紀のビッグブラザーへ 三橋貴明


 名古屋にいます。知りませんでしたが、名古屋も空港(小牧空港)と市街地が近いんですね。福岡のように駅と空港を地下鉄で結んでしまえば、かなり便利だと思うのですが。

 さて、消費税増税問題は相変わらずマスコミで「増税決定!」というニュースが流れた後、菅官房長官が「決定していない」と否定するパターンが繰り返されています。

『官房長官、消費増税「正直なところ総理は決断していない」
http://www.nikkei.com/article/DGXNASFL200P9_Q3A920C1000000/
 菅義偉官房長官は20日午後の記者会見で、2014年4月からの消費税率引き上げを安倍晋三首相が決断した、との報道について「正直なところ、総理は私は決断してないと思う」と述べた。
 首相自身、増税した場合の影響などを総合的に勘案して自ら判断する考えをかねて述べている。菅氏は「総理ご自身がもう決断したということは私はまったく聞いていない」と語った。そのうえで「10月になって日銀企業短期経済観測調査(短観)等の数字をみたうえで、総理自身その対策を含めたうえで判断する」との見解を改めて示した。
 復興特別法人税の終了を1年前倒しすることが取り沙汰されている点に関連し「復興財源25兆円を削ることはあり得ない」とも述べた。』

 結局のところ、決断するのは安倍総理大臣であり、「その日」を迎えるまで正確なところは分からないという話なのでしょう。何度も繰り返しますが、
「デフレ脱却前の消費税増税はしない」
 という公約を守って頂きたいと思います。

 ところで、消費税増税「判断」騒動の裏で、経団連と日本経済新聞が着々と「法人税減税」のための根回し、印象操作、既成事実化を行っています。
 それに対し、「無条件の法人税減税」に反対する麻生財相が、沈静化の発言を繰り返しています。

『財務相、法人減税「投資、人件費に回る保証ないと」
http://www.nikkei.com/article/DGXNASFL200KA_Q3A920C1000000/?dg=1
 麻生太郎副総理・財務・金融相は20日午前の閣議後記者会見で、法人減税について「設備投資、なかんずく人件費に回るという保証がないとなかなか問題だと思う」との認識を示した。「そこの(法人減税と連動した賃上げという)点がきちんとつながるという保証というものを我々としては期待する、探すということになる」と述べた。
 麻生氏は「法人税というものを仮に下げるということになった場合、その分を何にどのように使うっていう保証を、確約というものがいる」とも指摘した。法人減税の結果、企業の内部留保が積み上がることになれば「およそ意味がない」との考えを述べた。
 復興特別法人税を1年前倒しで2013年度末で終えることについては「仮定の話でコメントのしようがない」としながらも「(減税が)法人だけというのであれば、人件費に回るのであればまだ理屈が立つ」と指摘。そのうえで「(減税分が)人件費に回るという保証がないとなかなか難しいという感じがする」との考えを述べた。』

 麻生財相が「かなり踏み込んだ」と思うのは、これまでは、
「日本の法人企業の七割超が赤字。法人税を減税しても三割未満の黒字企業しか恩恵を被らない」
 と反対されていたのが、ついに「法人税を減税し、何に使われるのか?」という部分を語っているためです。要するに、法人税引き下げ論者たちに疑念を抱いていらっしゃるのです。

 法人税減税の「先輩」といえば、実は韓国でございます。韓国はサムスン電子を中心に大手輸出企業等に法人税の減免措置を講じ、各財閥のオーナー(及び外国人投資家)が巨額の配当金を受け取っています。

 韓国の財閥情報専門サイト、財閥ドットコムによると、2012年会計年度にサムスン電子のオーナー李健熙会長が受け取る配当金は、前年比11.2%増の1241億ウォン(約110億円)とのことです。時給360円程度(韓国の公的な最低時給は430円ですが、守っていない経営者が多いのです)で働く貧困層が少なくない韓国において、財閥のオーナーの配当金が100億円を超える。日本国内で「我が国は格差社会だ!」などと叫んでいる論者は、是非とも玄界灘の向こう側に目を向け、現実を知って欲しいと思います。

 ちなみに、李健熙会長以外はどうかといえば、現代自・起亜自グループの鄭夢九会長の配当金が484億ウォン(約42.8億円)。LGグループの具本茂会長が192億ウォン(約17億円)、現代重工業の筆頭株主である鄭夢準国会議員が193億ウォン(約17億円)の配当金を受け取るとのことです。
 法人税減税論者が主張する「トリクルダウン」など、韓国でもアメリカでも起きていません。
 何を言いたいかといえば、構造改革主義、グローバリズム、新古典派経済学が蔓延する世界において、企業が法人税減税を叫んだとき、政治家は「その裏にあるもの」を考えなければならないという話です。別に、難しい話ではなく、
「法人税を引き下げて、それを国内の雇用拡大に使うのか? それとも内部留保として企業の財産にするのか? 配当金に使うのか? 海外直接投資に使うのか?」
 でございます。

 別に、贔屓目なしに日本の企業の法人税を減税しても、配当金がそれほど増えるとは思いません。が、内部留保や海外直接投資に向かう可能性は否定できないわけで、その分、国内の雇用は「生まれない」という話になります。

 麻生財相の発言は、
「法人税というものを仮に下げるということになった場合、その分を何にどのように使うっていう保証を、確約というものがいる」
 と、ぶっちゃけ「法人税引き下げを主張する企業を『疑っている』」わけで、政治家としてかなり踏み込んだ発言だと思います(もちろん、企業側は疑われて当然ですが)。

 法人税引き下げを主張する人達(要は構造改革主義者)は、
「法人税引き下げを実施しなければ、企業は国際競争力が低下する。日本への投資も増えない」
 などと、「それっぽいこと」を主張します。とはいえ、上記の主張を受けた政治家(及び国民)が、「大元の目的」を正しく理解していれば、彼らのレトリックを打ち破ることができます。すなわち、
「その政策で、日本国民の所得が増えるのか、否か」
 です。

 法人税を引き下げても、国内の投資や雇用拡大に向かわなければ、国民の所得は増えません。また、そもそもこんなデフレで成長力がない国(日本)に、外国企業は法人税率と無関係に投資などしません。

 というわけで、現在の日本が単純に法人税を引き下げると、「単なる国民(政府ではありません)から企業への所得の移転」に終わる可能性があるわけです。法人税を引き下げるならば、投資減税や雇用減税でなければなりません。

 現在の日本政府は、「国民の所得を引き上げる」政策以外は、一切採るべきではないのです。


 

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コメント
 
01. 2013年9月22日 13:54:49 : EGFY7zcmP1
正反対の政策を実行する政府は国民の者ではないのに、税金で暮らしている。
正しい政策は消費税全廃と租税特別措置法の全面見直し。
特別会計の全廃と一般会計への一本化。
外務省所管の各種海外援助資金の全面凍結。

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