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アメリカンドリームの死 社会的流動性が失われる米国 (JBpress) 
http://www.asyura2.com/13/hasan82/msg/713.html
投稿者 赤かぶ 日時 2013 年 9 月 29 日 01:38:00: igsppGRN/E9PQ
 

アメリカンドリームの死 社会的流動性が失われる米国
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/38809
2013.09.28 JBpress 英エコノミスト誌 2013年9月21日号 


 1人の経済学者が社会的流動性の未来について挑発的な疑問を投げかけている。

 米国はアメリカンドリームの終焉に耐えられるだろうか? そんな考えは想像もできない、と右派、左派双方の政治指導者は言う。だが、アメリカンドリームの終焉は、経済学者タイラー・コーエン氏の斬新な新書『Average is Over(平均は終わった)』の中で予想されていることだ。

 コーエン氏は論争には慣れている。2011年には『The Great Stagnation(邦題:大停滞)』でワシントンを刺激した。同著では、米国は無償の土地、豊富な労働力、新規技術という収穫しやすい果実を使い尽くしたと論じた。

 新著では、オートメーションとどんどん安価になるコンピューター処理能力の破壊効果はまだ出始めたばかりだと示唆している。

■『大停滞』の著者が描く米国の未来

 コーエン氏の新著は、月並みな仕事と幅広い繁栄が大方失われた未来を描いている。米国人の上位10〜15%のエリートは、未来の技術を習得し、そこから利益を引き出す頭脳と自制心を持つ、と同氏は推測する。

 エリート層は莫大な富と刺激的な生活を楽しむ。一方、それ以外の人たちは、雇用主が従業員の生産活動を「過酷な厳密さ」で測定するため、賃金の伸び悩み、あるいは減少に耐え忍ぶことになる。

 中には、富裕層へのサービス提供者として成功する人もいる。少数の者は、努力してエリートの仲間入りを果たし(安価なオンライン教育は格差を平準化する偉大な装置になる)、「超実力主義」が機能しているという考えを裏付ける。これが「取り残された人たちを無視することを容易にするだろう」とコーエン氏は言う。

 同氏のビジョンは、心温まるものではない。コーエン氏が描く未来では、過ちや平凡さでさえ隠すのが難しくなる。例えば、いよいよ数が増える格付け評価が、可もなく不可もない医師や、薬を飲まないか、また別の形で厄介な問題を引き起こしそうな患者を露呈させるだろう。

 若者は、筋肉よりも緻密さに報いる労働市場で悪戦苦闘する。所得が圧迫されるため、多くの米国人は、物価などが安くて、日差しの強い広大な準郊外に向かい、農産物直売所や自転車専用道路で胸焼けしそうになる。多くの人は、安い税金と引き換えにひどい公共サービスを受け入れる。

 これは多少悲惨に聞こえるかもしれないが、現実世界の傾向を反映している。雇用主の60%は既に就職希望者の信用度をチェックしているし、若い男性の失業率は高く、移住者は何年も前から、税金が安く、サービスの質が低いテキサスに流入している。

 左派は、不平等は暴動を生むと信じて疑わない。コーエン氏はそれを疑っており、持たざる者はビデオゲームに夢中になり過ぎて、本物の火炎瓶には火をつけない。また、高齢化する人口は保守的になる、とコーエン氏は考えている。

 経済的に取り残された人たちの間では、ティーパーティーのような運動が数多く出てくるだろう。貧困層への支援は削られるが、老人のための給付は守られる。

 コーエン氏は保護主義については心配していない。海外に移管できる仕事の大半は既に海外に行ってしまったためだ。同氏は、社会が混乱状態にあった1960年代後半は所得均衡の黄金時代だった半面、中世を含め、歴史上極めて不平等だったいくつかの時代は安定していたと指摘する。

■本当に暴動は起きないのか?

 コーエン氏のビジョンのごく一部だけが現実になるのだとしても、同氏は極分化の政治を楽観し過ぎている。世代間の緊張は1960年代の混乱に拍車をかけたし、今度は乏しい資源を巡る経済競争という形で猛烈な勢いで戻ってくるだろう。

 中世が安定していたのは、農民が投票できなかったことが一因だ。対照的に、不満を持つ近代の有権者は、外国人嫌いから金持ち重税、あるいは厳しく自滅的な犯罪取締政策など、単純な解決策を触れ回るデマゴーグの餌食になる。だが、コーエン氏の主要な論点は妥当だ。とてつもなく大きな変化が起きており、その流れは止められないかもしれない、ということだ。

 政治家は、それを認めることを恐れている。バラク・オバマ大統領は、米国の貧富の格差を「我々がやり残した大きな仕事」と呼び、何十年もかけて生じてきた不平等の危機について説明する。大統領は聴衆に向かってこう語りかける。

 技術について考えてみてほしい、そして、それが旅行代理店や銀行員、その他中間層の仲介業に従事する人たちをどれだけ減らしたか考えてみてほしい。同時に、グローバル競争が労働者の交渉力を弱めてきた。人々は「自分たちを助けてくれる政府の能力への信頼を失くした」とオバマ氏は嘆く。

 だがその一方で、オバマ氏は、非道な政治が本当の問題だと示唆する。既得権者が何年もの間、「大きな虚偽」を広めることに取り組んできたと非難する。つまり、政府の介入は、有害であるか、もしくは虐げられた中間層から税金を巻き上げ、そのカネを支援を受けるに値しない貧困層にばら撒くための策略であるかどちらかだという「虚偽」だ。

 政治は「少数の者が大きな成功を収める一方、あらゆる人種の苦しむ家庭が縮小する経済のパイを巡って争うというゼロサムゲーム」になる恐れがある、とオバマ氏は言う。

 共和党もそれと同じくらい党派心が強い。キューバ移民の息子でフロリダ州上院議員のマルコ・ルビオ氏は好んで、社会的流動性が高かった時代の戦後米国に生まれていなければ、恐らく自分は非常に頑固なバーテンダーになっていただろうと言う。

 ルビオ氏は8月30日に開催された「アメリカンドリームを守るサミット」で、債務や「階層闘争」的な税、イノベーションを抑圧する規制、寛大過ぎる福祉という大きな政府の悪夢によって経済的機会を奪っているとオバマ大統領を非難した。

 多くの人がこれまで以上に懸命に働き、どうにか生活を維持している一方で、「一部の人たち」は、政府の給付金からほぼ同額のお金を得られるために働くのを避けていると不満をぶちまける。

■相手方の批判に終始する政治家

 要するに、どちらの側もいかに相手がアメリカンドリームを破壊しているのか説明することには決して飽きないのだ。悲しいかな、どちらの側も、説得力のある形でアメリカンドリームを復活させる方法を説明することができない。

 大統領の権限の限界について尋ねられると、オバマ氏はぼそぼそと、米国の中間層を苦しめる傾向を完全に解決するというよりも、むしろその「傾向に抵抗する」ことについて語る。それは、こうした傾向を「加速させたいと思っている」共和党の右派よりましだと主張する。

 一方の共和党の指導者は、長年温めてきた政府縮小構想を、改めてアメリカンドリーム救済計画として提案している。彼らは、減税と規制緩和が民間部門の投資ブームの引き金になると言う。実際には、投資と政府の政策との関係がそれほどクリアなことは滅多になく、そのような投資ブームでさえ、中間層の賃金停滞を解消する役に立つことはほとんどないかもしれない。

 多くの有権者は、勤勉が経済的安定という見返りを確実に得られた時代を覚えている。これは、黒人や女性の場合には、1950年代や1960年代にも必ずしも真実ではなかったが、疑問はまだ残る。コーエン氏が正しかったらどうなるのだろうか、という疑問だ。

 現在底辺にいる85%の人たちが多くの場合そこにとどまる運命にあるとしたら、どうなるのだろうか? そうなれば、希望の上に築かれた国では、新しい社会契約のようなものが必要になるだろう。政治家は、コーエン氏が投げかけた難問をいつまでも避けているわけにいかないのだ。

 

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コメント
 
01. 2013年9月29日 04:24:47 : hFcJDQN93U
アメリカ大統領のレーガン、ブッシュ親子を、周回 遅れの「アベノミクス」で追い掛けている日本は、 今後、一時期はジャパニーズドリームに酔いしれる かも知れない。だが、「エコノミスト」の記事は、 これからの日本の行く末を暗示してるようで興味深 い。

02. 2013年9月29日 13:07:03 : 7OpGsifAXA
なるほど、ビデオゲームの本当の機能とは、そういうものか。おそらく映画なども同じ機能を有していそうだ。

03. 2013年9月29日 17:05:59 : JNyhsSoxwQ
連中が必死になってイスラム教徒をたたくのも、最後に組織的な抵抗ができる団体だからだろう。北朝鮮の場合には組織にスパイを潜り込ませるのが困難だからだろうか。我々なんぞ赤子の手を捻るのと同じくらい簡単に料理できると言う事なのだ。情けない話ではあるが。

04. 2013年9月30日 18:49:32 : niiL5nr8dQ
2013年 9月 20日 07:55 JST 更新
行き場を失う海外勤務経験者

By RACHEL FEINTZEIG
 独ソフト会社SAPの米国社員リサ・ロードさん(51)は2006年、同社の能力管理チームを立ち上げるために独ハイデルベルクに転勤となった。

 その前に米国子会社で2年間働いていたロードさんは、昇進することを切望していた。しかし、組織再編によってハイデルベルクでの仕事はなくなり、彼女は次のポジションもはっきりしないまま、07年6月には米国に戻った。

画像を拡大する
image
Matt Nager for The Wall Street Journal
クロックスのマッカーベルCEOは米国の企業文化に違和感があり今でもときどき社内で「異邦人」のように感じる
 海外での数年間の勤務経験が上昇志向の強い社員の出世を後押しすることもある。しかし、長年の海外勤務経験者や企業幹部スカウト担当者らによると、企業はいつも帰国した管理職の処遇を準備できているというわけではない。適切な仕事が空いていないことや、海外で得てきたスキルを社の幹部が認識できなかったりすることもしばしばだという。その結果、失望感から失策を犯したり、社を去る者も多い。

 ヘッドハンター、コーン/フェリー・インターナショナルのリーダーシップ・能力コンサルティング部門のRJハックマン社長は「これは頭脳流出だ」と指摘した。

 企業は帰国する社員のために対策を講じ、キャリア・プラニングや支援者を用意したり、社の幹部とつながりを持つための機会を整えたりする。しかし、人事の専門家やスカウト企業担当者らは、企業も海外に行った管理職も、この異動をうまく進めるために十分なことをしていないと指摘した。

 人事コンサルティング会社マーサーの2012年の調査では、回答した北米企業335社のうち、長期海外勤務―2年から5年―を増やすと答えたのは57%だった。調査には海外勤務後の退職件数は出ていないが、帰国後に8―25%のマネジャーが会社を辞める可能性のあることを示唆する調査もある。

 ウォルマートの社員としてインドネシアや中国などで5回にわたる海外勤務を経験したブライアン・ウォーカーさん(46)は「海外での経験などだれも気にしていない」と話した。彼はアーカンソー州ベントンビルの本社に戻るたびに海外で与えられていたような責任や権限がもうないことを寂しく感じた。重要な会議に出席できないし、社員採用決定にも発言できなかったため、すぐに次の海外勤務に手を挙げたという。

 最後の勤務地、香港にいた時、彼は家族の問題で米国に戻ったが、ウォルマートは「やる気が出るような」国内での仕事を用意してくれなかった。その後、彼は同社を辞めて紙製品のキンバリー・クラークに移った。現在は同社国際部門で人事担当副社長をしている。ウォルマートからのコメントは得られていない。

 企業幹部らは、米国企業の幹部は帰国する社員が得たスキルを試す機会を提供するのが下手だと指摘する。

 幹部スカウト会社Salveson Stetson GroupのJohn Toueyさんは「企業は従業員を海外に送り出し、彼らは企業家として帰国する」とし、しかし、いったん帰国すると、「意思決定の速度が突然鈍り、あるプロジェクトを始めるのに10人の署名を必要とするようになる」と話した。

 企業トップでも帰国後は難しくなることがある。ジョン・マッカーベルさん(57)は18年間アジアに住み、最終的にシンガポールで靴メーカーのクロックスに入った。2010年にはコロラド州ボルダーにあるクロックスの本社に移ってCEOとなった。彼は今でも、オフィスの中で時々自分が「異邦人」だと感じると話した。社内の処世術やゴシップがに戸惑わせられる上、海外で見られたような協調が本国にはないように感じられるという。社を辞めてアジアに戻ることも考えたとし、「米国式の企業文化にひどく違和感を覚えることがある」と語った。

 海外勤務の経験のある管理職を失うことは投資の無駄だ。マーサー社のパートナー、エド・ハンニバルさんは、年間給与30万ドル(2950万円)の幹部を1年間上海に派遣すると年収の倍近い費用がかかると推定している。

 ヘッドハンターやグローバルビジネスの専門家は海外で働こうとする人に対して、定期的に帰国したり、同僚や上司とテレビ電話で話をしたりして米国での基盤を維持することを勧めている。また、サンダーバード国際経営大学院のマリー・ティーガーデン教授は帰国者について、各種プロジェクトにボランティアとして参加したり、今後海外勤務を計画している同僚に対しては海外生活での知恵を提供したりすべきだとしている。

 クロックスのマッカーベルCEOは、海外から戻ったばかりの社員にはEメールを送ったり声をかけたりして気を配っていると話した。また、海外勤務の期間を延ばしているとし、3―5年たつと社員は帰国する用意ができてくると述べた。2年間の予定の勤務だと、2年目はその後どうなるのかと心配して過ごすことが多いという。

 SAPの元管理職のロードさんがドイツから米国に戻った時、彼女の以前のポジションはふさがっており、彼女にはプロジェクトの仕事がオファーされた。彼女は、「これでは私には不十分だ」と言い、事前に用意されていた契約解除パッケージを利用して退職したという。SAPはロードさんの件についてはコメントしなかったが、同社の海外勤務者の90%は社に残っていると指摘した。

 現在はバイオ薬品会社シャイアの人材管理部門のバイスプレジデントとして働くロードさんは、ドイツにいた時の経験は個人的にも仕事的にも最高の経験の一つだと話した。そして「この経験があったから私は次の経営者にとってもっと価値ある存在になれた」と述べた。
http://jp.wsj.com/article/SB10001424127887324353404579084081507327524.html?mod=trending_now_3


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