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世の中おかしな事だらけ 三橋貴明の『マスコミに騙されるな!』 第46回 本当に怖いユーロの話 (週刊実話) 
http://www.asyura2.com/13/hasan82/msg/857.html
投稿者 赤かぶ 日時 2013 年 10 月 06 日 16:40:00: igsppGRN/E9PQ
 

世の中おかしな事だらけ 三橋貴明の『マスコミに騙されるな!』 第46回 本当に怖いユーロの話
http://wjn.jp/article/detail/8437019/
週刊実話 2013年10月17日 特大号


 ユーロ加盟国であるギリシャの失業率悪化はとどまるところを知らず、ついに27.9%と、28%目前に達した('13年6月)。特に、若い世代の雇用環境が深刻で、若年層失業率は58.8%である。

 ギリシャが雇用問題を解決するためには、アベノミクスばりに「金融政策」と「財政政策」のパッケージで、失業対策を実施するしかない。

 金融政策と財政政策を同時に実施すると、インフレ率は上昇するが、現在のギリシャは日本以上に物価上昇率が低迷している状況にある。日本がアベノミクス効果により、物価上昇率が何とか「ゼロから上」に顔を出そうとしているのに対し、ギリシャは8月時点でもマイナス幅を拡大している。現在のギリシャは、日本以上に深刻なデフレーションに苦しめられているのだ。

 元々、国内のモノやサービスを生産する能力、つまりは供給能力が不足気味で、国民の需要を満たすことができず、高インフレや貿易赤字が常態化していたギリシャが「デフレ」なのである。バブル崩壊後のギリシャ国内の需要の縮小たるや、恐るべきペースとしか言いようがない。

 現在のギリシャが失業率を押し下げ、経済を成長路線に戻すためには、前述のように金融政策と財政政策のパッケージ以外にありえない。すなわち、普通のデフレ対策をすればいいのだ。

 ところが、ギリシャは「構造的」に正しいデフレ対策を実施することが不可能になっている。

 何しろ、ギリシャ政府は独自の金融政策を採ることができない。全てのユーロ加盟国は、金融政策の権限をECB(欧州中央銀行)に委譲している。さらに、ギリシャ政府は財政的な主権も奪われつつある。EUやIMFから緊急融資を受けた代償として、公務員削減などの緊縮財政を強要されているのだ。ゆえに、現在のギリシャには金融政策、財政政策の主権はない。

 金融、財政という二大主権を喪失している以上、ギリシャ政府の雇用対策は限定されざるを得ない。

結果的に、国民は貧しくなり、政府の目的である「経世済民」が全く達成できていない。

 なぜ、このような事態になったのか。というよりも、ユーロを「設計」した人たちは、現在のギリシャのように出口のない状況に追い込まれる国が出現することを、事前に予見しなかったのか。

 実は、予見していた、というのが正解のようなのである。2012年6月26日、イギリスの大手紙ザ・ガーディアンズのグレッグ・パラスト記者が「Robert Mundell, evil genius of the euro(ロバート・マンデル、ユーロの邪悪なる天才)」というタイトルで、共通通貨ユーロの「設計者」であるマンデル教授(元シカゴ大学、現コロンビア大学)の「構想」をすっぱ抜いた。ロバート・マンデル教授とは、新古典派経済学の権威で、金融緩和論者が好む「マンデル・フレミング・モデル」の産みの親でもある。

 パラスト記者が直接マンデル教授から聞いた話として、ユーロとはそもそも「危機の時に真価を発揮する」システムとして設計したとのことである。

 何の話かといえば、為替レートに対する政府の干渉を排除することで、不況期に「ケインズ的な金融、財政政策」を採りたがる厄介な政治家を「妨害」することができる、という話なのだ。

 「政治家の手が届かないところに、金融政策を置く。金融政策と財政政策が使えないとなると、雇用を維持する唯一の解は、競争力を高めるために規制を緩和することのみである」
 と、マンデル教授は語った。

 経済危機に陥ったにもかかわらず、民主主義により選ばれた政治家がケインズ的(あるいはアベノミクス的)な政策を打てないとなると、マンデル教授の発言通り、政府は「規制緩和」を推進するしかない。

 規制緩和や公共サービスの民営化が断行されれば、元々は無関係だったグローバル資本の「ビジネス」が生まれる。ユーロの加盟国が危機に陥り、手足を縛られた政府が規制緩和、民営化をすることで、「所得上位層1%」のグローバル投資家の所得が拡大するわけだ。「お見事!」としか言いようがないシステムである。

 マンデル教授はパラスト記者に対し、ユーロというシステムを構築することで「民主主義が市場価格に干渉することは、許されなくなる」とも語っている。

 当たり前だが、金融政策にしても財政政策にしても、国家の主権の一部である。現在のユーロ加盟国は、民主主義により選出された政治家ですら、自国の主権を行使できなくなっているのだ。

 現在のギリシャ政府は、ユーロに加盟した結果、危機に直面してすら、金融政策も財政政策も打てない。結果的に、実際にギリシャ政府は公共サービスの民営化や、国有財産の売却を進めている。

 通常では「あり得ない破格な価格」で公共サービスや国有財産を購入できるわけで、今のギリシャはユーロ圏のグローバル資本にとっては、実に美味しい市場となっているのだ。

 元来、新古典派経済学やグローバリズムは、「民主主義」を嫌悪していた。民主主義は彼らが愛する「市場」を歪めてしまうためである。

 結果的に、マンデル教授を代表とする経済学者たちが「机上」で考案し、「政治」を排除する形で設計した共通通貨のシステムこそが「ユーロ」なのである。ユーロ圏3億2600万人の人達は、経済学、経済学者らによる「社会実験」に放り込まれた、という話だ。
 信じがたいかも知れないが、これがユーロの現実である。


三橋貴明(経済評論家・作家)
1969年、熊本県生まれ。外資系企業を経て、中小企業診断士として独立。現在、気鋭の経済評論家として、わかりやすい経済評論が人気を集めている。


 

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コメント
 
01. 2013年10月06日 17:34:08 : mHY843J0vA

ギリシャの失業率は未だに高いですが、若者が国を捨て、内需が急減したために、財政赤字は黒字に転換しています。
またドイツを中核となるエンジンとして、イタリアやスペインでも景気が回復しつつあるようです。
ただし自己責任原則を政治弱者である若年層に適用し、その救済コストを最小化することで、欧州が問題を切り抜けられるのかどうかは、まだ明らかではなく、依然としてEU分解の危機が終了したわけではありません。


02. 2013年10月06日 18:31:28 : FfzzRIbxkp
それでも、ギリシャは医療費が無料なのよねぇ〜。

03. 2013年10月07日 18:09:03 : Ie69bW58J6
やはり、ギリシャみたいに生産インフラが不足している国に財政規律を求めるのは無謀だと思います。
もしEUがギリシャに今後も財政規律を強制するならば、EUがギリシャに対し開発援助を行うべきだと思いますし、そうしなければギリシャだけでなく他の新規加盟国も遅かれ早かれ財政問題が起こることでしょう。
このままでは、後世において「ユーロは壮大な実験だった」という評価が残ることになるではないでしょうか。

04. 2013年10月08日 01:34:44 : CiFcXC3kMA
デフレはリフレのような公的な誤魔化しで問題先送りと違って、現実の経済の実力をはっきり市場に知らしめるために存在する。
したがって、借金の棒引きとセットでないと、経済の自立的発展はない。

ギリシャの国債の保有者はデフォールトを受け入れるのが当然だ。
デフレの経済的意味が分からないドイツに必ず天罰が下るだろう。


05. 2013年10月08日 14:09:29 : QBrYpzDGwo
 古い物を綺麗に保つのは異常にコストがかかる。ギリシャ人の殆どが公務員であるとのことだが、街中に散らばった紀元前の遺跡群の維持、修復には非営利の多くの人手を要し、それも機械ではなく人の手で数センチずつ修復している。観光立国ギリシャの価値はその遺跡の温存努力にあるのだと思う。
  ある意味生産性は低く、古い物を壊して新しい物に造りかえる事業より無駄である、という印象も持つが、だからといって日本のように神社仏閣、風光明美なところに遊園地が出来たり、パチンコ屋が乱立したり、マンションが乱立したり、遺跡など跡形もなくなり、思いついたように張りぼてのような疑似世界遺産を作れば経済成長もするだろうが、殆ど価値もなく、結局のところ観光客も興ざめである。  どこまで行っても美しい運河や建築物、遺跡が続くというのは日本では奇跡であり、200メートルも行けば美しい街も終わり、トタン屋根の廃車置き場に行きつく、というようなのが通例だ。だから日本人は海外に観光旅行に行くといっても良い。
  結論を言えば、ギリシャが財政赤字であるのは必然だ。美しいヨーロッパの一つとしてコストがかかっても維持してほしい世界遺産の宝庫である。互いに融通し合っても、ギリシャに経済援助をして欲しいと思う。

06. 2013年10月08日 19:11:48 : RQpv2rjbfs
レッテル貼りは確かにいけないことだと思うが、アベノミクスを支持している一点でこの人の論調には眉につばをつけてしまう。その上在特会だし。

ギリシャは消費者物価指数が120パーセントを越えている、即ち物価は上がっているのにデフレというのは少し変だ。統計の魔術でインフレ率というのが対前年での物価指数上昇率を示しているので現在の状況を反映していないのだ。

エネルギーの値段が上がっているのにデフレで済むはずがないのだ、日本で今年の冬トマトを買うのはかなり勇気がいるだろう、軽油を沢山消費する産業界の悲鳴が聞こえる。


07. 2013年10月18日 07:11:26 : Qru1yIFtIE
>>04さん
>デフレはリフレのような公的な誤魔化しで問題先送りと違って、現実の経済の実力をはっきり市場に知らしめるために存在する。

デフレでわかることは「供給の不足」だけです。
この供給の不足の原因も「生産インフラの不足」や「金融政策の失敗」などケースが分かれます。
したがって、現実経済の実力や借金の棒引きなどはあまり関係ないと私は考えます。

なお、私もドイツのやり方が失敗すると思っていますが、これは「EUはギリシャへの開発支援を行うべきだ」という考えからです。
まあ、つきつめればあなたの意見に近いかもしれませんが。


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