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アングル:日銀総裁発言が波紋、時間軸強化の思惑浮上 (ロイター) 
http://www.asyura2.com/13/hasan82/msg/910.html
投稿者 赤かぶ 日時 2013 年 10 月 09 日 01:48:01: igsppGRN/E9PQ
 

http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE99703A20131008
2013年 10月 8日 13:02 JST


[東京 8日 ロイター] - 黒田東彦・日銀総裁が「異次元緩和」の時間軸強化に向け、事前準備を始めたのではないかとの思惑がBOJウォッチャーの一部で浮上している。

会見の中で2%の物価目標達成が2年を超えるとも受け取れる表現を使ったほか、需給ギャップがゼロという好景気前の段階での目標達成にも言及。2年よりも長期間での目標達成を意識していると識者に思わせているためだ。市場の一部では、この発言が長期金利の低下を促す要因になるとの声も出ている。

<黒田発言、2年よりも2%達成優先か>

多くの金融関係者に「おやっ」と思わせる発言が最初に飛び出したのは9月20日の都内での講演会だった。

総裁は「安定的に2%の物価上昇率を実現するためには、景気が普通の状態の時に2%になるような経済・物価の関係を作る必要がある」と指摘。景気拡大期に仮に達成しても、その後の景気変動で再び低下しかねないという点を説明した。総裁は「普通の景気、つまり需給ギャップがゼロのとき」にこれを達成すべきとした。

しかし、BOJウォッチャーらが現実的だと想定していたのは「2%程度のプラスの需給ギャップ下での達成」(JPモルガン証券・チーフエコノミスト・菅野雅明氏)だった。

より厳しい条件を持ち出した総裁発言について、BOJウォッチャーのもとには投資家からの問い合わせが相次いだという。

「普通の景気」下での2%達成には、長い時間がかかるとみられている。BOJウォッチャーの間でも「黒田総裁の時間軸政策は、やや強まったという印象」(井上哲也・野村総研・金融ITイノベーション研究部長)との見方が浮上した。

実際、2年という物価目標達成期間について、黒田総裁自身が5日の会見で「もしかすると2年より長いかもしれないし、あるいは2年よりも短いかもしれない」と述べ、2%達成まで長期にわたり異次元緩和を続ける可能性を示した。

BOJウォッチャーの間では、2年という期間よりも2%の達成を優先することが明らかになったと解釈されている。

<総裁は一段の期待インフレ率上昇に自信>

2年・2%の目標をどうやって実現するのか、2年を超えて長期にわたり異次元緩和を継続することが、果たしてどのような結果をもたらすのか、新たな問題点がBOJウォッチャーの中で浮かび上がっている。

黒田総裁は記者会見で「足元で0・5%、1%、1・5%と2%に向けて上昇していく中で、期待も上昇していくと思う」と答え、わずか半年で物価がプラスに転換した現実が人々の期待インフレ率に影響を与えるとみて、実現可能だと主張した。

実際に円安などを通じて物価上昇を実現させることで人々の期待インフレ率を上げ、フィリップス曲線を上方シフトさせることが有効との考えは「物価ゼロの壁を乗り越えれば、(上昇の動きに)弾みがつく」と日銀の事務方でも肯定的に受け止められている。

<民間識者が疑問視する一段の物価上昇>

ただ、市場関係者の中では2%達成が今でも非現実的と見られているだけに、これからの展開は、日銀の想定通りにはいかない可能性が高いとBOJウォッチャーらは見ている。

期待インフレ率が高まっても、需給ギャップゼロの「普通の景気」で2%を達成した例は、過去にほとんどないからだ。景気拡大で需給が引き締まり、08年1─3月期の需給ギャップはプラス1.7%となったが、その前後で最も高かったコアCPIは08年度の1.2%上昇と、2%には届いていない。

しかも「今回の物価上昇の多くの部分は、資源価格上昇や円安によっている。食料品やエネルギー価格の上昇は家計にとってデフレ要因になる」(井上氏)という側面がある。

3%の消費増税が決まり、その分の期待インフレ率の上昇はあっても、一時的だ。それをカバーする賃金上昇が、果たしてどの程度実施され、目立った効果が出て来るのか──。明快にシナリオを提示できるエコノミストは見当たらない。

<国債大量購入の長期化、長期金利上昇の誘因との指摘も>

総裁発言の真意について、SMBC日興證券・シニアマーケットエコノミストの岩下真理氏は「足元の経済・物価見通しが想定通りで、前向きな循環メカニズムがしっかり働いてきているとの認識のもとで、予想物価上昇率を上昇させる強い取り組み姿勢を示している」として、「黒田緩和」のタガを緩めていないことを示していると解釈している。

実際、日銀は公式的には「2年で2%の物価目標の達成」という旗を降ろすというメッセージを一切出していない。

他方、菅野氏は一連の総裁発言について「時間軸政策の強化、つまり緩和政策の長期化を示唆することによる長期金利の低め誘導を企図している」と読み込んでいる。

また、来春の消費増税の落ち込みを緩和させる目的で、追加緩和に動くなら上場投資信託(ETF)購入が中心になると見ている。

総裁の意図が時間軸強化による長期金利の低位安定にあるとしても、毎年70兆円のバランシートの拡大継続によって「長期金利がいずれ上昇に転じるのは不可避」(菅野氏)との声も少なくない。

2年を超えた異次元緩和の継続について、井上氏は「国債購入の量をこれ以上拡大することには、疑問を感じる」と違和感を示している。

時間軸の長期化は、将来の長期金利上昇というリスクを高める副作用も持ち合わせている。

日銀の次の一手が、様々な方面に大きな影響を与えるのは間違いないようだ。

(ロイターニュース 中川 泉 編集;田巻 一彦)


 

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コメント
 
01. 2013年10月09日 11:57:00 : xEBOc6ttRg
ちゅうちょなく調整行う方針、金融政策信認に重要との指摘=日銀議事要旨
2013年 10月 9日 10:25 JST
[東京 9日 ロイター] - 日銀が9月4─5日に開催した金融政策決定会合で、ある委員が必要な場合「ちゅうちょなく調整を行う」との追加緩和を辞さない姿勢が、政策の信認に重要と指摘していたことが、9日公表された議事要旨でわかった。

今後の物価動向を判断するには来年の春闘が重要との見解も見られた。日銀による巨額の国債買入れで長期金利は低位安定しているものの、急変動するリスクを指摘する声も出た。

同日の決定会合で日銀は、今年4月に導入した異次元緩和の継続を全員一致で決定。国内景気の現状判断を「緩やかに回復している」とし、2カ月ぶりに判断を引き上げた。

<長期金利低位安定も大きく変動するリスク>

議事要旨によると、異次元緩和が「戦力の逐次投入をせずに、初めに大胆な政策を転換するものとの市場の理解が進んできた」(ある委員)との見方が出た。一方、1人の委員は「上下双方向のリスク要因を点検しながら必要な調整をちゅうちょなく行っていく方針は、金融政策の信認を高める上で重要」と指摘し、追加緩和を辞さない姿勢を示す重要性を強調している。

長期金利が低位で安定している点についても活発な議論がなされた。海外金利上昇などによる金利上昇圧力を「日銀による巨額の国債買入れが、強力に抑制している」と多くの委員が総括した。一方、「最近の米国動向を踏まえると、先行きの期待が変化すれば、国債買入れを進めていても長期金利の安定状況は変化しうる」(ある委員)、「長期国債先物の値幅・出来高比率がなお高めで、市場が大きく変動するリスクがある」(1人の委員)と懸念を表明する委員もみられた。

何人かの委員は金融緩和が効果を発揮するには「財政運営に対する信認維持が不可欠」として、政府に対して「財政健全化に向けた取り組みを着実に進めていくことを期待」した。

<物価の先行き、プラス幅拡大一服も 来年春闘注視>

6月以降プラスに転じた消費者物価の動向をめぐり、「世界的なディスインフレ傾向に改善の兆しがみられない中、日本独自の要因で物価が伸び率を高めていくか注視」(ある委員)する委員もいた。

ある委員は、エネルギー価格下落の反動がはく落するため「消費者物価のプラス幅は今後拡大が一服する可能性がある」と指摘した。

予想物価上昇率について「消費税率引き上げに対する認識の影響を識別することは難しい」(ある委員)との指摘も出た。

先行きの物価を判断する上で、ある委員は所定内給与の動きが重要と指摘し、「来年の春闘の状況を注視したい」と述べた。

<株高による個人消費効果、最近低下>

ある委員は個人消費について、「これまで株高による資産効果を背景に増加してきたが、最近ではこうした効果が低下している」(ある委員)と懸念を表明した。

今回の景気回復について何人かの委員は「従来の製造業中心の回復と異なり、個人消費主導で非製造業中心の回復」と指摘した。「先行きの生産・所得・支出の好循環がさらにしっかりとしたものになるためには、輸出や設備投資を主導とした製造業の回復を伴うことが重要」(何人かの委員)、「雇用者所得の伸びは消費者物価上昇率を上回っていることから、物価が上昇するもとでも、実質所得は増加している」(1人の委員)との見方も聞かれた。

(竹本 能文 編集;宮崎大)


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