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米債務上限引き上げ問題:攻防は続く 米国の債務上限問題が露呈する「金融のアキレス腱」 世界経済:各国に門が築かれた世界
http://www.asyura2.com/13/hasan83/msg/212.html
投稿者 SRI 日時 2013 年 10 月 15 日 01:01:04: rUXLhToetCnYE
 


米債務上限引き上げ問題:攻防は続く
2013年10月15日(Tue) The Economist
(英エコノミスト誌 2013年10月12日号)

無用の大惨事を避けるための時間が尽きようとしている。

米債務上限問題、与野党の上院院内総務が初の直接協議
10月11日、ホワイトハウスで協議するハリー・リード上院院内総務(右)とバラク・オバマ大統領〔AFPBB News〕

 「我々が米国の債務上限の引き上げについて議論するために今ここにいるという事実こそが、政府首脳の失敗のしるしだ」。2006年、イリノイ州選出の若き上院議員だったバラク・オバマ氏はこう述べた。

 そして、増大する米国の債務は「隠れた内なる敵」であり、都市から投資を、子供たちから学校を、老人から年金を奪うものであるから、自分は債務上限(政府が借り入れできる金額の法的上限)の引き上げに反対票を投じるつもりだと説明した。

 2013年のバラク・オバマ大統領の見解は、それとは異なる。現在大統領は、債務上限を引き上げないと破滅的なデフォルト(債務不履行)の危険がある以上、それは無責任だと主張している。米国は、1790年に借り入れという方法を発見して以来、債務の支払いができずにデフォルトに陥ったことはない。恐らく今回もそれは回避されるだろう。しかし、大統領が警戒するのは間違っていない。

デフォルト回避に向けたせめぎ合い

 連邦政府機関の一部閉鎖が続く中、1つの危機を収束させようとする試みは棚上げされ、もう1つの、より深刻な危機が迫る。10月17日前後には、財務省が資金をやり繰りして債務の支払いを続ける余裕もなくなってしまう。それを過ぎた時点で、米国政府は契約業者や年金受給者などへの支払いを延期して、国債のデフォルトを回避することができるかもしれないし、できないかもしれない。

 財務省は、同省のコンピューターシステムは、このように支払いに優先順位をつけることはできないと述べている。国民が健康保険を購入するできる政府ウェブサイトの運営が難航していることを考えると、これは真実だと思われる。

 いずれにせよ、ピッツバーグの年金受給者よりも北京の米国債保有者に先に支払うというのは、国民の支持が得られないことはもちろん、法的に認められないかもしれない。そのような点についてまで議論がなされているということ自体が、懸念材料だ。

 10月10日、下院の共和党幹部はオバマ大統領との会談に先立って、債務上限を6週間「無条件」で引き上げる提案を行うと述べた。ただし、この案では、財務省は6週間の経過後に政府機関の各口座の資金をやり繰りしてさらに数カ月の猶予を得ることは許されない。

 債務上限という制度は、第1次世界大戦の資金調達をしやすくする方法の1つとして導入された。1917年以前は、新しい国債を発行するたびに議会で投票にかけられていたからだ。この制度の導入以来、民主党、共和党どちらの大統領の下でも、上限はたびたび引き上げられてきた。

 しかし、政府の借り入れ増加の承認に賛成票を投じると浪費を強く勧めているように見えるため、野党議員は反対票を投じることが多かった。オバマ氏もジョージ・W・ブッシュ前大統領の時代に反対票を投じている。

 「毎年ほぼ定期的に現れてきた暗雲が・・・また戻ってきて政権を悩ませている」。これは、1958年に債務上限を巡る争いについて書かれたニューヨーク・タイムズ紙の記事だ。

お馴染みの脚本通りにならない可能性

 最近まで、この債務上限劇は、お馴染みの脚本通りに演じられてきた。債務上限に関する交渉は、予算を巡る取引の中でまとまる。象徴的な問題について、ある程度の譲歩がなされる。民主党は、ロナルド・レーガン大統領を説得して軍事費を削減させた。共和党は、ビル・クリントン大統領からメディケイド(低所得者向け医療保険)の縮小を勝ち取った。

 財務省が会計上の裏技を駆使して最終期限を引き延ばし、いつも土壇場で取引が成立してきた。ホワイトハウスに入る党が入れ替わると、さらなる借り入れを承認するという難題に対する立場も入れ替わった。ジョージ・W・ブッシュ大統領の下では、それまで債務上限の引き上げを激しく非難してきた共和党が、7回も上限を引き上げた。

 しかし、2つの理由から、今回は展開が異なるかもしれないと懸念される。第1に、民主・共和両党の議員のほとんどが、デフォルトの危険を冒すのは馬鹿げていると思っているが、その同じ人々が、政府機関の閉鎖を避けたいと考えてもいたのだ。

 それでも閉鎖は現実のものとなった。食品検査の多くが取りやめになった。国立衛生研究所での新薬の治験が中断されている。大勢の連邦政府職員が自宅待機を命じられ、昼ドラの「ザ・ヤング・アンド・ザ・レストレス」を見ている。

 第2に、共和党議員の一部は、債務上限を引き上げなくても大惨事には至らないと考えている。いきなり政府に税収以上の支出を禁じれば、政府の無駄がそぎ落とされて健全になると主張する議員もいる。

 有権者の多くも楽観的だ。ピュー・リサーチ・センターの世論調査によると、米国民の39%が、議会が債務上限の引き上げをしなくしても、経済に重大な影響は及ばないと考えている。これは、オバマケアの予算を撤回させるために政府機関を閉鎖してもよいと考えている人の割合とほぼ同じだ。

 こうした見解を共有する議員は、自分たちこそがワシントンの慣行に終止符を打つ者であると考えている。だからこそ彼らは、行き詰まりを打破できるかもしれないがイデオロギー的には不純な取引を受け入れようとしない。

 当初共和党は、政府機関の閉鎖を回避するのと引き替えに、大統領に医療保険制度改革(オバマケア)の撤回を要求した。現在の要求は、これよりも後退している。シンクタンクのアメリカン・エンタープライズ公共政策研究所のノーム・オーンスタイン研究員は、共和党の最初の姿勢を、労働組合が、要求が通らなければストライキを決行するだけでなく工場を吹き飛ばすと脅すようなものだと話していた。

 現在共和党議員は、債務上限を引き上げる代わりに、財政赤字を精査する委員会の設置を提案している。この委員会を足場に、米国の財政を正常化する包括的取引に結びつけようとの考えだ。素晴らしいアイデアだが、10月17日までに委員会を機能させる時間的余裕はない。

 下院の共和党議員は、両党間の包括的取引は、決して増税を伴うものであってはならないとも述べている。つまり、妥協はすべて民主党側が行わなければならないということだ。

まるでアイスランドのサガ

 債務上限を巡り2011年に行われた瀬戸際の駆け引きは、経済にダメージを与えた。オバマ大統領は、今回自分が脅しに屈すれば、未来の大統領たちの自由を阻むことになるだろうと述べている。オバマ大統領はこの問題について、ほかのどんな問題にも勝る強い思いを抱いていると、ある補佐官は言う。

 政策の不確実性指数は現在、米国の戦争中に達し得る数値よりも悪化している。そのことが投資家を怯えさせている(下図参照)。


 今回の結末としては、何らかの短期的取引で危機が回避される可能性が最も高いと思われる。世論調査によると、行き詰まりは共和党側に打撃を与えている。しかし、確実に回避されるとは言えない。精算日を先延ばしするだけかもしれない。

 米国は、さながらアイスランドの伝説のような政治状況に囚われているようだ。アイスランドの伝説の物語では、敵対する2つの家系のどちらもが、もはやはっきりとは覚えていない最初の過ちに対して復讐を下し合う。何世代にもわたる抗争に終止符が打たれるのは、関係者すべてが暴力にすっかり嫌気がさし、一方の家が、繰り返す連鎖を断ち切ろうという明確な合図を送った時だった。米国は、まだその段階に至っていない。

http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/38919

 
米国の債務上限問題が露呈する「金融のアキレス腱」
2013年10月15日(Tue) Financial Times
(2013年10月11日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

 ハロウィーン債に怯えているのは誰か――。これは多くのトレーダーが知りたがっている疑問だ。無理もない。筆者は(多くの人と同様)1週間前には、財務省が資金が枯渇し始めると言っている極めて重要な10月17日の期限までに、議会が予算と債務上限を巡る行き詰まりを打開する方法を見つけ出すと思い込んでいた。

 今は少し確信が持てなくなっている。というのも、今の状況が、整然としたゲーム理論のような解決策を否定するパターンに陥っているように見えるからだ。

オバマ大統領、「債務不履行を世界が懸念」 野党への圧力強める
バラク・オバマ米大統領(右)と野党共和党のジョン・ベイナー下院議長〔AFPBB News〕

 ホワイトハウスは、さらなる人質行為を促すことを恐れて、ティーパーティーにどんな勝利も与えたくないと思っている。共和党のジョン・ベイナー下院議長は、自身の立場を失うことを恐れて、譲歩を申し出ることができない。

 そして、ティーパーティーは今、この戦いを「食うか食われるか」の抵抗と見なし、やはり引き下がることはできないと思っている。

 もちろん、これはワシントンの話――皮肉交じりに言われる通り、期限に追われる危機が「目覚まし時計」と同じくらい深く政治文化に染み込んだ場所――だから、筆者はまだ土壇場で合意が成立すると思っている。債務上限引き上げの期限を11月下旬まで6週間「延長」し、感謝祭まで先送りするというベイナー議長の要求は、間違いなくこの型にはまるものだ。

恥ずべき怠慢

 だが、事故のリスクは高まっている。というのも、投資家、有権者、政治家が理解しなければならない重要な点は、この争いが単に、10月末(別名ハロウィーン)、あるいは6週間後に満期を迎える財務省短期証券(Tビル)に関する懸念を生み出し、これらの証券の尊厳を傷つけているだけではない、ということだ。

 この争いは、何年もの間、市場に付きまとってきた危険な金融のアキレス腱――そして最近の規制改革における恥ずべき怠慢――を露呈する恐れもあるのだ。

 重要な問題は、金融機関が(財務省短期証券のような)証券を担保として差し出すことで、短期的に必要な資金を調達する2兆ドル規模のトライパーティーレポ市場だ。

 2008年まで、このレポ市場は、その運営が落ち着いていて、味気ないように見えたため、概して無視されていた。だが、ベアー・スターンズやリーマン・ブラザーズのような金融機関が危機に陥ると、米国のトライパーティーレポ市場が不安定な基礎の上に築かれていることが明らかになった。

 最後の貸し手は存在せず、参加者が破綻したり証券がデフォルト(債務不履行)したりした場合に迅速に取引を完了させる中立的な第三者の取引所や決済プラットフォームもない。代わりに、取引の決済は2つの民間機関――ニューヨーク銀行とJPモルガン――の手に集中している。

 もっと悪いことに、取引時間中に特定の売買が宙ぶらりんな状態に置かれることがある。そのため、システムに動揺が走った場合には、パニックを引き起こす可能性がある。このシステムはすべての大手金融機関にとって資金調達の非常に重要な源泉になっているため、その動揺が伝染する恐れがある。

 さて、良い知らせは、ニューヨーク連銀がこうした脆弱性を認識しており、過去5年間、繰り返し改革を要求してきたことだ。実際、米連邦準備理事会(FRB)の高官らはつい先日会議を開き、レポ市場における「投げ売り」リスクについて厳しく警告し、改革を求めたばかりだ。

 だが、悪い知らせは、ニューヨーク連銀が単にその監督権限を使って変化を迫るのではなく、銀行と協調して改革を進めようとしたこともあって、改革が恥ずかしいほど緩慢で、臆病なことだ。

 その結果、大手の参加者が破綻したり、特定の証券を巡ってパニックが起きて投げ売りを誘発したりするというシナリオに対応する万全な枠組みがまだ整っていない。

 また、日中取引の残高は比較的うまく処理されているが、リスクは完全には解決されていない。国際通貨基金(IMF)が先日、「国際金融安定性報告書(GFSR)」の中で述べたように、「レポ市場を取り巻く金融安定性を脅かすリスクを減らすうえでいくらか進展はあった・・・(が)短期の有担保資金調達市場はまだ潜在的な取り付けリスクにさらされている」わけだ。

レポ市場の凍結

 言い換えれば、これらのTビルで「テクニカル・デフォルト」が起きれば、このシステムの一部が凍結する恐れがあるということだ。

 実際、たとえ財務省が10月17日以降も債券の利払いを続ける巧妙な手品を考案したとしても、深刻な問題が起きる可能性がある。そうした手法は必然的に後に訴訟の対象となり、不名誉と不確実性を醸成するからだ。

 だが、本当の障害は次のようなものだ。このアキレス腱は市場の専門家を震え上がらせるが、ティーパーティーの大半の支持者は、レポ市場が存在することすら全く知らないのだ。

 有権者は、株式市場の崩壊がどのようなものかは知っている。だが、トライパーティーレポ取引は謎だ。そして、一部の政府高官はこのメッセージを伝えようとしている――例えばレポ取引を巨大な質屋兼配管システムになぞらえている――ものの、こうした「メッセージ伝達」はとてつもなく大きな難題だ。

 そのため、争いがデッドヒートを繰り広げた場合、「事故」が起きるリスクがある。そしてそのため、市場関係者の間で不安感が高まっているわけだ。

5年前に抜本的な改革が行われていたら・・・

 この悲惨な物語の唯一の朗報は、この大混乱で騒ぎが収まった時に――6週間の延期によってであれ、何か別のものによってであれ――、今回の騒動が規制当局と銀行にレポ市場の改革についてもっと真剣になるよう促す可能性があることだ。

 もっと抜本的な改革が5年前に行われなかったのは実に残念だ。行われていれば、このハロウィーンの混乱は、これほど恐ろしくは見えなかっただろう。

By Gillian Tett

http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/38918
 

 
世界経済:各国に門が築かれた世界
2013年10月15日(Tue) The Economist
(英エコノミスト誌 2013年10月12日号)

各国政府がグローバル化に対する障壁を築いている。今こそ、新たな自由化の波を起こすべき時だ。

 一発で効く世界経済の特効薬が見つかったと想像してみてほしい。企業が息を吹き返し、売り上げと生産性が向上する。融資を受けやすくなる。店に並ぶ商品の種類が増え、品質も上がるが、価格は安いままだ。経済にどんな栄養ドリンクを注入したら、そのすべてを実現できるだろうか?

 その答えは、グローバル化だ。だが最近では、自由化に向かって進んできたこれまでの傾向に代わり、障壁を築くことに力が注がれるようになっている。それは大抵の場合、世界の不利益につながる。

最悪の事態には至らなかったが・・・

 資本と財(商品)と人間の国境を越えた移動が、技術と経済自由化という両輪を原動力として拡大し続けると信じられていたのは、それほど昔のことではない。だが、2008年に世界金融危機が勃発すると、その過剰な自信が、1930年代の再来という懸念に取って代わられた。

 その懸念が現実のものにならなかったのは、少なくとも部分的には、世界が1930年代の過酷な経験から、保護貿易主義はひどい事態を一層悪化させるという教訓を学んでいたためだ。

 だが、微妙な変化はあった。無制限のグローバル化ではなく、より選択的なあり方に変化したのだ。本誌(英エコノミスト)の特集でも触れているように、政策立案者たちは、貿易の相手、国外の投資家や銀行に与える権利の範囲、認可する資本の種類について、選別を強めている。外界を完全に閉め出す壁を築いたわけではないが、いわば門を設置しつつあるのだ。

 その動きが最も顕著なのが、資本市場だ。2007年には11兆ドルあった世界の資本移動は、2012年にはその3分の1に減少した。この減少の一部は景気循環によるものだが、銀行の対外投融資が災厄を招いたと考える米国や欧州の規制当局が、自国の金融システムを囲い込もうとしたことも一因だ。

 新興国では、資本規制がある程度認められるようになった。ブラジルなどの国では、国内経済を不安定にするホットマネーの流入から自国を隔離するのに役立ったからだ。

 資本規制は、慎重に活用すれば、危機の伝染に対する金融システムの脆弱性を緩和し、損害を小さくすることができる。だが、各国政府は、金融の自由化により得られるメリットを忘れてはならない。国内の銀行は、国外の銀行との競争にさらされることで競争力が磨かれる。銀行を囲い込み、資本を規制すれば、外からの危機の伝染は防げるが、貯蓄を、使い道がほとんどない国の中に閉じ込めてしまう。

 資本規制は場合によっては正当化できるが、保護貿易主義に正当化の余地はない。幸い、貿易の監視を担う世界貿易機関(WTO)は、あからさまな保護貿易主義を阻んでいる。だが、各国政府は、WTOの怒りをかわす狡猾な方法を編み出した。

 新たな障壁――例えば、国内企業への助成金、国内部品調達率を定めるローカル・コンテント規制、表向きの安全衛生規制など――がもてはやされるようになっている。監視機関のグローバル・トレード・アラート(GTA)によれば、2009年以降、毎年400以上もの保護主義的措置が新たに取られ、その傾向はますます強まっているという。

 ブラジル、ロシア、インド、中国などの新興の経済大国は、グローバル化に対して、産業政策と政府主導の融資により国内企業を支援するという、介入主義的なアプローチを強めている。産業政策は、関税や数量規制よりも認められている。

 だが、そうした政策は、消費者が負担するコストを増やし、優れた国外企業を不利な立場に置くことになる。ピーターソン国際経済研究所の試算によると、ローカル・コンテント規制により失われた貿易に起因する全世界の損失は、2010年には930億ドルに上ったという。

 世界規模の自由貿易の機運を回復させようという試みは、多角的通商交渉(ドーハ・ラウンド)の失敗により、完全にくじかれてしまった。各国政府はその代わりに、地域的な自由貿易協定の締結を試みている。貿易圏の規模を小さくすれば、参加国間の政治的な対立にも容易に対処できるという考え方だ。

 米国、日本などの12カ国が今年中の妥結を目指している環太平洋経済連携協定(TPP)は、知的財産保護、投資、国有企業、サービスなどの分野でのルール作りを目標としている。

 地域的な自由貿易協定には、良い点もあれば悪い点もある。うまくやれば、新たな分野で障壁を取り除き、多角的な協議で行動を促すことで、自由化を促進できる。だが悪くすれば、貿易の流れを、拡大するのではなく逸らしてしまう可能性がある。

 現在の大規模な協定は、総じて見れば恐らく利点の方が大きいが、当初の公約が守られないことも考えられる。TPPの交渉参加国は、妥結を急ぐあまりに、タバコ、砂糖、繊維製品、乳製品の除外を認めそうな流れになっている。そうなれば、最終的な協定は縮小される。

・・・だが、もっとうまくできたはずだ

 貿易における門の設置は、それほど大きな怒りを生むわけではない。だが、それによりどれほどの機会が失われるのかを覚えておいた方がいい。

 2013年には、世界の製品およびサービスの輸出額は、世界の国内総生産(GDP)の31.7%になると見込まれている。だが、一部の経済大国の貿易額は、それよりもずっと少ない。ブラジルの総輸出額は、GDPのわずか12.5%だ。その比率が高まれば、生産性向上のカンフル剤になるはずだ。

 サービス分野の貿易は、製品の貿易よりもさらに少ない。そして製品の貿易でさえ、厄介なほどの保護主義が生き延びている。米国は中国のペーパークリップに127%の関税をかけている。日本がコメに課している関税は778%だ。新興国の保護主義は、それよりもさらにひどい。ブラジルの関税は平均すると米国の4倍で、中国の関税も米国の3倍に上る。

 ここ1年で、貿易障壁から生じるコストが、ますます明らかになっている。ロシア、インド、ブラジルは、ほかのどの国よりも多くの門を築いたが、この3カ国の成長率は期待を裏切るものになっている。インドとブラジルについては、通貨の価値が急激に下落している。

 そうしたコストを考慮し、自由化を進めている国もある。中国の新指導部は、外国資本に関する規制緩和を用心深く進め、穏当な国際貿易協定を支持するようになりつつある。メキシコは生産を引き上げるために、外国資本による国内石油産業への投資を再び認めることを計画している。日本はTPPが効率の悪い分野を揺さぶり、財政及び金融の刺激策を補う効果を期待している。

米国は今こそリーダーシップを発揮せよ

 だが、グローバル化の運命の大部分を握っているのは、米国だ。米国は過去70年にわたって、自国の影響力を利用し、世界の貿易の自由化を押し進めてきた。いまやその影響力は、中国の影響力拡大と米国内の分裂に脅かされている。

 オバマ大統領は、国内での政府機関閉鎖問題に対処するために、バリ島で開かれていたアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議を欠席するという決断を下した。この判断は象徴的な意味合いに満ちていた――中国の国家主席とロシアの大統領はどうにか出席したのだ。

 オバマ大統領は、米国の経済的なリーダーシップを再び示さなければならない。そのためには、たとえ不完全なものであってもTPPを締結し、議会を通過させる必要がある。瀕死の世界経済は、グローバル化こそがかけられる魔法を必要としているのだ。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/38920

 

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コメント
 
01. 2013年10月15日 01:41:30 : nJF6kGWndY

>ティーパーティーの大半の支持者は、レポ市場が存在することすら全く知らない

ティーパーティーに限らないだろう


>トライパーティーレポ取引は謎

重要な信用供与システムだから、少し調べればわかるだろうが、その重要性やリスクを、定量的に評価するのは簡単ではないし、適正な規制水準になると、さらに難しいだろうな

そのせいで、未だにシステミックリスクの管理が放置されている


しかしこのネタもまだ暫く続きそうだな
 http://jp.wsj.com/layout/set/article/content/view/full/393976


02. 2013年10月15日 07:14:52 : 5zbIifUb2b
>>01
で、GGは今回どんな着地点になると思う?

今後の予想は?


03. 2013年10月15日 09:15:53 : niiL5nr8dQ
米上院、財政問題打開に向け合意に近づく
2013年 10月 15日 08:49 JST
[ワシントン 14日 ロイター] - 米上院指導部は14日、政府機関の再開と債務上限引き上げ問題の解決に向け合意に近づいている、と明らかにした。ただ、債務上限引き上げの期限が17日に迫る中、引き続き多くの課題が残っている。

民主党のリード上院院内総務は「今週中に妥当な合意に達すると、われわれは楽観視している」と述べた。

関係筋によると、16兆7000億ドルの現行の債務上限について、少なくとも2014年2月中旬までの借り入れニーズをカバーするのに十分なだけ引き上げることが協議されている。

さらに、1月中旬まで政府機関業務を継続するための財源も確保すると同時に、3月から実施の歳出の強制削減は維持する。また、年内の合意に向け、新たな財政協議を設ける。

ただ、この案は長期的な歳出削減や医療保険改革法(オバマケア)めぐる与野党の対立の解決にはつながらない。

共和党のマコネル上院院内総務は「双方が受け入れ可能な結果にいたると楽観視している」と述べ、民主党のリード上院院内総務と同様の見解を示した。

米ホワイトハウスは14日、米東部夏時間午後3時(日本時間15日午前4時)から予定していた連邦債務上限引き上げと政府機関再開に向けた議会指導部との会合を延期した。

オバマ大統領は、共和党のマコネル上院院内総務やベイナー下院議長、民主党のリード上院院内総務やペロシ下院院内総務らと協議する予定となっていた。

会合が14日中に行われるかどうかは不明という。

仮に民主党と共和党の上院指導部が合意に達したとしても、保守運動ティーパーティ(茶会)系のクルーズ議員のような強硬派が上院ルールを使い採決を数日間遅らせる可能性がある。

共和党のベイナー下院議長も党内議員の反対に直面するかもしれない。ベイナー下院議長のスポークスマンは「上院で合意が得られれば、議員と共に内容を検討する」と明らかにした。

14日のワシントン・ポストとABCニュースの世論調査によると、現在の財政協議のこう着について、米国民の74%は共和党の対応を非難する一方、オバマ大統領に対する批判は53%だった。


 


 


 

ドル/円は米協議にらみ、債務上限引き上げ短期間ならリスク選好限定的か
2013年 10月 15日 08:02 JST
[東京 15日 ロイター] - 今週の外為市場で、ドル/円は米財政協議にらみの展開になりそうだ。ギリギリで決着するとの見方が依然多いものの、投資家は一抹の不安を感じており、ポジションを傾けられずにいる。

仮に合意しても、債務上限の引き上げ期間が短ければ、近い将来に再びゴタゴタが予想されることから、リスク選好の動きは限られるとの見方が多い。

予想レンジはドル/円が97.00─100.00円、ユーロ/ドルが1.3350─1.3650ドル。

前週のドル/円は週末にかけてジリ高の展開となった。週前半にかけては、米財政協議をめぐる不透明感からドル売りで攻める短期筋が目立っていたが、「そろそろ共和党も手を打たざるを得ない」(大手邦銀)との見方が広がる中で、週後半は買い戻す動きが優勢となった。

ドル/円は8日安値の96.55円から週末の11日には98.60円まで上昇。96円台でセミ・オフィシャルの買い観測が目立っていたことも、「当局の目線」をめぐる思惑につながり、投資家の買いを誘った。

週明けのオセアニア市場では協議がもたついていることから98円前半で窓を開けてのスタートとなったが、15日の東京市場の早朝には合意が近いとの期待で98.69円まで上昇している。債務上限引き上げの事実上の期限とみられる17日が迫るなか、市場では最悪の事態は回避されるとの見方が根強い。

みずほ証券チーフFXストラテジスト、鈴木健吾氏「一時のようなテールリスクに対する警戒は後退している」と指摘。今後については「今年4月以降98円を中心としたもみあいが続いており、高値103.74円、安値93.75円で、真ん中は98円後半だ。150日以内の移動平均線もこの水準に集中しており、その意味では98円後半はひとつの節目で、これを抜けられるかどうかがポイントだろう」との見方を示した。

関係筋によると、上院民主党と共和党は、政府の借り入れ能力を少なくとも来年2月15日まで引き上げ、予算案が不成立となったことで今月1日から閉鎖されている一部政府機関を来年1月半ばまで再開させる暫定措置について検討している。

米民主党のリード上院院内総務は現地時間14日、共和党のマコネル上院院内総務との協議で債務上限と政府機関再開をめぐり「大きな前進」があったとの認識を示した。

合意すれば不安が解消されることから、ひとまずリスクオンに傾く可能性が高いが、すでに織り込まれている部分もあり、相場への影響は限られるとの見方も出ている。

また、債務上限を短期間引き上げる提案については「一時しのぎだ。問題の先送りに過ぎない」(国内金融機関)と厳しい声も目立つ。引き上げが短期間にとどまれば、米金融政策への影響は必至で、テーパリング(緩和縮小)時期をめぐる不透明感はさらに強まりそうだ。

市場では「テーパリングの計画が見えるまでは動きにくい」(大手邦銀)と投資を手控える参加者も少なくない。テーパリングの先送り観測は投資家のリスク選好を下支えする可能性がある一方で、ドル売りを誘発する可能性もある。

仮に引き上げ期間が1年以上になったとしても「中途半端に虫食いになっている経済指標では、米連邦準備理事会(FRB)も動けないだろう。政府閉鎖による成長率の下押しも無視できない」(別の大手邦銀)と先行き不安を口にする参加者も多い。

最悪の事態は回避されても、積極的にドルを買えるような環境ではないとの見方が優勢のようだ。

(志田義寧)


 


 


 
米国株式市場は続伸、財政協議の与野党合意近いとの期待感で
2013年 10月 15日 07:30 JST
[ニューヨーク 14日 ロイター] - 14日の米国株式市場は続伸。振れの激しい展開となった。米財政協議に明確な進展の兆しは見られないものの、与野党がまもなく予算や債務上限引き上げで合意するとの見方が広がった。

ダウ工業株30種.DJIは64.15ドル(0.42%)高の1万5301.26ドル。

ナスダック総合指数.IXICは23.40ポイント(0.62%)高の3815.28。

S&P総合500種.SPXは6.94ポイント(0.41%)高の1710.14。

債務上限が17日までに引き上げられないと、米国は数週間以内にデフォルト(債務不履行)に陥る恐れが出てくる。また政府機関の閉鎖が3週目に突入し、今後閉鎖期間が長引くほど国内総生産(GDP)成長率を少しずつ押し下げるとみられている。

こうした中で前週末に与野党が協議がまとまらなかったため、14日朝方の株価は下げる展開となった。ただ、民主党のリード上院院内総務と共和党のマコネル上院院内総務が、政府機関閉鎖や債務上限引き上げに関する合意が数日内にまとまる可能性があるとの認識を表明したことなどで、値を戻した。

アバディーン・アセット・マネジメントの北米エクイティ副責任者、ラルフ・バセット氏は「あらゆる好材料を総合すると、安寄りした株価を反発に転じさせるだけの力はあった。われわれは一両日中にも合意が成立すると期待している。しかし多くの不安も存在する」と述べた。

投資家が抱く警戒感の根強さは、シカゴ・オプション取引所(CBOE)ボラティリティ・インデックス(VIX指数).VIXが1.8%上昇した点からも見て取れる。コロンブスデーで債券市場が休場だった影響などで、同指数の取引は低調だった。

動画配信のネットフリックス(NFLX.O)は7.8%上昇。ウォールストリート・ジャーナル紙は、同社が複数のケーブルテレビ運営会社と配信サービス提供について協議中と伝えた。

オンライン旅行代理店のエクスペディア(EXPE.O)は、ドイツ銀行が投資判断を引き下げたことを受けて6.2%下げた。家電のワールプール(WHR.N)も6.5%下落。クリーブランド・リサーチが家電需要の軟化を指摘した。

これまでに最新の四半期決算を発表したS&P500種銘柄は全体の6%で、このうち利益が予想を上回った割合は55%と過去平均を下回っている。

アバディーン・アセットのバセット氏は「企業業績は強弱まちまちというのが精いっぱいのところで、特に売上高の伸びは弱い」と指摘した。

ニューヨーク証券取引所、ナスダック、NYSE MKTの3市場の出来高は約47億7000万株と、年初来の1日平均の60億株強を下回った。

S&Pの10セクターのうちでは8セクターが値上がりし、防衛と通信・公益の2セクターのみ下落。ニューヨーク証取は約55%、ナスダックは59%の銘柄がそれぞれ上昇した。

(カッコ内は前営業日比)

ダウ工業株30種(ドル).DJI

終値         15301.26(+64.15)

前営業日終値    15237.11(+111.04)

ナスダック総合.IXIC

終値         3815.28(+23.40)

前営業日終値    3791.87(+31.12)

S&P総合500種.SPX

終値         1710.14(+6.94)

前営業日終値    1703.20(+10.64)

今日の株式見通し=堅調持続、米財政協議の与野党合意を織り込む動き
米共和党上院院内総務と債務上限などめぐり「大きな前進」=民主党院内総務

 


 


日本株5日続伸へ、為替安定と商品市況高−輸出、資源に買い

  10月15日(ブルームバーグ):東京株式相場は5日続伸する見込み。米国債務上限協議の進展期待が根強い中、為替の安定や中国の自動車販売好調を受け、日産自動車やホンダなど輸出関連、銀行や保険など金融株中心に高くなりそう。国際商品市況の上昇が好感され、商社や非鉄金属など資源関連株も堅調が予想される。
SMBCフレンド証券投資情報部の松野利彦チーフストラテジストは、「債務上限問題で合意しなければ、大変な事態になるという考え方が米共和党の中にも浸透し、譲歩する動きが出ている」と指摘。17日までの期限内に合意するという見方から、「売り方にとっては安心できる状況ではなくなってきた」と言う。
米シカゴ先物市場(CME)の日経平均先物12月物 (円建て)の14日清算値は1万4530円と、大阪証券取引所の11日通常取引終値(1万4410円)に比べ120円高。
民主党のリード上院院内総務と共和党のマコネル院内総務はともに、政府機関閉鎖の解除と政府の借り入れ権限失効の回避に向けて楽観的な見通しを表明した。上院関係者が匿名を条件に話したところによると、検討されている合意案は来年2月7日まで債務上限を引き上げるほか、1月15日までの予算を確保し、ことし12月15日までに上下両院の予算会議を開くよう義務付ける内容。
14日の米国株は、オバマ米大統領とバイデン副大統領が議会指導者と会談するとホワイトハウスが発表したことを受け、朝安後に切り返す動きとなった。その後、ホワイトハウスは同会談が延期されたことを明らかにしたものの、日本時間15日早朝のシカゴ24時間電子取引システム(GLOBEX)の米S&P500種指数先物は基準価格比ほぼ変わらずとなっている。
15日早朝の為替市場では、円が対ドルで98円70銭前後、対ユーロでは133円80銭前後で推移。東京株式市場の11日終値時点の98円42銭、133円23銭に対し、やや円安水準となっている。根強い米協議進展期待と為替の落ち着きが好感され、きょうの日本株は輸出や金融、素材関連株などに買いが増加するとみられる。
輸出関連の中では自動車株が堅調となりそう。中国の自動車工業協会が11日発表したスポーツ型多目的車(SUV)などを含む9月の乗用車販売は、前年同月比21%増の159万台に増加と1月(173万台)以来の高水準。ブルームバーグがまとめたアナリスト5人の予想中央値は150万台だった。尖閣諸島をめぐる日中対立で昨年落ち込んだ日本車の販売が回復した。
ゴールドマン・サックス証券では、中国は2009年に急増した新車販売の買い替え需要が顕在化しているなどとし、日産の9月小売販売シェアは7.1%と12年8月以降で初めて7%を上回ったと評価。ホンダの9月生産台数も、10−12月にかけた販売モメンタム改善につながる好印象の数字、と指摘している。
商社や鉱業、非鉄金属などの資源関連も高くなりそうだ。きのうのニューヨーク原油先物相場は、米債務合意期待から0.4%高の1バレル=102.41ドルと反発。中国の自動車販売急増が好感され、ニューヨーク銅先物は0.6%高と続伸した。
米主要株価3指数の14日終値は、S&P500種株価指数 が0.4%高の1710.14、ダウ工業株30種平均 が64.15ドル(0.4%)高の15301.26ドル、ナスダック総合指数 は0.6%高の3815.27。
国内ではきょう臨時国会が召集され、安倍晋三首相が所信表明演説を行う。
記事についての記者への問い合わせ先:東京 長谷川敏郎 thasegawa6@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先:Sarah McDonald smcdonald23@bloomberg.net
更新日時: 2013/10/15 08:08 JST
 

米国株(14日):上昇、米債務上限めぐる協議に進展の兆し (06:58) 14日の米国株は上昇。3日後に迫った米財務省の借入能力の限界を前に議会で債務上限引き上げで合意が成立するとの期待を背景に買いが入った。
記事全文
ドルが対円で2週間ぶり高値、米財政協議進展を楽観−98円台後半 (07:56)
日本株5日続伸へ、為替安定と商品市況高−輸出、資源関連中心買い (08:08)
米民主主義の機能不全に世界が警告・苦言−米国債を売りはしないが (20:53)
麻生財務相:米債務上限問題で早期解決への期待表明−インタビュー (00:25)
 



04. 2013年10月15日 10:02:09 : nJF6kGWndY
>>02

個人的なアドバイスとしては、コロコロIPを変えてムダな中傷をしている暇があったら、もう少し人間としてまともになるように努力した方が良いだろうな

例えば、自分の頭で考え、情報を集めて、自分の意見を書くとかね


05. 2013年10月15日 16:35:21 : tyE1iLENGE
>>04
>小学生かのような切り返しだな
>まぁ意味のあることを言ってるようで中身がないのがnJF6kGWndY の特徴ではあるのだが

他スレで他の人が言ってた通りの反応でワラタw

もう噂出てるぞ、知ってたらGGの性格からして自慢げに書くだろうから、ある意味分かりやすくていいわ。


06. 2013年10月15日 18:09:12 : nJF6kGWndY

哀れなやつ

07. 2013年10月15日 23:02:59 : niiL5nr8dQ
村上尚己 

2013年10月15日  

米国の政治混乱とリスクの取り方



10月7日レポート「リスクをとれるチャンスかを考える」では、米国の政治混乱(政治ショー?)に起因する株安は、過去2年同様にリスク資産への投資チャンスである可能性を指摘した。そう考えた一つの理由は、株価下落をうけたメディアの報道が悲観に振れ過ぎたシグナルにみえたことだ。

また、グラフで示したように、米国市場で債務上限を巡る報道で株価が下落する一方、この時米債券市場では長期金利は2.6%前後で安定していた(グラフ参照)。債券市場の落ち着きに加えて、「債務上限問題」がテーマになる中で、危機時に買われる金先物価格が下落していた。少なくとも2011年のような欧州発の金融システム不安が懸念され、金が大きく買われていた時と異なり、金融市場全体でみれば、冷静に政治混乱をとらえていたのだろう。

ただ、株式市場はその時々のテーマや雰囲気で揺れ動くことが往々にしてある。先々週から、米株式市場がこの問題を巡る報道を材料に日々の変動が大きくなり株価も急落したが、「政治ショー」に対して悲観に振れすぎたのだろう。その後、先週半ばから米国株市場は反発している。政治に起因するリスクテイクのチャンスだったという、典型的パターンだったのかもしれない。

今週に入って、債務上限や政府機関閉鎖問題において、オバマ大統領と共和党の間で一定の条件付きで合意するとの観測報道がでている。ただ、この問題が収束に向かうことは、株高に更に弾みをもたらす要因かどうかは冷静に考えた方がよいだろう。混乱が一旦収束しても、再び協議が難航する可能性があるし、仮に問題が落ち着いても、それが米経済回復をもたらすわけではない。米国の政治ショーは、短期的な相場かく乱要因として下値で拾う投資機会を生む材料と割り切った方がよい。

なので、今週に入ってからのように株価反転がみえてから、米国政治を材料に株高を後追いするのは、あまりお勧めできない。更なる株高を想定して投資するにはファンダメンタルズの状況との比較で、投資できるかという観点が必要になる。株式市場は、そうした平時のフェーズに戻りつつあるということだ。

さて、肝心のファンダメンタルズだが、米国経済については、9月分の経済指標の多くが依然発表されておらず、正確な判断が難しい局面にある。9月分が判明している分については、製造業景況感指数や米雇用関連指標は改善が続く一方で、家計の心理や個人消費などで改善が滞る指標がいくつかある(グラフ参照、この点は今月のマーケットの歩き方を、今週公表するのでご覧頂きたい)。

2か月前までは、ほとんどの米国の経済指標が改善を示していたが、9月以降消費分野で心配なデータがでているわけだ。これは、株価の乱高下や政治不信がもたらす、短期間の動きだけの可能性もあり、米経済の成長率停滞を強く示唆しているとまでは言えない。ただ、先進国の株式市場において、9月半ばのFOMC後の高値を超えて上昇するには、米国消費の堅調な回復を示す材料が欲しい。今焦る必要はないと考える。

現段階で、米国・日本など先進国株より、投資対象として魅力的なのは、2013年春先まで経済停滞をうけて、通貨危機まで懸念され売られていた新興国株だろう。中国やブラジルの株価が反転したのは7月で、それを後追いする格好で、売られていた通貨も9月初旬から反転している(グラフ参照)。

新興国経済はなお心許ないが、今は、最悪期を脱したばかりのフェーズにある。このため、「経済の安定が続いている」or「悪くない経済状況」という材料だけで、今の株高・通貨高が持続する余地がある。また、中国など一部の株式指数は、予想PERなどバリュエーションの観点からも、先進国株より投資妙味がある。
http://www.monex.co.jp/Etc/00000000/guest/G903/er/economic.htm



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