［ニューヨーク　１７日　ロイター］ - 米ダラス地区連銀のフィッシャー総裁は１７日、議会やオバマ大統領が財政問題の解決に取り組まなければ、米連邦準備理事会（ＦＲＢ）は失業問題に適切に対処することはできないとの認識を示した。

議会が１６日に債務上限引き上げと政府機関閉鎖解除に向けた法案を可決したことに関しては、財政問題の解決にはならず、課題の先延ばしに過ぎないとした。

そのうえで「著しい緊張局面では、短期金融市場の機能と安定を保つためＦＲＢとして全ての適切な措置を講じる」と述べた。

http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPTJE99G00G20131017

　財政協議の期限切れ寸前の暫定合意で政府再開とデフォルト（債務不履行）回避に当面成功した米国の民主、共和両党は17日朝、新たな予算協議の初会合を開いた。しかし、会合後の記者団の取材に対し、指導者らは暫定合意に盛り込まれた次の交渉期限である12月までに本格合意にこぎ着けるかは確約しなかった。

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　16日の暫定合意では、暫定予算と債務上限を当面凍結することを決めたほかに、上下両院の予算委員会で作る協議会に12月13日を期限とする中期の財政計画と1月以後の予算について決議をまとめるよう求めている。

　下院予算委員会委員長のポール・ライアン議員（共和党、ウィスコンシン州）はこの協議会で「国家のためになる財政合意を目指す」と述べた上で、「政府債務と財政赤字を制御可能とし将来世代のためになり経済成長に資するような合意だ、そのために何をしたらいいか考える」と説明した。

　ライアン議員の上院側のカウンターパートである上院予算委員長のパティ・マレー議員（民主党、ワシントン州）は「全ての問題を議題に上げる。これら全てについて協議する」と述べた。

　この会合の使命は今年に入って上下両院がそれぞれ採択した予算決議の調和を図り超党派の合意形成をすることだ。下院側決議案は増税を避けながら、今後10年間で財政支出を大幅に削る内容となっている。特にメディケイド（低所得者向け医療保険）が削減対象。一方、上院側決議は大幅増税と政府社会保障給付の下院案に比べ小幅な削減をうたっている。

　この協議会が合意決議の形成に失敗しても、法的な何らかの結果をもたらすものではない。しかしこの決議に至れなかった場合は、暫定予算切れの来年1月15日寸前まで今回のような混乱劇が繰り返される可能性が増すことになる。

　両予算委員長の朝食をしながらの会合には他にクリス・バン・ホレン下院議員（民主党、メアリーランド州）とジェフ・セッションズ上院議員（共和党、アラバマ州）が同席した。両議員ともこの協議会の成功に向け努力すると話したが、合意にたどり着ける保証はないとも語った。

　セッションズ議員は「現実以上に期待を高めることはしたくないが、何らかのできることはある」とし、バン・ホレン議員は「話し合うことが成功を保障するものではない。ただとにかく話さなければ前進はない」と述べ、両議員とも慎重な言い回しに終始した。

　この協議会には7人の下院議員と22人の上院議員の計29人が参加するが、先行きは不透明だ。また、この会合の大半は非公開で行われる。

　
2013年 10月 18日 07:40 JST
米国、一部閉鎖していた政府機関の業務が2週間ぶり再開　
By REBECCA BALLHAUS
[image]
Getty Images
観光客が戻ったリンカーン記念館（17日、ワシントン）

　【ワシントン】米国では、財政問題をめぐる与野党の激しい対立の犠牲となって連邦政府が一部閉鎖、無給で一時帰休を強いられていた政府職員が17日、約2週間ぶりに職場復帰した。政府再開のための暫定予算と、懸念されていた連邦政府のデフォルト（債務不履行）回避のための債務上限引き上げで与野党が妥協、その法案にオバマ大統領が署名、成立したためだ。

米政府機関や国立施設が再開

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　国立公園のほか、首都ワシントンの記念館や博物館などもこの日再開した。再開された施設やサービスの中には、2週間余りにわたる政府機関閉鎖や与野党間対立による政治の機能不全を象徴するものとして、その閉鎖が広く報道されていた第二次世界大戦記念碑と、国立動物園パンダ舎のインターネット中継サイトも含まれている。

　上院与野党間の合意に基づいて提出された法案には、来年1月15日までの暫定予算を認め、閉鎖されていた一部の政府機関を再開させることのほか、債務上限を2月7日まで国債発行を認めることにより事実上引き上げること、広範な予算問題を巡る協議の枠組みを設定することが盛り込まれている。同法案は16日夜、上院では81対18の賛成多数、下院では285対14の賛成多数で可決され、オバマ氏が17日午前零時過ぎに署名した。

　バイデン副大統領は17日朝、ワシントンの環境保護局（EPA）を訪れ、職場復帰した職員を暖かく出迎えた。

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　EPAで朝番の警備員をしているエテルティーン・ウェルチさんは政府機関封鎖について「気が滅入った」が、そのおかげで「自分の仕事にいかに満足しているか」を実感したと語った。

　一方、ホワイトハウスでは一時帰休から戻った職員らに対して、左耳の上に鉛筆を挟んだマクドノー大統領首席補佐官が防犯ゲートで「おはよう！」と大きな声であいさつの言葉をかけた。

　また、この日は政府機関閉鎖の経済的な悪影響を示す数字が新たに発表された。米労働省によると、閉鎖が始まった10月5日までの週には、一時帰休した連邦政府職員約7万人が失業保険を申請したという。その前週における連邦政府職員の失業保険申請は1391件であり、閉鎖の影響で申請数が50倍も増加したことになる。

　政府の経済データについては、その多くの発表が延期される見込みで、中には発表が中止されるものも出る可能性もある。政府機関の閉鎖の初日となった10月1日に発表が予定されていた8月の建設支出は、商務省の業務が再開され次第すぐに発表されると思われる。その一方で、10月4日発表予定の9月の雇用統計（労働省）と同11日の9月の小売売上高（商務省）、同16日の消費者物価指数（労働省）については、発表のメドが立っておらず、政府業務の再開から2〜10日後にずれ込む可能性があるとアナリストらは予想している。