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世の中おかしな事だらけ 三橋貴明の『マスコミに騙されるな!』 第48回 思想の対決 (週刊実話) 
http://www.asyura2.com/13/hasan83/msg/362.html
投稿者 赤かぶ 日時 2013 年 10 月 22 日 01:12:00: igsppGRN/E9PQ
 

世の中おかしな事だらけ 三橋貴明の『マスコミに騙されるな!』 第48回 思想の対決
http://wjn.jp/article/detail/5705744/
週刊実話 2013年10月31日 特大号


 新古典派経済学に基づく新自由主義、グローバリズム、あるいは構造改革が目指すところは、要するに「小さな政府」である。

 政府の機能は可能な限り小さくし、リソース(資金など)を可能な限り民間に使わせれば、経済が活性化し、国民経済が成長するという思想だ。

 それに対し、政府は国民の安全保障強化を中心に、ある程度は支出を継続しなければならない、という思想がある。自民党で検討が進められている「国土の強靭化」も、こちらの思想に基づいている。

 話をわかりやすくするために、前者を「新古典派」、後者を「ケインズ派」と呼ぶことにしよう。

 特に、デフレーションという経済現象に対するアプローチが、両派は全く異なる。現在の日本政府及び自民党では、「新古典派」と「ケインズ派」が激しい路線争いをしている。デフレという視点から両派の違いを一言で書くと、「デフレは貨幣現象」派と「デフレは総需要不足」派の争いと言っていいだろう。

 本来、現在の日本にとって最も適した政策は、「消費税増税延期+第二の矢である財政出動拡大」であると確信している。だからこそ、筆者は増税が決定される最後の瞬間まで「消費税増税延期」を訴えてきた。

 ところが、現実には消費税増税が決定されてしまった。こうなると、次のポイントは、
(1) 消費税増税+財政出動拡大
 か、もしくは、
(2) 消費税増税+法人税減税
 のいずれの路線を今後の安倍政権が選択するかになる。

 もちろん「消費税増税+財政出動拡大+法人税減税」という可能性もあるが、取りあえず現状を整理するために、(1)と(2)に分ける。なぜならば、(1)と(2)は「思想」が全く違うためだ。すなわち、「ケインズ派」対「新古典派」という話である。

 (1)を主張している政治家は、まさに「デフレは総需要不足」派ということになる。とにかく、「今は」政府が財政出動でも何でもして、「需要」を創り、デフレギャップを埋めるしかない、という考え方だ。

 それに対し、(2)を主張する政治家は「デフレは貨幣現象(貨幣の定義がよくわからないのだが)」であるため、デフレ対策は金融政策拡大で事足りる。それよりも、法人税を減税して、企業の競争力を高めるべき、という考え方になる。

 もっとも、現在の日本が法人税を減税しても、法人企業の7割超には恩恵がなく、しかも(こちらの方が重要だが)、
 「法人税を減税し、企業の純利益を増やしても、国内の設備投資や雇用拡大、賃上げにはつながらないのでは?」
 という疑問(というか疑念)を禁じ得ないのだ。

 何しろ、現実の日本国内の「余裕がある企業」は、内部留保の現預金をひたすら積み上げていっている。'97年以降、日本の一般企業は現預金額をおよそ50兆円も増やしている。デフレが継続している以上、法人税を引き下げ、企業の純利益を増やしたところで、国内の投資や賃上げには結びつかない可能性があるわけだ。

 ところで、なぜ新古典派の政治家は「消費税増税+法人税減税」を主張するのか。

 そもそも、新古典派経済学の理想的な税制は「法人税ゼロ、所得税ゼロ、税金は『人頭税』のみ」という組み合わせなのである。

 人頭税とは「国民一人あたりの行政コストを均等に負担させる税」であり、行政の負担を国民に意識させ、小さな政府を実現することを可能とする税制だ。小さな政府を目指す新古典派にとっては、人頭税とはまことに「美しい税制」になるわけだ。

 とはいえ、人頭税の導入は政治的に不可能に近いため、現実には「法人税ゼロ、所得税ゼロ、税金は消費税のみ」が落としどころとなる。

 さすがに、国防や治安維持、消防などに最低限の税金は必要であるため、税金は取らなければならない。同時に、法人税や所得税をゼロにし、各人、各企業が自らの所得を「自由に」使うことができれば、経済は活性化し、国民経済が成長する。

 税金は消費税で国民万遍なく徴収すべし、というアプローチなのである。

 社会保障はどうなるかと言えば、「小さな政府」を目指す人達にとって「社会保障など不要」というのが基本コンセプトだ。

 だが、現実には社会保障なしでは餓死する人が出かねないため「ベーシックインカム(負の所得税)」で対応すればいい、という話になる。

 さらに、労働規制を緩和し、最低賃金制度を引き下げるか、撤廃。とにかく政府の規制は小さければ小さいほどいい。

 自治体同士の競争を引き起こすためには、道州制だ。国境を越えた規制も、緩和もしくは撤廃。自由貿易だ、TPPだ、グローバルだ、という話なのである。

 いろいろと「繋がっている」とは思われないだろうか。

 というわけで、安倍政権の経済政策面の次なるマイルストーン(物事の進捗を管理するために途中で設ける節目)は、今年の12月となる。

 すなわち、安倍政権が補正予算として財政出動を(不十分とはいえ)拡大するのか、あるいは「無条件の法人税減税」に踏み切るかである。

 安倍政権は消費税増税を決定すると同時に、補正予算の規模と法人税減税の「検討」を発表した。

 6兆円規模の補正予算の詳細と、9000億円規模の法人税減税を実施するか否かが、今年の12月に決定される。

 安倍政権が「不十分な財政出動と、無条件の法人税減税」という道を選んだ場合、まさに「小さな政府」を目指すと宣言したに等しく、我が国のデフレは深刻化し、国民の所得縮小が「これまで通り」続くことになるだろう。

三橋貴明(経済評論家・作家)
1969年、熊本県生まれ。外資系企業を経て、中小企業診断士として独立。現在、気鋭の経済評論家として、わかりやすい経済評論が人気を集めている。


 

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コメント
 
01. 2013年10月22日 06:35:38 : weoASZQm6g
小さい政府、民間活力、競争政策、こんな糞政策が中曽根のころから叫ばれてきた。そこんとこが根本的な間違いだね。新自由主義。

なんだかんだゆーても、民間の横暴を押さえて、国家の影響力を増す、ま、
社会主義的な方向だ。
 選挙で選ばれた政府こそ国民の側であって、巨大企業群が国民の側であるはづは
ない。

 財政出動・公共投資、とゆぇば愚民らが、バラマキだ甘い汁だと騒ぎたてる、
ほんと どーしよーもない馬鹿日本。


02. 2013年10月22日 21:06:03 : ArLVW38Mhw
1さん
歴史的に見て日本が「小さい政府」であったことなどあるだろうか(無論何をもって「小さい」とするかにもよる)。戦後日本は常に官僚社会主義の下の限定的資本主義と言うべきものであって、昔も今も常にお上官僚中心の極めて社会主義的な国家である。その中で常に政官業の癒着があり、腐敗がある。大戦後のアメリカも結局の所「政府」を小さくすることなどできなかった。結果、今では落日の肥満帝国と化して、属国からの借金無しではその巨体を維持できなくなった。

選挙民主主義は万能ではない。政府の役人であれ、巨大企業の役員であれ、名も無きアルバイト店員であれ、選挙権を有する「国民」である以上、強いて「政府」「国民」「大企業」などと分けて、誰が「国民の側であるか」などと考えるのは短絡であり、危険であり、愚の骨頂である。しかも「政府(役人、官僚)」と「政権(与党)」とを混同するに及んでは議論そのものが成り立たない。官僚集団としての「政府」は選挙で選ばれて成り立つものではない。税金で生活を保障され絶大な権力をもつ彼等が、巨大な腐敗利権集団となって国を誤らないとは限らない。それを監視し、阻止することが必要なのは言うまでもなく、その役目を選挙で選ばれた政治家が率先して果さねばならないのである。しかし現実は政治家が官僚に取り込まれ、或は結託して、自ら利権集団の一員に堕してしまうのが常である。そこへ大企業・巨大金融資本などが、政を通じ官に取入って、その権力の恩恵に与るべく、もてる金力を駆使して、国家の命運まで左右するに到る。

何事も、政府であれ政治家であれ大企業であれ、大きな力を有する少数のものが、大多数を搾取し、利用し、支配する構造が固定し、その社会的歪みの度を深めればどうなるか。決して望ましい結果にはなるまい。


03. ほんの一言 2013年10月22日 22:04:48 : Ul.1Wje9FqLxA : 1yxWkuMFVc
01さん
日本人は政治家や政党、官僚、マスコミ、経済人または他国などをを揶揄し馬鹿にすることはありますが、あなたのように日本国自体を馬鹿にすることはありません。
日本人は日本に住んでいますから日本自体を否定するような発言はしません。
あなたの投稿を読むと、あなたは日本が嫌いな在日の人か中国の工作員のようですね。
そんなに日本が嫌なら自国に帰りなさい。日本は別にあなたを必要としていませんから。

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