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湾岸諸国の航空会社が米国進出を加速、米航空会社は反発:エミレーツが世界最大に:面白いケーススタディ
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投稿者 あっしら 日時 2013 年 10 月 31 日 00:26:46: Mo7ApAlflbQ6s
 


2013年 10月 30日 20:34 JST
湾岸諸国の航空会社が米国進出を加速、米航空会社は反発[WSJ]

 ペルシャ湾岸諸国の豊富な資金力を持つ国営航空3社が、米国で急速に業務拡大を進めている。最も魅力的な収益をもたらす国際線旅客をめぐる競争では、米航空会社による反発を招いている。

 米国の大手航空会社が過去10年にわたり燃料価格の高騰、リセッション(景気後退)、経営破綻などに苦しみ、業界再編を通じて回復に向かう中、ドバイのエミレーツ航空を筆頭にカタール航空、アブダビのエティハド航空の3社が米国への進出を加速させている。
 航空調査会社イノベータの推定によると、湾岸航空3社は過去5年で米国への輸送能力を3倍以上に拡大した。

 シドニーの調査グループ、センター・フォー・アビエーションによると、1985年創業のエミレーツ航空は輸送能力で世界最大の航空会社となり、2位のユナイテッド・コンチネンタル・ホールディングスよりも3分の1程度大きな規模を誇る。すでにワイドボディ機を200機前後保有しているばかりか、同数の機体を発注しているエミレーツは、さらなる大口購入をめぐりボーイングと協議している。

 湾岸航空3社は現在、1週間に大型の新しい旅客機120機近くを米国各都市向けに運航している。米国の旅客に対しては、中東の地理的に有利なハブを活用して世界各地の都市向けにフライトを提供。米航空会社やそのパートナーが運航する航空ルートとの差別化を図っている。

 米航空会社は、こうした航空会社の米国進出について、米国の20年間にわたる「オープンスカイ」協定調印に向けた取り組みの弱点をさらけだしたと不満を示す。
 「オープンスカイ」協定は日本やドイツ、英国など大規模市場の開放につながった。しかし、湾岸航空会社は政府系の支援を活用して巨大な米国市場に進出する一方、米航空会社のアクセスは中東の小さな都市国家に限定されていると批判する向きも多い。
 ユナイテッド航空のジェフ・スミセック最高経営責任者(CEO)は「湾岸諸国がわれわれの貿易交渉担当者よりも上手であることは明らかだ」と語る。

 ユナイテッドやデルタ航空、業界団体、労働組合は、過去1年にわたり、湾岸航空会社に法律、政治面で集中砲火を浴びせている。議会には来年アブダビに米税関施設を設ける計画を阻止するよう呼びかけた。米航空会社はこの空港を利用していないため、施設は米国に向かうエティハド空港の旅客のみに利便性を提供することになる。

 デルタやハワイアン航空、パイロット組合は、米輸出入銀行と2回にわたり法廷で争い、エミレーツ、エティハドなどボーイングからワイドボディ機を購入するために必要な融資を阻止しようと試みた。彼らは、こうした支援は対象外となっている米航空会社に経済的打撃を及ぼすと主張している。

 デルタ航空のリチャード・アンダーソンCEOは「実質的に彼らは航空会社でなく、政府だ。収益性を重視しないから市場で優位に立つことができる」と批判した。米政府は他国との航空条約を見直し、商業面で「公正さ」を確保すべきだとするアンダーソン氏だが、具体的にどうすれば良いのかは示さなかった。

 業界団体エアラインズ・フォー・アメリカは、公平な環境への取り組みとして議会に法案を提示する準備を進めている。業界では、航空券にかかる17の連邦税の減税、厄介な行政手続きの簡素化、米航空会社に対して完全に開放されていない市場へのアクセス推進を提唱する方針だ。

 ただ、米航空業界はこうした取り組みにおいて統一戦線を組んでいるわけではない。AMR傘下のアメリカン航空は5年前からエティハドとコードシェアリング(共同運航)契約を結び、お互いの旅行券を販売しあっている。アメリカンはカタール航空とも最近同様の契約を結んだほか、カタール航空は29日、アメリカン率いるグローバルアライアンス「ワンワールド」に加盟した。格安航空会社ジェットブルーはエミレーツ航空と旅客共有協定を結んでおり、最近になってこれにコードシェア条項も加わった。米国2社ともコメントを控えている。

 一方、米国の大手国際貨物航空会社は世界的なアクセスへの影響を懸念し、湾岸航空会社との争いには消極的な姿勢を取っている。
 創業後さほど時間のたっていない湾岸の航空会社は人件費の低さによる恩恵を受けているほか、効率性の高い大型ジェット機を運航している。また、各社のハブ空港は世界で最も人口の多い国々から数時間の距離にあり、そのネットワークはニュージーランドや日本、ブラジル、ほぼ欧州全体を網羅している。10年ほど前までは、航空会社は中東から米国の大半の行き先まで効率的にフライトを運航することはできなかった。

 しかし、ボーイングの777、787型機や欧州航空・防衛大手EADS傘下の航空機メーカー、エアバスのA380型機スーパージャンボの投入によって状況は一変。エミレーツの例では、現在は1日2便のドバイ-ニューヨーク便にA380型機を採用しているほか、12月には1日1便のロサンゼルス便を489人が搭乗できるA380型機にアップグレードする計画だ。

 業界幹部の多くは、規制緩和の進む航空業界において、米国の反発が湾岸の航空会社を脅かす公算は小さいとみている。米政府は中東の同盟国を敵に回すことは控えるとみられるほか、米国最大の輸出企業であるボーイングは、ワイドボディ機の受注のうち10%を湾岸3社から得ている。
 エティハドのジェームズ・ホーガンCEOは、同社が補助を受けているとの批判は不当だと反論。「唯一の長所は、われわれが伝統を持つ航空会社ではないということだ」とし、「われわれは白紙の状態から始めた。巨大な新興国市場から3時間以内のところにいる」と語った。

http://jp.wsj.com/article/SB10001424052702303343404579167263817719786.html?mod=WSJJP_hpp_LEFTTopStoriesSecond


 

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コメント
 
01. 2013年10月31日 10:24:20 : BDDFeQHT6I
その内爆撃機も飛んで来るようになったりして。

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