全国的な課題となる自転車運転のマナーの悪さ。大阪府警によると、大阪府内では平成２３年に起きた交通事故のうち、自転車が関連する事故が全事故の３２・８％を占め、全国平均（２０・８％）を大きく上回っているという。マナーの悪さが事故を誘発しているという指摘もあり、府警では違反者の取り締まりを強化している。

　大阪府内の交通事故は過去１０年間では平成１６年の６万７５９３件をピークに減少傾向にあるが、全事故に対する自転車事故の割合は高く、悪質自転車が大事故を引き起こすケースも起きている。

　昨年５月には、大阪市浪速区の国道で、自転車の飛び出しが原因で、タンクローリーが歩道に突っ込み、２人が死亡する事故が発生。事故を誘発したとして、自転車の男が重過失致死罪で禁錮２年の実刑判決を受けた。

　こうしたマナー悪化の社会問題化を受け、府警は、自転車の２人乗り▽信号無視▽ブレーキのない自転車「ピストバイク」での走行▽携帯電話を操作しながらの運転−などの摘発を強化。昨年１１月には、ピストで公道を走ったとして、道交法違反容疑で書類送検した男性に、大阪簡裁がピスト走行に対して初となる罰金命令を出している。

　それでも、渋滞車両の間のすり抜けや信号のない幹線道路を横切るなどのマナー違反の自転車は後を絶たず、府警は「取り締まりだけでなく、ルール順守をしっかりと呼びかけていきたい」としている。

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