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震災以来の下げ幅を記録した消費者心理 (NEVADAブログ) 
http://www.asyura2.com/13/hasan83/msg/766.html
投稿者 赤かぶ 日時 2013 年 11 月 13 日 08:40:00: igsppGRN/E9PQ
 

震災以来の下げ幅を記録した消費者心理
http://blog.livedoor.jp/nevada_report-investment/archives/4571250.html
2013年11月13日 NEVADAブログ


10月の消費者心理が、震災以来の大幅な下落を見せています。

−4.2ポイント 41.2

この41.2ポインとはアベノミクス導入前(40ポイント前後)とほぼ同じ水準であり、今の物価高が消費者の心理を直撃したことになります。

勿論、この41という水準は、リーマンショック時の32~33ポイントからすれば高い水準ですが、今、世界経済が悪化しており、今後大規模なリストラも予想され、リーマンショック時の30台に突入することもあり得ますが、問題は「まだ」リーマンショックが発生していないということです。

第2次リーマンショックが発生していない段階で40ポイント割れとなれば、仮に第2次リーマンショックが発生すれば、どこまで落ち込むか分からない状況になります。

経済・市場に警報が鳴り響いています。

 

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01. 2013年11月13日 20:15:59 : e9xeV93vFQ

日銀の政策委員会に下振れリスク警戒の声、見方分かれる兆候
2013年 11月 13日 19:05 JST
[松本市(長野県)13日 ロイター] -日銀の政策委員会(ボード)の中から経済・物価の先行きについて、下振れリスクを警戒する声が増えている。政策委員の中にはそもそも2年程度で2%の物価安定目標の実現に懐疑的な見方もあり、経済・物価の先行きに対するボード内の見方が分かれ始めている。

宮尾龍蔵審議委員は13日、松本市での講演で日本経済の先行きについて、海外経済、家計の雇用・所得、消費税率引き上げの影響などに「上下双方向の不確実性がある」とし、「私自身は全体としてみれば、やや下振れリスクを意識している」と言及。その後の会見で「物価見通しにも、やや下振れリスクがある」と明言した。

詳細は不明だが、白井さゆり審議委員も10月31日の金融政策決定会合における「経済・物価情勢の展望」(展望リポート)の議論において、より下振れリスクを意識した記述に変更する議案を提出し、反対多数で否決された。

展望リポートには、経済・物価のリスクについて上下にバランスしていると明記され、黒田総裁も同様の見解を示した。

この日の宮尾委員の発言では、下振れリスクへの懸念に言及し、黒田総裁が会見で示してきた認識とギャップがあることをうかがわせた。

そもそも物価見通しに慎重な佐藤健裕、木内登英の両審議委員は、展望リポートにおける「消費者物価の前年比は、見通し期間の後半にかけて2%程度に達する可能性が高い」との記述自体に反対している。

白井委員と合わせ、4人が先行きの経済・物価のリスク認識について、多数意見と違った見方を持っている可能性が出てきており、ボード内に微妙なずれが生じている格好だ。

米財政協議の帰すうや、米連邦準備理事会(FRB)による資産買入縮小の時期などによって、世界経済や国際金融・資本市場の動向に大きな変化が生じる可能性がある。

また、国内的にはインフレ期待の押し上げに重要な賃上げ動向も、大きく変動する余地がある。こうした変動要因が景気下押し方向に動き出せば、楽観的とされる日銀の経済・物価見通しが下方修正を迫られる事態も出てくる。

日銀ボード内での認識の濃淡は、こうしたリスク要因の多様さと先行きの不透明感の強さを反映していると言えそうだ。

(伊藤純夫 編集:田巻一彦)
 

 


 世界経済:インフレ低下の危険
2013年11月13日(Wed) The Economist
(英エコノミスト誌 2013年11月9日号)

米国でも欧州でも中央銀行の人たちは物価を押し上げるべきだ。

 中央銀行の人たちの主な仕事は何か? 普通の人に聞けば、恐らくは「インフレを抑制すること」というような答えが返ってくるだろう。一般的な認識では、そして中央銀行の人たち自身の心の中でも、中央銀行の人間は1980年代に先進各国の経済から高いインフレを締め出した技術者であり、その信頼性はインフレを低く抑えることに基づき、それゆえ物価が高騰し始めないよう常に警戒していなければならない。

 だが、この見方は危険なほど時代遅れだ。先進国の中央銀行が現在直面している最大の問題は、インフレ率が低すぎるということだ。

 ほとんどが先進国で構成される経済協力開発機構(OECD)の平均インフレ率は1.5%と、2012年の2.2%から低下し、中央銀行の公式目標(通常2%かそれをわずかに下回る水準)を大きく下回っている。インフレ率の低下が最も危険なのは、ユーロ圏だ。10月の消費者物価指数の上昇率は前年同月比でわずか0.7%と、1年前の2.5%から大きく低下している。

 これは部分的にはコモディティー(商品)価格が下落しているためだが、変動の激しい食品と燃料価格を除いても、ユーロ圏の「コア」指数で見たインフレ率は0.8%と、単一通貨が始まって以来かつてないほど低い。

 米国では、総合指数が9月に1.2%となり、7月の2%から下落している。そして、米連邦準備理事会(FRB)が定義するコア・インフレ率はずっと1.2%にととどまったままで、底に近い水準にある。先日は、FRBの中に一段と緩和的な金融政策を望む者がいることを仄めかす動きが見られた。

 確かに、15年に及ぶ物価下落からようやく抜け出したように見える日本では状況が改善しつつあるが、日本でも基礎的なインフレ率はまだゼロだ。物価が大きく上昇している唯一の先進経済大国は英国で、ここでは全般的なインフレ率が2.7%だ。

あの無力感

 これらは気がめいるような数字だ。低すぎるインフレの最も明らかな危険は、物価が持続的に下落する完全なデフレに陥るリスクだ。日本の経験が示すように、多額の債務を抱えた弱い経済では、デフレは極めて有害であるとともに抜け出すのが難しい。借り入れは名目ベースで固定されているため、賃金や物価の下落は借入金を返済する負担を重くする。

 また、ひとたび人々が物価が下がり続けると予想すれば、モノを買うのを先送りし、それが経済をさらに弱くする。南欧ではこれが起きるかもしれない本当の危険がある。ギリシャの消費者物価は今、下落しており、1度限りの増税の影響を除くと、スペインの物価も下落している。

 米国と北部欧州では、デフレはそれほど差し迫ったリスクではない。ほとんどの経済は、ゆっくりとではあるが成長している。またいくつかの調査では、消費者がまだ中期的なインフレが2%という中央銀行の目標値になるか、それを上回ると予想していることが示されている。

 だが、失業率が高い経済国があまりにも長い間あまりにもゆっくりと成長すれば、最終的には物価と賃金が下落する可能性が高い。日本では、資産バブルが崩壊してから7年後まで、デフレは始まらなかった。

 その臨界値に達しなくても、超低インフレにはコストのかかる副作用がある。景気の停滞と、必要以上に高い失業率と一緒に進行する傾向があるのだ。米国の失業率は7.2%、フランスは11.1%、スペインは26.6%だ。

 超低インフレは、名目所得が、物価がもっと早いペースで上昇していた場合よりゆっくりとしか伸びないことも意味する。そのため、政府の債務も家計の債務も、返済するのが難しくなる。

 また低いインフレは、単一通貨内の競争力のない国が自国の相対的な賃金を調整するのも難しくする。ドイツのインフレ率が1.3%であるため、イタリアやスペインの企業は、ドイツの工場と競争するために、徹底した賃金カットを必要としている。

 さらに、低すぎるインフレは、さらなる景気後退に見舞われた時に、不況と戦う中央銀行の能力を損なう。通常、成長期には、銀行は金利を引き上げる。だが、政策金利はゼロに近く、中央銀行は、金融状況を緩和するために「非伝統的」な手法、特に「量的緩和」(国債を買うために紙幣を増刷する)や「フォワードガイダンス」(将来のインフレに対する人々の期待を高めるために金利を長期間低く抑えると約束する)に頼っている。

 仮に経済が後退に逆戻りすれば、中央銀行は自分が著しく無力であることに気付くだろう。

高みを目指す態度

 そういうわけで、ほとんどの先進国では、消費者物価がもう少し早いペースで上昇していた方が好ましい。だが、「もう少し」とはどれくらいだろうか? そして、物価のコントールを失うことなく物価を押し上げるために中央銀行はどうすべきなのだろうか?

 過去にはあまりにも頻繁に、多少のインフレが著しいインフレに姿を変え、ひどい結果を伴った。かといって、中央銀行が何もしなかったというわけではない。FRBから日銀に至るまで、中央銀行のバランスシートは急拡大している。それが資産価格を膨らましており、最終的に危険なほど高い消費者物価上昇率が出現するのではないかと多くの人を心配させてもいる。

 1つの対応は、公式のインフレ目標を例えば2%から4%に引き上げることかもしれない。だが、何十年もの間中央銀行が拠り所にしていたものを変えることは、金融市場を狼狽させて、あっさりと逆効果になり得る。そのような急進主義はまだ必要でもない。中央銀行が取るべき最初の一歩は、既存のインフレ目標を達成することにもっと懸命に取り組むことだ。

 11月7日に主要政策金利を0.5%から0.25%に引き下げた欧州中央銀行(ECB)は、まだやるべき仕事を一番多く抱えている。幅広い債券買い入れや銀行のための新たな低利融資制度など、金融状況を緩和するもっと大胆な動きが必要だ。

 ECBは、たとえそれがドイツでインフレ昂進を招くことを意味するとしても、ECBの目標がユーロ圏全体で2%に近いインフレ率であることも強調しなければならない。

 月850億ドル相当の債券購入をまだ続けているFRBは、量的緩和を拡大する必要はない。だが、FRBはフォワードガイダンスを変更することができる。11月初旬の騒動は、金利が引き上げられる前に失業率がそれより下がらなければならないという「閾値」をFRBが6.5%から6%以下に下げるべきだという考え方に基づいていた。これはいいアイデアであるように見える。

 FRBの次期議長ジャネット・イエレン氏は、例えば、1.75%というインフレの閾値を導入することもできる。イエレン氏が金利を引き上げるには、物価がそれより早いペースで上昇しなければならないということだ。

インフレはリスクだが、今日の問題ではない

 これらはどれも、インフレがいつかリスクになることはない、という意味ではない。だが、インフレは今日の問題ではない。中央銀行が非伝統的な手法を始めた時に、激しいインフレに対する緊急警告を発した「サウンドマネー」の狂信者たちは、西側の政策立案者たちがやり過ぎたのではなく、やらな過ぎたのではないかと考え直すかもしれない。

 ぜひともインフレを恐れてほしい。だが、インフレ率が落ち込んだ時は、人生がもっと恐ろしいものになることもあり得るのだ。


 

 


コラム:世界的ディスインフレ傾向は円高要因か=佐々木融氏
2013年 11月 13日 18:07 JST
佐々木融 JPモルガン・チェース銀行 債券為替調査部長(2013年11月13日)

多少気が早いと思われるかもしれないが、常に3カ月先の見解を求められる我々のような職業では、来年1年間の相場見通し作成作業がすでに佳境に入っている。

欧米のヘッジファンドなどは11月第4木曜日(今年は28日)のサンクスギビングデーを過ぎるとクリスマス休暇モードに入ってしまうので、我々としてはその前に見通しをレポートにまとめ、実際にクリスマス休暇が始まる前(12月上旬)に大規模な顧客向けセミナーを開いて来年の見通しについて説明や議論をするのが通例である。

筆者はJPモルガンのストラテジストとしては円相場の見通しを担当しているが、今回はそのメインの職務からやや離れ、世界経済のリスクシナリオについて考えてみたい。したがって、本稿の内容はJPモルガンの公式見解ではなく、筆者個人の考えである。

来年の世界経済のリスクとして気になっているのは、世界的なディスインフレ(物価上昇率の鈍化)傾向だ。

たとえば、先月31日に発表されたユーロ圏の10月消費者物価指数(HICP)は前年比プラス0.7%と、リーマンショック直後以来の水準まで低下した。欧州中央銀行(ECB)は物価安定を示すインフレ率を「中期的に2%以下でその近辺」と定義している。この「中期的」という言葉が示す通り、単月の数字で判断されるべきものではないが、10月HICPの予想比下振れは、大方の予想より早い今月7日のECB利下げの一因になったと考えられる。

また、12日に発表されたスウェーデンの10月消費者物価指数(CPI)は前年比マイナス0.1%と、予想されたプラス0.2%を大きく下回り、再びマイナス圏に入った。スウェーデンの中央銀行であるリクスバンクのインフレターゲットは前年比プラス2%を中心にした上下プラスマイナス1%のバンドの範囲内であるが、昨年7月以降、1年以上もバンドの下限を下回る状態が続いている。

さらに、同じく12日に発表された英国の10月CPIは前年比プラス2.2%と、これも予想のプラス2.5%を大きく下回った。コアCPI(除くエネルギー・食品・アルコール・たばこ)は前年比プラス1.7%まで急速に鈍化し、2009年9月以来約4年ぶりの水準まで低下した。ただ、イングランド銀行(英中銀)のインフレターゲットも前年比プラス2%を中心にした上下プラスマイナス1%であるため、こちらはまだバンド内にとどまっている。

ディスインフレ傾向は欧州だけではない。米国でも連邦準備理事会(FRB)がインフレ指標として重視している9月個人消費支出(PCE)デフレーターは前年比プラス0.9%まで鈍化している。4月にも同水準を記録したが、これを下回るとリーマンショック直後以来の水準となる。

FRBは声明の中で、失業率に関する基準と同時に、「1―2年後のインフレ率が連邦公開市場委員会(FOMC)の長期的な目標である2%を0.5%ポイント以上上回らず、長期的なインフレ予想がしっかりと抑制されている限りにおいて」は異例の低金利政策は適切としているが、実際には上限ではなく、下限の議論をする必要が出てきているのかもしれない。

<「日本のみインフレ基調」の意味>

一方、日本はというと、逆にインフレ率は上昇基調にある。9月CPIは前年比プラス1.1%と、08年10月以来の水準まで上昇。日銀がターゲットとしているコアCPI(除く生鮮食品)も前年比プラス0.7%と、今年3月のマイナス0.5%から見ればインフレ圧力は強まっているといえる。ちなみに、9月までの過去3カ月間、日本の企業物価指数前年比は米国の生産者物価指数前年比を上回っており、その差は2%ポイント程度まで拡大している。

来年、もし各国でディスインフレ傾向が続く一方、日本ではアベノミクスと日銀異次元緩和の効果でインフレ率が上昇し続けた場合、相対的に日銀よりも他国の金融緩和期待の方が大きくなってくる可能性がある。仮にこうした事態となった場合、為替市場への影響は円高方向に出てくることになる。ただし、他国も名目金利がゼロ%まで引き下げられ、それ以上の引き下げ余地がなくなってくると、今度は実質金利からの影響によって円安方向へ寄与し始めるかもしれない(名目金利が動かなくなれば、相対的にインフレ率上昇幅が大きい方の国の実質金利が低下することになる)。

このような事態を来年のメインシナリオと決めつけているわけではないが、リスクシナリオの一つとして考えつつ、来年は海外主要国のインフレ率の動きも従来以上に注視していく必要がありそうだ。一方、海外の政策当局者は、自分たちが陥っている状況を先に経験し、半周先を走っている日本経済がどのような状態になるのか、固唾を呑んで見守る年になるのだろう。

*佐々木融氏は、JPモルガン・チェース銀行の債券為替調査部長で、マネジング・ディレクター。1992年上智大学卒業後、日本銀行入行。調査統計局、国際局為替課、ニューヨーク事務所などを経て、2003年4月にJPモルガン・チェース銀行に入行。著書に「インフレで私たちの収入は本当に増えるのか?」「弱い日本の強い円」など。

*本稿は、ロイター日本語ニュースサイトの外国為替フォーラムに掲載されたものです。(here)

*本稿は、筆者の個人的見解に基づいています。

*このドキュメントにおけるニュース、取引価格、データ及びその他の情報などのコンテンツはあくまでも利用者の個人使用のみのためにコラムニストによって提供されているものであって、商用目的のために提供されているものではありません。このドキュメントの当コンテンツは、投資活動を勧誘又は誘引するものではなく、また当コンテンツを取引又は売買を行う際の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。当コンテンツは投資助言となる投資、税金、法律等のいかなる助言も提供せず、また、特定の金融の個別銘柄、金融投資あるいは金融商品に関するいかなる勧告もしません。このドキュメントの使用は、資格のある投資専門家の投資助言に取って代わるものではありません。ロイターはコンテンツの信頼性を確保するよう合理的な努力をしていますが、コラムニストによって提供されたいかなる見解又は意見は当該コラムニスト自身の見解や分析であって、ロイターの見解、分析ではありません。

 


 


リスクオン全開に距離、世界経済やアベノミクスに不安感
2013年 11月 13日 16:55 JST
[東京 13日 ロイター] -マーケットには、再び慎重なムードが広がっている。10月米雇用統計の上振れを好感する動きは早くも一服。ドル/円は100円を突破できず、日経平均.N225も1万4500円付近で止まってしまった。前日までの株高・円安の反動もあるが、世界経済やアベノミクスへの懸念が手放しのリスクオンを控えさせているとみられている。

<4度目のトライも減速気味>

日経平均は5月の急落以降、3度上昇波動があったが、いずれも1万5000円に届かなかった。円安基調が止まってしまい、輸出企業の業績改善期待が一服しただけでなく、海外勢からの期待が大きかった成長戦略が足踏みしていることも大きな要因だ。上値も徐々に切り下がっており、「アベノミクスに対する不安の強まりが、日本株の上値抵抗線になっている」(国内証券トレーダー)という。

一般医薬品(大衆薬)のインターネット販売規制や小規模農業生産者への新たな交付金付与の方針など改革後退を意識させる事例が出る一方、法人税減税や雇用改革など海外勢が期待していた項目は進展が見られない。

金融緩和と財政出動の追加策がしばらく期待できない中で、アベノミクスの「本丸」といえる成長戦略に後退感が出ていることが投資家の手を引かせている要因だ。

日本株の需給状況も悪い。MCPアセット・マネジメント証券のチーフ・ストラテジスト、井上哲男氏は、1)株式優遇税制の廃止、2)高水準の裁定買い残、3)空売り規制の廃止──などが日本株の上値を押さえる要因になっていると指摘する。「個人投資家の厚みが出てきており、海外勢の売りを吸収できるようになっているが、需給環境の悪さも日本株が米株に対して相対的にパフォーマンスが劣る要因だ」という。

日経平均は前日までの2日間で約500円上昇。大台乗せに4度目のトライかとみられたが、13日の市場では早くも利益確定売りに一服。「下値では欧州年金がTOPIX先物やドル/円を買っているようだ」(国内証券)との観測もあり小幅安にとどまったが、上値の重さが払しょくされたわけではない。

国内企業の中間決算も高い市場の期待値には届かず、国内材料は目ぼしいものがない。しばらくは、為替動向や海外の材料に振れやすい展開が続く見通しだ。

<株式、債券ともに慎重な海外勢>

頼みの海外勢も、全体的には慎重なスタンスとなっている。

バンク・オブ・アメリカ・メリル・リンチが12日公表した月次調査では、債券、株式ともに投資家の慎重な姿勢が浮かび上がった。債券アンダーウエートの割合はネットで69%と過去最高水準。株式はオーバーウエートの割合がネットで52%まで増えたものの、割高との回答が2002年1月以来の高水準になった。その一方で、キャッシュバランスは4.6%に上昇した。

米PIMCOの債券型ファンドが、バンガードの株式型ファンドに投資信託トップの座を譲ったことは、債券から株式への資金シフトの象徴ともみられている。だが、その動きはまだ緩やかなようだ。PIMCOの「トータル・リターン・ファンド」の米国債、および米政府関連証券の保有比率は10月に上昇していたことが明らかになっている。

投資家が依然として慎重な背景には景気への懸念がある。10月の米ISM指数が製造業、非製造業ともによかったほか、10月米雇用統計の上振れで、米政府機関閉鎖による悪影響の懸念は後退しているが、マインド系の統計指標にはさえないデータが多い。

全米独立事業者協会(NFIB)が12日発表した10月の中小企業楽観度指数は、7カ月ぶりの低水準だった。政府機関の一部閉鎖が売り上げの重しとなり、在庫の積み増しを招くとの懸念が広がったという。

米量的緩和縮小(テーパリング)観測が強まった9月6日に3%を付けた10年米長期金利は、いったん低下した後、上振れた10月の米雇用統計をきっかけに2.7%台まで再び上昇してきている。ただ、市場では「金利はいったん上昇したあとで、また低下するのではないか」(国内投信)との見方が多い。

三井住友アセットマネジメントの債券運用グループ・シニアファンドマネージャーの深代潤氏は「極端な金融緩和策を一度取ると、元に戻すのは難しい。金融緩和だけでは景気は本格的な回復には至らないのがはっきりしてきたが、止めてしまえば反動が大きくなる。景気が少しでも悪くなればQE4の導入といった可能性もあるのではないか」とみている。

(伊賀大記 編集:田巻一彦)


 


 
ロンドン外為:ユーロが対円で下落、ECB行動観測で−円ほぼ全面高 

  11月13日(ブルームバーグ):ロンドン時間13日午前の外国為替市場で、ユーロは円に対し4営業日ぶりに下落。景気の弱さを示す経済指標が欧州中央銀行(ECB)に行動を促すとの観測がある。アジア株安を受けた質への逃避で円はほぼ全面高。
ただ日本の景気に関して、日本銀行の宮尾龍蔵審議委員は13日の講演で、「全体としてみればやや下振れリスクを意識している」と述べており、三菱東京UFJ銀行の武田紀久子シニアアナリスト(ロンドン在勤)は、ECBと日銀は両方とも追加措置を取るだろうとみられていると述べた。
ロンドン時間午前8時25分現在、ユーロは対円で0.2%安の1ユーロ=133円66銭。前3営業日で1.7%上昇していた。対ドルは小動きの1ユーロ=1.3434ドル。円は対ドルで0.2%高の1ドル=99円48銭。前日は9月13日以来の安値の99円80銭を付けた。
原題:Euro Weakens Against Yen Before Industrial Production, GDPData(抜粋)

更新日時: 2013/11/13 18:06 JST

 

イエレン氏が沈黙を破る日、量的緩和を擁護へ-指名承認公聴会

  11月13日(ブルームバーグ):米連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン副議長が次期FRB議長に指名される以前から、金融当局者は債券購入ペースを維持すべきかどうか公に議論してきた。ただ、イエレン氏自身は沈黙を守り、意見を述べることはなかった。
イエレン氏は14日の上院銀行委員会で、次期FRB議長の指名承認公聴会に臨み、自らが支持してきた前例のない金融刺激策に関する見解を7カ月の沈黙を破って表明する。一部議員は金融刺激策を指名反対の口実に利用しようとしており、上院銀行委には2010年にFRB副議長の指名承認に反対した共和党議員4人が今も在職している。イエレン氏は、連邦準備制度のバランスシート を約4兆ドル(約398兆円)規模に拡大させた政策の正当性を主張する見通しだ。
10年のFRB副議長指名に反対した上院銀行委のベテラン、マイク・クラポ議員(共和、アイダホ州)はインタビューで、「量的緩和を支持するイエレン氏の姿勢とFRBが過去数年間目指してきた方向性全体を今も懸念している。同氏の指名承認をめぐる最初の投票の際も同じ懸念があった」と発言。今回どちらに投票するかについては明言を避けた。
上院銀行委でイエレン氏の指名承認を阻止できるほど十分な同調者が得られないとしても、クラポ議員らは公聴会を波乱含みにする材料に事欠かない。FRBが低金利を維持するために過去に例のない金融緩和プログラムを推進したにもかかわらず、大恐慌以来で最長のリセッション(景気後退)の終了後も4年余りにわたって7%を上回る失業率の高止まりが続いている。
民主党は上院銀行委に12人のメンバーを擁し、共和党議員の支持がなくてもイエレン氏の指名を承認し、上院本会議に送ることが可能。イエレン氏の指名に反対を表明している民主党議員はいない。
原題:Yellen Rejoins QE Debate as Senate Hearing Gives CriticsForum(抜粋)
記事に関する記者への問い合わせ先:ワシントン Joshua Zumbrun jzumbrun@bloomberg.net;ワシントン Jeff Kearns jkearns3@bloomberg.net;ワシントン Craig Torres ctorres3@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先:Chris Wellisz cwellisz@bloomberg.net
更新日時: 2013/11/13 14:00 JST

焦点:金融庁にも批判の矛先、みずほ問題で迫られる体制見直し
2013年 11月 13日 18:25 JST
[東京 13日 ロイター] -みずほ銀行が傘下の信販会社を通じ暴力団組員らに融資し、それを放置していた問題は、金融庁にも飛び火する様相となった。

みずほ銀頭取らを参考人招致した13日の衆院財務金融委員会の集中審議で、みずほの誤った報告を見抜けなかった金融庁にも厳しい批判が与野党からわき上がった。金融庁検査の体制見直しを求める意見も指摘され、金融庁は難しい対応を迫られそうだ。

「緊張感のない無意味な検査ではないか。金融庁と銀行の間に慣れ合いや緊張感の欠如が生じていたのではないか」──。同日午後の集中審議で生活の党の鈴木克昌委員は、金融庁の検査対応について厳しく追求した。質問に立った議員らが問題視したのは、みずほが当初の検査に対して誤った報告をしていたのに対し、金融庁が見抜けなかった点だ。

みずほは当初、問題融資の情報が担当役員にまでしか上がっていなかったと報告。これに基づいて金融庁は9月末に業務改善命令を出していた。

だが、その後の社内調査の結果、みずほは一転、当時の頭取まで報告が上がっていたことを明らかにした。

「みずほの報告を鵜呑みにしたのか」(公明党の竹内譲委員)との指摘に対し、麻生太郎財務・金融相は「検査官は銀行の報告体制に関する回答を鵜呑みにしていない。裏付けを検証している」と防戦した。みずほによる問題融資の放置は、金融庁が通常検査の過程で見つけた。ただ、その情報がどこまで上がっていたかの認定は、結果的に誤った。

検査の過程で金融庁は、過去にさかのぼって問題融資の報告書を調べたが、確認の印は担当役員までしかなかった。問題融資について議論するコンプライアンス委員会の2012年度の議事録・資料にも記載がなかった。このため「情報は担当役員止まり」としたみずほの担当者からの報告について、裏付けが確認できたと判断した。

ところが、みずほの社内調査で、2011年度、2010年度の同議事録の資料には、問題融資に関する記載があったことが、行政処分を出した後でわかった。金融庁幹部は「まさか過去に報告されていたことが、(問題融資が存在していた12年度に)報告されていないということにまでは、思いがいたらなかった」と話す。

金融庁は、みずほに対し、誤った報告をした経緯などをあらためて報告するよう命じた上、5日からは再検査に入らざるを得ない事態になった。日本維新の会の田沼隆志委員は「深い検証をするため、検査の体制を見直す議論をしないといけないのではないか」と追及した。

麻生金融相は「深い検証を行うべきではなかったかという批判は、真摯に受け止めなければならない」との認識を表明した。

だが、限られた人員と時間の中で効率的な検査に努めてきた経緯があるだけに、妙案は容易には見つかりそうにない。麻生金融相は「限られた人員の中で、精一杯やるという以外に手はない」と答弁するしかなかった。

とはいえ、何ら対応策を出さないまま、今回の一件を幕引きにすれば、世論の反発を招きかねない。金融庁は実効性のある検査の精度向上という「宿題」を背負うことになりそうだ。

(平田紀之、布施太郎 編集:田巻一彦)

[12削除理由]:無関係な長文多数

02. 2013年11月13日 22:57:50 : niiL5nr8dQ
英中銀は15年に利上げ検討も−失業率7%見込む時期を前倒し 

  11月13日(ブルームバーグ):カーニー総裁率いるイングランド銀行(英中央銀行)は、失業率が同中銀が利上げを検討する上で目安とする7%の水準まで低下するとみる時期を、従来の予測から前倒しした。英経済は「堅調に」回復しており、インフレ率は低下しているとの認識を示した。
英中銀は13日に公表した四半期物価報告で、失業率 が2015年7−9月(第3四半期)に7%に低下する確率は50%を超えているとの見通しを示した。同中銀はこれまで、そのような状況は16年4−6月(第2四半期)までないとみていた。
カーニー総裁は記者会見で、8月に導入したフォワードガイダンス(時間軸政策)について「金融政策委員会(MPC)は極めて満足している」と述べ、「景気回復ならびに英国が現在経験しているタイプの回復にとって適切な政策だ。英国では先進国の中で1、2位を争うような力強い回復が進んでいる」と続けた。
英中銀はフォワードガイダンスで、失業率が7%に低下するまでは刺激策縮小を検討しない方針を示している。ただ、この失業率の水準についてはあくまで政策見直しのタイミングを計る目安だと説明、金融を引き締める「引き金」ではないと強調している。この日発表された7−9月期の失業率は7.6%だった。
英中銀はまた、短期的なインフレ見通しを引き下げ、消費者物価上昇率 が15年1−3月(第1四半期)までに中銀目標の2%を若干下回る水準まで低下すると予想。成長率見通しは前回報告と同水準に据え置いた。経済のスラック(たるみ)の度合いが不明であることからこれらの見通しには「下振れリスク」があり、一方失業率に関しては「上振れリスク」があるとの見解を示した。
原題:Carney Signals Rate Increase Possible in 2015 as U.K.Recovers(抜粋)

更新日時: 2013/11/13 22:06 JST


 

英失業率が早期低下の可能性、利上げ急がず=中銀インフレ報告
2013年 11月 13日 21:29 JST
[ロンドン 13日 ロイター] - イングランド銀行(英中央銀行)が13日公表した四半期インフレ報告によると、景気回復が進むため失業率はこれまでの見通しより早く低下すると見込まれている。しかし利上げを急ぐ必要はないとの見解を示した。

中銀は金利が現在の0.5%で推移すれば失業率は2014年第4・四半期に7%に低下すると見込んでいる。

インフレ報告では「景気回復がようやく根付いた。不透明感がなくなり信用状況が改善して需要が上向くなか、経済は力強く成長しつつある」と指摘した。

ただこれが早期に利上げに結びつくわけではないとし、ユーロ圏を中心とした逆風は続いているとし、「経済の緩みの度合いがかなり低下するまで、金融政策委員会は非常に刺激的な金融政策を維持する方針」とした。

ただ市場の見通しどおりに金利が上昇すれば、成長は鈍化し失業率は2016年末まで7%にとどまるとの見方を示した。

カーニー総裁は、失業率の低下が自動的に利上げに結びつくわけではないと再度表明した。金融市場は中銀は2015年初めにも利上げを開始すると見込んでいる。

報告では、金利が市場の予測どおり上昇した場合、成長は鈍化し失業率の低下は後ずれするとし、このため失業率の予測中央値は2016年末まで7%を超えて推移するとしている。

13日発表された7─9月の失業率は7.6%に低下した。

中銀は予測中央値は市場の金利見通しに基づいているとしたが、この金利見通しが正しいと考えているわけではないと指摘。しかし市場の金利見通しに基づけばインフレ率は2015年初めには目標水準の2%を下回ると見通している。これは8月予測から6カ月前倒しとなる。

成長率見通しは、13年第4・四半期は0.9%として通年を1.6%と、これまでの1.4%から上方修正した。14年は2.8%とし、8月に示した2.5%から上方修正した。

 

 


 
NY外為(午前):ユーロ下落、鉱工業生産減で−ポンド高い

  11月13日(ブルームバーグ):ニューヨーク時間13日朝の外国為替市場でユーロは下落。ユーロ圏の9月の鉱工業生産はエコノミスト予想以上に減少した。一方、イングランド銀行(英中央銀行)が失業率に関する見通しを改善させたことを受け、ポンドは上昇。アジアと欧州の株安で質への逃避が強まり、円も高くなった。
ニューヨーク時間午前6時9分現在、ユーロは対円で0.2%安の1ユーロ=133円59銭。前3営業日で1.7%上昇していた。対ドルは0.1%安の1ユーロ=1.3420ドル。円は対ドルで0.1%高の1ドル=99円55銭。前日は9月13日以来の安値の99円80銭を付けた。
ポンドは16主要通貨全てに対して0.2%以上の上昇。対ユーロは0.4%高の1ユーロ=84.13ペンス。対ドルは0.3%高の1ポンド=1.5952ドル。
原題:Euro Weakens After Industrial Production Falls; PoundAdvances(抜粋) 
更新日時: 2013/11/13 20:46 JST


 


 
ECB総裁、銀行経営者らと13日初会合-資産査定について説明
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  11月13日(ブルームバーグ):欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁は13日、資産査定について銀行の最高経営責任者(CEO)らに説明する初回の会合を開く。
ECBの報道官が詳細を電話で確認した。この日の会合にはベルギーとキプロス、ドイツ、マルタ、ルクセンブルクの5カ国の銀行のCEOらが出席。各国の銀行監督当局者も参加する。
ECBからはコンスタンシオ副総裁とメルシュ理事、金融安定担当ディレクターゼネラルのイグナツィオ・アンジェロニ氏も出席。域内銀行との会合は18日と25日にも行う。
原題:Draghi Meets First Group of Bank CEOs Today on Asset-Review Plan(抜粋)
更新日時: 2013/11/13 21:26 JST

 

 


 

ECBのバイトマン氏、低金利には多数の課題が伴う 
  11月13日(ブルームバーグ):欧州中央銀行(ECB)の政策委員会メンバー、ドイツ連邦銀行のバイトマン総裁は13日、低金利には多数の課題が伴うと指摘した。
同総裁はフランクフルトで発言し、「物価安定の見通しを考えるとECBの緩和的な金融政策は正当化されるものの、低金利環境がもたらす多数の課題を見落としてはならない」と述べた。「マイナスの実質金利が恒久化することがなく、また金融政策が政治や金融市場の人質にならないことを確実にするのが重要だ」とも語った。
原題:ECB’s Weidmann Says Low Interest Rates Come With ManyChallenges(抜粋) 
更新日時: 2013/11/13 22:18 JST

ドイツ銀が20人余りのシニアバンカーを解雇−WSJドイツ版 
  11月13日(ブルームバーグ):ドイツ銀行 が20人余りのシニアバンカーを社規違反のために解雇したと、ウォールストリート・ジャーナル・ドイチュラントが事情に詳しい関係者の話を基に報じた。関係者の名前は示していない。
同紙によると、約25人の行員は数百万ユーロのボーナスを失った。ドイツ銀のフランクフルト在勤の広報担当者、クリスチャン・シュトレッカート氏は報道についてコメントを控えた。
原題:Deutsche Bank Fired Over 20 Senior Bankers, WSJDeutschland Says(抜粋)

[12削除理由]:無関係な長文多数

03. 2013年11月14日 00:05:25 : niiL5nr8dQ
【第29回】 2013年11月14日 野口悠紀雄 [早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問]
利益は増えたが、雇用や生産は拡大せず
 上場企業の2013年9月中間決算は、大幅な利益増となった。これをもって、日本経済が回復していると言えるのだろうか?

 以下では、利益増加が経済の好循環をもたらしているとは言えないことを見る。

利益増は経済を改善するか?

 東京証券取引所第1部に上場する企業のうち、中間決算を発表した697社(集計対象の51.9%)についてSMBC日興証券がまとめたところによると、売上高が前年同期比10.3%増、営業利益は同39.7%増、純利益が同2.9倍となった(朝日新聞、2013年11月7日朝刊)。

 時事通信社は、11月6日までに開示された東証1部上場737社の中間決算を集計した。それによると、売上高は前年同期比10.4%増、経常利益は56.0%増となった。14年3月期(通期)の経常利益予想も30.4%増だ(時事通信、11月9日配信)。

 2013年3月期決算においては、全産業(2055社)の売上高は、597兆4245億円(前期比2.75%増)、営業利益27兆5749億円(3.10%増)、経常利益27兆6840億円(6.46%増)であった(東京証券取引所、決算短信集計結果)。これと比べると、大幅に改善していることがわかる。

 問題は、これで経済が改善するかどうかである。

 経済が改善するためには、賃金や雇用が増え、消費が増えることが必要だ。あるいは設備投資が増えることが必要である。

 しかし、現実には賃金が上昇していないことをこれまで述べてきた。また、設備投資も増えていない。なぜなのか?

 それは、今回の利益増がつぎの要因によってもたらされているからだ。

(1)円安

 円安が進行すると、原価が増えずに売上が増える。だから、少しの円安でも増益効果は大きい。

 しかし、これは企業にとってはまったく受動的なものである。したがって、賃金や設備投資を増やすことにはならない。

(2)リストラ

 電機産業では、リストラの効果が大きい。これは、事業や人員の削減だ。いわば、縮小均衡である。つまり、「賃金を上げたり設備投資を増やしたりしないから利益が増えた」ということなのである。

利益増は雇用を増やしていない

 では、実際の日本経済の状況はどうか?まず雇用の状況を、常用雇用指数(事業所規模5人以上)で見ることとしよう。

(1)調査産業計

 調査産業計は、図表1のとおりだ。就業形態計で見れば、雇用は増えている。しかし、図から直ちにわかるように、これはパートタイム労働者が増加しているためだ。一般労働者(フルタイム労働者)は、変動はしているものの、増加傾向は示していない。


(2)製造業

 製造業の状況は、図表2に示すとおりだ。

 就業形態計を見ると、2010年以降100程度の水準で推移していたが、東日本大震災の影響で落ち込み、11年6月にボトムになった。その後回復した。

 しかし、また減少して、13年3月にボトムとなった。13年4月に急回復してピークとなったが、その後再び減少した。


 重要な点は、利益増が雇用にはまったく影響していない点だ。

 一般労働者について見ると、東日本大震災以降落ち込んだが、あまり大きな落ち込みではなかった。しかし、12年4月、5月頃から13年3月頃までの期間に、一挙に減少したのである。その後若干回復したが、また減少した。

 パートタイム労働者は、一般労働者とはかなり違う傾向を示している。東日本大震災以降、大きく落ち込んだ。しかし、12年の夏頃からは顕著に回復したのである。

 このように、12年夏頃以降は、製造業全体としての雇用が減る中で、一般労働者からパートタイム労働者へのシフトが顕著に進んでいる。

 なお、長期的に見た場合の製造業の雇用減は、著しい。1990年1月に130.8であった指数は、2000年1月には116.7となった。そして、13年1月には98.2である。この数字は、90年の75.0%でしかない。

(3)医療・福祉

 この分野の雇用増は著しい。2010年からの状況は、図表3に示す。この期間でも増えた。その結果、実数で言えば、製造業に匹敵するほどの数になっている。一般労働者も増えているのだが、パートタイム労働者の増加のほうが著しい。


自動車会社の利益増は円安による

 自動車大手8社の営業利益は、図表4に示すとおりである。
 13年9月期の8社合計の営業利益は、対前年比で8464億円増加した。

 他方で、4−9月の自動車輸出額を見ると、12年には4兆5856億円であり、13年には5兆2489億円だ。この差は6632億円である。

 また、4−9月の自動車輸出台数を見ると、12年が292.4万台、13年が294.4万台であって、ほとんど変わらない。

 したがって、営業利益増の8割近くが輸出額の増加によるものであり、そのほとんどは円安によって円表示の輸出額が増加したために生じたものであることがわかる。


 なお、図表4で、日産自動車の営業利益が減少していることと、ホンダの営業利益増が比較的少ないことが注目される。これは、生産の海外展開が進んでいるからである。他方で、海外展開が遅れたマツダや富士重工の利益増が顕著だ。

 これは、円安の利益増大効果が、輸出については、海外生産についてより強く働くことの結果である。

自動車の輸出台数は円高期より減少

 自動車の輸出台数が増えているかどうかを中期的に見ると、図表5のとおりだ。

 東日本大震災で大きく落ち込んだ後、回復した。しかし、2011年秋から12年春頃がピークで、徐々に減少した。

 12年夏にボトムになり、秋頃からはやや回復している。しかし、ピークの水準に戻ってはおらず、月40〜45万台程度で推移している。


 ここで重要なのは、円安が乗用車の輸出を増やしているとは言えないことだ。

 リーマンショック後のピークを記録した11年秋から12年春頃は円高期である。最近の円レートは、そのときに比べればかなり円安になっているにもかかわらず、輸出台数は減っているのだ。

 12年秋からは円安が進行したが、これによって台数が顕著に増加したとは言えない。12年夏頃までの下落過程からの回復と見るべきであり、円安によって輸出が増加しているとは言えない。事実、上で見たように、4−9月の輸出台数を見れば、12年と13年ではほとんど変わっていない。

 なお、13年9月の乗用車の輸出台数44.1万台は、リーマン後のピークであった11年10月の48.4万台より9%ほど少ない。また、リーマン前のピークであった08年3月の68.7万台に比べると、3分の2程度の水準でしかない。乗用車の輸出がリーマンショック前の水準に戻ることはありえないと思われる。

自動車国内生産はエコカー支援策で変動

 自動車の国内生産の推移を中期的に見ると、図表6のとおりである。

 国内生産の推移は輸出とほぼ同じだ。ただし、12年1月をピークとした落ち込みは、輸出の落ち込みより顕著だ。

 その後回復したが、現在の水準はピークより2割程度低い。そして、回復は円安の効果ではない。つまり、円安が国内生産を増加させる効果は生じていないわけである。


 なお、13年9月における乗用車の指数は101であるが、これは、リーマン後のピークであった12年4月の114.8より12.0%低い。そしてリーマンショック前のピークであった08年2月の131.9に比べれば、23.4%も低い。乗用車の国内生産も、輸出と同様、リーマンショック前の水準に戻ることはありえないだろう。

 なお、エコカー支援策の実施状況は、つぎのとおりであった。

(1)2009年から10年3月まで
 予算総額3572億円。申請総数274万台。
(2)10年9月までの延長
 予算総額2304億円。申請総数177万台。
(3)12年4月から13年2月まで(対象は11年12月20日以降に新車登録する車。なお、申請数が予算額を超過したため、12年9月で受付終了)
 予算額3000億円。

鉱工業生産指数は、リーマン前の84%でしかない

 図表7に示す全体としての鉱工業生産指数も、乗用車の輸出や国内生産と似たパターンをしている。


 すなわち、大震災で落ち込んだが回復し、2012年1月にピークになった。しかし、その後下落した。ボトムは12年11月頃で、それから上昇した。これは、エコカー支援策終了からの落ち込みからの回復だろう。

 ただし、13年9月の指数98.5は、リーマンショック後のピークであった12年1月101.5に比べると低いことに注意が必要だ。そして、12年1月は円高期であったことにも注意が必要だ。これから見ても、12年11月頃以降の回復は、円安の効果とは考えられない。

 なお、13年9月の指数98.5は、08年2月の117.3の84%でしかない。製造業の利益は、円安効果でリーマン前の水準に近くなっている。しかし、中期的に見て、日本の輸出や製造業の生産が縮小したのは間違いないことなのだ。
http://diamond.jp/articles/print/44420


 


ECBの利下げ:ドラギ総裁の決断が正しい理由
2013年11月14日(Thu) Financial Times
(2013年11月13日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

欧州中銀、債務危機国の国債買い入れへ 1〜3年債を無制限に
イタリア人のマリオ・ドラギECB総裁は、イタリアのために行動しているという批判さえ出ているが・・・〔AFPBB News〕

 欧州中央銀行(ECB)の金融政策はずっと引き締めすぎの状態にあった。その証拠に、ユーロ圏のコア・インフレ率は2013年10月に前年同月比でわずか0.8%という水準に落ち込んでいる。

 先週行われた金融緩和は至極当然であり、実を言えばもっと早く行うべきだった。

 しかし、漏れ伝わるところによれば、政策委員会ではリファイナンス金利を0.5%から0.25%に引き下げる決定を巡って意見が割れた。ドイツの代表者2人――ヨルク・アスムセンECB理事とイェンス・バイトマン・ドイツ連銀総裁――とオランダおよびオーストリアの中央銀行総裁がそろって利下げに反対票を投じたという。

 加盟国間での意見対立が表面化することは過去にもあった。だが、それは物議を醸す計画、例えばマリオ・ドラギ総裁の前任者であるジャン・クロード・トリシェ氏が立ち上げた証券市場プログラム(SMP)や、ドラギ氏が2012年夏に始めたアウトライト・マネタリー・トランザクション(OMT)プログラムなどを巡る対立に限られていた。

 どちらのプログラムもソブリン債にのしかかる市場の圧力を緩和することを狙ったもので、政府のマネタリー・ファイナンシング*1をドイツが毛嫌いしていることを考えれば、論争になることは必然だった。

 しかし、標準的な金融政策に関する決断でこのように意見が対立したのは初めてだ。これは由々しき問題である。ECBの正統性が危うくなり、ひいては通貨同盟の正統性も危うくなってしまうからだ。

 一部からは、ドラギ氏がイタリアのために行動しているという非難の声すら上がっており、ドイツの代表者が金融緩和に反対したことはそうした疑惑に拍車をかけるはずだ。だが実際のところ、ECBによる主要な政策金利の引き下げは至極当然の決断だ。ECBは「2%を下回るが、それに近い水準」をインフレ目標としており、足元のコア・インフレ率はその半分にも満たないからだ。

低インフレを甘受してはならない4つの理由

 ドラギ氏も論じているように、この2%を下回るインフレ率を甘受すべきでないことについては説得力のある理由がいくつか存在する。第1の理由は、2%と表示されるインフレ率は実際には0%に近いかもしれないというもの。従来型の計測手法では、今現在のインフレ率はほぼ間違いなく過大評価されるのだ。

 第2の理由は、必要とされているユーロ圏内での競争力の変化は、平均インフレ率が2%であっても難しいことだ。名目賃金の引き下げに労働者が抵抗することを考えれば、インフレ率が0%に近い時にはなお一層難しくなるだろう。

*1=中央銀行が創ったお金で財政赤字を埋めること、日本では財政ファイナンスとも呼ばれる

 第3の理由は、インフレ率が0%に近づけば近づくほど金融政策は効き目が薄れることが多いというものだ。不況下ではマイナスの実質金利が必要になる可能性が高いことなどがその背景にある。実質金利をマイナスにすることは、インフレ率がプラスである時の方がはるかに実行しやすい。

 さらに、筆者はここに第4の理由を付け加えたいと思う。過剰な生産能力と高い失業率を考えれば、ユーロ圏はデフレに陥る恐れがある、というのがそれだ。ECBは、インフレ期待は固定されていると述べているが、自信過剰かもしれない。

 ECBの金融政策がずっと引き締めすぎだと見なせる理由はほかにもあり、容易に見つけることができる。まず、2008年第1四半期から2013年第2四半期にかけて、ユーロ圏の名目需要は1%しか拡大しなかった。名目域内総生産(GDP)も3.4%の成長にとどまった。「広義」のマネーサプライの指標である「M3」も、2008年後半以降はほぼ伸び悩んでいる。

利下げに対する反対論と、それに対する反論

 では、11月7日の利下げにはどのような反対意見が出たのだろうか? 第1に、利下げの決断は先送りしてもよいのではないかという反対意見が出されたという。しかし、この決断は既にあまりにも長い間先送りされてきた。決断が遅れれば遅れるほど危険は大きくなる。

 第2の反対意見は、この利下げを行えば非伝統的な政策手段の実行がさらに近づくというものだった。だがこれも、ECBが伝統的な政策手段の実行でもたつけばもたつくほど、極端な政策手段が将来必要になる可能性が高まってしまう。もしECBが2010年に政策金利を0%に向けて思い切って引き下げていたら、今日ある困難の少なくとも一部分は回避できたかもしれない。

 第3の反対意見は、ドイツの預金金利が低すぎるというものだ。だが、ECBのブノワ・クーレ理事が主張したように、この見方は間違っている。

 第1に、現在のユーロ圏のように経済が深刻なスランプに陥っている時には、貯蓄にはほとんど価値がない。第2に、ドイツの預金金利を決める最大の要因はドイツの長期国債の利回りであり、同10年債の利回りは現在1.8%となっている。しかし、利回りがこれほど低い水準にあるのはユーロ圏経済がスランプにあるからであり、かつドイツが資金の安全な避難先になっているからにほかならない。

建設会社経営者、資金難で銀行強盗に「転身」 スペイン
17カ国から成るユーロ圏の単一金融政策を運営するのは、極めて難しい〔AFPBB News〕

 ユーロ圏経済への支援が効果的でなければないほど、ドイツ国債の安全な避難先としての位置づけはますます揺るがなくなり、ドイツの預金金利はさらに下がることになるのだ。

 第4の反対意見は、ECBの金融政策はドイツには適しておらず、資産価格バブルを引き起こす可能性すらあるというものだ。

 それは確かにその通りだ。2007年以前に取られていた金融政策がアイルランドやスペインに適しておらず、資産価格バブルの原動力になったのとまさに同様な話だ。

 多様な国々で構成される通貨同盟で単一のインフレ目標の達成を要請される中央銀行は、いつかは、ほぼすべての加盟国を不安定化させる。しかし、それは通貨同盟への参加には必ずつきまとう現象であり、最大の加盟国とて免れることはできないのだ。

 2001年から2007年にかけてのユーロ圏のコア・インフレ率は平均1.8%だった。ドイツのそれは1.1%で、アイルランド、ギリシャ、ポルトガルおよびスペインのそれは3%に近かった。

 もしアイルランドなど4カ国とイタリアのインフレ率がこの1.8%という平均値を大幅に下回る一方で、ユーロ圏全体のインフレ率を2%に近い水準にとどめようというのなら、ドイツやそのほかの経常黒字国のインフレ率は2%を大幅に上回らなければならない。さもなくば、ユーロ圏全体のインフレ率は低すぎるものになってしまう。

 また、インフレ率が比較的高くなるこれらの国々では、現在困難に見舞われている国々が2008年以前にそうだったように、短期の実質金利がマイナスになるだろう。もしそうした調整に抗えば、危機の長期化や反対論者が嫌う低金利が避けられなくなることは確実だ。

ドイツがユーロ圏から離脱すれば、日本のようなデフレスパイラルも

進む円高の謎、世界経済の3つの逆説
ドイツがユーロ圏から離脱し、新ドイツマルクの実質レートが急騰すれば、そのインパクトは日本を襲ったそれに近いものになる・・・〔AFPBB News〕

 そんなことならユーロ圏から離脱した方がましだ――。ドイツにはそう結論づける人も多いかもしれない。その気持ちは分かる。しかし、その望みについては慎重に考えた方がいい。通貨同盟がなければ、その後で生まれる新ドイツマルクは急騰するだろう。

 この新通貨の実質レートの大幅高がもたらす影響は、日本を襲ったそれに近いものになる。ドイツの製造業生産の大きな部分が周辺諸国にシフトし、ドイツ経済はまず間違いなく景気後退に陥り、国内の物価が恐らく下落するのだ。

 そうなった場合、ドイツ連銀が現在強く反対している大胆な非伝統的政策手段が取られなければ、そのデフレスパイラルは激しいものになるかもしれない。それによって利益を得るドイツ人もいるだろう。だがそこで生じる混乱は大変なものになりかねない。

 それに比べれば、ユーロ圏の調整を成功させることに伴うコスト――ドイツが例えば3%のインフレになることなど――が法外だとはとても言えないだろう。

 そう、ECBには、ドイツにとって最適な金融政策を行うことなどできない。そもそも、そうするための組織ではないのだ。だがそれでも、ECBの金融緩和政策は、ほかの選択肢よりもはるかにましなのではないだろうか。

By Martin Wolf


 


2013年 11月 13日 16:11 JST
新興国通貨に新たな売り圧力

By ANJANI TRIVEDI
 米連邦準備制度理事会(FRB)の量的緩和縮小を懸念する投資家が一部の新興国市場から資金を引き揚げているため、新興国通貨はこの夏を想起させるような急落ぶりとなっている。

 8日に発表された10月の米雇用統計が予想よりも強かったことで、FRBは数カ月もすれば月額850億ドルの債券購入策の縮小を始めるとの期待が高まった。それ以外の米景気指標も堅調だったため、雇用統計をきっかけに米国債利回りは上昇し、多くの資金運用担当者から新興国市場の魅力が後退したとの声が漏れるに至った。

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Associated Press
バンコクでの反政府デモ(12日)。こうしたデモが投資家のセンチメントに重しに
 この数年間は、先進国における低金利や金融緩和策を背景に、投資家は相対的に利回りが高い新興国資産に投資先を求めた。米国や欧州諸国の債券利回りが上昇するにつれ、投資家は途上国から資金を引き揚げるようになった。

 12日には3営業日連続で下落した新興国通貨もあった。月初来では、ドルに対してインドルピーは3%、ブラジルレアルは3.2%、インドネシアルピアは2.2%それぞれ下げている。

 これらは5月半ばから3カ月に及んだ急落局面に比べれば小幅な下げだが、既に警戒姿勢を強め始めた投資家は多い。JPモルガン・アセット・マネジメントのポートフォリオマネジャー、ニマ・タエビ氏は最近、新興国市場への投資比率を引き下げた。

 タエビ氏は「こうした値動きから、人々が長期の持ち高を取ることに慎重になっていることがうかがえる」と言う。同氏はこれまでにメキシコペソや韓国ウォンの他、インドネシアルピア建ての国債を売却した。

 投資家は 10月の米雇用統計が発表される以前から新興国市場からの資金回収に動いていた。調査会社EPFRグローバルによると、新興国市場で運用するファンドマネジャーは11月6日までの週に、株式・債券市場から13億2000万ドルの資金を引き揚げた。つい先日の9月末には、週間ベースの流入額が24億4000万ドルに達していた。

 今夏に新興国資産が急落したのは、バーナンキFRB議長が5月、債券購入策の縮小に動く可能性を示唆したことがきっかけだった。この発言から数週間のうちに、インドルピーやトルコリラは対ドルで過去最安値を付け、ブラジルレアルも4年ぶりの安値に沈んだ。

 確かに、今夏に見られた大規模な資金流出と同じくらい足元の相場が急落することはないとみる投資家もいる。5月から8月にかけて新興国市場から退避したのは、個人投資家や比較的短期の取引を手掛ける投資家だった。長期的な見通しに基づいて投資を行う機関投資家の一部は、新興国資産はリスク要因を踏まえても、依然として割安だと述べている。

 投資家やアナリストの間では、FRBが間もなく(早ければ12月との見方も)量的緩和の縮小に着手するとの見方がある反面、欧州中央銀行(ECB)やイングランド銀行、日本銀行といった他の主要中銀は、緩和姿勢を(数年ではないにせよ)数カ月は維持するのではないかとの意見も多い。一部の資金運用担当者によると、このため利回り志向の投資家が高利回りの新興国市場に戻ってくることも考えられる。

 アバディーン・アセット・マネジメントのポートフォリオマネジャー、エドウィン・グティエレス氏は「5月や6月、そして8月のように相場が急変動することはないとみている」と述べた。

 グティエレス氏は、インドネシア、トルコ、ブラジルといった国々の通貨は、投資家を引き寄せる要因となる金利上昇の影響を以前より受けにくくなっていると指摘した。同氏が運用するファンドでは、メキシコペソとインドルピーの他、ブラジルレアル建て国債を保有している。

 新興国の中銀の中には、既に対抗策に打って出た中銀もある。インドネシア銀行(中央銀行)は12日、ルピア相場の下支えやインフレ抑制を目的に予想外の利上げを実施した。通貨安は輸入コストを押し上げ、物価全般の押し上げにつながる場合がある。

 この夏と同じように、特に深刻な打撃を受けている途上国は、輸入が輸出を上回り巨額の経常赤字を抱えている国々だ。

 モルガン・スタンレーの為替ストラテジスト、ジェフ・ケンドリック氏は「インドやインドネシアなど、赤字の穴埋めが深刻な問題となっている国々が特に売りを浴びている。また、タイも一定の売りにさらされている」と述べた。同社では、こうした理由から「5弱通貨」と呼ぶインドルピー、ブラジルレアル、トルコリラ、インドネシアルピア、南アフリカランドへの投資は避けるよう投資家に助言している。

 南アフリカランドは10月以降、ドルに対して7%余りも下落し、約5年ぶりの安値に迫っている。リラも対ドルの下落率が5%近くに達している。

 また、フィリピン市場も下落し、アジア市場の混乱に拍車を掛けている。同国では超大型の台風30号の影響で深刻な被害が出る中、株式市場は今月4%下落した。一方、タイへの投資家心理は、バンコクで続く反政府デモが重しとなっており、主要株価指数のSET指数は11月6日以降に1.5%下落した。

 バークレイズのアナリストは調査リポートで「海外要因に大きく左右される通貨、あるいは、今後世界的な流動性状況が引き締められた場合への準備がほとんどなされていない地域については警戒することが望ましい」と指摘している。


 

2013年 11月 12日 19:15 JST
ルー財務長官、安倍首相や麻生財務相との会談で「第3の矢」の実行要請

By IAN TALLEY
 【東京】来日中のルー米財務長官は12日、安倍首相らと会談し、安倍政権の掲げる「第3の矢」の実行を首相に強く要請した。安倍政権の経済政策が頓挫することになれば、米国の景気見通しが損なわれかねないとの懸念が背景にある。

 一方、安倍首相や麻生財務相は、ルー長官との別々の会談で、米国の予算問題に言及。安倍首相は「政府・議会で引き続き適切に対処され、解消されることを期待する」と述べた。

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Bloomberg News
東京での会談前に麻生財務相と握手するルー米財務長官
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【寄稿】米国とアジアの経済改革と協力が重要=ルー米財務長官
 一方、麻生財務相はルー長官との会談後、記者団に対し、米国の債務上限問題について「来年2月までに延長されたにすぎず、10月の状況がさして変わったわけではない」と発言した。

 米国で債務問題をめぐる与野党対立が広がるなか、オバマ米政権は日本経済の回復と環太平洋経済連携協定(TPP)の交渉妥結により、米国の輸出が押し上げられるとともに、脆弱な米景気回復が必要としている後押しに期待を寄せている。

 しかし、米国、特に自動車メーカーから、日銀の大規模な金融緩和策の結果としての円安により、米企業が不利になっているとの不満も出ている。

 ルー長官は安倍首相や麻生財務相との会談に先立ち、ウォール・ストリート・ジャーナルへの寄稿で、「デフレの終結を歓迎するが、日本が内需の伸びを強化するために必要な持続的な成功を達成するためには、輸出への依存を回避し、為替相場をターゲットとしないという約束を引き続き尊重すべきだ」との見解を示した。

 ユーロ圏が深刻なリセッション(景気後退)を抜け切れず、アジアから中南米に至る新興諸国の景気拡大が鈍化するなか、日本の最近の経済成長は世界経済のなかで明るい材料となっている。日本が環太平洋経済連携協定(TPP)交渉で妥結する見通しが広がっていることから、米国をはじめとする諸外国にとって新たな輸出機会への期待が高まっている。当局者らはまた、TPPにより、中国の経済自由化の加速が促進される可能性があると考えている。

 また、甘利経済財政・再生担当相はルー長官との会談で、TPP交渉について年内妥結を目指す方針を確認した。その上で、今後横たわる課題を強調。日本が保護を求める主要農作物5項目をめぐる政治的な敏感さが浮き彫りになる形となった。

 米財務省報道官は会談後に「ルー長官は日本が改革の第3の矢へのコミットを維持することへの期待を表明した」と述べた。さらに、ルー長官は「安倍政権が景気拡大につながる内需押し上げに効果的な政策の実行に成功することがいかに重要かを強調した」と続けた。

 

2013/11/12 6:35 pm
日本の個人投資家の大半、近い将来のデフレ終了を予想


Bloomberg News
銀座の買い物客(9月8日)
安倍晋三首相の経済政策「アベノミクス」を批判する人々は、日本の凝り固まった「デフレ思考」―― つまり、リスクテークや支出ではなく、慎重でキャッシュをため込む傾向――に対する容易な改善策はないと指摘する。しかし、価格が下落し続けるとの信仰を払しょくすることは、おそらくそれほど難しい仕事ではないだろう。

ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメントが日本の個人投資家1000人を対象に10月に実施した意識調査によると、回答者の56%はデフレが間もなく終了し、物価が緩やかに上昇し始めると予想していると答えた。その一方、悪質なインフレリスクを指摘した回答者は21%にとどまった。この調査結果は今月下旬に正式に公表される予定だ。

1年前に実施された同様な調査では、回答者の31%が国内の物価が低下し続けると予想していると述べた一方、回答者の44%は日本を含め世界的なデフレトレンドを予想していると回答した。日本でのインフレリスクの可能性を指摘したのは12%にとどまっていた。

日本経済に対する投資家の見方を踏まえれば、こうしたセンチメントの変化は特筆すべきものがある。日本経済の見通しについて、今年の調査では回答者の69%が1年後のプラス成長を予想していると回答した。昨年の調査では、73%がマイナスもしくはゼロ成長を予想していた。

また、今年の調査では、今後一年間の経済成長が最も期待される国々のリストの上位に日本が躍進、米国と中国、ブラジルの後に続いた。昨年の調査では日本は9位で、経済成長が最も速いペースになると期待されていた上位3国はブラジルとインド、インドネシアだった。

日本経済は今年第1四半期(1‐3月期)と第2四半期(4‐6月期)にそれぞれ年率3.8%と4.1%の伸びと、先進7カ国(G7)の他の諸国よりも高い成長率となった。こうした状況を受けて、センチメントが改善している。ウォール・ストリート・ジャーナルが調査したエコノミストたちは、第3四半期(7‐9月期)の日本の国内総生産(GDP)が1.7%増加する公算が大きいと予想している。第3四半期GDPは14日に発表される。

今回の調査は金融資産3000万円以上を保有する20歳以上の投資家だけを対象としていることから、センチメントの大幅反転が日本国民のごくわずかに限られている可能性があることは確かだ。この全国的な調査は社外の市場調査会社に委託して実施され、金融とマーケティング、広告関連の職に就く回答者やその家族は含まれなかった。

ただ、日本のより長期の経済見通しについては、回答者はそれほど楽観的ではなかった。10年後の経済についての質問には、回答者の39%がマイナスもしくはゼロ成長を予想していると回答した。また、最も成長率が高い国としてはインドを予想した。日本と米国、中国の経済成長の長期見通しは、1年後の見通しと比較すると総じて低かった。

調査対象となった個人投資家の現在のポートフォリオを見ると、44%が資産を円預金や現金で保有しており、これは昨年の調査からほとんど変わらなかった。今年の調査では、日本と先進国の株式の保有率は若干の増加にとどまった。将来的に何に投資したいかとの問いには、昨年より多くの人が日本株と不動産投資信託を挙げた。現金と円預金を挙げた回答者は減った。

安倍首相の次の課題は現在、これまで投資したことがなく、おそらくデフレ環境の中でリスクをとる必要性を感じたことがなかった日本国民が保有する巨額の資産にいかに切り込むかだ。首相がこれを達成できるかどうかは大きな疑問だ。

記者:KANA INAGAKI

原文(英語):Most Japan Investors See End to Deflation, Goldman Survey Shows
http://blogs.wsj.com/japanrealtime/2013/11/11/most-japan-investors-see-end-to-deflation-goldman-survey-shows/

[12削除理由]:無関係な長文多数


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