株式の暴落が遅延されれば、最後の大ジャンプをする。この最後の大ジャンプは、偽装蜃気楼されたＧＤＰと輸出と原材料輸入企業の、史上最高の売上と利益の架空のトランポリンを踏台にして可能となる。そして万が一破裂しても、その影響は限定され、景気は軟着陸できるに違いない。そう、世界のエコノミストたちがそう考えるのも無理はない。

国の景気循環は、長期の景気下降期には、三年半前後の景気の山と一年前後の谷の長さが反転し、山は一年前後しか回復することができない。このままだとアベノミクスは1年半しか持たない。

つまり、本物の長期ブームは、三年間もかけて市場を拡大して認識されるのに対し、ニセ物のファドは、最初の年をピークに突然登場するため、記憶に残る。1年半なのである。

2015年〜2017年は，まるで台風の目の中にスッポリと入ったように見えるだろう，株価は時折突風が吹き抜け、次に襲来するかもしれない「嵐の前の静けさ」も予感させながら雲の移動速度は速く通り過ぎる。株式相場は、資本主義経済の信用膨張と収縮のインジケーターである。「相場は相場に聞け」と逃げることになる。

株式市場大暴落の前後を振り返った記録は沢山ある。どの記録も、経済指数が過去の記憶を塗り替えている。バブル崩壊の前兆は全く見えなかったという点で一致している。株式大暴落を予測するには、２ヶ月半から３ヶ月ごとに、概念が反転するのを観察しなければならない。過去一年間に、暴落を繰り返すと株大暴落への見えない暴落に移行する。そして、迫りくるバブル崩壊のインジケーターの足音が振り切れるタイミングも予知できない。

「オリンピック迄は、中国政府は、株の暴落を絶対に許すハズがない」福島汚染水もコントロールしたなどと、世界の投機ファンドが固く信じている，だが、彼らは過去の経験から、その信念を反転させ、何時でも逃走する半身の構えで、投機を継続しているのだ。そして放出され売り出し価格を政府は絶対に割ることはしない、と信じられて逃げられ暴騰し暴落する。

アベノミクスは「株バブルさえ復活すれば、すべてが好転する」という思考から脱出することができない。そのため、次々に発生する目先の処理に追われ、根本的解決が先送りされる。日銀は金利を上げられないが、日本経済が世界の景気の足を引っ張ることなんて絶対ありえない」と錯覚する。

ドル暴落や香港ドル重なると大暴落が避けられない。全国の銀行を一斉に閉めるモラトリアムに追い込まれる。一千万円以下の預金の返済を保証しても、一日でも死に金になることを避けるため取付け騒ぎは拡がる。今回は、銀行や信用金庫や郵便局の窓口で投資信託を売っているため、投資信託の解約取付け騒ぎが、銀行の預金引き出しの取付け騒ぎに先行して発生することが避けられない。取付け騒ぎは、マスコミ報道のセイであり、一部の銀行や証券会社の経営の不手際であり、地域的な失策だと考える。そのため、モラトリアムは避けられなくなる。モラトリアムが、ギリギリまで引き延ばされるのは、暴動を恐れるためだ。今回は、カードが普及しているため、ＡＴＭを完全停止しないと、公平に一文無しにはならない。公平感が崩壊すると、相互扶助の精神は発生しない。不公平感が発生すれば、暴動の発生は不可避となる。

そして、アベノミクスバブルの破裂崩壊により、再び、パンドラとバブルの箱は閉じられる。それは、常識・経験則・既成概念を否定するため、黙殺・拒絶が避けられない。