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このままじゃ国交省の思う壺!? 発着枠を巡るJAL対ANAの泥仕合 (現代ビジネス) 
http://www.asyura2.com/13/hasan83/msg/872.html
投稿者 赤かぶ 日時 2013 年 11 月 19 日 08:55:00: igsppGRN/E9PQ
 

このままじゃ国交省の思う壺!? 発着枠を巡るJAL対ANAの泥仕合
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/37574
2013年11月19日(火)町田 徹 :現代ビジネス


 日本航空(JAL)と全日本空輸(ANA)がまたまた、水面下で、政治家、官僚、学者、マスコミの支持をとりつけようと激しいロビイング合戦を繰り広げている。

 直接の引き金は、国土交通省が先月、羽田空港の国際線発着枠の配分で「11対5」とANAに破格の大盤振る舞いをしたことだ。

 この発着枠は、1枠が年間50億円を稼ぐと言われるドル箱である。

■JALもANAも、戦う相手を間違えている

 JALは直後の記者会見で、植木義晴社長が「根拠が不透明。次のステップを考えざるを得ない」と行政訴訟すら厭わない姿勢を見せて見直しを要求し始めた。

 再度の意見書提出も含めて、何らかのアクションを月内にも打ち出す公算が高い。

 対するANAにとっては、国策救済によって世界有数のエクセレント・カンパニーに生まれ変わったJALが次々と繰り出す運賃の値下げや新型航空機の導入は大変な脅威。大差の発着枠獲得にも「この程度では是正措置として不十分」と1歩も譲らない。

 結果として、両社のロビイング合戦は泥沼の様相を帯びている。

 しかし、両者は闘う相手を間違えているのではないだろうか。

 そもそもの事の発端は、まだ自主再建の道を探っていたJALを破綻処理に追い込んで、民主党政権の政治的パフォーマンス作りに手を貸した航空行政の失敗だ。

 今回の発着枠の配分も、民主党政権の業績を潰したい自民党政権の横やりに屈したものに過ぎない。繰り返される理念なき業界への介入は、海外から見れば、自国の2大航空会社のとめどなき優遇策だ。いつ、保護主義批判が沸き起こってもおかしくない。

 JAL、ANAはそろそろ、足の引っ張り合いをやめて、見識なき航空・交通行政に立て直しを迫るべきではないだろうか。

 今回の発着枠の差別待遇は、昨年末に行われた国内線の発着枠に続くものだ。

 国内線では、ANA8に対しJAL3と差がついた。国内線の発着枠は、1枠当たり年間平均で10億円程度稼ぐとされている。

■ANAはJALより稼げそう@羽田国内線

 つまり、ANAは羽田の国内線で、毎年50億円程度、JALよりたくさん稼げるチャンスを得たわけだ。

 次いで、ANAは今回、年間平均で1枠当たり50億円程度を稼げるという国際線の発着枠を6枠多く獲得した。国内線を合わせると、羽田で、年間350億円をJALよりも余分に稼げる機会を獲得した計算になる。

 この差別待遇に、JALは植木社長以下、会社をあげて不満を募らせている。

 同社の広報担当者は「問題は、羽田での稼ぎにとどまらない」という。
 同社の国際線のドル箱が成田(新東京国際空港)に偏っているからだ。

 多くの首都圏の在住者にとって、成田は羽田よりアクセスが不便なため、成田の大減収も避けられないと懸念しているのだ。

 一方、ANAは、JALが受けた国策救済に比べれば、経済的な価値が小さく、まだまだ不十分という。

 実際、企業再生支援機構が平成10年1月に決定した再建プラン「日本航空に対する支援決定について」をみても、当時、JALは3,000億円以上の公的資金の資本注入と、官民の銀行から債権カットを主体とした約7,300億円の金融支援を受けているのだ。
 これ以外にも、JALは、当面の資金繰りのための6,000億円相当の繋ぎ融資を受けている。

 こうした手厚い支援の結果、JALは世界有数の高収益航空会社に生まれ変わり、2011年度から2年連続で2,000億円前後の営業利益を稼ぐ会社になった。

 その収益力をバックに、法人向けの運賃の割引、通常のエコノミークラスより座席がゆったりしたクラスJの増強、新型大型機エアバスA350の31機購入(投資額推定9,500億円程度)など、次々と攻勢をかけている。 

 これに対して、ANAは「ただ今、現在、使える投資資金に差があり過ぎて、将来、発着枠の優遇で、少しぐらい、これから稼ぐ機会が増えると言われても、とても納得はできない」と、さらなる支援格差の是正策を求めて行く構えをみせている。

■問題は無定見なJALの国策救済

 両社に、それぞれ言い分があることは、理解できる。

 特に、ANAの言い分は切実だ。しかし、こうした国策救済や国策是正は、すべての会社が同じタイミングでまったく同じ内容の支援を受けるのでなければ、必ず、それぞれに不満が残るものである。政治家や官僚が介入すればするほど、事態は複雑になり、しこりが大きくなる。

 むしろ、問題は、最初に市場競争に与える影響を最小限に抑える対策を打たないまま、無定見にJALの国策救済に乗り出したことである。

 雇用縮小や連鎖倒産を防ぐために必要な場合でも、欧米では、国策救済に乗り出す場合、様々な弊害の予防策を講じるのが当たり前のことである。

 ところが、JALのケースでは、民間ベースで抜本的な経営体質の改善と引き換えに、まず数カ月間の資金繰り援助をしたうえで、さらなる再建策に取り組むプランが固まりつつあったにもかかわらず、誕生直後の民主党政権の前原誠司国土交通大臣が「白紙撤回」発言をして、あと先を一顧だにしない国策救済に向かった経緯がある。

■見て見ぬふりを決め込んだ公取委にも責任アリ

 昨年末と今回、発着枠の配分で大きな格差を付けたのも、そうした失敗の是正というよりは、「民主党政権の成功例」などと持て囃す向きが絶えないJAL再建に冷水を浴びせたい自民党政権の思惑を反映したものに他ならない。

 こうした政治家の尻馬に乗った国土交通官僚の不見識や、問題を見て見ぬフリをした公正取引委員会にも大きな責任がある。

 ところが、国交省がJALの要求に応じて公表した「発着枠の配分の考え方」をみると、「我が国航空会社間における競争環境に不適切な歪みが生じつつある」とか「我が国航空会社間における健全な競争環境の確保及び利用者利便の増進を実現することが困難となるおそれが生じる」と、同省がいまだに大きな歪みが出たことや国策救済が失敗だったことを認めまいとしていることが浮き彫りだ。

 東日本大震災後の電力、原子力発電行政を巡る混乱や、みずほ銀行の2年にわたる暴力団取引の放置やウソの報告を見抜けなかった金融行政にも通じることだが、監督される側の業界のレベルが低ければ、監督する官庁のレベルもなかなか向上しないものである。

 JALもANAもそろそろ、自社に有利な支援を政治家や官僚におねだりする態度を改めなければ、国策救済や国策是正の名のもとに節度のない行政の業界への介入が繰り返されるばかりだ。

 羽田空港の運航空域・ルートの見直しや滑走路の再拡張、JRの東京、品川、新横浜駅などと比べて極端に不便な空港へのアクセスの改善など両社が協力して是正を迫るべき航空・交通分野の課題は山積みのはず。

 JALの植木社長だけでなく、ANAホールディングスの伊東信一郎社長にも期待したい方針の転換がここにあるのではないだろうか。


 

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