防空識別圏を設定する直前に中国の人民銀行はドルを買い増さないと表明、借金生活の米国は激怒
http://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201312040000/
2013.12.04 　櫻井ジャーナル

　アメリカと中国との関係が緊張してきた。中国が東シナ海に設定した防空識別圏の話をしているわけではない。防空識別圏を設定する3日前、先月20日に人民銀行の易綱副総裁が外貨準備高を増やさないと表明、つまり中国はドルを買い増さないと語ったことが切っ掛けだという。
http://www.bloomberg.com/news/2013-11-20/pboc-says-no-longer-in-china-s-favor-to-boost-record-reserves.html

　資金が流れる先を読み合うのが投資であり、手の内を事前に外部に知らせることは基本的にないわけだが、財務省証券の格付けが下げられて話題になった2年前、すでに中国はアメリカの債務問題に懸念を表明し、軍事費や社会保障費の削減するように求め、「新たな安定した国際的な準備通貨という選択肢」にも言及している。「社会保障費の削減」を求めるとは、さすが「資本主義国家」だ。
http://jp.reuters.com/article/forexNews/idJPnTK895971020110807

　この時点でドル離れを進める可能性を中国は示していたわけだが、中国に限らず、世界的にドル離れが起こっていることは事実。カネ貸したちに生産システムを破壊され、借金で生活するしかないアメリカとしては悪い情報だ。何十年か前なら日本に中国を侵略させ、富を奪うという手もあったが、今は無理だろう。あとは朝鮮を使うか・・・

　アメリカの財務内容を健全化する最善の方法は連邦準備制度を止め、別の仕組みにすることだと言う人もいるが、この制度にメスを入れれば現在の支配システムが崩壊する。つまり、今の支配層は没落するわけで、現在の支配層がそうしたことをする可能性はないに等しい。

　連邦制度をこのままにするなら、中国に対してあらゆる手段を使ってカネを出すように圧力を加え、日本へもドル買い、つまり財務省証券を買い増すように求めるのだろう。日銀が行っている「異次元の金融緩和」も長引く、いや抜け出せなくなるかもしれない。自分たちの個人的な財産を膨らませ、権力欲を満足させるために日本の「エリート」はアメリカの好戦派へ日本を差し出しているが、そのアメリカは沈み始めている。日本沈没。

　アメリカと中国との対立は金融だけでなく、経済の世界でも展開されている。例えば、リビアのムアンマル・アル・カダフィ体制を「西側」が潰したのは、カダフィが進めていたアフリカをひとつの共同体にする計画を潰すことにあったと言われている。そのアフリカは旧宗主国と縁を切り、BRICS（ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ）などの国々、中でも中国に接近していた。欧米の支配層はアフリカに持つ利権を拡大するどころか失う瀬戸際だった。

　中国、ロシア、カザフスタン、キルギスタン、タジキスタン、ウズベキスタンで構成され、インド、モンゴル、パキスタン、イランがオブザーバー国になっているSCOでも中国とロシアは中心的な存在。そのロシアもドル離れの動きを見せている。

　アメリカへの信頼が低下していることもあるのだろうが、最近、アメリカから自国へ金を引き揚げる国も相次ぐ。イラン、リビア、ベネズエラだけでなく、ドイツも同じ動きを見せている。ドイツに対し、アメリカの連邦準備銀行は2020年まで待てと拒否したというのだが、この反応がさらに不振を高めることになった。

コメント
01. 2013年12月05日 17:28:40 : nJF6kGWndY >連邦制度をこのままにするなら、中国に対してあらゆる手段を使ってカネを出すように圧力を加え、日本へもドル買い、つまり財務省証券を買い増すように求めるのだろう。日銀が行っている「異次元の金融緩和」も長引く、いや抜け出せなくなる 笑える 全然、わかってないね
02. 2013年12月05日 21:32:12 : hXvkNL5IIw どちらも血迷っていることに違いはない。　所謂超富豪の支配者なるものにしてみれば、自分が安全で且つ儲けられるのであれば、FRBを潰しても構わないと思うかもしれない。　世界中の市場は大暴落して悲惨なことになるが、超富豪の支配者なるものは笑って眺めているとも言える。　暴落の底になった時、買に入れば世界中の資産が安値で我が物になるってね。　それなら俺も提灯をつけるって言う人もいるだろうが、大混乱の最中にそんな離れ業が出来るのは、度胸のほかにゆとりも必要だろう。　ゆとりだけじゃなくて、暴力装置も必要かな。
03. 2013年12月05日 23:46:59 : ImOQE0Zm5I イラク戦争の戦費は中国に出させたと言われている。それでも中国は外貨が積み上がっている。リーマンのあとガイトナーが中国に日参していたような気がする。そしてオバマ習会談。アメリカは中国に頭が上がらないところまで来ているのではないか。ここらあたりで打開策を見つけねばならない。残る道具は日本しかないだろう。日本もお金を垂れ流し出した。きな臭いにおいもしてきた。日本は捨石にされるのだろう。ケネディさんの笑顔以外何の見返りもなく全てを失うような事だけは止めて欲しい。しかし残念ながら日本政府も安倍も完全にハマっている。まるでアリ地獄に落ちた状態である。リーマン以後着々仕組まれた罠にはまっしまった。これはアラブの春を日本にも起こさない限り抜けられない。もう時間が無い。
04. 2013年12月06日 01:40:48 : XEfI92UWuw 結局、有色人種が豊かになることが、どーしても許せないだけなんじゃない？ 日本を豊かにさせたのはアメリカの一部だったからで。 有色人種がまとまってちからあわせちゃえばいいと思うー
05. 2013年12月06日 07:13:07 : sUpHQ8Q75g > 日本へもドル買い、つまり財務省証券を買い増すように求めるのだろう。 日本に対する要求は買い増しじゃなく債権放棄なｗ 米政府がいつから債権放棄を迫り始めたかは知らんが 子鼠政権より前から 外貨準備相当＝約１兆円の対米債権放棄を求められてたらしい それに応じないと小渕のように殺されるか 橋本のように捏造スキャンダルか森のように事件の対応が悪いとマスゴミに攻め立てられ 結局失脚させられる 安倍や福田の時には債権放棄を決断できずにぐずぐずしてるうちに大地震が起き その後数ヶ月以内に意味不明な総理退陣劇ｗ さすが売国奴子鼠は子ブッシュに対して『ある時払いの催促無し』で良いと言って 子ブッシュを大いに喜ばせたのは有名な話 言葉を変えりゃ『返さなくてＯＫ』つうことだが 子鼠ごときが国民の合意無しに宣言できるわけもなく完全な越権行為 自分の私財で賄って欲しいもんだが 死罪で償ってもらっても別に構わん
06. 2013年12月06日 10:08:11 : ImOQE0Zm5I ＞０５ そうですね。米国債は絵に描いた餅だ。買えば買うほどお金をドブに捨てた事になる。ドイツが金塊少し返して言ったら待ってくれと言ったようだが銀行にお金をおろしに行ったら7年ほど待って欲しいと言われたに等しい。同じ米国債でもアラブや日本の米国債と中国の持っている米国債は違うだろう。一方は無価値だが一方はお金だ。中国が黙っているはずはない。いつでも売りに出るだろう。アメリカに対する世界一の債権国としての立場は強い。今や中国はアメリカの目の上のたんこぶだ。中国もアングロサクソンやユダ金にとんでもない目に会ってきた事だけは間違いない。これをきっかけに反転功勢をかけても不思議はない。日本がそれに巻き込まれ人身御供になるのだけは避けて欲しい。しかし昨今の様子を見ると完全にハマっている。歴史を見ればインディアンどうしを戦わせた事、アラブどうしを戦わせた事今回もいつもの作戦ではないかと疑うのは私だけだろうか。
07. おじゃま一郎 2013年12月07日 01:32:20 : Oo1MUxFRAsqXk : pUJgGTXmCs ＞防空識別圏を設定する直前に中国の人民銀行はドルを買い増さないと表明、 ＞借金生活の米国は激怒 中国は１０月に外貨準備が過去最高になった。これは日米の金融緩和 （＝自国通貨安政策）で、固定相場を保つため為替介入をしていたからである。 しかし、それに耐えられなくなり、為替の変動幅を大幅に拡大することに なった。さらに上海特区で、資本投資の自由化を認めることになった。 これは中国にとっては非常に大きなリスクであるが、米国は、中国が自由主義に 近づいたことで歓迎するであろう。

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