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企業寄り傾斜配分の構造を変えなければ国民生活は回復しない!! (神州の泉) 
http://www.asyura2.com/13/hasan84/msg/468.html
投稿者 かさっこ地蔵 日時 2013 年 12 月 16 日 16:26:14: AtMSjtXKW4rJY
 

http://shimotazawa.cocolog-wbs.com/akebi/2013/12/post-4ef4.html
2013年12月16日


経済政治学者の植草一秀氏が『日本経済撃墜-恐怖の政策逆噴射』(ビジネス社)という新著を出された。

今読んでいる最中だが、その中で最も神州の泉の関心を惹いた項目は、第2章「アベノミクス劇場の終焉」にある“安倍政権の成長戦略は国民に百害あって一利なし”だった。

植草氏は、安倍成長戦略は短期的には経済効率が高まり株価にプラスであるが、中期的には弊害を惹き起こすという。

資本と労働は両者の活動成果として生み出された所得を分かち合うが、それは非常に怜悧なゼロサム構造を持っていて、両者のどちらか一方にパイの取り分が傾けば別の方の取り分が少なくなるという話である。

神州の泉は小泉政権以降、国政がコーポレートクラシー(=企業利益優先主義)に転換してから、このゼロサム構造は圧倒的に所得配分が企業に傾斜し、国民は過酷な搾取を強いられていることを実感している。

株価の上昇は下降にくらべれば明らかに景気賦活の可能性を持つが、それが庶民レベルにたいして配分の向上をもたらすものではない。
そこが大問題なのである。
植草氏は、この項目で過去20年間で法人税は1/3になり、消費税は同期間で3倍になっていると指摘、また、安倍成長戦略の中身を、農業、医療、解雇の自由化、経済特区、法人税減税の5つに整理している。

これらは第185回臨時国会で成立した産業競争力強化法や国家戦略特区法の問題点と見事に重なっている。
資本が純粋に利益を追求するときは、労働コストや社会コストが削減されることは冷徹な理屈である。

神州の泉はこの資本原理によって国民が不利益をこうむらないように調整するのが政治の役目だと思っている。
だとすれば、小泉政権以降、鳩山政権を除けば、国政の指針は完全に企業寄りに変質してしまったと言えるだろう。
コーポレートクラシーの構造的な問題点は国民生活が犠牲になることである。

これに手を付けずに、幻想のトリクルダウン・セオリーで国民を騙している政策がアベノミクス第3の矢という政策群なのである。
その意味で佐藤優氏が『国家の罠』で公平配分から傾斜配分に国政が切り替わったという事実をきちんと認識し、これを逆ベクトルに戻して、再び国民に適正な配分が行き届くようにする必要がある。

日本人から中流生活層が消えたのは失われた20年が直接的な原因ではない。
大元の原因は所得配分が外資や大企業へ傾斜配分になったまま固定化しているからである。
配分の問題に触れずに、大企業や外資への傾斜配分のままで、政策にどのような美辞麗句を弄しても国民生活は逼迫化、困窮化へ向かうだけである。
その意味で、国家戦略特区法が外資の投資だけを強調して法人税の優遇税制に固執していることは、国民にとって恐ろしい現実が待ち受けていることを意味する。

コーポレートクラシー(企業利益優先主義)をこのまま進めれば、国民はブラック企業の奴隷状態に転落し、明日をも知れぬサバイバルの危機にさらされる。
政府は人材の適所適材活用や労働様態の多様性を名目に解雇の自由化を狙っているがとんでもないことだ。
これは労働者を使い捨てにするための企業側の論理である。
企業が労働者を搾取対象としか見ていないこのような状況で、日本人の高度な潜在力が発揮されるわけがない。
したがって、今の傾斜配分のままで進めば日本全体の国力・生産力はますます落ち込む方向にしか進まない。

だから、植草一秀氏が『日本経済撃墜』の“安倍政権の成長戦略は国民に百害あって一利なし”は全くその通りだと読んでいて思った。

もう少し感想を述べてみる。

神州の泉は経済学には素人なので、正直アベノミクスの金融緩和政策や財政政策という第1の矢、第2の矢については積極的に意見をさしはさむ立場にないのだが、第3の矢である“成長戦略”については、素人なりに言いたいことが山ほどある。
経済や政治に素人目線であっても、小泉政権時代から国民生活に関わることとしてウォッチしていると、安倍政権の唱える成長戦略がいかに危険なものであるかがよく分かる。
この成長戦略は日本国民のためにあらずである。

これは小泉構造改革への強い疑問から出ているが、かの政権以降の国政は、個別の生活問題として見た場合、その人が専門的な経済用語を知ろうと知るまいと、国民が政府に望む政策は“傾斜配分”から“公平配分”へ切り替えてほしいの一点に尽きるのではないだろうか。
グローバリゼーションの非人間性、非社会性をきちんと認識し、そこから脱却して真に人間のための政治や経済を指向しないと日本はもう時間が遺されていない。
日本人から中流生活層(中間層)が消え、所得格差社会はいまだに加速し続けている。

「しんぶん赤旗」を参照すると、年間通じて年収200万円以下のワーキングプア(働く貧困層)が急増し続けている。
9月27日に発表された国税庁の民間給与実態統計調査2012年度分によると、年間200万円以下の民間労働者は1090万人で2006年以来7年間連続で1000万人を超えた。

1997年からの15年間では1・3倍の急増だという。これは1999年に労働者派遣法が改悪された結果、それまで限定的だった派遣対象の職種ジャンルが原則自由化されたことに起因している。

安倍政権の経済政策は基本においては小泉政権の対米従属型の新自由主義型構造改革路線であるが、政治経済学者の植草一秀氏の新著『日本経済撃墜』(ビジネス社)の前書きによれば、菅・野田政権が景気無策の末に増税路線で叩き落した低迷にくらべると、金融緩和政策が日本株価の急騰に誘導したことは評価できると言っている。

植草氏を参照すると、小泉政権と安倍政権には決定的な違いが見られるという。
小泉政権の景気推移は凹型であり、第二次安倍政権は凸型になりそうである。

小泉政権発足当初の2001年5月7日の日経平均株価は14,529円だったが、2003年4月28日には7607円に暴落、政策の不自然な切り替えで、その後の株価は持ち直していったが、竹中平蔵氏はこの凹型の推移を“成長した”と嘯(うそぶ)いている。

一方、第二次安倍政権は金融緩和政策で長期金利の低下を促し円安を誘導、結果的に株価の押し上げを実現したことは評価できると植草氏は言う。

しかし、と彼は言う。

適正な財政構造政策が実行されるならよいが、シロアリ官僚はシロアリ退治の道筋を忌避したまま、シロアリ退治なき消費税増税の道筋をつけてしまったことは、国民が求めるものとは真逆のコースを敷いてしまっているという。
植草氏は安倍政権の本当のリスクはこれからであり、それは経済のみならず、原発、憲法、TPP、沖縄、戦争などへの姿勢が日本を根幹から改変しかねない危険を秘めているという。

安倍政権の政策思想は完全にコーポレートクラシーであり、ひと言で言えば企業利益最優先社会の構築を目指している。

自民、公明両党は2014年度税制改正大綱を12月12日に決めたが、まだ目を通していない。
伝え聞くところによれば、政府は消費税10%時点で軽減税率を導入することは税収が減るからなどと言って渋っているそうだが、もともとシロアリ退治を無視して強行された重税路線が国民生活を配慮するはずがない。
最初から搾り取ることだけが目的なのである。
国際金融資本は成長戦略のコスプレを羽織って日本収奪を企み、財務省は搾り取ることだけに特化した重税路線を強いる。
このように国民生活を奈落に突き落とす国政はもうたくさんである。

 

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