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「健康と長寿」の根源を語る02 血圧の多様性を理解する(2)  武田邦彦 
http://www.asyura2.com/13/health16/msg/362.html
投稿者 赤かぶ 日時 2014 年 5 月 11 日 18:07:27: igsppGRN/E9PQ
 

「健康と長寿」の根源を語る02 血圧の多様性を理解する(2)
http://takedanet.com/2014/04/post_a5c9.html
平成26年4月24日 武田邦彦(中部大学)



「血圧が高いほうが健康で、血圧が低いほうが命の危険が低い」という考え方は正しいでしょう? それとも「血圧の正常値は130、至適血圧119」という表現がより正しいのか?


もし厚労省が新鮮味のある政府機関で、医学界が製薬業と分離されていて、学会のボス同士の勢力争いなどがなければ、「至適血圧119」を信用してよいでしょう。でも、今の状態では「自分の命と健康」を「政府と審議会の言うこと」に託することは少し無理があります。そこで、本当のことを良く知っておきたいと思います。


第一回は、「血圧は必要があって高い」ということを整理しました。血圧が低いと病気になりやすい傾向があることは間違いありませんが、かといって高くても良いということでもないのではということを指摘しました。まずは「低ければ低いほど良い」という現在の認識はややバランスを欠くと思われるからです。


第二回目は「正常値120」というのは、1)個人に適応できるのか、2)血圧に「正常値」というものがあるのか、について整理をしてみます。


あることを論理的に考える時には、最初に「前提」を決めておいた方がしっかりします。この時「前提」が正しいかどうかを最初に考えると堂々巡りをするのだ、最初は「とりあえず、そうする」ぐらいに曖昧に決めるのが、頭の整理には便利です。


この場合は、「現代の60歳代の日本の男性は健康だ」として、血圧の問題を考えてみます。現代の60歳代の日本の男性は「健康な生活」をしていると厚労省もWHOも認めていますので前提としては一応の根拠があるでしょう。



人間ドッグ学会は全国で測定されたデータベースをそのまま公表していますので、これまでのメタボのように「何を根拠に数字を決めたのか」もわからないという状態ではないのですが、それでもなかなか理詰めで行くと不明なデータもあります。


まず、従来から60歳代の男性の「平均の血圧(高いほう)」は142とされています。しかし、これまで「正常な血圧」は120から129とされていたので、この値を使うと、60歳代で健康な男性はわずか22%となり、「60歳代は健康だ」という他の厚労省のデータとも反します。


この結果を少し丸めて整理しますと、60歳の男性の平均的な血圧は140で、130から下の人が22%です。もし血圧の分布が平均から見て対象的なら、150以上の人も22%で、残りの56%の人が130から150の範囲に入っているということになります。ややブロードな分布で、もともと血圧と言うのは個人差が大きいものだとされる多くの意思の方の感覚と合います。


つまり、血圧は人によって大きく違い、60歳代でも血圧が100ぐらいでも健康で、180でも健康な人が結構おられるということになります。人間ドッグ学会の発表では生データのばらつきはHDL−コレステロールが示されていますが、60を中心として30から90ぐらいにばらついていて、人間の体のコントロールのばらつきはその程度とも考えられます。


血管壁が強く、心臓も強く、病気になりにくい人というのは、(免疫や遺伝気質など多くの要因がありますが)血圧が高く、血流量が多い場合もあるでしょう。これに対して、血管が太く、あまり曲がりくねっていないので、血を送るときにあまり圧力が要らない人は血圧が低くても血流量を保つことができるので、健康であるということも言えます。


つまり、あまりにも当然ですが、「人によって「正常な血圧」というのは違い、少し内輪に言えば110ぐらいから160ぐらい」という感じです。低いほうは平均の140から見て30、高いほうは20ぐらいの差を取ったのは、「血圧が高いと顕在的な問題がある」という知見を少し取り入れたのですが、本当は110から170と思い切って数学的に処理して、さらに考えたほうが良いとも思います。


とりあえず、まず第一に「60歳代の男性で血圧が160で正常・健康な人がいる」としてみます。おそらく教育的配慮ではなく医学的見地なら、まずはこの前提で「おかしい」と思われる医師はいないと思います。



次に血圧の季節要因ですが、このグラフで分かるように、外気温と血圧は密接な関係にあります。外気温が25℃の時には120だった人は、外気温が10℃になると126になります。上昇率は5%です。したがって、160が正常な人が寒いところで血圧を測ると、168という血圧になります。


次に一日の時間でいつ血圧を測るかについて整理をしてみます。血圧は人間がある状態の時に必要な血流を確保するための圧力ですから、当然、体が横になっていてエネルギーの消費量が少ない睡眠中は下がり(だから寒くなって布団をかける)、張り切っている時には高くなります。



このグラフは1日の血圧の変化で、張り切っている午前中は血圧が高く、眠くなる午後にはいったん下がり、睡眠中はずいぶん低いことが分かります。寝ている時は別にして、起きている時でも午前中に血圧を測ると138の人が午後に測定すると133になります。つまり4%の差があります。


厚労省がこれまで言ってきた「正常血圧」というのが、外気温が何℃で、血圧の測定時間が午前か午後かを明示していませんので、そこはいい加減ではないかと思いますが、60歳代で160の人は、気温が低く、午前中に測定したら175にもなることになります。


さらに有名な「白衣血圧」があります。血圧は「必要に応じて高くなる」のが「正常」ですから、危険が迫る(医師の前にでる・・・自分の体にメスを入れる人の前)と血圧が上がるのは普通で、緊張症の人は平均値より20も上がる人がいるとされています。


日常生活で測定された血圧より病院で測定した場合、5%程度上がる場合は「白衣高血圧」と診断されます。もし先ほどの男性が該当する場合、病院では184までありうることになります。


つまり「正常な血圧は130」と言っても、「平均的な60歳代の人で、やや血圧は高めで元気な体質の人」は病院で測定すると184も「ごく普通に」ありうるということになります。


私たちは血圧をどのように考えればよいのでしょうか?



 

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