日本は異常なまでのトラック輸送依存社会になっていて、外国から帰ってくると「またか〜」とうんざりするトラックの多さである。オーストラリアでもニュージーランドでも、こんなに走っていないぞ。

日本のトラック業界は自民党運輸族の支持基盤になっており、彼らの勢力拡大のために国鉄は分割解体され、貨物列車の運行区間は大幅減少。そもそも貨物駅がほとんどない。新名神高速道路が通っている滋賀県はゼロだし、奈良県、和歌山県もゼロだ。これに対してトラックは日本全国津々浦々で見られる。

愚痴をこぼすのはこのくらいにして、問題はトラックが起こす交通事故だ。この事故を検証すると、大型トラックが前方を走っていた軽乗用車に追突し、軽自動車の後部が大きく破損。この結果、左右の後輪の間にあるガソリンタンクからガソリンが漏れ出し、高温のマフラーにかかった結果、引火爆発したのではないか。

軽自動車のボディは安全基準の強化に合わせて1998年10月に現在の大きさに変更された。全長3.40メートル、全幅1.48メートル、全高2メートルである。しかし軽自動車の安全基準は国際的に合致したものではなく、EUの基準に適合するのは三菱アイ・ミーブ(電気自動車)とアイ(ガソリン自動車)だけである。ガソリン版のアイは最近、生産中止になったようだ。このガソリン版のアイだが、燃料タンクが前席の下にある。側面もフレームで保護されている。これくらいしないとEuro Cupに合格しないのである。

日本国民の所得減少に伴ない、軽自動車に乗り換える人々が増えているが、国際的に見て脆弱な構造の軽自動車が増えると、交通事故になった際の悲劇が増幅する。致死率が高くなると自動車保険料も高くなるものだが、軽自動車は政策的に低くなるように抑えられている。税金もそうで、負担を意図的に低くすることで国民の不満を押さえ込んでいる。日本に帰国するたびに、軽自動車に乗る人が増えているのが現状だ。「えっ、○○さんも軽自動車に乗り換えたの ? 」

TPPで軽自動車制度の存続が心配されているが、ミニカーは必要である。自動車の維持費の高さに悩むのはオーストラリアでも同じ。でかいフォード・ファルコンは操縦性も乗り心地もよいし衝突安全性も高い。しかし、あの燃費の悪さはどうにかならんか。このためか背に腹は代えられないと、大陸国家オーストラリアでも小型車を買う人が増えている。

それにしても上の写真を見て、原形をとどめていない軽自動車に衝撃を受けた。今のままではトラック街道の日本の高速道路を走るのは自殺行為ではないか。