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今後2週間、大型の太陽フレアに注意、人工衛星・GPS・短波通信障害の恐れも  INTERNET Watch
http://www.asyura2.com/13/nature5/msg/102.html
投稿者 ダイナモ 日時 2013 年 5 月 16 日 22:38:35: mY9T/8MdR98ug
 

 独立行政法人情報通信研究機構(NICT)は16日、今週に入って大型の「太陽フレア」の発生を48時間以内で計4回確認したことを発表した。極大期のピークが到来したとして、今後2週間の太陽活動に注意するよう呼び掛けている。同規模の太陽フレアが2週間以内に再び発生した場合、衛星通信やGPSなどへの影響が発生する可能性があるという。

 太陽フレアは、太陽の黒点群の領域で生じる爆発現象。これに伴い、強い紫外線やX線、電波などが放射されるほか、高温のガスが放出されることもある。規模によって「A」「B」「C」「M」「X」の5クラスに分けられ、今回確認されたものはいずれもXクラスのもの。最大X線強度は通常の100倍以上だという。

 今回と同規模のXクラスの太陽フレアは、2012年の1年間で計7回発生しているが、これに対して今回は日本時間の5月13日10時53分(発生規模X1.7)、14日0時48分(同X2.8)、14日9時58分(同X3.2)、15日10時25分(同X1.2)と、短期間に4回も発生したかたちだ。

 また、今回のフレア現象とほぼ同時刻に、稚内、東京、沖縄の上空の電離圏で「デリンジャー現象」が観測されたという。これは、太陽フレアによって放出される強い紫外線やX線の影響で電離圏の下部領域が異常電離し、短波を吸収する現象。漁業無線や航空無線などの短波通信の障害になるという。

 NICTによると、大型太陽フレアを引き起こした非常に活発な黒点群は太陽面東端にあり、今後1週間ほどで正面方向を向いて地球に対面。それからほぼ1週間で太陽面西端に移動すると予想されている。「この間に、今回と同規模のXクラスの太陽フレアが発生した場合、地球周辺の宇宙環境や電離圏、地磁気が乱れる可能性があり、通信衛星・放送衛星などの人工衛星の障害やGPSを用いた高精度測位の誤差の増大、短波通信障害や急激な地磁気変動に伴う送電線への影響などが生じる恐れがあり、注意が必要」としている。

 NICTでは太陽活動や宇宙環境変動の観測を行い、「宇宙天気予報ポータルサイト」や「電波伝搬障害研究プロジェクト」のサイトで情報提供を行っている。


http://internet.watch.impress.co.jp/docs/news/20130516_599668.html  

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01. 2013年6月05日 05:28:04 : e9xeV93vFQ
 
全国113地点で真夏日 5日も熱中症に注意

朝日新聞デジタル 6月4日(火)19時58分配信
 4日は列島が広い範囲で高気圧に覆われて晴れ渡り、全国の観測地点927地点中、113地点で真夏日(30度以上)となった。5日も似た状況が続く見込みで、気象庁は熱中症への注意を呼びかけている。

 気象庁によると、特に気温が高くなったのは東日本や西日本の内陸部で、最も高温になった岡山県高梁(たかはし)市では33・6度を観測。大阪市で31・5度、名古屋市でも30・7度となるなど都市部でも酷暑となった。関東では埼玉県熊谷市が31・9度、東京都心も今季一番の29・1度となった。東北でも福島市が30・5度と7月下旬並みの暑さとなった。

朝日新聞社
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最終更新:6月4日(火)20時11分

 
梅雨入り後の雨量、東京3.5mm、大阪4.5mmなど記録的な少なさに

フジテレビ系(FNN) 6月4日(火)18時34分配信
梅雨入りからの雨量は、東京は3.5mm、大阪は4.5mm、そして高松では2mmと、西日本と東日本の太平洋側では、記録的に少なくなっている。5月から続くカラカラ天気に、各地では悲鳴が上がっている。
子どもたちが、おいしそうに食べているのは、夏の風物詩、流しそうめん。
岡山市の4日の最高気温は31.4度で、ひんやり冷たい流しそうめんで、子どもたちは涼を取っていた。
4日は、岡山・高梁で33.6度を記録したほか、熊本県で32.1度となるなど、各地で真夏日を記録する暑い1日になった。
午後2時半の東京・銀座では、手元の温度計で29度をさしていた。
4日の東京は29.1度と、2013年最高の暑さとなった。
その一方で、街の人は、「梅雨、本当に入ってるの? もう降ってほしいぐらいには思う」、「梅雨が来ると思って、レインブーツまで買って準備してたのに、突然、こんなに真夏になってしまって」、「不思議ですよね。どうなっているんだろう。雨が待ち遠しいってところかな」と話した。
梅雨は、どこへ行ってしまったのか。
関東・甲信地方では、歴代3番目となる早さで梅雨入りしたものの、その後、ほとんど雨が降っていない。
まさに、「空梅雨」の滑り出し。
そごう横浜店では、雨具のコーナーがあるが、その中でも、特に2013年人気なのが、日傘だという。
梅雨なのに、売れ筋商品は日傘。
雨の日でも晴れの日でも使うことができるタイプの傘は、前年比150%の売れ行きだという。
客は「(なぜ日は差を探しに来た?)天気が良かったから、外の紫外線よけに。1つ欲しいなと思っていたので」と話した。
そごう横浜店用品小物係の桑原惇哉販売リーダーは「差すときに涼しく感じる、遮熱効果が高いパラソルというのが、ことしの大きな特徴となっております」と話した。
そして先週、例年より早い梅雨入りの発表に肩を落としていたというビアガーデンでも、3日夜は、多くの人が乾杯を挙げていた。
客は、「夏は外だよね」、「梅雨、やっぱり雨は嫌ですね。降らなくてよかったです」と話した。
雨が降ると、売り上げが大きく落ちるというビアガーデンだが、梅雨入り後も晴天が続いていることで、客の入りも上々だという。
モアーズカワサキ夜市の佐山竜太店長は「(先週は梅雨入りで)予約が若干キャンセルがありました。実際、雨がそんなに降っていないので、予約がまた増えてきましたけど」と話した。
客は、「(梅雨入りの実感はありますか?)いや〜、今のところ実感はわかないですね」と話した。
しかし、この空梅雨で困るのは、「水がめ」。
5月の西日本と東日本の降水量は記録的に少なく、特に、西日本の降水量は、平年の39%となった。
それに、今回の空梅雨が、水不足に追い打ちをかけている。
利根川水系の下久保ダムは、梅雨時にもかかわらず、貯水率が52.7%しかない。
ダムを見てみると、山肌がかなり露出しているのがわかる。
渇水といえば、思い出されるのは、1994年に起きた、いわゆる「平成6年渇水」。
深刻な水不足に陥った列島では、取水制限はもちろん、各地で断水、学校のプールは閉鎖された。
さらには、余裕がある貯水池から、水不足の貯水池へ水を輸送するほどの大渇水となった。
東京の水がめ、利根川水系の全体での貯水率は、現在70%で、一見、十分なようにも見えるが、これは平年値の89%よりも、2割近く少ない。
この貯水率は、東京でも取水制限するに至った平成6年渇水の時よりも、6月としては少ない量。
すでに島根県の尾原ダムは、貯水率が17.1%にまで下がり、放流調整を行っているほか、埼玉県の合角ダムは、取水制限を行っている。
東京の水がめ、下久保ダムも、今後の降雨状況などを注視していくとコメントしている。
こうなると、待ち遠しいのが恵みの雨。
梅雨なのに降らない雨について、気象庁気候情報課の竹川元章予報官は「梅雨前線が、関東地方から見ると、南に位置している。雨雲が関東地方にかかっていない状況。梅雨入りの段階では、速報的には、予想も含めて、このあと曇り・雨の日が多いという判断であれば、発表しますけども、思いのほか曇り・雨が少ないと、9月ごろになるが、あらためてことしの梅雨入りを発表する」と話した。

最終更新:6月4日(火)18時34分


02. 2013年6月05日 06:18:48 : e9xeV93vFQ
永久凍土が溶け始めた

実はヤバい永久凍土 飯島慈裕さん(1)

2013年6月5日(水)  片瀬 京子

シベリアやカナダに「永久凍土」と言われる所がある。最近どんどん解けていて、何やらヤバいことになりそうだという。いったい何事? JAMSTECの飯島慈裕さんにうかがうことにしました。(写真:田中良知)


ナショナル ジオグラフィック日本版2013年4月号「[マンモスの牙を探せ」
 シベリアの北の海岸でマンモスの牙探しが盛んになっているという話が、『ナショナル ジオグラフィック』に載っていた。牙を売りさばき、生計を立てている人もいるという。

 何万年も前に死んだマンモスの牙が、なぜ今、発掘ラッシュなのか。

マンモスの牙が発掘ラッシュの理由

 理由の一つは、マンモスを長らく閉じこめてきた「永久凍土」が解け出し、海岸の崖に牙が露出するようになったこと。つまり、牙が見つかりやすくなったわけだ。

 なぜ今になって、永久凍土が解けはじめているのか。
 それは、我々にどんな影響を与えるのか。

 そもそも永久凍土ってどんなところなのか。
 「辺り一面、霜柱ですかね。踏んでみたい」と私ライターK瀬が言えば、「僕もそのイメージ。たぶん、間違ってると思うけど……」とナショジオ編集部Y尾。

 JAMSTECに、毎年シベリアの永久凍土に通ってその変化を調べている人物がいるという。取材陣はいつものように横須賀へ参じた。

 飯島慈裕(いいじま よしひろ)さん。
 「昼休み、飯島さんが庭でサッカーをしていると、遠くからでもすぐわかる」と広報担当者に言わせる風貌の持ち主だ。


飯島慈裕(いいじまよしひろ)さん。

ロシア・ヤクーツク近郊に広がるタイガの森。この下にも永久凍土が。(提供:飯島慈裕)
 今年2月には、東シベリアの永久凍土で森林が衰退している理由を突き止めた。このインタビューの約1カ月後には、東シベリアのヤクーツクへ出かけることになっている。
 日本は万緑薫る季節ですが、ヤクーツクはきっと寒いことでしょう。なんと言っても永久凍土ですから。

 「夏は、気温が30℃近くになることもありますよ」

永久凍土ってどんなところ?

 あれ。永久凍土と聞くと、霜柱のパワーアップ版のような土地を、白い息を吐きながらザクザクと進んでいく印象がありますが。

 「森林もあるし草原もあるし、見た目としてはここが永久凍土かという感じのところもあります。地表は乾いているところもあれば、湿気でグジョグジョのところも」

 ということは、取材陣は“永久凍土感”を改める必要がありそうだ。

 「タイガ」や「ツンドラ」という言葉を、中学時代に習った人は少なくないはずだ。タイガは北方の針葉樹林帯、ツンドラはさらに北、ほとんど木が生えない地域である。実は、そのタイガの森やツンドラの大地の下に、永久凍土はある。


永久凍土の模式図。夏の間は解ける「活動層」の下に、凍った「永久凍土層」があり、楔形の氷(アイスウェッジ)もよく見られる。(提供:飯島慈裕)
 では、永久凍土とは何か。
 定義は、土壌の温度が0℃以下の状態が、2年間以上続いている土地。ただし、夏の間は表面が解ける所も多く、ヤクーツクもそんな場所の一つ。ちなみに凍土といっても、凍っているのは土ではなくて水分である。

 “永久”という名の割に、“2年間以上”で、言葉から受ける印象よりも、ルールは緩い。
 「英語のpermafrostをそのまま訳したのですかね。中国語だと、多年凍土です」

 多年、よりは永久、の方が響きがいいな。

 永久凍土は、地球上の陸地面積の20〜25%を占めている。
 広い。
 飯島さんが出かけていくのは、そのうち、連続永久凍土と呼ばれる場所だ。

 「永久凍土にも種類があります。島状に孤立した永久凍土は、日本にもあります」

 どこです?

 「富士山、大雪山、それから立山にもあります」

 永久凍土、意外と身近です。


永久凍土は地球の陸地の20〜25%を占めている。(出典:National Snow and Ice Data Center)

 「それら孤立した所とは違って、周辺のどこを掘っても永久凍土という土地は“連続”永久凍土と呼ばれます。年間平均気温がマイナス5℃以下にもなる、吹きっさらしの風に当たりやすいツンドラ地域とか、森林地帯でも過去の氷期に氷河に覆われてなくて、非常に長い間地面が凍っていたシベリアやアラスカ・カナダ北部に、連続永久凍土が多いですね」

 飯島さんはなぜ、富士山でも大雪山でもなく、連続永久凍土を目指すのか。

 「そこが最も、気候変動に敏感で、しかもその変化が気候変動に返るからです」

 飯島さんは、JAMSTECの地球環境変動領域 北半球寒冷圏研究プログラムに所属している。

 「地球温暖化が進むと、大気の温度が上がります。したがって、地面も温まって、凍土の温度も上がる。この30年くらいで2℃近く土壌の温度が上がったところもあります。こういった観測結果はいくつも得られています」

 2℃上がるとひとことで言っても、たとえばマイナス20℃がマイナス18℃になるのと、マイナス1℃がプラス1℃になるのとでは、その結果の受け止め方は変わるそうだ。

 「0℃近傍では、見かけ上の温度の変化は少なくても、氷が解けることにエネルギーが使われています。0℃前後の期間が長く続き、氷は時間をかけて水になります」

凍土が解けて、何が起きているか

 飯島さんが注目しているのは、この辺りの“氷が解ける”温度帯である。出かける先のひとつである、東シベリアのヤクーツクでは、凍土の温度はマイナス5℃から0℃程度だという。

 では、地中で氷が水になることで、地上でどんな変化が起こるのか。
 氷が水になるといえば、そうですね、流れていく?

 「そうです。まず、湖や川へ流れ込む水の量が増えます。それから……」

 それから、なんでしょう?

 「地上の植物に影響を与えます。水が流れ出るのと、地面から凍土までの深さが深くなることで、地面付近の土壌水分が少なくなり、枯れることがあります」

 なるほど。雨が少ない土地では、もともと土壌に蓄えられている水が植物を生育させる。氷が解けるということは、その蓄積を失うことになる。

 「地形が変わることもあります。地中にあった氷がなくなって、へこむんですね」

 永久凍土が解けると、河川の水量増、植物の枯死、土地の陥没など、人の目に見える形での変化が起きるのだ。


ヤクーツク。水分の多い土壌で熱の伝わり方を測定中。(提供:飯島慈裕)

左の写真(2007年8月)に元気だった木が、2年後(2009年6月)に枯れている。「凍土の湿潤化」が原因と、飯島さんは突き止めた。(提供:飯島慈裕)
 取材陣の手元にある、2013年2月づけのJAMSTECのプレスリリースには「東シベリア永久凍土地域の湿潤化で森林が衰退」とある。
 湿潤化で森林が衰退?
 森が衰えるのは、氷が解けてなくなるためではないんですか?

 「それだけではない、ということです。今、北極周辺で起きていることを説明します」

北極圏の気圧パターンが崩れている

 北極圏では2005年、2007年、そして2012年に海氷が激減している。特に夏の減り方が顕著だ。この原因のひとつに、北極圏の大気の状態が変わったことが挙げられる。要するに、気圧配置が変わったのだ。

 もともと、北極は全域で気圧が高くなったり、低くなったり、気圧の変化が一様なのが普通だった。その指標が、北極振動と呼ばれているもので、ちなみに日本を含め北半球の中緯度地域はこうした北極の気圧変動に応じて、暑かったり、寒かったりする。

 ところが、そのパターンが崩れつつある。

 夏、北極圏に高気圧と低気圧が両方とも居座るようになったのだ。多いのは、北米側に高気圧、シベリア側に低気圧というパターン。このパターンになったとき、北極から大西洋に向かって風が吹き、海氷が流されてしまうのである。2005年以降の海氷激減は、こうした気象要因も強く関わっていた。


2005年〜2007年の夏の平均的な気圧配置。北米側に高気圧、シベリア側に低気圧が居座った結果、北極海の海氷が風で流されたり、シベリアに雨を降らせたりしている。(提供:飯島慈裕)
 そして、この異常な気圧配置は、海氷を吹き流すだけではない。
 「東シベリアに低気圧を運び、夏に雨、冬に雪を降らせやすくなります」

 降雨量、積雪深の観測データを見ると、1950年から2000年まで、多雨多雪の年は2年しかなかった。ところが、2005年から2007年までは3年連続で、多雨多雪。

 そうか、シベリアで降雨量、降雪量が増えてるのか。

 あれ?

 さきほど、永久凍土が融解し、水が流れ出てその土地から減ることで、森林が枯れるという話がありましたよね。雨や雪が増えるなら、プラマイゼロとはいかなくても、バランスはいい方へ行くのではないですか?

 「私も最初はそう思っていました。実際に、アメリカとカナダの永久凍土では雨が減り、その影響で森林が枯死したことが報告されていました。温暖で地表面近くの凍土が解けて流れていったうえに、雨が少なかったからです」

 ところが、雨と雪が増えた東シベリアでも、結果としては同じように森林は枯れていく。なぜなのか、飯島さんは根本から見直すことにした。

つづく


 この記事はナショナル ジオグラフィック日本版との共同企画です。同サイト内にある「海」のコーナーでは、JAMSTEC研究者の連載や自然・環境に関する写真や記事を豊富にお読みいただけます。


海の研究探検隊 JAMSTEC

この連載は、海の研究所JAMSTEC(海洋研究開発機構)に集まる人々の物語です。海底を世界一深く掘れる船や、深海6500メートルまで潜れる有人潜水艇など、海というフロンティアを探検する能力では世界随一の設備をもつ研究所。そこに、未知への好奇心にあふれた一癖も二癖もある研究者、エンジニア、ダイバーが集まるようすは、さながらワンピースの海賊、それともサンダーバード?彼らの話を聞きながら、未知への航海を楽しもうではありませんか。


03. 2013年6月05日 06:22:29 : e9xeV93vFQ
百年に一度の洪水に見舞われているドイツ
季節はとっくに春なのに、雨、そして雨・・・
2013年06月05日(Wed) 川口マーン 惠美
 ドイツの5月は雨ばかりだった。周りの人間に、「こんな5月は30年来、初めてよ」などと話していたら、なんと、30年どころか、1881年以来、2番目に降水量の多い5月だったそうだ。

 1881年といえば、ビスマルクもワーグナーも生きていた時代だ。でも、「そうか、この憂鬱な5月を彼らも味わったのか」と思っても、たいした慰めにはならない。

春を迎えるイースターに雪、雨ばかりの5月、異常気象が続くドイツ

 そういえば、今年は冬もひどかった。ドイツの冬はおおむね薄暗いことは承知しているが、だからといって全く太陽が出ないわけではない。晴れの日もある。ところが、去年から今年にかけての冬は、少なくとも私のいる南ドイツは、60年ぶりと言われたほど太陽の出ない冬だった。

 そのうえ、その鬱陶しかった冬が終わっても、なかなか春にならなかった。4月末からハンブルクで開催されている国際ガーデンショーも、当初、霜やら霙やらで、花どころではなく、関係者はとても困ったらしい。

 イースターは、春の訪れを告げる季節なので、皆がクリスマスと同じぐらい楽しみにしている祝日だが、今年は4月の初めのその頃、ドイツ各地で雪が降っていた。雪のイースターは異常だ。私は、4月は日本にいたが、日本も例年になく寒かった。しかし、ドイツはもっともっと寒かったのだ。


記録的な集中豪雨に見舞われた欧州中部(6月2日ドイツ南部テガーンゼーで撮影)〔AFPBB News〕

 そして、5月は雨、雨、雨。ときに雪! 5月末には北ドイツの一部で床上浸水が始まり、その後、たっぷり水に浸かった地域が全土に広がった。

 洪水というのは竜巻のような危険さはないが、暗い空から非情な雨が降り続き、じわじわ水位が上がってくるし、家の前の道が濁流のようになるし、とても恐ろしい。まるで心理テロのようだ。

 必死で玄関に土嚢を積み上げたにもかかわらず、応接間のテーブルやソファがプカプカ浮いている映像などを見ると、気の毒でたまらなくなる。

 ドイツの家は、たいてい地下に貯蔵室やボイラーなどがあるので、それらはすでに水浸しということになる。一度水を吸った地下室の壁は、工事現場にあるような乾燥機を入れて乾かさなければ、なかなか元には戻らないから、後始末は難儀だ。

歴史と文化の街ドレスデンを襲ったエルベ川の大洪水

 ドイツは洪水の多い国だ。2002年のエルベ川の氾濫は、まだ我々の記憶に新しい。百年に一度ではなく、千年に一度の洪水とも言われた。そのエルベ川の川沿いに、ドレスデンの町はある。統一後、苦労して復元した歴史的な建物がずらりと並ぶ素晴らしい町だ。

 当時、雨は毎日降り続き、一日一日とエルベの水位が上がった。ドレスデンの町への浸水を防ぐため、消防や自治体や住人の夜を徹しての活動が続いたが、ついに、美しい旧市街に水が流れ込んだ。


観光シーズンには蒸気船が遊覧客を楽しませるエルベ川〔AFPBB News〕

 中央駅も、ゼンパーオペラ座も、美術館ツヴィンガーも、すべてが水に浸かるまで、長い時間はかからなかった。ツヴィンガーの地下の倉庫から、ようやく美術品を運び出せたのは、危機一髪、まさに水が流れ込む直前であった。

 この時は、ドイツ全国から救援の寄付が集まった。そして、ドレスデンは再び息を吹き返したものの、そのあともエルベ川は恒常的に、小規模の洪水を繰り返している。

 数年前、私も、知らないままにエルベの洪水地域に踏み込んでしまったことがある。ドレスデンからエルベ沿いに電車に乗って、ラーテンというところまで行ったときのこと、電車を降りて、エルベを渡るフェリーに乗ろうと思ったら、川沿いの道も、公衆トイレも、道路標識も、ゴミ箱も、そして、桟橋も半分水に浸かっていた。人っ子一人いなかった。

 ここのフェリーは観光用というよりも、村が向こう岸とこちら側に分かれているので、住民の生活必需品の意味が強い。おそらくそのためだろう、「洪水時の非常運転中」と断りつつ、辛うじて運転していた。

 お天気の良い日だった。一瞬考えた末、そのフェリーで対岸に渡ると、あちら岸の家々も、すっぽりと水に浸かっていた。しかし、そこを通り過ぎながら、しばらく山道を登っていくと、明るい日の光の中、静かで、いかにものどかな光景が目の前に開けた。

 高台から見下ろすと、水嵩の増えたエルベの流れが、滔々と美しかった。陰鬱な浸水の風景とのあまりのコントラストに、唖然としたのをよく覚えている(詳細は拙著『ドレスデン逍遥』・草思社)。

観光客を魅了するライン川やドナウ川も、たびたび洪水を起こす

 洪水を引き起こすのは、エルベだけではない。2010年5月は、中部ヨーロッパを豪雨が襲い、北ドイツのオーデル川では堤防が決壊し、大きな被害が出た。オーデル川はポーランドとの境の川なので、被害はポーランドも同じく甚大だった。その後、この地域では両国共同で治水工事が行われ、今回の雨では危険地域にはならなかった。

 ライン川沿いの町も、歴史的な大洪水に繰り返し見舞われてきた。洪水の記録は、中世から残っているが、その頻繁さには驚くばかりだ。

 被害を受ける町で有名なのは、ケルン、ボン、コブレンツなど。なかでもライン川下りで有名なコブレンツは、ライン川とモーゼル川が合流するところなので、常に被害が大きい。

 1993年の12月から翌年の1月にかけての洪水は、近年では一番ひどかったが、この時コブレンツの市街地は、4分の1が冠水した。ドレスデンの「千年に一度の洪水」は8月だったが、こちらは真冬だったので、住民の苦労は想像を絶する。

 もう一つのドイツの大きな川、ドナウも、しばしば氾濫する。2002年のドナウの洪水は、ドイツの被害も大きかったが、その下流のオーストリアの被害の方が深刻だった。オーストリアの洪水の歴史で、最大のものだったという。


ドナウの泉と言われる源泉(著者撮影)
 ドナウは、ドナウエッシンゲンという、南ドイツの小さな町で湧き出している。現在、その泉は直径6メートルほどの池のようになっていて、覗き込むと、ブクブクと底の方から水が湧き出しているのが見える。

 西方のフランスとの境の「黒い森」と呼ばれるところに降った雨が地下に浸み込み、地中をじわじわと流れ、やがてここで地上に泉として湧き出してくるのだそうだ。すでにこの泉は、ローマ時代にも知られていた。紀元前15年にローマ第2代皇帝のティベリウスが、ここを訪れたという記録が残っている。

 そういえば、ローマはゲルマンの地を攻略したが、基本的にはドナウ以北とライン以東には定着することができなかった。そのライン川は、スイスのアルプスで湧き出すが、そのあとドイツに入り、やはりこのドナウエッシンゲンの少し西方を通って、まっしぐらに北上していく。

 ドナウはここドナウエッシンゲンから、東欧の大地を2840キロもうねうねと流れていく。オーストリアあたりですでに大河となり、さらにスロバキア、ハンガリー、セルビア、ブルガリア、ルーマニアを通り、最後に黒海に流れ込むのである。

 その間しばしば、あちこちで洪水を起こすことは言うまでもない。ここドナウエッシンゲンでブクブクいっている様子を見ていると、下流のドナウの壮大さが信じられない思いだ。

豪雨と水害で市民の生活や農作物に大きな被害が

 さて、現在進行中の洪水の話に戻ると、6月3日の時点では、中部、南部ドイツには最高度の災害警報が出たまま、緊張が続いている。

 すでに数日前から、水の中に孤立してしまう危険や、土砂崩れの危険のため、家に戻れない人たちもいる。北ドイツはようやく雨が静まり、危機は脱したが、中部と南部の豪雨は続き、一部の地方では堤防決壊の危険も高まっている。堤防が決壊すると、被災の規模は破壊的に広がる。

 チューリンゲン州のヴァルシュレーベンという町では、消防隊と住民、そしてボランティアが、バケツリレーならぬ土嚢リレーで、堤防を強化しているが、堤防自体が水を吸ってスポンジのようになっているらしく、土嚢で支えきれるかどうかは疑問だ。


ドナウ川の洪水で冠水したドイツ南部パッサウの旧市街(2013年6月1日撮影〔AFPBB News〕

 案の定、警察が、堤防上での作業はすでに危険だということで中止させようとして、重労働で疲れ切った住民が唖然としている映像がニュースで流れた。

 胸が痛む。彼らにしてみれば、村が水に浸かってしまうのを何もしないで見ているよりは、一個でも土嚢を積み上げたかったに違いない。

 もう一つどんどん被害が広がっているのがパッサウ。オーストリアとの国境の町だが、ドナウ川、イン川、イルツ川の合流する場所で、川の水位は平常よりすでに5メートルも上がっている。

 しかも、それに追い打ちをかけるように、豪雨が続いている。市街地のかなりの部分がすでに冠水しており、ここでも、消防隊が徹夜で土嚢積みをやっていた。その下流のオーストリアも被害は大きく、すでに濁流にのまれた死者や行方不明者が出ている。

 ドイツでは、今回の雨で、農業の被害も甚大だ。5月末、ドイツ中部の穀倉地帯では、地下水位が、畑の地表の2センチのところまで上がっていたというから、これはもう畑ではなく泥濘だ。農作業はできないし、もちろん、耕運機などの機械も使えない。

 イチゴの出始める季節なのに、なんだか品薄だと思っていたら、あまりの雨でイチゴも不作なのだそうだ。現在、野菜も異常に高い。小麦やトウモロコシなどの穀物には、いまのところあまり悪影響はないらしいが、果樹はおおかたやられてしまったという。

 農業にしろ、浸水にしろ、被害の拡大を防ぐ方法は、結局、雨の止むのを待つしかない。そういう意味では、どんなに科学が発達しても、人間の力は自然の威力には及ばない。

 日本人が古代より天照大神を祀ったのは、つくづく納得できるところだ。豊穣、そして、生活の安定を支えるのは、つまるところ天の恵みの力であるというのは、謙虚で、しかも真実を突いている。

 今、私のできるのも、被害がこれ以上広がらないように祈ることだけだ。


04. 2013年6月10日 23:14:59 : JjNtNbJEr2
当方、国際短波ラジオ放送を受信するBCLだが、1970年代前半からこの趣味を長く続けているけど、ここ数日の電波の伝播は異常だった。40年ほどやっていて、こんな経験はしたことはない。

まず夏に出現する電離層のスポラディックE層だが、6月8日(土)と6月9日(日)に出現。土曜日は中国大陸のFM放送局が88MHz〜108MHzに多数出現。日曜日は中華民国台湾のFM放送局が次々と受信できた。

スポラディックE層
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%83%9D%E3%83%A9%E3%83%87%E3%82%A3%E3%83%83%E3%82%AFE%E5%B1%A4

土曜日だが、アマチュア無線をやっている人によると、144MHz帯で海外交信が出来たという。これは当方が知っている限り、史上初ではないか。50MHz帯での海外交信の例は、太陽活動が活発化する時期(太陽黒点が増えることで分かる。)には起こるが、144MHz帯で起きたことは聞いたことがない。

極めつけはデリンジャー現象で、これは6月8日の土曜日の午前7時45分頃から1時間あまり続いた。短波放送がまったく聴こえなくなる珍しい現象で、体験したのが初めてだというBCLの方々が、BCL関係の掲示板に次々と書き込んでいた。よほど太陽活動が活発でないと起こらない現象である。

デリンジャー現象
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%87%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%83%BC%E7%8F%BE%E8%B1%A1

以前からスピリチュアル系の掲示板で書かれている、2013年6月の「キルショット」が起こったら、世界中の原発が冷却停止でメルトダウンし、次々と爆発する恐れがある。ここ数日の異常伝播は歴史上からも特筆される出来事である。


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