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温暖化で…北極海航路に熱視線 貨物船利用数1.5倍に  朝日新聞
http://www.asyura2.com/13/nature5/msg/193.html
投稿者 ダイナモ 日時 2014 年 1 月 22 日 21:43:49: mY9T/8MdR98ug
 

 地球温暖化による海氷減少で実用化が注目される北極海航路を使い、アジアと欧州間を結んだ貨物船が昨年は71隻に上り、前年の1・5倍に急増した。砕氷船を派遣するロシア国営企業「ロスアトムフロート」が明らかにした。北極海航路を新たな物流の動脈にしようと狙うロシア政府は、サービスや安全性の向上に向けて本格的なインフラ整備に乗り出し、日本の港湾関係者も熱い視線を送る。

 北極圏内のロシア極東サハ共和国チクシからヘリコプターで1時間ほど北上し、北緯72度のサモイロフスキー島に着いた。大河レナ川がラプテフ海に注ぐ三角州にある同島で、昨年9月に開業したロシア科学アカデミーの「北極科学研究所」を訪ねた。

 冬場は一日中太陽が顔を出さず、真昼でも薄暗い。零下20度前後で周囲の水面は凍りつき、強風が吹きつける。研究所は一部2階建て総面積約1200平方メートルで最新鋭の検査設備が並ぶ。周辺の陸や海底で採掘した永久凍土のサンプルなどが保存されていた。研究者12人が長期滞在でき、ビリヤード場やサウナも併設。ロシア政府が9億ルーブル(約28億円)を投じた北極圏で屈指の研究施設だ。

 2010年に極東を視察したプーチン首相(当時)が、同島の粗末な施設で活動していたロシア・ドイツ合同研究チームを訪問。研究の重要性に関心を示し、研究所建設を指示した。

 研究所では両国の研究者が気候学、凍土学、水理学など広範な研究を進める。沿岸部で深刻な陸地の浸食や、海底の永久凍土減少による水深の変化など、北極海航路に深く関わる研究が多い。研究成果は多様なチャンネルを通じて航路運営に生かされる。グリゴリエフ所長は「北極圏の海は海底が浅く、水深の変化は北極海航路にとって極めて重要だ」。

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)によると、12年の北極海の海氷域の面積は観測史上最小の約349万平方キロ。昨夏の最小面積は481万平方キロだったが、00年以前の水準よりはるかに小さい。夏から秋にかけて広範囲で海氷が消えて航行期間が延びている。

 ■救難基地や気象観測網も着々

 北極圏のラプテフ海に臨むチクシ港の岸壁に入った。クレーン3台が設置されただけの小さな港で、海面は凍りつき、船の出入りはすでに途絶えていた。

 それでも北極圏では主要港の一つで、遠隔監視装置や赤外線センサーなど近代的な運航管理設備の整備が進む。政府は「20年までの北極圏発展戦略」でチクシなど5港の近代化を明記。すでに天然ガス会社がガス田開発の資材搬入で同港に強い関心を示す。

 同共和国のマクシモフ対外関係相は「共和国北部には天然資源が豊富。航路が整備されれば開発が難しかった地域の資源開発にも弾みが付く」と期待する。

 チクシでは船舶や航空機の事故に対応する交通省の「捜索救難基地」が2年前に開設。隊員17人がパラシュートやヘリコプターなどによる救助訓練を続ける。今年は緊急事態省が60人規模の救難センターを開設予定。17年までに約10億ルーブル(約31億円)をかけ、北極圏の10カ所に救難センターを設ける計画だ。

 政府は衛星測位システムを駆使した運航管理体制や、詳しい気象情報を提供する観測網も強化。貨物船の先導に必要な砕氷船が5隻だけで老朽化も進むため、政府は原子力砕氷船3隻を新造するため約4千億円の支出も決めた。

 軍も動き出す。チクシの北東約560キロに位置するノボシビルスク諸島に昨年9月、北方艦隊が軍用車両や簡易宿泊施設などを陸揚げした。ソ連崩壊後、資金不足や戦略的重要性の低下で廃止された基地を20年ぶりに復活させるためだ。

 プーチン大統領は国防省会議で「北極海航路開発は新段階に入り、ノボシビルスク諸島は大変重要な地点。航路を安全に運用できるよう緊急事態省や専門家と協力する」と発言。北極圏で激化しそうな資源開発競争を見据え、ロシア軍の存在感を示す意図もある。

 北極圏のカラ海に面したヤマル半島の集落サベッタで、ロシア最大級の液化天然ガス(LNG)積み出し港の建設が始まっている。総工費約2兆円。北極海航路発展の鍵を握る港だ。

 同半島で産出するガスを液化し、16年に500万トン、18年から1500万トン以上のLNGを生産。ロ仏中の3企業が出資し、多数のタンカーが同航路を使いアジア向けに出荷する。

 北極圏には世界で未発見の天然ガスの30%、石油の13%が埋蔵されていると推計され、海氷減少で開発の現実味が増している。

 日本向け貨物を同航路で運ぶ動きも目立つ。12年末、国営天然ガス会社「ガスプロム」がチャーターしてノルウェー産LNGを積んだタンカーが北九州に着いた。LNG船が同航路を横断したのは世界初。北極圏で天然ガス開発を計画する同社は「LNG国際輸送で北極海航路が技術的、経済的に実用性があることを証明した」と強調した。昨年は3隻のタンカーが日本にナフサなどを運んだ。

 この動きに北海道が注目している。アジア最北部に位置する北海道は、同航路を使うと東アジアで欧州への距離が最短だからだ。

 道はすでに、報告書をまとめた。苫小牧港と欧州主要港間を試算すると、砕氷船の経費などがかかるが、運航時間や燃料費などを減らすことができ、南回りよりおおむね安かった。輸入は鉄鉱石やLNGなど、輸出は水産物や自動車部品などが有望とみている。

 道物流港湾室の小林亘参事は「課題も多いが、北海道が地理的優位に立つ北極海航路を活用しない手はない。中韓と連携し、中継港として欧州向けに国内外の貨物を集約する手もある。日本企業にも積極的な利用を働きかける」と話す。(チクシ=西村大輔)

     ◇

 〈北極海航路〉 北極海を通ってアジアと欧州を結ぶ航路。地球温暖化による海氷減少で6月から11月まで運航可能になっている。4年前に利用したのは4隻だったが、年々急増している。インド洋経由の南回りより距離が4割ほど短く、大幅に運航時間を短縮できる。一方、随伴する砕氷船の経費などがかかるほか、寄港地が少なく修理や救難体制、原油漏れなどの事故対応など安全面の課題も指摘されている。


http://digital.asahi.com/articles/ASG1Q5FDJG1QUHBI027.html?iref=comtop_6_01  

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コメント
 
01. ぐぐちゃん 2014年2月02日 09:05:42 : CkQogoPBhFpqo : bqGisjYRWI
それが本当であれば、経済にとっていいことですね。

けれど、北極海の氷が解けていたのはメキシコ湾流のせい(溶け方の地図を見ればよくわかる)ですから、メキシコ湾流の弱まりを見ればどうなるかわかりませんね。

まあ、深海のほとんどがわからない現状で、どうなるか予想すること自体に意味は無いと思いますが。


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