「論文盗用」がどういう意味をもっているのかまるで分かっていない。

これは立派な犯罪なのであって、小保方論文そのものの科学的価値が完全に消滅したことを意味している。

小保方論文が「ねつ造論文」であることが世界中に知れ渡ってしまった現在では、いつまで待っても追試を行なってくれる科学者など誰もいない。つまりSTAP細胞はもう「偽物」の烙印を押されたのだ。

こうした論文ねつ造事件は数多いが、中でも小保方は「ノーベル賞級の発見」で世界中をだました大ペテン師として、世界の科学史に残る「世界的偉業」を成し遂げたことだけははっきりしている。

今後の関心事は、どのようにして小保方がここまで周囲を巻き込んでネイチャーへ論文を掲載（それも２本も！！）することができたのか。周囲の人間をだました「トリック」の手法そのものに興味が移ってきている。

それとともに、論文の内容が初歩的な誤りを含んだずさんなものであることから、理化学研究所の研究体制、組織としての在り方そのものへの強い疑念が内外から巻き起こってくるだろう。さらにはこうしたずさんな論文を掲載したネイチャーについても批判が向けられることは容易に想像できる。

理化学研究所は独立行政法人として3400名の人員、年間840億円の国費がつぎ込まれている。今回の世界的不祥事で理化学研究所の野依理事長の辞任は免れないし、日本の科学研究の最先端施設で起きた事件であり日本は世界中の笑いものになる。理化学研究所が調査結果の発表を先延ばしすればするほど、理化学研究所そのものの社会的信頼へのダメージがより大きくなっていく。

今回の事件は先ごろ起きた韓国でのねつ造事件とは比較にならないほど大きなインパクトを世界中に与えたことによって、日本の国家としての威信は大きく傷つけられることになる。日本政治における科学政策のあり方に疑問が持たれることとなり、今後政治問題化するだろう。

いたずらに先延ばしすることなく、理化学研究所は調査結果を速やかに発表すべきである。

>その部分が論文の主題に関わっていないのであれば、目くじらを立てるほどのことではない。

学術論文の厳しさを知らない者の言い方。どの部分であれ、他人の論文の盗用は絶対やってはいけない犯罪行為。やった者は科学界から永久追放される。

>大切なことは、小保方博士の発見は虚偽であったのか？否かに焦点をあてるべき。

小保方論文で明らかになった数々のねつ造、改ざん、盗用の証拠。「STAP細胞から誕生した」と論文で書かれているキメラマウスを今に至るも公開しようとしていないこと。キメラマウスの遺伝子を調べればSTAP細胞が事実か虚偽なのかすぐに分かるというのに。共同研究者の若林教授でさえ、小保方がそばにいると実験に成功するが自分一人ではことごとく失敗しているということ。これでは小保方以外誰一人成功するわけがない。その小保方さえ説明に出てこようとしていないという現実。

これでも「発見」が真実かどうか分からないとは、どういうごまかしを行なったら虚偽だと言えるのか逆に訊きたい。小保方が「嘘でした」と認めるまでは分からないとでもいうのか。

>実験の再現性、検証を待つ、それが理性的な姿勢と思う。

これほどボロボロな論文であることが分かったきた状況では、バカバカしくて再現しようとする者など誰もいない。

今、世界中の科学者は理化学研究所がどういう対応を行なうかを注視している。日本の科学研究の信頼性がかかっている。