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アンデス山脈の氷河融解、気候変動で危機的状況に  AFP
http://www.asyura2.com/13/nature5/msg/659.html
投稿者 ダイナモ 日時 2014 年 12 月 04 日 19:36:01: mY9T/8MdR98ug
 

【12月4日 AFP】アンデス(Andes)山脈の熱帯氷河は、融解が憂慮すべき速度で進行しており、それを食い止めるための手立てを講じる間もなくその多くが消失してしまうとの懸念を科学者らにもたらしている。──。

 エクアドルからボリビア、コロンビア、ペルーにわたって点在するこの熱帯氷河をめぐり、現在ペルーの首都リマ(Lima)で開催されている国連(UN)の気候変動会議で詳細な話し合いが行われている。世界195か国が参加する同会議の目的は、地球に温暖化をもたらす炭素ガス排出量を削減するための国際的な取り決めの枠組みを打ち出すことだ。

 熱帯氷河の融解は、アンデス地方の淡水の供給を脅かす上、海面上昇の原因となる恐れもある。

 エクアドルでこの現象の調査を初めて行った研究者の一人、国立気象水文研究所(INAMHI)のボリバル・カセレス(Bolivar Caceres)氏は長年にわたり、雪深い7つの火山の上に位置する同国の氷河が後退する様子を観察してきた。

 1980年代末当時、エクアドルには92平方キロに及ぶ氷河が存在したが、この面積は2010年までに42平方キロに縮小した。またカセレス氏によると、今年はさらに38平方キロにまで減少するとみられているという。ボリビア、コロンビア、ペルーでも、同様の現象が起きている。

 氷河融解の原因の少なくとも一部は、自然のサイクルだと科学者らは説明する。だがその一方で、人為的原因による地球温暖化が事態をさらに悪化させていることを示す証拠も増えているという。

「まだ分かっていないことは、人間の活動が氷河の融解をどの程度加速させてきたかということだ」とカセレス氏は指摘する。

■気候変動の「見張り番」

 20世紀初めから現在までに世界気温が0.8度上昇したことは、世界中の氷河に影響を及している。そのため気象学者らは、氷床の融解を地球温暖化の「見張り番」と呼ぶ。

 フランスに本局がある開発研究局(Institute for Development Research 、IRD)のオリビエ・ダングルズ(Olivier Dangles)エクアドル支局長は「最悪の影響は極地方で起きているが、熱帯地方にある山岳地帯での影響も甚大だ」と語る。

 例えばボリビアでは、チャカルタヤ(Chacaltaya)山にかつて存在した万年雪は、4年前に消失した。同山にはかつて、標高5400メートルの世界最高所のスキー場があった。

 他方ペルーでも、氷河が1970年以降で40%あまり縮小しており、これが原因で新たな湖沼地が1000か所近く形成されていると同国の水資源当局が発表している。

 この現象を受け、ペルーの先住民らは古くから行われてきたインカ(Inca)帝国の祭り「コイヨリッティ(Qoyllur Rit'i)」の内容を、状況に合わせて変更せざるを得なくなった。祭りではこれまで、何世代にわたり、参加者が氷河に登って氷の塊を持ち帰る行事が続けられてきた。

 IRDが資金を提供した2011年の研究によると、これらの氷河の融解は、海面を24センチ上昇させる上、河川の容積と構成を変化させる可能性があるという。さらには、生態系で重要な位置を占めるカエルやハエなど、この環境に生息する生物種も絶滅の危機にさらされる。

 ダングルズ支局長は「氷河が1つ融解するのは、まるで画家のパレットから色が1色失われるようなもの。この場合、画家は自然だ」と述べ、「それぞれの色は、かけがえのない生態系である」と続けた。(c)AFP/Héctor VELASCO


http://www.afpbb.com/articles/-/3033435  

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コメント
 
01. 2014年12月04日 22:27:15 : e4YRtW1r1o
融ける年も有れば、凍る年もある。これを繰り返
しているのは自然現象。

融け続けているのであれば
異常現象と見る。


02. 2014年12月05日 12:46:49 : nJF6kGWndY

もう3倍速で溶けている

止められない止まらない

という奴だな


http://thinkprogress.org/climate/2014/12/03/3598719/amundsen-sea-ice-melt/
A Huge Antarctic Ice Sheet Is Melting Three Times Faster Than Previously Thought

BY EMILY ATKIN POSTED ON DECEMBER 3, 2014 AT 9:45 AM
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The Thwaites Glacier in West Antarctica.

CREDIT: NASA.GOV
A West Antarctic ice sheet that is roughly the size of Texas is losing the amount of ice equivalent to Mount Everest every two years, representing a melt rate that has tripled over the last decade, according to new research to be published in the journal Geophysical Research Letters on Friday.
To get their results, scientists from the University of California-Irvine and NASA analyzed more than 20 years worth of data representing what’s called the “mass balance” of glaciers in the Amundsen Sea Embayment, an ice sheet that flows into the Amundsen sea. The “mass balance” measurement takes into account the fact that glaciers gain and lose ice over time, and measures the average.
What they found was staggering: The glaciers in the Amundsen Sea Embayment are averaging a loss of 83 gigatons, or 91.5 billion U.S. tons, of ice per year — a rate that has accelerated by an average of 6.7 billion tons every year since 1992.
Antarctica contains two ice sheets: the East and West Antarctic Ice Sheets. The study released this week concerns the glaciers that flow into the Amundsen Sea, an embayment below the Antarctic Peninsula in West Antarctica.
Antarctica contains two ice sheets: the East and West Antarctic Ice Sheets. The study released this week concerns the glaciers that flow into the Amundsen Sea, an embayment below the Antarctic Peninsula in West Antarctica.
CREDIT: NASA.GOV
“The mass loss of these glaciers is increasing at an amazing rate,” said Isabella Velicogna, a co-author of a published paper explaining the findings, in a statement, noting uncertainty as to how the melt would eventually affect sea level rise. Glaciers generally represent a type of land ice, meaning they impact sea level rise when they melt. But they also tend to gain back ice during the colder season, meaning it’s unclear how quickly the ice loss will be morph into sea level rise. If all the glaciers along West Antarctica’s Amundsen Sea melted, would raise sea levels by approximately four feet.
“It’s critical that we maintain this network to continue monitoring the changes,” Velicogna said, “because the changes are proceeding very fast.”
The study represents the latest published research to show the vulnerability of the entire West Antarctic Ice Sheet, an area that NASA recently deemed “unstable” — facing a melt that “appears unstoppable” in the face of global warming. Of that entire ice sheet, the Amundsen Sea Embayment is considered the most vulnerable, melting faster than any other area of the Antarctic.
IceMelt
CREDIT: NATIONAL SNOW AND ICE DATA CENTER
Like most published research of ice melt in the Antarctic and beyond, the findings also run contrary to a common climate denier talking point — that ice levels have actually risen over time, both in the Arctic and in Antarctica. That talking point, however, misrepresents the natural variability in ice loss and ice gain, focusing on short-term increases in sea ice mass that have nothing to do with the long-term decline.
For Antarctica, it’s a bit more complicated. While the area is actually gaining sea ice, it’s losing land ice at an accelerating rate. Sea ice is like an ice cube in a glass — if it melts, it doesn’t effect sea level rise. If land ice melts, however, sea levels are impacted.
In the Antarctic, its West and East ice sheets — both land ice masses — are the most important things to look at. In the Arctic, however, sea ice is just as important to look at, because when it melts, more sunlight is absorbed by the oceans. In Antarctica, sea ice melt is less of a problem for ocean warmth.
The Amundsen Sea Embayment is not the only icy land mass that scientists are worried about. In the Andes Mountains, tropical glaciers are melting, threatening freshwater supplies in the Andes. And while not melting at that rate yet, some scientists have predicted that the Greenland Ice Sheet — which covers about 80 percent of the massive country — is approaching a “tipping point” that could also have “huge implications” for global sea levels and ocean carbon dioxide absorption.


03. 2014年12月09日 22:40:57 : jXbiWWJBCA

世界の温暖化対策、日本は53位で「落第」 独NGOが評価
2014/12/9 21:49

 【リマ=浅沼直樹】世界の主要58カ国・地域の地球温暖化対策の取り組みを比較したところ、日本のランキングは53位で「落第」と指摘するランキングをドイツの非政府組織(NGO)ジャーマンウオッチが8日発表した。最も評価されたのはデンマーク。日本は昨年の50位から後退し、44位の米国や45位の中国よりも下位にランクされた。

 ペルー・リマで開催中の第20回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP20)で発表した。温暖化ガスの排出量、再生可能エネルギーやエネルギー効率、温暖化政策などを分析した。

 NGOは、産業革命以降の気温上昇を2度未満に抑える国際目標達成に向けた対策が十分でないとして1〜3位は「該当国なし」とした。再生可能エネルギー導入で排出削減に積極的なデンマークを昨年と同様、4位と評価した。

 最下位の61位としたのは産油国、サウジアラビア。温暖化ガス排出量が多い状態が続いているためとしている。

NGO、ドイツ、ランキング

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04. 2014年12月09日 22:42:00 : jXbiWWJBCA

COP20、「20年以降目標、15年5月末までに」 議長案
2014/12/9 20:57

 【リマ=浅沼直樹】ペルー・リマで開催中の温暖化対策を話し合う第20回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP20)は9日から閣僚級会合が始まる。8日には議長による文書案が公表され、各国の2020年以降の温暖化対策に関する目標について5月末までの提出を求めた。京都議定書に代わる新たな国際枠組みの来年末合意に向け、閣僚級で詰めの協議を急ぐ。

 議長国ペルーのプルガル・ビダル環境相は8日、「COP21の成功にはリマでの力強い決定が必要だ」と呼びかけた。日本からは望月義夫環境相が9日午後に会場入りし、議論に加わる。

 COP20の主な議題は(1)新枠組みの合意文書に含むべき要素(2)各国が提出する20年以降の自主的な目標に盛り込むべき情報(3)目標の妥当性を評価して引き上げる仕組み――の3つだ。

 議長案では、これまで「準備できる国は来年3月末」としていた目標の提出時期を「準備が遅れた国は来年5月末もしくはできる限り早期に」という案も加えた。準備が遅れそうな国に早期の提出を促した。

 日本は東京電力福島第1原発事故後、エネルギー政策が定まらず目標の議論が遅れる。政府関係者は「可能な限り早期に提出する方針は変わりがない」とする。COP20に参加する経団連の佐久間総一郎地球環境部会長は「早いほうがいいが、エネルギーミックスを踏まえて決めるべきだ」と政府に慎重な対応を求めた。

 議長案では、各国が提出した目標を評価する方法や温暖化に伴う被害を抑える適応策、先進国から途上国への資金支援などについても各国の意見を盛り込んだ。先進国と途上国の隔たりはいまだに大きく、閣僚級会合で合意に向けた議論を加速する。
 
関連キーワード
プルガル・ビダル、COP20、望月義夫、東京電力

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http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS09H38_Z01C14A2EE8000/


05. 2014年12月17日 08:16:34 : jXbiWWJBCA

死んだクジラの胃袋を満たしていたもの
ゴミ問題を解決するのは人間の良心か科学の進歩か
2014年12月17日(Wed) 川口マーン 惠美
 東京でいつも感心するのは、ゴミに関することだ。たいていの人が、ペットボトルはラベルを外して潰し、テトラパックは洗って切り開いて束ね、ちゃんときれいに早朝に出している。これはすごい。

 悪い意味で感心するのは、道端にひどい出し方をして、町の景観を損ねている人たち。出してはいけない布団やら電化製品を放置する人もいる。よくこんなことができるなあと思う。

 しかし、何と言っても一番感心するのは、そのゴミを集めている人たちで、トラックの上で、心ある人が出したゴミも、心無い人が出したゴミも、きちんと仕分けしながら回収していく。ゴミ集めも、未だに半分手仕事で、整然としている。

経済合理性で動くドイツのゴミ収集

 ドイツでは、ペットボトルや、ビールの瓶などはデポジット(預り金)が掛かっていて、戻すとその料金が返ってくるので、皆、指定されたところに持って行く。デポジットがないと、リサイクル分は相当減るだろう。

 普通ゴミは、各家庭が自治体から借り受けたゴミ用コンテナに捨てる。たいてい家の前の道にゴミ用コンテナの置き場が作ってあるので、収集の日には何もしなくてもゴミ屋さんが空にしてくれる。

 ゴミ収集車はオートメーション化されているので、ゴミ屋さんは、下に車輪のついているコンテナをゴロゴロ転がしてきて、その車のフォークリフトになっているところにカチッとはめ込み、ボタンを押せばすべて自動で進む。あとは、空になって下りてきたコンテナを外して、また、ゴロゴロと元あったところに戻しておけば良い。

 コンテナは大きさによって借り受けの値段が違うので、ゴミの削減に真面目に取り組めば経済的な見返りがある。瓶のデポジットも同じだが、経済的な見返りなしに、道徳心だけに頼ってドイツの大衆を動かすことは難しい。ちなみに普通の家庭ゴミの収集は、2週間に一度だ。日本人は甘やかされ過ぎ。

 一方、包装材(ポリ袋、プラスチック容器、缶、発泡スチロールなど、紙とガラス以外のすべての包装材)は違ったルートで集められているので、たいていの自治体では、3週間に一度、既定の袋に入れて家の前に出しておくと、収集される。

 こちらのほうは、人がゴミ袋を手作業で集めているところが、日本のゴミの収集風景とよく似ている。さらに、出してはいけない違反のゴミが置いていかれて、収集のあと袋が散らかり、しばしば道が汚くなるところも似ている。

EU諸国では不法なゴミ処理で儲ける暴力組織も

 とはいえ、日本もドイツも、ゴミはちゃんと管理されている。集められたゴミがそのまま行方不明になったり、不当投棄されたりということもない。すべてが理想的にリサイクルされているかどうかは疑問だとしても、ドイツでは、リサイクルされそこなったゴミも、少なくとも焼却炉までは辿り着いている。

 プラスチック類の焼却は、発生した熱を効果的に利用できる焼却炉で燃やせば、熱エネルギーとしての再利用ということで、リサイクルと見做されているからだ。しかも最近のプラスチックは、燃やしても有害物質があまり出ない。

 ドイツのゴミ焼却炉はハイテク施設が多く、焼却の効率がよいばかりでなく、容量が余っている。そのため、ゴミ処理にてこずっている他国のゴミの焼却までしばしば引き受けているという。ゴミが貨物列車に乗って、EU内を走っているのだ。

 EUでは、毎年約19億トンのゴミが出る。EUのゴミに関する法律は厳しいが、それが守られているかどうかは別問題。再利用に回されているものは3分の1以下で、とくに新加盟国では、家庭ゴミの90%を集積場に放置している国さえある。

 ゴミ業者としてゴミを引き取っては、海や野原に不法投棄している暴力組織も蔓延っている。特に危険ゴミの処理は大きなお金が動くので、麻薬や人身売買よりもずっと安全で、良い利益が上がるという。

 ただ、空き地や、山肌にダイナマイトで作った穴などに放置された危険ゴミは、土壌や地下水を汚し、その近辺の農作物が知らず知らずのうちに汚染されてしまう。

見えない海洋汚染を引き起こす厄介者


すでに多数のクジラがプラスチック廃棄物を飲み込む被害に遭っている [AFPBB News]
 一方、現在、警鐘が鳴らされているのがポリ袋。日本ではあまり見ないが、すごく薄い、すぐに破けそうなレジ袋だ。今年の初め、スペインの海岸に流れ着いたマッコウクジラの胃袋がこのポリ袋でいっぱいだったと報道されて以来、しばしば話題に上る。

 そういえば3年前、アルバニアに行ったとき、水路が一面、物の見事に、ペットボトルとポリ袋で覆われていたのを見てびっくりしたことがある。郊外をバスで走ると、道端にもやはり、あらゆるところにペットボトルとポリ袋が散乱し、風に吹かれて舞っていた。

 紙屑ならそのうち無くなるけれど、プラスチック製品はそう簡単には無くならない。材質が分解し、自然回帰するまでには何百年もかかるそうだ。

 もっとも、プラスチック製品が川や道端に散乱している様子を見るためには、別にアルバニアほど貧しい国に行く必要はない。たとえばスペインやイタリアでも、ゴミの管理はドイツに比べるとかなり緩い。

 たいてい分別の必要もなく、あらゆるゴミがコンテナに突っ込まれ、どこもあふれんばかりになっている。さらにひどいのは東欧。不当投棄も日常茶飯事だ。

 EUでポリ袋の消費が一番多い国は、ポーランドとポルトガルで、年間1人400枚以上。チェコが297枚、ルーマニアが252枚、ドイツは64枚だ。少ないのはフィンランドとデンマークで、年間1人たったの4枚。たいていのポリ袋は、家に持ち帰られると平均25分でゴミとなる。その量が、EU全体で年間80億枚以上とか。

 11月21日、EUがポリ袋のゴミを減らすための対策案を発表した。ポリ袋の使用を、25年までに80パーセント削減しよう意欲的な計画だ。制限の対象は厚さが50μmm以下のポリ袋で、分厚い何度も使える物はOKだそうだ。

 EUの調べによると、地中海だけでも、500トンのプラスチックゴミが浮遊している。中でもポリ袋は海の中でだんだん細切れになって漂い続け、さらに時間が経つにつれ、目に見えないほど小さな小片となり、それを魚が食べ、その魚を人間が食べる。

 この、見えない海洋汚染は、すでにかなり進んでいると言われており、魚を好んで食べる日本人にとっては戦慄を覚える事態だ。

ポリ袋使用制限の実現が難しい理由

 ただ、EUが取り組もうとしているポリ袋の使用削減計画は、口でいうほど簡単なことではない。緑の党は、去年、ポリ袋1枚につき、22セントの税金を課そうと提案した。アイルランドではこの方法により、1人あたりの年間使用が、328枚から、21枚にまで減ったそうだ。

 しかし、いくら効果的とはいえ、こういう法律があちこちで通るとは思えないし、ましてやEU全体で可能になるとも思えない。

 なお、課税ではなく、ポリ袋の使用自体を制限しようとしても、目下のところ、EUの加盟国は、EU法で認められている物を、勝手に自国で禁止することはできない決まりだ。だから、ポリ袋の制限にはEUの法律を改正しなければならないが、そのためには、加盟国の商取引に不平等が生じないという条件が満たされなければならない。

 なお、たとえそれがクリアできたとしても、今度は国際的な商法とのかかわりが出てくる。たかが薄っぺらいレジ袋一つの扱いにも、とても面倒な、あまたの法律上の調整が必要となるのである。

 しかも、EUがどうにか法改正をしたとしても、ポリ袋はEU以外の国々で、さらに景気よく使われているのだから、地球全体の環境問題の解決にはならない。魚は将来も目に見えないほどのポリ袋の細片を食べ続けるかと思うと、なんだか絶望的だ。

 すでにドイツでは、30年も前から、ちゃんと自分の布バッグや買い物かごを持って買い物をしている人が多い。そういう意味では、他国の人々が使い捨てているポリ袋を見て、やきもきしているという状況だ。

 EUがどのような法律を通すことができるのか、あるいは、できないのかはわからないが、どのみち、絵に描いた餅になる可能性は高いのではないか。

 ただ、一つグッドニュースは、現在、生分解性ポリ袋や光分解性ポリ袋の研究が進んでいること。人間の良識や良心ではなく、科学の進歩のほうに期待するほうが、確実な方法だと、私には思える。

http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/42451


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