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NatureNews記事をめぐって@ 冷静で客観的な議論がなされる契機となってほしいネイチャー誌の理研改革委批判記事
http://www.asyura2.com/13/nature5/msg/806.html
投稿者 南青山 日時 2015 年 5 月 16 日 00:18:26: ahR4ulk6JJ6HU
 

NatureNews記事をめぐって@ 冷静で客観的な議論がなされる契機となってほしいネイチャー誌の理研改革委批判記事―【再掲】理研改革委提言の支離滅裂さ 2015年5月3日
(理研STAP細胞論文調査委員会報告、改革委提言等への根本的疑問)
http://blogs.yahoo.co.jp/teabreakt2/16472184.html

★理研改革委に対する批判が、海外からとは言え、冷静に語られるようになってきた。
★NatureNews David Cyranoski記者による、理研改革委提言の違和感、問題点を多数指摘してい記事である。
★デタラメな改革委提言については、末尾の「理不尽極まりない理研改革委提言―論旨・前提のダッチロールによる支離滅裂」のリンク先記事をぜひ参照していただきたい。
★STAP細胞騒動の背後で何かとんでもないことが起きていたことがよくわかるはずだ。
★STAP細胞問題はまだ終わっていない。
★おそらく、これからその問題の本質がさまざまな形で明らかになっていくはずだ。
(南青山)


 ネイチャー誌の、理研改革委提言によるCDB解体に対する批判的記事が載り、日本のマスコミでは決して議論されないような内容として注目されています。コメント欄でもご紹介いただいている通りです。

http://www.nature.com/news/collateral-damage-how-one-misconduct-case-brought-a-biology-institute-to-its-knees-1.17427?WT.mc_id=TWT_NatureNews

 ざっと見るだけでも、海外から見た違和感、問題点を多数指摘しています(要約の多少のアバウトさはご容赦下さい。直接お読みいただければと思います)。

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・一研究不正を以て、組織の責任を問うことは通常はない。東大の研究不正も然り。
・改革委提言が、極端で恣意的であり、海外の研究者からCDB解体に反対する150通以上もの手紙が寄せられた。しかし無視され、日本学術会議も、改革委を強く支持した。
・研究資金が豊富で、学部教育の負担がない楽園的な理研に対する科学界の嫉妬。
・誰も理研をサポートしなかったことに対してショックを受け失望した理研の研究者たち。
・多くの優秀な若手研究者が犠牲になった。研究が停滞した。優秀な研究者を惹き付けられなくなる恐れ。笹井氏を失い、丹羽氏も熊大に去るなど人材も流出した。
・新しい研究不正規則により窮屈になった、との声。

・改革委は、真実をどうせ言わないからと決めつけて、当事者から話を聞こうとせずに、テレビの会見中継に拠って、憶測、推測だけで判断したと岸らは述べた。
・竹市氏や笹井氏は改革委の主張を争ったが、メディアの厳しい批判の中では受け入れざるを得ないとした文科省ら。
・中村委員は、竹市氏によるCDBの研究倫理教育は他に比較してかなり進んでいたと言い、岸、中村両氏は、『解体』という言葉は、CDBに終止符を打つというよりは、怒れるマスコミを喜ばせるための戦略的選択であった、と述べた。
・岸氏は、解体・再生して出直すことで世界的リーダシップを発揮することが期待できるというが、既に理研はそうなっている、との指摘。
・研究不正調査には通じていない科学者たちが改革委委員となったことにより、証拠集めが適切になされなかった。調査の専門家によってなされるべき、との指摘。
・6人の委員のうち、他の4人はコメント要請に無反応又は拒否した。

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●コメント欄でもご紹介しましたが、ネイチャー誌記事にも言及されている、当時のっ分子生物学会長の大隅氏は、その自らのブログ記事で、次のように、海外の日本人研究者の見方を紹介しています。
http://nosumi.exblog.jp/20892356/ 

=================================

「国外で活躍されている日本人研究者にお目にかかって、外から見てこの騒動はちょっとどうなのか、ということになり、以下のようなご意見を頂きました。(中略)

*****

大隅さん

 おっしゃられる通り、こちらには情報が不足しており、不正確な点や、的外れな点もあるかと思いますが、私の意見を聞いていただいてありがとうございます。以下、少し加筆修正しましたが、これでよければ、大隅さんのブログに掲載していただいて結構です。
 研究者も含めて、人々がひたすら理研、CDBの側を責めているのを見ると、とても異常な感を持たずにはいられません。理研も正すところは正し、今後も間違った方向に進んでいるときには、周りから意見することが必要だという点は私にも良く分かります。追試が必要かどうかは、理研と周りの科学者が、科学的根拠に基づいて冷静に議論をするべきだと思います。もし追試の必要性が明らに否定された場合、つまり、STAP 細胞を支持する実験結果が何も存在してなかったことが明らかになれば、追試を中止すべきだというのは正しいと思います。税金を使っているのだから、、、という点も分かります。
 私が憂慮していることは、第一に、不正が起きたときに責められるべきは、不正をはたらいたもの、および場合によっては、それを見逃した他の論文著者であるという第一原則が、はっきりしないようになっていることです。会社が何か不祥事を起こした場合は、会社のトップが責められますが、それと同じ論理で、マスコミ、一般市民が理研の責任を追求しているように見えます。このような構図が科学の世界で当たり前になると、今後苦労するのはほかの大学、研究所です。不正を完全に防ぐことは不可能です。将来不正が起こらないように、いろいろなシステムを改善することは必要ですが、同時に、今後起こった場合にどういう対応が求められるか、そのルールをはっきりさせておくことが必要です。大学、研究所が過剰に責められる前例を作っては今後のためになりません。また、不正の調査を徹底的に行うには、聞き取りや、データの解析等、様々な要素を総合的に考慮して判断する必要があるため、一定の時間がかかること。調査委員会の結論は重いものですので(最終的に法律問題にもなりますので)、中途半端に不正を認める発表はできないこと。従って、裁判の判決と同様、調査委員会の発表は、保守的になってしまうことが多いこと(疑いだけでは罰せられないこと)。これらのことが十分理解された上で、粛々と手続きが行われる環境が保証されていることが必要です。
 一方で、こういった点に反して、改革委員会の報告書、提言には「推測」の範囲を超えない記述が多々存在し、それに基づいて理研の批判をしているのには、とても違和感があります。
 今回の論文取り下げまでに半年しかかかっていない一因はもちろん不正があまりにもひどかったことがあると思いますが、一部の著者が抵抗する中、半年という短い時間で(他の不正のケースと比較して)、これまでに分かった誤りのリストを詳細に与えたうえで、取り下げまでこぎつけたことについて、理研に一定の評価を与えてもいいのではないかと考えます。取り下げの申請は基本的には著者によるもので理研によるものではないことがルールだと思いますが、理研の働きかけがあって取り下げをまとめることができたのだと理解しています。
 小保方さんの採用過程が通常の手続きを経ていない点が指摘されていますが、アメリカでは公開セミナーなしで、教授たちの推薦に基づいて、大学院を出たての若手にフェローなどのポジションで小さい研究室を持たせて自由に研究をする機会を与えるような制度があります。若手にチャンスを与えるということは当然危険がともなうことですが、独立のassistant professorのポジションも含めて、こういう機会が比較的たくさんあることが、アメリカでの研究者のモチベーションを高めること、ひいては科学の発展の土台を作っているのだと思います。独創的なアイデア、可能性を持っている人をいかに引きつけるかは大学にとってなによりも大事なことで、大学同士がしのぎを削っているわけです。CDBがこれまで先進的なシステムで若手にチャンスを与えてきたことは、評価こそされるべきで、結果的にたった一人の悪い研究者を生んでしまったことで、そのようなシステム自体を否定してしまうことは、今後に悪影響を与えるのではないかと思います。CDBがこれまで若手にチャンスを与えて来たことは、評価されるべきことで、結果的にこういうことが起きたことによって、そういうシステム自体が否定されるべきではないと思います。もちろん、長期間、同じ幹部で運営してきて、チェック機構がはたらかなくなってきていた点等、改めるべき点があることは大事な点です。
 常々、日本のマスコミの、政治家の言葉尻だけを捕まえて喜んでいる低レベルな姿勢に飽き飽きしていましたが、いまはそのターゲットが理研になっているようで心配です。日本の研究システムをいかに良くしていくか、それに向かってこれまで行われてきた試みの客観的な評価という、より大きな、建設的な問題を棚において、これまで少なくともいろいろな点でうまく機能していた組織の解体を、短絡的に言い出すのはとても危険に思われます。日本の科学者が、もっと大局的に、長い目で物事を考え、建設的な方向に物事が進んでいくことを望んでいます。

*****

【追加コメント】
建設的な議論が行われるためには、結局何が目指すところなのかということを見失ってはいけないと思います。

1、不正ができるだけ起こらないようにすること。
2、不正が起こったときに対応するシステム、ルールを作ること。
3、一日も早くみんながこの問題から解き放たれること。
4、若手や女性が十二分に才能を発揮できる環境を作ること。

これらの4つを頭に入れて、そのために何をするべきかを考えるべきだと思います。
いま人々がやっていることは、こちらから見ると「ボトムアップ」の間違い探しではないでしょうか。
もちろん、1あるいは2を大儀にやっているのだと思いますが、
行き過ぎると本当に大切なものを見失ってしまうのではないでしょうか。

*****

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 全く正論だと思いますし、今回のネイチャー誌の記事とほぼ同趣旨のご意見だろうと思います。こういう手紙をもらいながら、そしてそれをブログで引用してもいいと言われて紹介しながら、大隅氏自身は、どうこれを受け止めたのでしょうか? 何もコメントしないまま、紹介していますが、自分や自分の学会のことを言われているとは思い至らなかったのでしょうか・・・?

 こうやって、改革委に対する批判が、海外からとは言え、冷静に語られるようになってきたことは、歓迎すべきことでしょう。
 このブログでは、改革委とその提言に対しては、早期の段階から個別具体的にその主張根拠の牽強付会さ、提言内容の支離滅裂さを指摘してきました。
 小保方、笹井氏らと理研に対するバッシングが荒れ狂っている当時は、こういう問題指摘も冷静には受け止められなかったと思いますし、こちらも笹井氏の逝去直後ということもあり、相当頭に血が上りながら書いていたため、筆が走っていた面はあったかもしれません。しかし、今読み直してみて、内容自体に特段修正すべきところはなく、ネイチャー誌の記事内容を具体的に裏付けるものになっていると思いますので、改めてご一読いただきたく、再掲させていただく次第です。既にお読みいただいている方には、ご放念いただければと思います。

●理不尽極まりない理研改革委提言―論旨・前提のダッチロールによる支離滅裂

○1 理不尽極まりない理研改革委提言は破棄されるべきである―支離滅裂な非科学的内容
http://blogs.yahoo.co.jp/teabreakt2/15750644.html
○2 理不尽極まりない理研改革委提言は破棄されるべ...
http://blogs.yahoo.co.jp/teabreakt2/15750676.html
○【補足】提言の「再現実験」に関する提言趣旨と、委員の会見時の発言との大幅な乖離について
http://blogs.yahoo.co.jp/teabreakt2/15755589.html
○3-1 理不尽極まりない理研改革委提言は破棄されべきである―CDBの「構造的欠陥」の論拠の空疎さ、理不尽さ
http://blogs.yahoo.co.jp/teabreakt2/15780600.html
○3−2 理不尽極まりない理研改革委提言は破棄され...
http://blogs.yahoo.co.jp/teabreakt2/15780611.html
○再論・理不尽極まりない理研改革委報告書と学術会議声明.
http://blogs.yahoo.co.jp/teabreakt2/15852123.html
○デュープロセスの重要性を知らない日本の科学界−S...
http://blogs.yahoo.co.jp/teabreakt2/15937518.html  

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