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「笹井芳樹/ノーベル賞級の研究者」(EJ第4039号) Electronic Journal
http://www.asyura2.com/13/nature5/msg/818.html
投稿者 赤かぶ 日時 2015 年 5 月 23 日 17:50:05: igsppGRN/E9PQ
 

「笹井芳樹/ノーベル賞級の研究者」(EJ第4039号)
http://electronic-journal.seesaa.net/article/419319171.html
2015年05月22日 Electronic Journal


 36歳の若さで京都大学再生医科学研究所教授に就任した笹井
芳樹氏は、その輝かしい研究成果によって、文科省や科学技術振
興機構などの国がからむ大型プロジェクトに参加するようになり
その名声をさらに高めていったのです。
 それに笹井氏は、日本の大学における研究環境に疑問を持って
いて、若い研究者が実力を発揮できる研究環境を何とか確立した
いと考えていたのです。
 日本の大学では、若手研究者は雑用が多かったり、研究成果を
嫉妬されたり、自分の研究室を持つことが困難だったりといろい
ろ問題があります。そういうわけで、理化学研究所からのCDB
(理研発生・再生科学総合研究センター)設立には早くから関心
を示し、その設立メンバーに加わっていたのです。CDBができ
ると若手研究者に大学とは比べ物にならない快適な研究環境を与
えられると考えたからです。
 2000年にCDBができると、笹井氏は、京都大学の再生医
科学研究所教授と兼務で、CDB細胞分化・器官発生研究グルー
プ・グループディレクターを務めるようになったのです。このと
きから笹井氏は、京都大学とは少しずつ距離を置くようになり、
2003年にCDBの専任になったのです。
 京都大学もそういう笹井氏の動きを察知していて、ひそかに笹
井氏の後任の教授を探していたのです。その結果、目を付けたの
が山中伸弥氏だったのです。そのとき、山中氏は奈良先端科学大
学院大学にいたのです。
 そして2004年10月、京都大学は42歳になった山中伸弥
氏を笹井氏の後任の再生医科学研究所教授として迎えたのです。
iPS細胞が発見される2年前のことです。それがノーベル賞受
賞に結びついたのですから、京都大学は先見の明があったという
べきでしょう。
 しかし、京都大学の研究環境は最悪で、笹井氏がイヤになって
飛び出すだけのことはあったのです。これについて、黒木登志夫
教授は次のように書いています。
─────────────────────────────
 京都大学で与えられた研究環境は、奈良先端大と比べると余り
にひどかった。ぼろぼろの建物の古い部屋、机はなく、エアコン
は故障していた。奈良から一緒に来てくれた学生や技術員とiP
S細胞に向かって新たな研究のスタートが切られた。それから6
年経った2010年、山中の研究グループはiPS細胞のために
作られた「iPS細胞研究所」(CiRA)に移ることになる。
そして、今、京大CiRAは、スタッフ300人を超える研究所
になり、建物もさらに二棟増築されようとしている。
                     ──黒木登志夫著
 『iPS細胞/不可能を可能にした細胞』/中公新書2314
─────────────────────────────
 CDBの笹井芳樹氏は、ES細胞による研究を加速させている
のです。2005年には眼科医の高橋政代氏と組んで、ES細胞
による網膜の分化誘導に成功し、2006年にはES細胞から視
床下部前駆細胞を分化誘導させることにも成功し、2008年に
その論文を「セル」誌に発表しています。
 さらに、2011年にはマウスのES細胞から網膜全体を作る
ことに成功したことを「ネイチャー」誌に発表しています。ES
細胞から網膜を立体的に作ったのは世界初の試みであり、「この
分野を一変させた」として、高く評価されています。これら一連
の研究により、笹井氏は次の各賞を受賞しています。
─────────────────────────────
    文部科学大臣賞 ・・・・ 2009年 4月
    大阪科学賞   ・・・・ 2010年10月
    井上学術賞   ・・・・ 2012年 2月
    塚原仲晃記念賞 ・・・・ 2012年 9月
    山崎貞一賞   ・・・・2012年第12回
    武田医学賞   ・・・・・  2012年度
─────────────────────────────
 このように笹井芳樹氏のES細胞を中心とする研究は、大きな
成果を上げていたのです。それは、竹市雅俊CDBセンター長を
して、「笹井さんなしでは今のセンターはなかった」といわしめ
るほどであったのです。また、CDBのあるポートアイランドの
関連企業からも、「神戸全体の発展や産学連携を見据えるまれな
存在だった」と高い評価を受けていたのです。この時点では、笹
井氏がCDBセンター長に就くのは時間の問題だったのです。
 そして、2012年12月、安倍総裁率いる自民党が、民主党
から政権を奪い返すことになる総選挙直前のある日、笹井芳樹氏
は、小保方晴子氏のCDBユニットリーダー採用面接に立ち会う
ことになるのです。2人が会うのはこれが最初であるといわれて
います。そして、竹市センター長から小保方氏の論文の指導を依
頼されるのです。
 しかし、2012年12月といえば、山中伸弥教授のノーベル
賞受賞の興奮が冷めやらぬさなかです。笹井氏としては、同年齢
の山中氏に先を越されたという思いはあったと思います。そのた
め、その時点では海のものとも、山のものともつかぬ小保方氏の
論文に笹井氏が過度の期待を抱いたとしても、それは不思議なこ
とではなかったといえます。
 2012年末までは、山中伸弥教授にノーベル賞で先を越され
たとはいえ、発生・再生科学分野での研究者としての実績では笹
井芳樹氏の方が山中氏を上回っていたし、国からの予算も十分獲
得できていたのです。
 しかし、iPS細胞がノーベル賞を受賞すると、国からの予算
もiPS細胞に大きくシフトし、笹井氏の研究する分野には予算
が思うように獲得できなくなっていったのです。ちょうどその時
期が2013年度であり、笹井氏としては何とか再生医療の分野
において、iPS細胞を超える何かを求めるようになっていった
のです。         ── [STAP細胞事件/012]


≪画像および関連情報≫
 ●「理研が落ちた『わな』」/再生医療の覇権争い
  ───────────────────────────
  寺田寅彦、湯川秀樹、朝永振一郎・・・。日本を代表する科
  学者が在籍した理研は日本唯一の自然科学の総合研究所だ。
  全国に8主要拠点を持ち職員約3400人。2013年度の
  当初予算844億円は人口20万人程度の都市の財政規模に
  匹敵、その90%以上が税金で賄われている。予算の3分の
  2を占めるのが、理研の裁量で比較的自由に使える「運営費
  交付金」。STAP細胞の研究拠点である神戸市の理研発生
  ・再生科学総合研究センター(CDB)には年間30億円が
  配分される。研究不正の疑いがもたれている小保方晴子・研
  究ユニットリーダーは5年契約で、給与とは別に総額1億円
  の研究予算が与えられている。英科学誌「ネイチャー」に掲
  載されたSTAP細胞論文の共著者、笹井芳樹CDB副セン
  ター長は、疑惑が大きく報じられる前の毎日新聞のインタビ
  ューで「日本の独自性を示すには、才能を見抜く目利きと、
  若手が勝負できる自由度の高い研究環境が必要」と語り、こ
  の10年で半減されたものの運営費交付金がSTAP細胞研
  究に「役立った」としている。理研関係者によると、小保方
  さんに「自由度の高い」研究室を持たせ、大がかりな成果発
  表を主導したのは笹井さんだった。
                   http://bit.ly/1cMmVsZ
  ───────────────────────────



 

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