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STAP論文とは何だったのかA「STAP論文について(その7〜その11)」(STAP問題考)
http://www.asyura2.com/13/nature5/msg/896.html
投稿者 南青山 日時 2015 年 7 月 29 日 14:46:12: ahR4ulk6JJ6HU
 

STAP論文とは何だったのかA「STAP論文について(その7〜その11)」(STAP問題考)
http://azalea3230.hatenablog.com/archive/2014/6

★紹介するのは、昨年の6月に書かれた「STAP問題考」ブログのarticle論文およびletter論文を詳しく検討した記事の続き。
★興味深い視点がいくつも提供されていて、当時の動きなども紹介されており、いま見ても参考になるところが多い。
★なお(その○)で番号が飛んでいるのは原文ママ。
(南青山)


2014-06-17

STAP論文について(その7)
http://azalea3230.hatenablog.com/entries/2014/06/17

STAP現象検証実施説明会(2014年4月7日)で、丹羽さん(多能性幹細胞研究プロジェクト プロジェクトリーダー)が、1989年以来25年間多機能細胞の研究をしてきた専門家として、「ES細胞/TS細胞混入説は真である確率は低い」、「混入説で片付ける、そんな簡単なものでは無い」、とその根拠を説明しているので以下に纏めます。「」内は丹羽さんの説明、「()」内は私が挿入。

まず、自家蛍光との切り分け云々との質問に対して、次の丹羽さんの説明は重要な点の一つと思います。
「STAP論文では、Oct4-gfp reporter 発現(発現すると紫外線で緑色発光)は多能性獲得識別の一つの指標として用いているのであって、(恒常的に紫外線で発光する細胞を使って)細胞の形態のみでSTAP細胞を識別し、それを胚盤胞注入しキメラマウスが得られたことを持って多能性獲得を主張している」と論文の論旨を説明しています。

article 論文該当箇所:
We next performed a blastocyst injection assay with STAP cells that were generated from CD45+ cells of neonatal mice constitutively expressing GFP (this C57BL/6 line with cag-gfp transgenes is referred to hereafter as B6GFP).

letter 論文該当箇所:
Chimaeric mouse with STAP cells derived from CD45+ cells of B6GFP × 129/Sv mice (B6GFP, C57BL/6 line with cag-gfp transgene).
[注] キメラマウス実験に於いて、(小保方さんが)細胞の形態(大きさや形)のみでSTAP細胞と識別した細胞塊を、(若山氏が)その特徴ある形態のSTAP細胞を顕微鏡下で見ながら胚盤胞へ注入した、と言う点に要注意。

次に、
「「(STAP細胞は)極めて均一な細胞集団であって、それをナイフで切って胚盤胞注入した」と、若山さんから聞いている。
嘗て、ES細胞とTS細胞を混ぜて培養したことがある。均一に密着し且つ均質に混ざり合った細胞塊をこの両者で作ることは、少なくとも私(丹羽さん)の経験からは極めて困難である。ES細胞同士TS細胞同士の接着が進み、接着が完了した時点でES細胞TS細胞は分離してしまう。増殖因子の要求性が異なり、それぞれの分化性を維持したまま培養を続けるのはかなり困難ではないかと思う。」
と、述べています。細胞の形態(大きさや形)のみでSTAP細胞を識別し、それを胚盤胞注入しキメラマウスが得られた、と言う点も合わせると、「ES細胞/TS細胞混入説は真である確率は低い」と言う丹羽さんの説明は納得出来ます。

更に、
「若山さんの手でなされた厳密な解析に於いて、(STAP細胞の胚盤胞注入実験に於いて)胎児と胎盤への寄与があった。」
と言う点です。

スライド
http://www3.riken.jp/stap/j/b9document1.pdf
にて、「胎児と胎盤に寄与する幹細胞に関して、

ES細胞に含まれる亜集団(全体の約2%)を、蛍光遺伝子マーカーを導入して識別して回収し、これらを胚盤胞に注入すると胎児と胎盤に寄与する(Macfarlan et al, Nature, 2012)。--- 遺伝子マーカーの導入なしには回収できず、分離した亜集団は安定に培養できない。

特殊な環境で誘導したiPS細胞を胚盤胞に注入すると胎児と胎盤に寄与する(Abad et al, Nature, 2013)。

の2件のみ報告があるが、丹羽さん自身詳しい情報は知らない」と述べています。

そして、「(キメラ実験による胎児と胎盤両者への寄与は)既存の知見では説明出来ない」としています。


2014-06-19

STAP論文について(その9)
http://azalea3230.hatenablog.com/entries/2014/06/19

若山氏は記者会見(2014年6月16日)で「(ES細胞だと)うまく現象を説明できる」と述べたらしい。
STAP論文について(その7)で説明したように、「若山さんの手でなされた(STAP細胞の胚盤胞注入実験の)厳密な解析に於いて、胎児と胎盤への寄与があった。」、又
「「(STAP細胞は)極めて均一な細胞集団であって、それをナイフで切って胚盤胞注入した」と若山さんから聞いている」、と丹羽さんはSTAP現象検証実施説明会で述べています。

若山氏がラストオーサーとなっている letter論文で、STAP細胞が胎児と胎盤へ寄与すると言うES細胞には無い性質を持っていると言っているではないか。
そして、そのSTAP細胞は、細胞の形態(大きさや形等)のみでSTAP細胞を識別したものだ[注1]。若山氏は顕微鏡下でそれを観察しながら[注2]、それを胚盤胞へ注入しキメラマウスを作ったのだ。

ES細胞とTS細胞を混ぜたら極めて均一な細胞集団などにはなりませんよ、と丹羽さんは言っている。

若山氏は、今になって、自分が胚盤胞に注入した細胞の特徴なんぞ観察していなかったと言うのであろうか。

[注1] article論文の "Chimaeric mouse generation and analyses"の項を参照方

For experiments using STAP cells from CD45+ cells without the Oct4-gfp reporter, STAP cell clusters were identified by their characteristic cluster morphology (they are made of very small cells with no strong compaction in the aggregate).

[注2] STAP論文について(その3)に示した若山氏説明付のキメラ実験画像も再度参照方。
山梨大学のここにあります。
http://www.yamanashi.ac.jp/modules/information/index.php?page=article&storyid=755
http://goo.gl/aLBljG

追記(2014-11-24) 山梨大学の上記URLはリンクが切れています。貴重なデータであると思いますので下記に fair-use と認識出来る範囲で保存データをポストします。

http://bandw77.web.fc2.com/wakayama.html


2014-06-22

STAP論文について(その11)
http://azalea3230.hatenablog.com/entries/2014/06/22

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「根拠のない批判は怖い」河野義行さん --- 松本サリン事件20年 ---
中日新聞 2014年6月19日 朝刊
(松本サリン事件:1994年6月27日から)翌年3月、東京で地下鉄サリン事件が起き、真犯人としてオウム真理教が浮上するまで警察、マスコミから容疑者扱いされ続けた。看病(奥さん)と闘病(河野さん)に加え、見知らぬ人の誹謗(ひぼう)中傷に耐える日々が続いた。「世間という漠然として訳のわからないものが、歴然たる力を持っている」と思い知らされた。

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STAP細胞「事件」に関しても、「世間」は第一次資料に基づいて判断してはいないでしょう。世間は大小のメディア情報(多くは情報操作と思えるようなリーク情報)の中で、大勢に流されているだけのように見えます。

研究者コミュニティに於いてすら、第一次資料に接して自分で判断してはいないのでは、とさえ思えてしまいます。
同業も畑違も老若男女総出して小保方さんバッシングに参加していると言う、異様な光景がどうして生じているのでしょうか。

STAP現象、STAP細胞に関して私が目を通した資料のURLを参考に示します。

(動画)「STAP細胞」検証計画について理化学研究所が会見(1/3)
https://www.youtube.com/watch?v=hYLzHG87yU4
http://goo.gl/zV9qq1
(動画)「STAP細胞」検証計画について理化学研究所が会見(2/3)
https://www.youtube.com/watch?v=kJyXSJ03-og
http://goo.gl/k2dwST
(動画)「STAP細胞」検証計画について理化学研究所が会見(3/3)
https://www.youtube.com/watch?v=83LKlS8h8vI
http://goo.gl/PDKNSR

2014年4月16日
STAP現象の検証実施計画説明資料
http://www3.riken.jp/stap/j/b9document1.pdf
http://goo.gl/dH4DSG

(動画)STAP細胞論文の共著者・笹井芳樹氏がが会見
http://www.youtube.com/watch?v=xu-XUie-Hbc
http://goo.gl/UeIxPG

2014年4月16日
STAP細胞論文に関する笹井芳樹副センター長の会見時の資料
http://www3.riken.jp/stap/j/s3document1.pdf
http://goo.gl/G3GvpW

[注記1] 丹羽さん、笹井さんの会見での質問セッションは、不勉強、不真面目(そして、不真面目な質問にニヤニヤしている女性ジャーナリスト?など)で凡そ無意味な質問が殆どですが、内心辟易しながら(と想像されます)も回答説明している中に、科学的事実として重要な事項や、専門家としての大事な見解を開陳している場合があるので、ずやむを得ず全編視聴しました(笹井さんの会見はIWJ のアーカイブで視聴しました)。

若山氏説明付のキメラ実験画像
http://www.yamanashi.ac.jp/modules/information/index.php?page=article&storyid=755
http://goo.gl/aLBljG

article論文
Stimulus-triggered fate conversion of somatic cells into pluripotency
http://www.nature.com/nature/journal/v505/n7485/full/nature12968.html#videos
http://goo.gl/1qWoBq

Extended Data:
Video 1-4
Extended Data Figure 1-9
Supplementary Information

letter論文
Bidirectional developmental potential in reprogrammed cells with acquired pluripotency
http://www.nature.com/nature/journal/v505/n7485/full/nature12969.html
http://goo.gl/3qh9PS

Extended Data:
Extended Data Figure 1-6
Supplementary Information

NCBIに登録された塩基配列の SRA accession number: SRP038104
Comments
Caroline McLean said:
Comment posted on behalf of the authors: "The multiple BioSample accession numbers associated with the RNA-seq and ChIP-seq data that were reported in the published Letter have now been replaced by a single SRA accession number: SRP038104."

[注記2] SRP038104 は SRAファイル42個、計115.8GB です。後で、出来れば、トランスクリプトーム解析なるものを試みようかと思い、ダウンロードしました。
 

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コメント
 
1. 2015年7月30日 14:30:34 : efYYgyF3F6
>「「(STAP細胞は)極めて均一な細胞集団であって、それをナイフで切って胚盤胞注入した」と、若山さんから聞いている。
> 嘗て、ES細胞とTS細胞を混ぜて培養したことがある。均一に密着し且つ均質に混ざり合った細胞塊をこの両者で作ることは、少なくとも私(丹羽さん)の経験からは極めて困難である。ES細胞同士TS細胞同士の接着が進み、接着が完了した時点でES細胞TS細胞は分離してしまう。増殖因子の要求性が異なり、それぞれの分化性を維持したまま培養を続けるのはかなり困難ではないかと思う。」
> と、述べています。細胞の形態(大きさや形)のみでSTAP細胞を識別し、それを胚盤胞注入しキメラマウスが得られた、と言う点も合わせると、「ES細胞/TS細胞混入説は真である確率は低い」と言う丹羽さんの説明は納得出来ます。

「「ES細胞、TS細胞の混ざり物では細胞接着が上手くいかず、1つの細胞塊にならない」と書かれていますが、現在、若山氏が注入した細胞について本当にSTAP細胞(仮)であったの疑義が取りざたされています。
「混ざり物」ではなく、「ES細胞のみ、TS細胞のみ」であれば、細胞接着には問題なく、互いに馴染み合って塊になるのではないかと推測します。http://nosumi.exblog.jp/20586616/


>「若山さんの手でなされた厳密な解析に於いて、(STAP細胞の胚盤胞注入実験に於いて)胎児と胎盤への寄与があった。」
>と言う点です。

‥‥先生ご自身としては、間違いなく胎盤は光っていたのでしょうか?
若山「今回のキメラ実験で、胎盤もよく光ってました。これが、本当に胎盤が光っているかどうかは、コントロールを使って確認しなければいけないよ、ということを小保方さんに話しています。
そのコントロールとして受精卵ES細胞をつくって、その受精卵ES細胞でキメラをつくって、その受精卵ES細胞のキメラの胎盤がすごく光っていれば、STAP細胞のキメラの胎盤が光っていても、それは珍しいことでも何でもないことになりますので、ES細胞の胎盤をつくって、それを小保方さんに渡しています」
‥‥そのESからつくった胎盤は光っていなかったのですか?
若山「いいえ、結構光ります。それは、赤ちゃんが光るわけですけれども、赤ちゃんの血が胎盤に入りますから、胎盤の中の赤ちゃんの血の量が多ければ、胎盤はよく光ります」
‥‥ESからつくった胎盤も結構光っていたし、STAPでつくったキメラの胎盤も結構光った。それの比較は若山先生はしたのでしょうか?
若山「薄く切って切片をつくって切片の中の血管以外のところでもGFPが光るということを見ないと胎盤が光ったとはいえませんと、小保方さんに言って、小保方さんの方が、それをつくって、胎盤の細胞の血管以外のところも光っています、という報告を受けました」
‥‥その写真は見ましたか?
若山「写真は見ていません」   http://www.asyura2.com/13/nature5/msg/768.html


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