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名張毒ブドウ酒再審、異議申し立て棄却 名古屋高裁
http://www.asahi.com/articles/ASH165241H16OIPE019.html
2015年1月9日10時18分 朝日新聞
三重県名張市で１９６１年、女性５人が亡くなった「名張毒ブドウ酒事件」で、名古屋高裁刑事２部（木口信之裁判長）は９日、第８次再審請求を棄却された奥西勝死刑囚（８８）が申し立てた異議について、棄却する決定をした。
奥西死刑囚の弁護団は２０１３年１１月、名古屋高裁に８回目の再審を請求。再審開始に必要な「新証拠」として、第７次請求の特別抗告審で最高裁に出した毒物に関する大学教授らの意見書を改めて提出した。最高裁の棄却決定では検討された形跡がないと主張し、「証拠の新規性は失われていない」と訴えた。
しかし、高裁刑事１部は１４年５月、意見書は最高裁で実質的に取り調べられていると判断。「同一の理由で再審請求はできない」とする刑事訴訟法の規定に抵触すると結論づけ、訴えを退けた。このため、奥西死刑囚はこの決定を不服として異議を申し立てていた。
事件は１９６１年３月に発生。名張市の公民館で開かれた地域の懇親会で、ブドウ酒を飲んだ女性５人が死亡した。三重県警は、妻と愛人との三角関係を清算するため、奥西死刑囚がブドウ酒に農薬を入れて殺害したとして逮捕。奥西死刑囚は容疑を否認し、津地裁は６４年、無罪としたが、名古屋高裁は６９年、死刑判決を言い渡した。最高裁は７２年に上告を棄却し、死刑が確定した。
その後、奥西死刑囚は再審請求を繰り返し、１２年６月、体調を崩して八王子医療刑務所に移送されている。
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