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パフォーマンスのてんこ盛り  田中良紹の「国会探検」 
http://www.asyura2.com/13/senkyo143/msg/288.html
投稿者 赤かぶ 日時 2013 年 1 月 29 日 15:05:00: igsppGRN/E9PQ
 

http://www.the-journal.jp/contents/kokkai/2013/01/post_334.html#more
2013年1月29日 田中良紹の「国会探検」


 このひと月余りの安倍政権は、打ち上げ花火を次々に仕掛けてメディアを巻き込み、パフォーマンスに全力を挙げてきた。高い支持率でスタートを切らないと先行きに不安があるからである。


 総理自身が「ロケットスタート」を頻繁に口にするのは、小泉政権の発足当初の高い支持率を意識している。それが長期政権をもたらしたと考えるからである。確かに小泉政権の発足時の支持率は80%を超えた。「自民党をぶっ壊す」と叫んで政権交代並みの変革を訴えたのが功を奏したのである。

 その数字には同じく自民党政治を痛烈批判した田中真紀子氏への支持も含まれていたかもしれない。小泉総理が田中外務大臣を更迭すると支持率は一挙に40%以下に急落した。しかしその後の北朝鮮訪問で拉致被害者の一部を連れ戻すと再び回復し、それからの支持率は60%前後で推移した。

 安倍政権が打ち上げ花火の中心に据えたのは「経済再生」である。リーマンショック以来の世界的な不況の中で消費増税を強行し、財政健全化を図ろうとした野田政権に対し、最も「変革」をアピールできる課題だからである。そこで財務省・日銀が主導してきた野田政権の金融財政政策を一変させた。日銀にさらなる金融緩和を要求し、財政出動によって公共事業を増大させる事にした。

 そのための方策である金融政策、財政政策、成長戦略を「3本の矢」になぞらえ、それぞれの会合を連日にわたり報道させて国民の意識に「仕事ぶり」を植え付け、会議のパフォーマンスだけで国民に期待感を抱かせるようにした。メディアを利用して国民の目をくらませたかつての小泉政権とよく似ている。

 しかしいくら会議を開いても、日本経済が安倍政権の思惑通りになるかと言えば、それは全くの未知数である。特に成長戦略の具体論は全く見えず、国民はどうなるか分からない事に期待を抱かされ、小泉時代にあれほど批判されたメディアは再び同じ役割を演じさせられている。

 ただ景気の「気」は気持ちの「気」であるから、このパフォーマンスが景気回復に寄与する事もある。それを見込んで安倍政権は一生懸命メディアを利用したパフォーマンスを繰り広げているのかもしれない。アメリカや欧州の経済が持ち直してきたことから円安・株高が進行していることも安倍政権にとっては幸運だった。しかしこれは何の実態も伴わない一過性の現象であるかもしれないのである。

 前にも書いたが小泉政権は景気を回復させ株価を上昇させた。しかしその裏側では格差社会が拡大した。大企業や大企業を抱えた都市部は潤ったが、中小企業や地方は痛みに悲鳴を上げた。その潤った大企業もグローバル競争の中では、競争に打ち勝つために内部留保をどんどん増やし、儲けを賃金の上昇や雇用の増加に向けることはなかった。しかも雇用されたとしても規制緩和によって劣悪な条件が待ち受け、今では非正常な雇用が巷にあふれているのである。

 日本経済が直面している大問題はデフレからの脱却ではない。それよりも経済を活性化させるための中間層の創出や、労働力人口が減少していく少子高齢化社会に備える方策を考える事で、それこそが日本に本当の「強い経済」を創り出す。安倍政権は経済の現象面に目を奪われ、国家の歴史的課題に目を向けていない。

 冷戦に勝利して自らの資本主義を過信するようになったアメリカは、それを「正義」と信じ、自らと同じルールを世界に波及させる作業に乗り出した。それがグローバリズムである。移民の流入により賃金が上昇しないメカニズムを持つアメリカは、「春闘」で定期的に賃金を引き上げる日本とはまるで仕組みが違う。

 彼らは賃金を上昇させなくとも物価が下がれば良いと考える。商品は最も安い国から輸入する。冷戦時代には世界市場に参入する機会のなかった途上国をアメリカは市場に引き入れ、低賃金国で作られた商品が世界に出回るようになった。それとの競争がデフレ経済をもたらす。

 その一方でアメリカの金融資本は規制緩和を追求した挙句に破たんした。それが欧州に飛び火すると世界の金融資本は欧州の国々の財政破綻を投機の対象にする。それが欧州の信用不安を招いた。貯蓄もなく実体経済の脆弱な国はファンドマネーによって破たんさせられる。そのマネーが今やフランスと日本を破たんさせる事で利益を上げようとしていると言われる。

 そうした状況下で火元のアメリカでは、オバマ大統領が格差社会を否定し中間層の創出に意欲を示す二期目の就任演説を行った。アメリカ型競争社会とは異なる「価値観」のアメリカを創り出そうとする意欲が感じられ、冷戦後を模索するアメリカの歴史が動きつつあると私は思った。

 それに比べるとデフレからの脱却を掲げる「アベノミクス」は参議院選挙まで期待感を持続させるためのただのパフォーマンスに見える。「3本の矢」の成果を国民が実感するのは参議院選挙の後になり、それがまた国民に悲鳴を上げさせることになってもその後の3年間は選挙の洗礼を受けずに済むからである。

 それが日本の歴史にどう作用するかなど考えていないようで、パフォーマンスのてんこ盛りにはうんざりさせられる。もっともパフォーマンスに全力を挙げるのは自分のやろうとしている事に自信が持てないからなのかもしれない。


 

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コメント
 
01. 日高見連邦共和国 2013年1月29日 16:25:10 : ZtjAE5Qu8buIw : Ihir5pcR5A

『ロケットスタート』ってフレーズには久しぶりに大笑いさせて頂いた。

“自画自賛”が過ぎると、後で言い訳のしようが無くなりますすぜ?

いやいや、安倍さんには“心から期待”しています。

是非、ご自身の宣言通り、“北朝鮮拉致問題”の解決を果たして下さい!!

『WEEKLY NET MAGAZIN 【週間0510】』より
http://polestar.0510.main.jp/
=============================================
<政治>
 
◆「本部は会議、会議で日が暮れる?」…――全閣僚をメンバーにした「拉致問題対策本部」を設置したシンゾウ首相が、「拉致問題は在任中に解決したい!!」高らかに宣言!?(ここまでラッパを吹いたからには、風呂敷はしっかり包めよ!!)
=============================================


02. 2013年1月29日 17:43:02 : rrhrFN6JLd
100年安心の年金も。どこにいったか行方不明の年金ちゃんと探せよ。

03. 2013年1月29日 19:06:19 : cWIBtbognM
あべしは、年金を3月(とっくに過ぎたけど)全員解決すると
演説してたけど何も解決してませんよ

04. 2013年1月29日 19:40:04 : zPSBJrNZlA
小泉、石原、橋下、猪瀬、そのまんま東、中田宏、江田憲司、前原、枝野、野田、
こいつらの共通点、口先だけ、品性卑しい、頭が悪い。
支持するやつはアホばっかし。公明支持者と目くそはなくその違いくらい。

05. 2013年1月29日 19:52:23 : sgvk8Wr9Qo
知り合いに聞いた話。
テレビでは景気が良くなって来ているようなことをいうけど、花屋さんが次々と店舗縮小しているらしい。
不要不急のものは、まず最初に切っていくのが庶民の生活だから当然だ。
生活が苦しくなり、結婚できない息子達と老親が同居生活を始めたというのも聞いた。生きていくのがやっとの人が身の回りに増えてきている。
足元が崩れて落ちていくような不安感がある。

06. 2013年1月29日 20:26:16 : a1iNOS3XDA
アホ国民の覚醒が先でないか。

07. ぽわろ 2013年1月29日 23:29:48 : Mc/4OCqpbH4ew : ubicKj3bdM
高野センセイの「ざ・じゃーなる」はもうすっかり廃墟で、
この田中の駄文しか載らないね。
二見も平野も逃げちゃったし。

でも「ご見識、敬服しますた!」っておべんちゃらコメントも載らなくなったんで
面白さ半減だけど。

まあしかし、高野孟も酷いね。
今じゃ南総でロハス生活ですよ。


08. 日高見連邦共和国 2013年1月30日 08:32:37 : ZtjAE5Qu8buIw : C7Wqvb1wZA

>07 『ぽわろ』

どこがどう“酷い”のか、説明も解釈も出来ない哀れな“反小沢コメンター”

とこれでさ、アンタ誰(何処)を支持してんの?


09. crites 2013年1月30日 17:47:17 : Lb4g7GWIhFnZM : BlM88rLvnA
> 日本経済が直面している大問題はデフレからの脱却ではない。それよりも経済を活性化させるための中間層の創出や、労働力人口が減少していく少子高齢化社会に備える方策を考える事で、それこそが日本に本当の「強い経済」を創り出す。

そもそも民主党が政権を取った時は、これを課題にしていたのではないのか。民主党は駄目だったが、課題自体がなくなったわけではあるまい。


>>2 同感。

肝心なことはほったらかしで、アメリカ製の憲法をアメリカの都合に合わせて改正するなど、狂気の沙汰のニセ右翼である。


10. 2013年1月31日 00:22:54 : etWPnaDYnw
>そうした状況下で火元のアメリカでは、オバマ大統領が格差社会を否定し中間層の創出に意欲を示す二期目の就任演説を行った。アメリカ型競争社会とは異なる「価値観」のアメリカを創り出そうとする意欲が感じられ、冷戦後を模索するアメリカの歴史が動きつつあると私は思った。

愚かとしか言いようが無い。
アベノミクスはオバマの政策のパクリなのに。
金融緩和と財政出動はリーマン・ショック後にアメリカが取った政策そのもの。
だから米民主党支持者でニューケインジアンの代表的学者としても超有名なクルーグマンもアベノミクスを評価したのだ。
どうやらこの人にはまだ安倍が小泉路線の新自由主義者というイメージのようだが、愚かというかなんというか。
安倍は左派の経済政策を行おうとしているのにいまだにそれに気づかない人が多すぎる。
リフレ政策により円高デフレが解消し失業率が下がり完全雇用が達成されたら、こういう安倍=新自由主義者と思い込んでる人たちはどう反応するのであろうか。
ぜひ見てみたいものである。


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